ホロライブに務めるウルトラマン、ホロメンに嫌われる。   作:ブラジャー

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アイドルに嫌われて、怪獣にも好かれてないっぽい。

 

 

 

 

よし、それじゃあ一回だけ説明しよう。

……あ、ホントに一回だけな?

俺の名前は尾上ケンジ。

普段はアイドル事務所で働いてる、スーパースターの俺様。

そして今まで6年間、現在はこの世にたった一人のウルトラマンだ。

 

後は知ってるだろ、会社に勤めながら戦って、飯を食って寝る。

んでもって出勤して、戦って、飯を食って酒を飲んで寝る。

それからそれから、仕事して、仕事して、仕事して、仕事して!!!

 

毎日毎日仕事仕事仕事仕事仕事!!

街を救って!人を救って!猫を救って!怪獣をぶっ倒して!救いすぎるほど皆を救ったのに!

 

世間はちっとも俺の凄さを分かってくれない。

 

勿論、俺のウルトラマンじゃない方の仕事場でも最悪だよ。

例を挙げるとしよう………いや、例じゃなくて最近あった事にする。

 

 

「白上さんおはよ「ごめんなさい」……」

 

「あっ、天音さんおは「フン!」ぐおぇ!?」

 

「………宝鐘さ「あくたーん!!」……無視かよ!」 

 

 

と、こんな感じで。

ここ数年で分かったことだけど、どうやら、俺の業務は評価されないことみたいだ。

何で嫌われたのかは、大体検討が付くかな。

初期の頃の、彼女らにズカズカ踏み込んだのと、無愛想な職務態度が原因。

正直、無茶苦茶ムカつく。

いつその体に光線をブチ込んでやろうかいつも考えてるよ。

 

でも、それは心の中でジッとさせていなきゃいけない。

もしホロメン達に手を出したりすれば、俺の炭酸飲料を買うお金は無くなっちまうからな。

アンチとかとおんなじ、心の中に潜めるかブロックすればいい話。

……毎日会うからブロックも無視も出来ないけどね。

 

まぁ、何も全員から嫌われてるわけじゃないんだ。

ウルトラマンとしての俺も、人間としての俺にも一部のファンは、小数派だけどいるから。

 

はぁ……今日も仕事だ仕事。

呼ばれたから、ちょっと行って直ぐに片付けてくるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゴギャァァァ!!!!』

 

『おわぁぁぁぁぁぁ!?!?!?』

 

 

星空が煌めくネオンの街、そこでは2体の巨大生物が争っていた。

人型の巨人が、鼻先に1本の角を携えた怪獣に、首を絞められビルへと叩きつけられる。

まるで粘土細工の様にビルは崩壊してしまい、衝撃の余波で辺りの建物にまで影響を及ぼす。

赤とシルバーの2色で構成された巨体を持つ巨人は、自身の首を絞める怪獣の腕を掴み、苦痛の声を挙げる。

 

 

『グゥゥゥ……ミナ!どうすりゃいい!?』

 

『ネロンガを直ちに排除してください、街の被害を最小限に。』

 

 

巨人はミナと呼ばれる物に、打開策の提示をするが、返ってきたのは早くその怪獣を討伐しろと言う、返信になってないものだった。

 

 

『はぁ!?ふざけんなよミナ!打開策をGoogleで調べてくれって!』

 

『もっと頑張って』

 

『これ以上!頑張れって!これが限界だよ!?』

 

 

建物に装飾されたキャラクターの銅像で、巨人は顔面を殴打される。

サポートしてくれる筈のミナと口喧嘩を初めてしまった。

ネロンガと呼ばれる怪獣は、巨人の体を力いっぱい投げ飛ばす。

巨人は叫び声を上げながら投げ飛ばされ、巨体を地面に叩きつけられた。

 

 

『クッソ……いい気になるな!』

 

 

車を巻き込んで壊してしまった為、破片が刺さり痛みが走る腰を押さえながら起き上がり、調子に乗っている?ネロンガへ走り出す。

ネロンガはそれを受け止めるように、身を構えていた。

そして、両者はゼロ距離の取っ組み合いを始めた。

 

 

『迷惑かけんな!さっさと回れ右してお家に『グゥゥゥゴォォ!!』ウグッ!?』

 

 

巨人はネロンガに巣へ帰る様に訴えかけるが、怪獣がそんな聞き分けいい筈がなく、鼻先から飛び出た角からの放電により、巨人は再び吹き飛ばされてしまった。

ビリビリと、青い稲妻が体中を駆け巡り、巨人に痺れを与える。

 

 

『いててっ……分かったよ、優しくするのは辞めだ!本気出せってんだな……!』

 

 

体中に痺れが残っているが、既に動けない事はない。

ネロンガを睨みつけながら巨人は立ち上がり、両手に光を纏って走り出す。

 

 

『ウゥゥッ………ラァァ!!!』

 

『ゴギャァ!?』

 

 

そして、距離僅か30mと言った所で巨人は宙へ飛び上がり、ネロンガの頬を殴り飛ばした。

ネロンガはあまりのパンチ力に堪らず、体が宙に舞い、ビルを薙ぎ倒しながらぶっ飛ぶ。

 

 

『イェーイ!最高だろ!今の無茶苦茶凄くなかった!?』

 

 

その場に居た市民へ、巨人は身を屈めて自身の凄さをアピールを始め、ハイタッチを求める。

 

 

「すげぇ……」

 

「デカすぎでしょ……こわw」

 

『あれれ…反応薄くない?予想と違うな…』

 

 

しかし、巨人の予想していた反応ではなく、誰もハイタッチしてくれる事は無く、巨人は1人虚しく手を空へ掲げた。

そして再び立ち上がり、ネロンガが飛んでいった方向を見据える。

するとそこには、既に体制を立て直してこちらへ走ってくるネロンガがいた。

巨人は腕を十字に組み───

 

 

「ウルトラマン!仕事しなさいよ!」

 

『今やってるとこでしょうが!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

 

「今日も残業……ぁあコーラ飲みたい」

 

「コーラじゃ無いですけど、レッドブルならありますよ!」

 

 

女上司と二人きりで残業、学生の頃にメッシよりも憧れてたシチューエーションの筈なのに、全く興奮出来ないのは何でなんだろうな。

胸が慎ましいから?仕事が大変だから?………両方選ばせてもらうよ。

 

 

「俺に翼を授けないで下さい、俺は資料に向かって羽ばたくのは趣味じゃ無い……」

 

「文句言わないで。あと少しだから、ほらファイト」

 

 

この人は友人A。

皆からはAちゃんって、ゲームに出てくるモブみたいな言い方されてる。

でも、そんな謂れと違って、ホロメンに負けないぐらいキャラ濃い人だよ。

そして俺を邪険に扱わない、小数の一人でもある。

優しい人だけど、残業に物申さない頭が可笑しい人なんだよね。

 

 

「家のアイドル今は全員居ないでしょ、何で残業……」

 

「はいはい」

 

 

残業嫌だぁ……

 

 

「A−ちゃん、今ちょっと……」

 

「あっ、フブキさん。大丈夫です「また今度」……尾上くん、大丈夫?」

 

 

 

 

 

 

「慣れっこですよ……」

 

 

 




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