ヒロアカ世界でLBXをアーマーとして造って戦える五条勝に憑依転生してもうた、誰か助けて 作:ジューク
ヒーロー科1年A組の今日のヒーロー基礎学は
「皆!先生が来る前に整列してバスに乗っておくんだ!」
「いや乗ってねーのお前だけだよ」
ウィンウィンとロボットのようにカクカクした手つきで指示を出すメガネの生徒…A組委員長の飯田だったが、彼以外の全員が既に乗車していたことに気づかず、見事に空回っていた。
そんなコントを繰り広げていると、彼らの待ち人が後ろに誰かを連れてこちらにやって来た。
「お前ら何してる」
「相澤先生!と…君はたしか、サポート科の?」
「五条勝です。身体測定の時以来ですね」
「五条君か。ぼ…俺は飯田天哉だ。よろしく」
「こちらこそ、飯田君。それと、砕けた口調でいいですよ。役作りですか?」
「あ…いや、単純にお坊ちゃんとか、そういうのを言われたくないだけだ。気にしないでくれ。それよりも、なぜ君が相澤先生と?」
手をブンブンと振りながら質問した飯田に答えたのはめんどくさそうに頭を掻いた相澤だった。
「俺が呼んだんだよ。救助訓練だからな。救難者役がいれば、多少は臨場感も出る」
「なるほど…さすが雄英!そういうことなら、早速バスに乗ってくれたまえ!」
「ええ。あと言い忘れてましたが…」
「雄英のバスは基本
「意味なかったなー」
自分が指示した整列が意味を成さなかったことに対し、飯田は拳を膝に叩きつけながら悔しがっていた。
「…五条くん、だよね?」
「そうですが」
おずおずと五条に声をかけたのは、緑色の天然パーマが特徴の男子生徒…緑谷だ。
「あ、僕は緑谷出久。君の"個性"って、何なのかな?前は銃を出してたけど、八百万さんみたいに物を生成するタイプの"個性"?」
「ふ~む……当たらずとも遠からず、ですかね。私の"個性"は『顕現』。顕微鏡の顕に現れる、と書いて顕現です。物を私自身の手で50%まで作ると、残りの50%が勝手に完成する能力。そして、作ったものを異空間に保存し、任意のタイミング・座標で呼び出す能力の二つを兼ね備えたものです。まぁ、お世辞にもヒーローというよりはアイテム作成に向いてる"個性"なので、サポート科に入ったというわけです」
「へ~、凄いなぁ…でも、50%って具体的にわかるの?」
「いいえ、どころか、物によって大きく異なります。完成形を100%とすると、重要なパーツほど完成度の比重が高いのですよ。更に、それが現行のテクノロジーでの再現が困難なパーツなどであれば、他のパーツで完成度を稼がないといけませんし、不便な部分も多いですね」
「あれ?勝くん、LBXの説明ってしないの?」
緑谷の質問に五条が答えているとそこに葉隠が割って入ってきた。生徒のほとんどが、葉隠から出てきた単語に首を捻る中、質問をしたのは大きな瞳孔に長い髪型が目立つ女子生徒…蛙水である。
「透ちゃん。そのLBXって何なのかしら。略称ということしかわからないわ」
「えっと、LBXは………ごめん勝くん、何の略だったっけ?」
ズコッと一部の男子生徒がずっこける中、五条は全く表情を変えずに回答する。
「『Lasting Battler eXperience』…………略してLBX。『どんな人間でもヒーローになれる』をコンセプトにした、戦闘用アーマーです。こんな風にね。
五条がそう呟いた瞬間、頭のヘッドギアから展開された円柱状のエリアにアーマーが展開され、ガチャガチャと装着される。そして、瞬く間に五条はライオンをあしらった頭部に、頑丈そうな重装甲、右腕に極太のノコギリのようなヘビィソード「破岩刃」を担いだ重戦士…「ハカイオー」となっていた。
「ロボアニメか特撮みてェ!」*1
予想外の五条の変身に、女性陣は葉隠と桃色の髪に黒い目の少女…芦戸以外は目を見開いて驚くに留まっていたが、男子生徒の殆どと前述の女子二人は目を輝かせていた。男性陣で大して反応しなかったのは、相澤と紅白の髪色の生徒…轟だけで、爆豪は自分より目立つ
