魔法科高校の劣等生 ガッチャードクロス   作:ユウジン

32 / 41
エックスレックス

さて、ヘリに乗って噂の出所に来た宝太郎達。

 

「この辺りでそれらしき物が見られたと言う話で」

 

と森に降りて黒沢が言うと、

 

『あっ!』

 

皆が指さす先にいたのは、恐竜型のケミー。

 

「あれはエンシェント属レベルナンバー3パクラプター。レベルナンバー8トライケラ!」

 

しかし宝太郎達を見た途端、その2体は逃げてしまう。

 

「追いかけよう!」

 

宝太郎の号令で皆で走りだす。

 

「い、意外とケミーを保護するのって体力勝負なんですね」

「大体のケミーは人間を怖がるからね!」

 

と言いながら追い掛けると、直ぐに行き止まりに追い込み、

 

「じゃあ早速保護させてもらおう」

 

雫とほのかはケミーライザーを操作した。しかし、

 

『ん?』

 

急に視界が暗くなり、皆で振り返ると、

 

「レェエエエエックス!」

『っ!』

 

目の前に立っていたのは、巨大な恐竜型のケミー。

 

「レベルナンバー10のエックスレックス!?」

 

雫が驚く中、エックスレックスは口を開けると、

 

『あっ』

 

パクっと美月を頭から咥えてしまった。

 

「柴田さん!」

 

幹比古が札を出すと素早く魔法を起動させる。すると地面が凹み、エックスレックスが体勢を崩した。

 

「魔法の効果が薄くても、環境の変化までは無視できないからね」

 

流石の判断力だなと舌を巻きつつ、宝太郎は、

 

「エックスレックス!美月を離してくれ!確かに可食部は一番多いと思うけどあいた!」

「それめっちゃ失礼!」

 

エリカに後頭部を叩かれ、涙目の宝太郎だが全員がエリカに同意していた。

 

しかしエックスレックスは美月を離す気配がないので、

 

「しょうがない、美月を助けるのを優先しよう!」

「そうだな」

 

宝太郎と達也は、ガッチャードライバーとヴァルバラッシャーを出すが、

 

「あっ!」

「しまっ!」

 

パクラプターとトライケラが二人の道具を奪い、走り去ってしまうと、エックスレックスも体勢を戻して走り出す。

 

「追いかけないと!」

 

逃走したケミー達を追い掛ける皆だが、物凄い速度で逃げていくケミー達に、

 

「さっきのは手加減してたのか」

「多分誘い込むだめだったんだね」

 

とレオと幹比古が分析。

 

「このままじゃ追いつけない、なら!」

 

宝太郎もケミーライザーにカードをセットし、

 

《ケミーライズ!スチームライナー!》

 

スチームライナーを召喚し、皆でそれに乗り込むと、

 

「スチーム!」

 

汽笛を鳴らしながら、木々を蹴散らしスチームライナーは走る。

 

「凄まじいパワーね」

「スチーム!」

 

エリカの褒め言葉に気を良くしたスチームライナーは更に汽笛を響かせて走る。グングンエックスレックス達との距離を詰めていくのだが、急にエックスレックス達が止まった。

 

「スチーム!?」

 

スチームライナーは驚きながら急ブレーキを掛けるが、間に合わない。

 

『へっ?』

 

そして次の瞬間、宝太郎達の体が浮かび上がり、

 

『えぇええええええ!?』

 

崖になっていたため、そのまま宝太郎達は落下していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅん」

 

美月は目を覚ます。回りを見ると、草で作ったベット?みたいなのに乗っていることに気づいた。

 

「ここは?」

 

と思っていると、ズシン!と目の前に来た巨大なケミー、エックスレックスが来る。

 

「はわ……」

 

驚きと恐怖で動けなる美月に、エックスレックスは顔を近づけると、

 

「え?」

 

目の前にゴロゴロと落としたのは、果物だ。エックスレックスはそれを食べろと言わんばかりにこっちを見てきた。

 

恐る恐るそれを食べると、嬉しそうにエックスレックスは喉を鳴らす。そこにパクラプターとトライケラが窪んだ石に水を汲んできたのか置いてくる。

 

それも飲むが、美月は意味が分からず困惑していた。

 

突然のVIP待遇の理由が分からない。まさか肥えさせて?と思ったが、パクラプターとトライケラは美月に寄り添うように寝転がり、エックスレックスは愛しそうに鼻先を擦り合わせてきた。

 

良く分からないのだが、凄く大事にされているのだけは分かる。しかし、

 

「あっ!皆は!?」

 

美月はここには居られないと立ち上がるが、ケミー達が美月を止める。そこに、

 

「いたぁ!」

 

飛び込んできたのは宝太郎達だ。頭に木の枝や葉っぱを乗せた皆を見て、美月は歓喜の声を上げそうになるが、その前にケミー達が宝太郎達を威嚇し始めた。すると、

 

「ユーフォー!」

 

ユーフォーエックスがカードから飛び出し、宝太郎達とエックスレックスの間に降り、

 

「ユーフォー!」

「レックス!」

 

何やらユーフォーエックスとエックスレックスが言い合いを始めた。そしてしばし話し合うと、ユーフォーエックスがこちらに来て、

 

「ユーフォー!」

「え?」

 

突如ユーフォーエックスの瞳が光り、そこに映ったのはどこかの村の映像だ。

 

そこに映っていたのは、エックスレックスとパクラプターとトライケラにここには居ないワープテラだ。

 

