魔法科高校の劣等生 ガッチャードクロス   作:ユウジン

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邂逅

「うぉおおおおおお!」

「スパイクル!」

 

ジャコジャコと宝太郎は、ビークルケミーレベルナンバー1・スパイクルを漕いで皆が向かった先に滑走。

 

一漕ぎで100m走るスパイクルを、スチームホッパーの脚力で漕げば、並の車以上の速度は出る。

 

「見えた!」

 

遠くに見えてきた車だが、既に突入作戦が始まっているらしい。車が門を突き破ったあとだ。

 

「ん?」

 

すると門のところに、逃げてきた奴を捕まえるために待機していたレオとエリカがいた。

 

「あれ?確かアンタこの間マルガムが暴れた時に来た、確か名前は……ガッチョンコ!」

「ガッチャードだよ!」

 

思わず全力でツッコミ、

 

「他の皆は?」

「あ?もうとっくに入っていたけど」

「そうか。ありがとなレオ。エリカ」

 

宝太郎はそう言い、建物内に入っていく。だが、

 

「何でアイツ、アタシ達の名前知ってたの?」

「さぁ?」

 

ものすごく怪しまれることになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて宝太郎は建物内を駆け回り、突入した面々を探す中、

 

「フン!」

「うわ!」

 

横から突然突き飛ばされ、部屋の中に転がる。

 

「待っていたぞガッチャード」

「お前はショッピングモールの時の!」

「そうか。名乗ってなかったな。私は冥黒の三姉妹が一人。クロトー。さぁ、ドライバーとお前の命をよこせ!」

「ゴリー……」

 

クロトーはケミーカードを取り出し、それを自身に挿入して融合。そのままマルガムになった。

 

「うぉおおおおおお!」

「くっ!」

 

パワフルな一撃を放つが、宝太郎はそれを転がって避ける。

 

《ガッチャージガン!》

 

そのまま銃を取り出して発砲。だがクロトーはそれを強引に耐えながら突っ込んできた。

 

「なんて馬鹿力だ」

 

スチームホッパーの機動力で避けているが、一撃一撃の威力が桁違いだ。

 

「どうすれば……」

 

宝太郎がそう呟いた時、

 

「っ!」

 

壁を突き破り、転がってきた影に宝太郎は驚き、そちらを見ると、

 

「あ!さっき見た紫星人!」

「誰が紫星人だ」

 

宝太郎は気づいていないが、ヴァルバラドこと達也は立ち上がるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時間を巻き戻し、達也達が突入した直後。

 

「かなり入り組んでいるな」

「二手に分かれましょう」

 

十文字は達也の提案に頷く。

 

達也は深雪と。そして十文字は出発直前に突然やってきた桐原とだ。彼は先日達也に取り押さえられた男で、壬生とは知り合いだったらしく、今回の一件では相当腹に据えかねていたらしく、半ば強引についてきた。

 

まぁそれは構わないので、別々に移動開始。

 

奥に進むと、

 

「待っていたよ。司波達也君」

「む?」

 

広場になっている所に、男が一人立っていた。

 

「エガリテの首領。司一だな」

「素晴らしい。既にそこまで調べていたとは」

 

眼鏡を掛けた男。司ーは不敵な笑みを浮かべる。

 

「さて、一応聞いておくが、無駄な抵抗は辞めて投降しろ」

 

達也の勧告。しかし司ーは、

 

「投降か。全く分かってないようだな」

 

大仰な動きから、司ーは眼鏡を外し上空へ投げる。

 

「司波達也よ!我が軍門に降るがいい!」

 

司ーの目が怪しく光り、達也はその目を見る。だが、

 

邪眼(イービルアイ)か」

「は?」

 

達也は何も無かった様に立っている。

 

「特定の光パターンによって相手を催眠状態にする魔術。大方そんなところだろうと踏んでいたよ。現代で眼鏡をつけるなんて言うのは、オシャレか目に何かしらの力があるやつ、もしくは仕込んでいるやつだけだ。眼鏡で視線誘導をして邪眼(イービルアイ)をぶつける。手品師にでもなったほうが良いんじゃないか?」

「く、くそ!お前たち!やれ!」

 

看破された司ーは別室に待機させていた部下たちに指示を飛ばすが、反応はない。

 

