魔法科高校の劣等生 ガッチャードクロス   作:ユウジン

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終わりよければ

「壬生先輩も無事退院かぁ」

 

エガリテとの戦いから一ヶ月。様々な検査や調査が終わった壬生は解放され、今日退院である。

 

なので皆で花束を買って、出迎えに来たのだが、

 

「大丈夫か?壬生」

「ありがとう桐原君」

 

なんと壬生と桐原は付き合い始めたらしい。何でも入院中献身的な桐原の支えもあり、そういう関係になったとか。

 

「やはり無償の愛って凄いなぁ」

「それは受け手も聡いから成り立つんだけどね」

「何かトゲありません?雫さん」

 

別に、と宝太郎から視線を逸らす雫。そしてそれを見て、確かに頷くほのか。なんだというのだ。

 

「それにしても宝太郎。今日は腹大丈夫なのか?」

「え?あ、あー。大丈夫大丈夫!」

 

レオの言葉に、宝太郎は首を縦にブンブン振る。

 

先日の戦いで、一時間以上トイレに籠もっていた事になっている宝太郎は、帰るなり真由美と摩利から心配されたのだが、

 

「み、皆が心配で胃が痛くなっちゃって」

 

と、嘘を嘘で塗り固めた結果、その話が一緒にいた美月から皆に行き渡り、

 

「しかし意外と気が小さいのね宝太郎くんも」

 

とエリカに言われる始末。

 

密かに血の涙を流しつつ、宝太郎は笑う日々を送っていた。

 

だがそれを少し後ろでみていた深雪は、ふと先日達也から言われた言葉を思い出す。

 

「今日の戦いでショッピングモールで会ったガッチャードと会った」

 

その言葉に驚きつつ、更にその後の言葉に深雪は唖然とすることになる。

 

「正体は恐らく宝太郎だ」

 

達也の目は、常人とは違うものも読み取れる。

 

「細胞レベルでケミーと融合し、同化していた。ケミー2体との完全調和融合。あんなのは見たことがない」

 

ドライバーの力か、と呟く達也。その姿を思い出しながら、宝太郎を見る。

 

しかし、こうして見るとそんな風には見えない。達也が間違えるはずがないので、宝太郎がガッチャードで間違いないのだが、覇気も何もあったものではない。

 

あまり争いごとに向いてるようには見えない。というのが深雪の見立てだ。しかしやる時はやるタイプなのだろう。

 

そう結論付けながらいると、壬生と桐原が出て来た。

 

皆で出迎え、花束を渡す。その時の壬生の顔は、とても晴れやかだ。本来の彼女はこういう表情をする人なのだろう。

 

「一先ずこれにて一件落着、かな?」

「そうだね」

 

 

宝太郎はウンウン頷きながら言うと、ほのかも頷く。

 

「ただ、やっぱりクロトーやラケシスって奴等が気になる」

「3姉妹って言ってたしあと1人いるのかぁ。アイツらもケミーを独自に集めているっぽいし気をつけないと」

 

うーむ、と雫と宝太郎が唸っていると、

 

「まぁまぁなんとかなるって、私達3人が揃ってればね」

 

とほのかは楽観的な事を言っているが、それを聞くとなんか大丈夫そうな感じがしてくる。

 

「まぁそろそろ九校戦もあるし、あんまり気にしててもだしね」

 

そう宝太郎が言うと、雫は静かにムンっと気合を入れていた。

 

「そういうこと!と言うわけで行こ」

 

ほのかにひっぱられ、雫と宝太郎も皆の元に歩き出す。

 

そして思わず互いに苦笑いを浮かべながらも、宝太郎と雫はまんざらでもなさそうな顔をするのだった。

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