クーデター:警視庁公安部自衛隊監視班   作:松コンテンツ製作委員会

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第15話『セキュリティポリスインテリジェンス』

 畠山正晴内閣総理大臣臨時代理を救出した桜祐警部補、大河内和夫巡査部長をピックアップするべく警視庁ヘリコプターが防衛省への接近を試みる。

 地上から陸上自衛隊A27号部隊に銃撃され、ヘリコプターは接近を躊躇う。

「接近不可! 接近不可!」

 大河内三等陸佐は部下の別班員に目線で合図し、銃を構えながら大河内を筆頭に静かに階段を駆け降りる。それは洗練された特殊部隊の動きそのものだった。

 防衛省エントランスの太い柱の前に一旦身を隠し、一呼吸置く。

 そして。

「食らえ!!」

 一斉に柱から躍り出て、警視庁ヘリコプターに銃撃している不逞の輩に銃撃をお見舞いしてやる。

 全員倒した。

 警視庁ヘリコプターは着陸態勢に入るが、航空自衛隊A 27号部隊のパトリオットミサイルが警視庁ヘリコプターを狙う。

 だが。

『東京湾より、トマホーク巡航ミサイル飛翔中!』

 曽根崎統合作戦司令官は狼狽する。

「誰が撃った!?」

 パトリオットミサイルにトマホークが命中、爆散した。

 ……東京湾に姿を現したのは、在日米軍に制圧されたはずの海上自衛隊イージス艦こんごうであった。

「システムジャックは無力化されたな」

 艦長東郷晃司は部下に尋ねる。

「はい艦長、千代田警部補のハッキング技術のおかげです」

 サイバー分野に秀でた千代田春警部補が、海上自衛隊イージス艦へのシステムジャックを無力化したのだ。

 東郷一佐はマイクを握った。

『在日米軍に通告する。本艦は現在A27号とは別の意思に従って行動している。A27号各拠点をトマホーク巡航ミサイルで攻撃する用意がある。すみやかに停戦せよ』

 これを好機と捉え、仁科完治警視総監は警視庁国葬最高警備本部にて命じる──

『よし、海上自衛隊こんごうがA27号を牽制している隙に、畠山正晴首相代理を正式に内閣総理大臣とする! 皆気を緩めるな!』

 その頃、国会では畠山正晴が内閣総理大臣指名選挙にて選ばれていた。

 

     *    *

 

 首相官邸地下内閣危機管理センターでは、留守を預かる須田義仁内閣官房長官が焦っていた。

「警視庁のSATを出して米泉統一郎を狙撃させよう」

 小野田公現警察庁長官は動じない。

「須田長官は米泉総理と懇意だったのではないですか」

 須田は汗をダラダラとかく。

 閣僚が須田の姿を遠巻きに見る。

「要は口封じでしょう須田さん、ここにあなたの味方はいませんよ」

 小野田長官の背後から、警察庁警備局長稲田大成警視監が制服警察官を伴って姿を現す。

「官房長官、あなたの電話、メール等を解析しました。あなたはA27号の協力者ではない……」

「……」

「首謀者のひとりだ!」

「!」

「内閣官房長官須田義仁、外患誘致罪、内乱罪の容疑で逮捕する!」

 制服警察官が須田官房長官の手首を捻り上げ、手錠をかける。

「馬鹿な! 私は現職閣僚だぞ! 不逮捕特権が!」

「現行犯の場合は違う!」

 

       *     *

 

 畠山正晴新内閣総理大臣を乗せた警視庁ヘリコプターを見送った桜祐。

 防衛省に続々と車が乗り付ける。

 前内閣総理大臣米泉統一郎。駐日米国公使ランシング、元国務副長官アーミテーラ、そしてCIAのエージェント、工作員たち。

「おのれ公安警察め、たっぷりと礼をしてやる!」

「うちの可愛い祐君に何かご用ですか?」

 そこに現れたのは、

 乃木康信室長、君塚信一警部、千代田春警部補、大河内和夫巡査部長であった! これで特捜専対のメンバーが揃い踏みだ!

「我々は特捜専対セキュリティポリスインテリジェンスだ! 覚悟しろ! A27号」

 防衛省前で特捜専対とA27号が睨み合う。

「おのれ!」

 アーミテーラ元国務副長官がわなわなと手を握る。

「私はいくつもの国を滅ぼしてきた。こんな極東の島国で、やられはしない!」

「けっ! そいつはどうかな!」

 大河内が一蹴した。

「みんな、行くぞ!」

「了解!」

 特捜専対が銃を構え走り出す。CIAエージェントも応戦する。

 格闘戦を演じながら、

「陰謀のために、国を滅ぼす奴らなんかに!」と祐。

「私たちは絶対負けない!」と春。

「俺たちが守りたいものがなんなのか!」と君塚。

「お前らにはわからないだろう!」と乃木。

「守りたいのはこの国の全ての幸せ!」と大河内。

「それが公安の使命なんだ!」と桜。

 米泉統一郎前内閣総理大臣の目の前で、CIAエージェントたちが次々と倒れていく。

「こんな奴らに、CIAのエージェントが!」

 君塚と乃木が制圧し、アーミテーラの巨体が道路に倒れる。

「アーミテーラ、逮捕する!」

 大河内が拳銃を額に突きつけ、駐日米国公使ランシングが震え上がる。

「ランシング、逮捕する!」

「貸せ!」

 米泉はCIAエージェントから銃を奪った。

 米泉は震える手で発砲するが、即座に桜祐の発砲によって銃が弾かれる。

「ぐっ!」

「前内閣総理大臣米泉統一郎! 外患誘致罪、内乱罪の容疑で逮捕する!」

 格好良く決めたはいいものの、ここで桜祐は手錠を防衛省に置き忘れたことを思い出した。

「君塚警部、奴に手錠をお願いします」

 米泉にのしかかりながら若き桜祐警部補は言うが、

「何を言ってる。君が手錠をかけるんだ」

 君塚警部も皆も桜祐に花を持たせてやるつもりでいた。

 千代田が桜に手錠を渡す。

「17時23分、逮捕する!」

 新宿の街頭のテレビモニターにニュースが映る。

『速報です。皇居宮殿では、畠山内閣総理大臣が正式に天皇陛下から任命を受けました!』  

 A27号による日本国の行政権の奪取は、畠山大臣と公安警察、特捜専対、別班の働きにより失敗した、

 これで畠山正晴、特捜専対は官軍となった。

 君塚信一はタバコをふかした。

「やっと、終わったな」

 桜祐と千代田春が寄り添い、手を絡ませ、恋人繋ぎとなる。

 夕陽が市ヶ谷の街をオレンジに染め上げ、この街の平和を我々が守ったことを実感させた。

 

 

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