梔子ユメの偽者が小鳥遊ホシノにハチャメチャに愛されてバチクソ絆される話【完結】 作:異常性愛者
すごい数のお気に入り登録が集まってきている
初二次創作で初赤バーは嬉しいですね
それはそれとして今回は偽ユメがまだ『梔子ユメ』の肉体に宿る前のお話
偽ユメ×ホシノ要素ゼロの超絶ダークな番外編なので悲劇を読むと体調を崩しやすい方は閲覧に注意を
キヴォトス ブラックマーケット
ブラックマーケットは、キヴォトスのどの自治区にも必ず一つはあるとされている。
違法な兵器、違法な薬物、違法な身分証、違法なアレなど、ここで商いをする以上、違法なものを目にしない日は無い。
(つったって、アタシはわざわざヤクに手を出したりはしないけどな)
とはいえ、直接違法な商いに関わりはせずマーケットのある区域の少し手前で屯っている不良もいる。
個人では大きな武力を持たない生徒でも、数を揃え、ブラックマーケットという後ろ盾を実質得れば、警察に追われ補導されたりしにくくなるものである。
たとえそれがマーケットの近くにいるだけでも。
肝心の
「……ふぁ、眠い。寝よ……」
誰も住んでいない廃墟同然の借家だったものに寝泊まりする彼女もまた、生徒としてドロップアウトしつつもマーケットの闇にも染まりきらない半端者であった。
ブラックマーケット 路地裏
「……ん、今何時────え?」
少女は目を覚ます。そこは路地裏。少女は衣服として着用していた、元々通っていた学校の制服を脱がされ、裸になっていた。
「えっ、えっ……なんで? なんでこんな……」
「気が付いたかい」
背後から声がかかる。振り返るとそこには中年の男がいた。彼も裸だった。
「えっ、何アンタ、アタシに何かした? なんでアタシとアンタが裸なの? もしかしてこれ……」
「お~察しが良いねえ。そうさ、キミはさっきまで私とセックスをしていたんだ」
頭が真っ白になる。セックス? セックスって……あのセックス? こんなおっさんと? アタシが?
一瞬で駆け巡る思考はあらゆる最悪を想像し、そしてそれは現実だと告げられる。
「しかし本当に記憶が無いんだね、これなら大丈夫そうだ。オイ! もう一度この娘に取り憑いてくれ!」
しかも意味不明なことまで言い始める。記憶がないとはどういうことだ。自分はさっきまで寝ていたはずなのに……まさか夢遊病とかそういうのだろうか。寝ながらここまでやって来た? いやまさか。
「オイ! どうした!? 早く取り憑いてくれないと困るだろうが!! ……ああ、そういえば気絶してないといけないんだったか。それじゃあ……」
ひっ、と悲鳴になりかけた声がすべて出る前に、首筋から全身にかけて痺れるような感覚が走り、そのまま意識を失う。
最後に彼女が見たのは、スタンガンを持ってニヤニヤと笑う醜悪な男の汚ならしい顔であった────
キヴォトスの行方不明者の数は年々増加傾向にある。
補導を経験したことのある生徒や、薬物所持や暴行罪で少年院に入れられた生徒の数も増え続けている。
そしてその生徒達の一部は、決まってこう言う。
『記憶がない』『知らない間にやっていた』と。
しかし実際に彼女らは────あるいは彼女らの『身体』は────罪を犯しているため、ヴァルキューレは彼女らを裁く。証拠だってあるのだから。
しかし彼女らも実際に記憶がなく、いつの間にか人を殴っていただとか、いつの間にか薬物に依存していたわけで、彼らは本当に何も知らない。
自らの認識と他者の認識の相違に苦しみながら、彼女らは無念の内に裁かれる。
ヴァルキューレは知る由もない。彼女らが本当に何か悪いものに『取り憑かれて』いたことを。