魔法科高校の劣等生 ガッチャードクロス   作:ユウジン

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家族

「こんなもんかしらね」

「スッキリしたなら何より」

 

ボコボコにされた宝太郎が恨めしそうな顔でフガフガ喋る宝太郎にエリカは笑い、

 

「宝太郎君が悪いんでしょ。人の事をブラコン呼ばわりするんだから」

「いやだってどう聞いてもブラコ申し訳ございませんもう言いません」

 

ジロリと睨みながら木刀を構えるエリカに宝太郎は、土下座の構えだ。

 

「アタシにとって修兄はそんな単純じゃもんじゃないわよ」

「え?」

 

なんか言った?と宝太郎が聞くが、エリカは別にとしか言わない。

 

「ってか宝太郎君は兄妹とかいないの?」

 

ふと思ったのを口にする。いつも雫やほのかといるので、家族に関して聞いたことがないな、位のものだ。だが、

 

「うぅん。父さんは昔に死んでるし、母さんはそもそもいた記憶がないからなぁ」

「はい?」

「俺結構大きくなるまで母親って概念がよくわかってなかったからな」

「その……ごめん」

 

流石にデリケートすぎると思ったのか、エリカは素直に謝罪すると、宝太郎は慌てて手を振ると、

 

「いやでも雫やほのかにその家族も優しくしてもらったし、俺は寂しい思いはあまりしてないしさ」

 

と言う宝太郎に、エリカは息を吐くと、

 

「アタシって愛人の子どもなのよ」

「ヘ、ヘーハジメテシッタナー」

「嘘下手くそ。まぁ高校受験の時から名乗りだしたとは言え、知ってる人も増えてきたからね」

 

はい。と宝太郎は返す。

 

エリカは所謂妾腹の子どもというやつだ。

 

今は千葉家の正妻もエリカの母も亡くなっており、エリカの母が亡くなったタイミングでエリカのことも公表。

 

とはいえ内々では知られていたらしいが。

 

そんななので、エリカの千葉家での扱いはかなり悪いらしい。そんな中、自身を気遣ってくれたのが修次。

 

「まぁもうひとりいるけどアレはアタシで遊んでただけだし」

「?」

 

なんかもう一人いるっぽいが、誰だろう?と思うが、そんな立ち位置のためか、意外と知らない人も多い。宝太郎は雫から聞いたことがあっただけだ。

 

そんなことをぼんやり思い出しながらエリカを見ていると、

 

「ま、別に良いんだけどね」

「良いの?」

「うん。まぁクソ親父は嫌いだしあのいき遅れは面倒だけど、衣食住には困ってないし、千葉の門下生達はいい人たちばかりだし」

 

いき遅れというのは、恐らく千葉家の長女のことだろう。正妻との間には娘が一人いたはずだ。

 

「やっぱり愛人とかは複雑だよなぁ」

「いや案外それは別にどうでも」

「良いの!?」

 

うん。とエリカは頷き、

 

「親だとしても、恋愛なんて本人たち同士が決めることだしね。それは別にって感じ。ただずっと愛人って立場で肩身狭い思いもしてたのに、それを良しとしてた母に思うところはあるし、それに甘んじてずっと曖昧な態度し続けた父も嫌いよ」

 

エリカはそう言って、苦虫を噛み潰したような顔をした後、

 

「だから宝太郎くんはちゃんとはっきりするのよ」

「何で俺に飛び火したんだ?」

 

だってねぇ?とエリカが腕を組むと、

 

「現状一番そういう可能性ありそうだし」

「なんでだよ」

「まぁ企業の上役何かが女性を囲んでるのは今どきないわけじゃないしなぁ」

「それ後々週刊誌にすっぱ抜かれるやつだろ」

「魔法師が子供何人も産ませたりもするしね」

「高名な魔法師とか血筋的に有能な魔法師だけだろそれ」

 

実際魔法師は次世代に有能な血を残すのが義務。みたいな風潮はあるのだ。

 

「まぁ悲しませなきゃアタシは文句はないからさ」

「だからほんとに何の話だって」

 

エリカに肩を叩かれ、宝太郎が益々顔を顰めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!救急車だ!」

 

それは突如起き、会場は騒然となった。

 

モノリスコードにて新人戦が行われたのだが、その際に一高の相手の魔法によりステージの建物が崩壊。それに巻き込まれた一高選手達が大怪我を負う自体になった。

 

更に、新人戦を負う無事終えたミラージ・バッドだが、本戦では何と、一高選手が一人高所から落下し、こちらも、命に別状はないものの大怪我を負ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とにかく命に別状がないのは救いだな」

 

今これからどうするのか、先輩方が運営と話し合っている間、宝太郎は雫と話していた。

 

「そうだね」

「事故の詳細はどうなってるんだ?」

「ミラージ・バッドの方は、突然CADが作動しなくなって落下。モノリス・コードでは相手の魔法で建物が倒壊して下敷きに」

「ミラージ・バッドのはCADの調整不足なのかな?」

「どうだろう。そう言う技術的なことは分からないけど、明らかにモノリスコードは規定違反のオーバーアタックだったよ」

 

モノリスコードはその性質上、選手同士で衝突することも起きるため、使う魔法に制限がある。特に殺傷力の高い魔法や、魔法によっては使い方で殺傷力が上がるものもある。

 

「ただモノリスコードは、異変を感じ取った選手達が建物から飛び出そうとしたらしいの。意識がまだ有った選手の証言だよね」

「でも間に合わなかったと?」

「うん。逃げようとしたら何かに足を取られて、その間にって感じみたい」

「足を取られた?」

「うん。何か沈んだ感じがしたんだって」

 

益々わからない。建物の中で沈んだ摩利の件であればまだわかる。なにせ、水の上だ。すると雫は、

 

「多分だけど、それに関してはわかる」

「え?ホントに?」

「うん。確証はないけど」

 

と言った時、

 

「二人共ー!」

 

ほのかが走ってきた。

 

 

「どうしたんだ?」

「うん。決まったの、これからどうするか」

「ホントに?」

「うん。どちらの競技にも代理を立てるって。ミラージ・バッドは深雪が。それで」

「それで?」

 

宝太郎が聞き返すと、

 

「モノリスコードには達也さんが出るって」

『はい!?』

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