そしてそのケミー達と話す少女。眼鏡はなく、髪も少し長いが、美月にそっくりだ。

 

その少女はエックスレックス達に囲まれながらも、臆することなく可愛がっている。

 

しかしその中でも、良く咳き込み顔色は良くない。恐らく体が弱いのだろう。

 

そんな中でも、楽しそうに話す日々だったが、ある時少女が倒れてしまった。元々体が弱かった彼女は、そのまま帰らぬ人になってしまう。

 

エックスレックス達は嘆き悲しみ、その後研究所に捕まったらしい。

 

そして映像が終わると、

 

「そうか。エックスレックス達は、美月があの時の体が弱い女の子だと思って俺達から引き離したのか」

「そのようだな」

 

するとそれを聞いた美月は立ち上がり、

 

「え、ええとね。エックスレックスさん。パクラプターさん。私はその女の子と違うし、別に森で走ったくらいじゃ体壊さないから大丈夫ですよ」

「レックス……」

 

エックスレックスは心配そうな声を出す。そんな姿に、周りもどうしたものかと思っていると、

 

「全く、くだらないですわ」

『っ!』

 

そこに現れたのは、九校戦でも現れたラケシスだ。

 

「ケミーの情報を手に入れたのに、まさかガッチャード達が先に来てたとは」

 

そう言ってラケシスは、ドレッドライバーを出す。

 

「それはクロトーが使ってた!?」

「あなたのガッチャードライバーと違って、誰でも使えるのが利点ですわ」

《ドレッドライバー!スチームライナー!》

 

ラケシスはドライバーを装着し、カードをスキャン。

 

「変身」

《ドレッド!零式!》

 

ドレッドに変身したラケシスは、銃を取り出し乱射。

 

「危ない!」

 

全員急ぎ回避行動を取るが、

 

「レックス!」

 

エックスレックスは美月を庇うように立つ。

 

「エックスレックスさん!?」

 

銃弾を受けながら、それでも美月を守るエックスレックス。

 

エックスレックスもわかっている。か彼女が、美月が別人なことくらい。だがそれでも、あの時の自分達は弱っていく彼女を見ていることしかできなかった。

 

「レェエエエエエックス!」

 

だから、今度は守ってみせる!と言わんばかりに、エックスレックスは咆哮しながら、銃弾を受けつつ突進!

 

しかしエックスレックスの攻撃をラケシスは避け、更に銃撃。

 

「パクラプター!トライケラ!俺達にさっき奪ったやつを返してくれ!」

 

宝太郎が言うと、パクラプターとトライケラはどうしようと顔を見合わせる。しかし、

 

「エックスレックスと美月を助けたいだろ!?」

『っ!』

 

その言葉に、パクラプターとトライケラは走り出し、木陰に埋めて隠していたガッチャードライバーとヴァルバラッシャーを取り出し、宝太郎と達也に投げる。

 

「ん?」

 

すると、パクラプターとトライケラが宝太郎のもとに来る。それを見て、

 

「一緒に戦ってくれるのか?」

「パクラプター!」

「トライケラ!」

 

返事をしたケミー達に、宝太郎は頷きを返し、ブランクカードを2枚翳し封印。

 

「よし達也!行こう!」

「あぁ!」

《ホッパー1!スチームライナー!》

《ガキン!マッドウィール!ゴキン!》

「変身!」

「鉄鋼!」

《ガッチャーンコ!スチームホッパー!》

《ヴァルバラッシュ!チューンアップ!マッドウィール!》

 

ガッチャードとヴァルバラドになった2人は、ラケシスに飛びかかる。

 

「このっ!」

 

鬱陶しそうに銃を撃とうとするが、

 

『させるかっ!』

 

宝太郎のガッチャージガンと達也のヴァルバラッシャーで撃ち落とした。

 

「ならば!」

 

ラケシスはサスケマルのカードを出しスキャン。

 

《サスケマル!ドレイン!》

 

ラケシスは無数の巨大な手裏剣を作り出し、宝太郎達に投げた。

 

宝太郎は避け、達也は弾く。しかしエックスレックスは、背後に美月がいたため、体で受け止めた。

 

「大変ですわね。足手まといがいると」

「レックス!」

 

ラケシスの言葉に、エックスレックスは否定するように叫ぶ。しかしラケシスは嘲笑い、更に手裏剣を投げるが、

 

『はぁ!』

 

それを宝太郎と達也が弾いた。

 

「いい加減にしろよ。誰かを守りたいって気持ちをバカにしやがって」

「少々俺も苛立ってきた。覚悟しろ」

 

2人は美月を守るエックスレックスを守るように立つ。それを見たエックスレックスは、再び立ち上がると、

 

「レェエエエエックス!」

 

大地が揺れるほどの大声に、皆が驚く中、エックスレックスはカード化すると、宝太郎の手に飛んでいく。

 

「エックスレックスも力を貸してくれるんだな!」

 

宝太郎は頷きながら、エクスガッチャリバーを取り出し、ベルトにセット。

 

《クロスオン!》

「行くよ。皆!」

《グレイトフルエンシェント!》

 

ベルトのセットしたエクスガッチャリバーに、エックスレックスのカードをセット。

 

「変身!」

《ガッチャーンコ!X!》

 

すると赤い装甲を纏い、荒々しいオーラを発する。

 

「ウォオオオオオオオオオ!」

《エックスレックス!スーパー!》

 

雄叫びとともに、変身を完了した宝太郎は、ラケシスを見る。

 

「行くぞ!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。