「無駄だと思いますわよ」

「ラケシス!?」

 

すると扉が開かれ、中からラケシスが出てくると、扉から中が見え、そこには凍りついた部下がいた。

 

「私も凍りつくかと思いましたけど」

「フレイローズ」

 

と歩きながらいい、そして、

 

「フン!」

「ガハッ!」

 

司ーを壁に叩きつけ、動けなくする。

 

「ラケシス……ですって?」

「ら、ラケシス様」

 

絞り出した声に、ラケシスは舌打ちしてから開放し、

 

「さっさと行きなさい」

「は、はい!」

 

司ーはラケシスの指示で行ってしまう。

 

「逃がすか!マッドウィール!」

「ウィール!」

 

達也の呼びかけに応え、マッドウィールが窓から飛び込んでくると、カードになりながらヴァルバラッシャーを落とし、それをキャッチ。

 

《ガキン!》

 

ヴァルバラッシャーを展開し、マッドウィールのカードを装填。

 

《マッドウィール!》

 

そして戻し構える。

 

《ゴキン!》

「鉄鋼!」

《ヴァルバラッシュ!チューンアップ!マッドウィール!》

 

ラケシスもケミーカードを取り込んでマルガムになり、ヴァルバラドになった達也に襲い掛かった。

 

「お兄様!司ーは私が!」

「待て深雪!」

 

その間に走り出した深雪に、達也は呼びかけるがそのまま行ってしまい、

 

「余所見をする余裕があるのかしら?」

「っ!」

 

その隙に渾身の一撃を受け、吹き飛ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時間を戻すと、宝太郎の所に、向こう側から別のマルガムが出てくる

 

「ラケシス。まだ遊んでるのか」

「クロトー。そっちこそ何をやってるの?」

 

二体のマルガムを前に、宝太郎と達也は背中を合わせて立つ。

 

「一応味方、でいいんだよな?」

「そっちこそ」

 

宝太郎の問いに、達也が答えると、

 

「アッパレー!」

「ん?」

 

達也のホルダーからアッパレブシドーが飛び出し、

 

「スケボーズ!」

「あ!」

 

宝太郎のホルダーからスケボーズが出てきて、二人で何か語っている。

 

「もしかして、二人がガッチャするのか!」

「アッパレー!」

「スケボーズ!」

 

二人は宝太郎に答えるように叫び、手に収まった。

 

「あ、ごめん。これ借りていいかな?」

「別にそのまま持ってって構わないそれは相性が悪いからな」

「じゃあなんだったら良いの?」

 

ビークルケミーだが。と達也が言うと、

 

「じゃあコイツを使いなよ」

 

と、宝太郎が渡したのは、ショベルカー型のケミー。ガッツショベルだ。

 

「ガーッツ!」

「いいのか?」

「交換って事で。ガッツショベルはめちゃくちゃ凄いパワーで頼りになるやつだからさ!よろしくね!」

 

宝太郎はそう言いながら、ベルトにカードを装填。

 

《スケボーズ!アッパレブシドー!》

「変身!」

《ガッチャーンコ!アッパレスケボー!》

「おぉおおお!ガッチャ!なんか侍っぽくなった!」

「まぁアッパレブシドーを使ってるんだからな」

 

達也はそう言いながら、ヴァルバラッシャーにガッツショベルを装填。

 

《ガキン!ガッツショベル!ゴキン!ヴァルバラッシュ!》

 

それと同時に、右手にショベルがついたような形態に変わった。

 

《チューンアップ!ガッツショベル!》

 

しかしそれを見たクロトーは、

 

「まぁいい。まとめて倒してケミーを回収する!」

「そうですわね」

 

と言って、飛び掛かってくる。ラケシスもそれに合わせてくるが、

 

『はぁ!』

 

宝太郎と達也は入れ替わり、宝太郎はラケシスを蹴り飛ばし、達也はクロトーを殴り飛ばす。

 

「くっ!」

 

怯んで下がったクロトーに、ヴァルバラッシャーで斬って殴る。

 

「悪いがゆっくりしている暇はない。一気にいくぞ!」

 

達也はショベルでクロトーを掬い上げ、そのまま壁に叩きつけ、蹴りを叩き込む。

 

「がはっ!」

 