「ちなみにこの『ハカイオー』は、対増強系ヴィランを想定した鈍足高火力の機体ながら、後部のブースターで機動力を補う設計になっています。後は胸部からエネルギー砲を発射できますが、撃った後はアーマーの機動エネルギーの再充填のために数秒間動けなくなるのがネックなのですよ………ところで葉隠さん」
「ん?どうしたの勝くん」
饒舌な説明をしていた五条は、ふと葉隠の方を向いた。葉隠は、自分の方を指しながら首を傾げている。
「…まさかとは思いますが、コスチュームは手袋とブーツのみですか?」
「え?そうだけど」
「………はぁ~~~………
何を当然のことを、といった態度の葉隠に、五条はひっじょ~~に長い溜め息を吐きながらアーマーを解除する。
「葉隠さん。最近のコスチューム会社の中には、毛髪などの細胞の一部を提供すれば"個性"に適応したコスチュームを作成してくれる会社もあると以前教えた筈ですよ」
「………………あっ」
普段のヤクギメスマイルではなく、珍しくムッとした表情の五条の言葉に思い当たる節があったのか、葉隠はばつが悪そうな声を出した。
「異形型、特に昆虫や甲殻類などの"個性"の中には、本来人間が視認できない光の周波をキャッチして視れるものもあります。もしそういった敵の前に今の葉隠さんが出てきたら、どうなりますか?」
「………痴女?」
「………今回の訓練が終わったら、コスチューム変更の申請をしておいてくださいね」
「はい………」
『(………なんか気まずい)』
まるで娘を諌める父親のような光景だが、内容が内容だったため、一行は目的地に着くまで無言で座っていた。
そうして一行が到着した場所は…
「USJかよ!!?」
渦潮が発生し、流氷が勢いよく流れるスライダーがあるプールや、土の山に埋もれた建物、火災が発生している都市など、おおよそ平和とは程遠い光景が幾つかのエリアになっている、巨大なドームの内部だった。
「水難事故・土砂災害・火事
「これ訴訟とかは大丈夫なんですか?」
主に著作権の方向から怒られそうな名前を堂々と口にしたのは、宇宙服のような服装で全身を覆う宇宙人のような人物…スペースヒーロー『13号』だ。
「13号。オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが」
「先輩それが…通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで…
「(お二人は先程から何を…?)」
そのままボソボソと何やら話している二人に目を向けていた五条だったが、話を終えた13号がこちらを向いて説明を開始したのでので意識を切り替える。自分がサポート科で、これがヒーロー科の授業とはいえ、話は聞かねばならない。
曰く、"個性"は出力や性質によっては簡単に人の命を奪えてしまう。
曰く、現在の社会は"個性"の使用を資格制にして厳しく取り締まることで一見保たれているようだが、実際は一歩違えば容易に人が死ぬ社会でもある。
曰く、相澤のテストやオールマイトの対人戦とは心機一転、人命救助にどうやって"個性"を用いるかを学んで欲しい。
「以上!ご静聴ありがとうございました」
「………ん?」
お辞儀する13号からふと広場の方へ目を剃らした五条は、明らかに自然発生の産物とは思えない小さな黒い靄を視認した。
「……まさか!?
途端に額に汗を浮かべた五条は、瞬時に二足歩行の狼のようなアーマー…「ハンター」を装着。同時に呼び出した大型のライフル…「ハンターライフル」の弾倉を別の物と手早く交換し、銃口を靄へ向けて構え、躊躇無く引き金を引いた。
「五条お前何を……一かたまりになって動くな!13号!!生徒を守れ!」
いきなり"個性"を使って発砲した五条に相澤は驚くが、同様に黒い靄を視認し、似合わないほどの大声で後ろの生徒たちに指示を出した。
プロヒーローである相澤が臨戦態勢に入る異常事態。則ちそれは…
「痛ってて…いきなり発砲かよ。流石はプロ…容赦無いなァ………しかも大本命のオールマイトはいないなんて………」*2
なぜ…?
まぁ評価オレンジは想定内だけど。何せ完全に昔のノリだし。