腐れ縁
「うぉおおおおおお!どけどけどけぇ!」
レオが他の生徒達を吹き飛ばしながら駆け抜け、飛んできたボールを蹴る。
「宝太郎!」
「おうよ!」
レオのボールを足で止め、上空に蹴り上げると周りを見て、
「達也!」
そのまま蹴って、達也にパス。
達也は直接蹴りつつ、
「吉田!」
吉田と呼ばれた同級生の男は、キレイなダイレクトシュートでそのままゴールを決める。
細身だが、中々動けるようだ。
さて、魔法科高校には一般的な学校の教科もあり、本日の体育はレッグボールと言う競技だ。魔法を用いない競技の一つで、フットサルというものにも似たそれは、ボールが尋常じゃなく跳ねるようになっており、ドリブルができないため、パスを連続して行い、ゴールを決めるものだ。
そして身体能力が常人超えレオと達也に加え、ガッチャードに変身している影響か、実は見た目以上に動ける宝太郎がいるこのクラスは、体育では無双状態である。
「ナイスシュートだったな吉田」
「幹比古でいいよ」
試合後、達也たちは吉田に声をかけると、そう言われたため、
「じゃあ俺もレオで良いぜ」
「宝太郎だ。よろしく」
達也より先に、そう名乗ると、達也は肩を竦めて、
「達也だ」
「うん。3人とは話してみたかったんだ」
そう幹比古に言われ、3人は首を傾げた。
「なんでって顔だね。まぁ3人とも目立つ存在ってもがあるし」
実際、気さくな性格と彫りの深いゲルマン系の顔立ちのレオ。大人びた言動だが、気遣いのできる達也。そしているだけで場を明るくする宝太郎。この3人は密かにクラスでも人気を3分してたりする。
まぁ本人達にその意識がないのだが。
「それにエリカとも仲いいしね」
「知り合いなのか?」
幹比古からエリカの名前が出てきたため、達也は驚きながら聞くと、
「腐れ縁ってやつよ」
と聞き馴染みのある声が聞こえてきて、
『いっ!』
達也以外の男性陣が思わず飛び上がった。
振り返った先にいたのはエリカと美月なのだが、エリカの格好が問題だ。上は普通の体操着。しかし下が異様に丈が短い。
足の付根まで見せるそれは、エリカの健康的なハリのある脚を惜しげもなく見せつける。
剣術で鍛えているエリカの足は、程よく肉もありながら細く、筋肉ムキムキということもないが、程よく筋肉もある。
まぁざっくり言うなら、年頃の男性陣には刺激が強すぎるということだ。
「何その反応」
「い、いやエリカ。ちょっとそれは」
宝太郎がなんて言えば良いか分からず、宝太郎がしどろもどろしていると、エリカはニヤッと笑い、
「何ホータロー君。何か言いたいなら言いなさいよ」
からかい目的なのはありありわかる。宝太郎は首を必死に回してそっちをみないようにするが、エリカはグイグイ来た。
「そこまでにしてやれエリカ」
「はーい」
すると達也からのストップが入った。だがエリカは、
「どう達也くん」
と、目標を変えただけだった。しかしそこは達也なので、
「ん?良い筋肉だ。日々の鍛錬の証だな」
違う、そうじゃない。と思わず内心皆で突っ込んだ。
「しかし幹比古とエリカが知り合いだったとはな」
「家同士が交流があってね。その関係よ」
エリカの説明に、皆で成程と返す。
「昔はもっと引っ込み思案で可愛かったんだけどねぇ」
「む、昔の話はよしてくれエリカ」
幹比古の抗議もなんのそののエリカ。それを見て宝太郎は、
「うちとは全然違うんだなぁ」
と感想を漏らす。それを聞いたエリカは、
「そういえば意外と宝太郎くんって初心なのねぇ。雫やほのかと一緒にいる割には」
「そりゃあの2人だったら今更何を見たって何とも思わないけどさ」
宝太郎の言葉に、幹比古以外の面子が大きなため息を吐き、
「宝太郎君」
「なんだ美月」
美月が宝太郎の肩に手を置き、
「絶対それ2人に言ったら駄目ですからね?」
「は?」
宝太郎が、思わず首を傾げる。
一方その頃、
『っ!』
「どうしたの二人共」
ガタッと立ち上がった、雫とほのかを深雪は驚きながら見ると、
「何か今宝太郎をシバかなければと感じた」
「うん。今凄く腹が立ったよ」
ゴゴゴ、と体から炎を上げる雫とほのかに、深雪は冷や汗を垂らしつつ、
「そ、そう」
(きっとまた瀬乃君が余計なことを言ったんだわ)
乙女の勘と言うべきなのか、深雪は見事正解を当てつつ、2人を落ち着かせるのだった。