クロトーは息を吐き、立ち上がろうとするが、目の前に達也は立ち、ヴァルバラッシャーのレバーを操作。

 

《スクラップ!ヴァルバラブレイク!》

 

掲げたヴァルバラッシャーを振り下ろし、とどめを刺した。

 

その合間に宝太郎はラケシスをスピードで翻弄し、ラッシュを叩き込むが、

 

「随分と軽い攻撃ですわね」

「うっ」

 

宝太郎も自覚していたが、確かにこの形態は、機動力は高く、空も飛ぶラケシスに肉薄出来るのだが、それでもパワーが圧倒的に足りなかった。

 

だがガッチャージガンではあの飛び回るラケシスを狙うのは難しいだろう。

 

(一気に必殺技で決めるか?)

 

と考えた時、スマホが鳴った。

 

「はいもしもし」

「戦いの最中に電話とは余裕ですわね!」

 

飛び掛かってきたラケシスを避けながら、電話に改めて出ると、

 

【お疲れ様です。黒沢です】

「あ、お疲れ様です。すいません今立て込んでて」

 

再びラケシスの攻撃を避けながら言うと、

 

【はい。ですので雫お嬢様から現在戦闘の可能性があると連絡を受け、先日のガッチャージガンに続く新たなサポート武器をドローンにてお届け中です】

 

というと同時に、天井を突き破り、降ってきたのは両刃の剣だ。

 

【ガッチャートルネード。剣と弓が一体になった近距離及び中距離用の武器です。ケミーカードを装填することでケミーの力を使った攻撃も可能となっており、機動力特化の形態では特に頼りになるかと】

「ありがとう!」

 

宝太郎はスマホを切りつつ、ガッチャートルネードを拾い構える。

 

「よーし!一気にいくぞ!」

 

宝太郎は気合を入れてラケシスに飛びかかる。

 

「くっ!」

 

一気に間合いを詰めて斬りかかり、ラケシスは避けるが、そのまま弓のように弦を引いて撃つ。

 

「っ!」

 

だがそれも避けられる。だが宝太郎は冷静に避けて崩れた所に再び飛びかかり、羽根を切り裂いた。

 

「あぁああああ!」

 

痛みで悶えながら落ちるラケシスを踏み台にして再び飛び上がり、アッパレブシドーのケミーカードをベルトから抜き取って、ガッチャートルネードに装填。

 

《ケミーセット!》

 

そして持ち手のトリガーを引き、必殺技を発動。

 

《トルネードスラッシュ!》

「はぁああああ!」

 

そのままガッチャートルネードを構え、宝太郎は渾身の斬撃を放つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ」

 

爆発と同時に距離を取った宝太郎がカードを構えると、ケミーがそれに封印される。

 

「ガッチャ!」

「ふむ」

 

達也の方もケミーを封印し、カードをみたが、

 

「おい」

「ん?」

 

カードを宝太郎に投げ、

 

「そのカードは相性が悪いからお前にやる」

「あ、ありがとう。えぇとお前は」

「俺はヴァルバラド。すまないが急いでいるから先に行く」

 

と言い残し、行ってしまう。

 

「お、俺はガッチャード!何処かでまたあったら宜しくな!」

 

と背中に言葉は投げたものの、聞こえていたかは謎だ。

 

「ううん。謎だ。ってあれ?」

 

爆心地を見たものの、クロトーもラケシスもいない。

 

「逃げられた……か?」

 

恐らくあの二人がいなければ、マルガムは出ないだろう。すると再びスマホが鳴り、

 

「もしもし雫?」

【もしもし。そっちは大丈夫?】

 

恐らくこっそり電話しているのだろう。ボソボソ喋る雫に宝太郎は、

 

「いい感じ。ケミー2体もガッチャしちゃった」

【そっかおめでとう。さっき十文字先輩から七草先輩に連絡があって、主犯が捕まったらしいの】

「そっか良かった。じゃあ早めにこっち脱出する」

【急いでね。先輩達が宝太郎が戻ってこないからお腹そんなに痛いのかって心配してる】

「あー。了解。急いでいくよ」

 

宝太郎はそう言って通話を切ると、

 

「なんて言って誤魔化すかなぁ」

 

天井を見上げながら、そんな事を呟くのだった。

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