「各自準備は良いですか?」
市原が指示を出すと、全員が準備完了を告げる。
達也のコンペ参加を告げられてから一週間。その準備に達也も含め多くの人間が協力しており、更に部活連を筆頭に警備も行われている。
学生の研究発表とはいえ、いずれ大きな結果を生む可能性は低くなく、企業の注目も集まる。そしてそんな事を考え出せる優秀な学生が狙われやすいのだ。
「やっぱり大変そうだな」
「そうだね」
警備には実技で1年の中でも深雪に次ぐ雫も回されており、ほのかは今回の実験を行う上での魔法操作メンバーの1人なので、宝太郎も見学に来ていた。
そんな中実験が進み、市原の理論の元成功を収めたのだが、
「ん?」
宝太郎の視線の先に、女子生徒が映る。その女子生徒は機械の裏の方に回り込んだのだが、
「何か嫌な予感がする」
「宝太郎?」
宝太郎が走り出し機械の裏に回り込むと、
「何をしてるんだ!」
「っ!」
宝太郎の声にビクッと振り返った女子生徒に、
「アンチブロッカーだな」
と摩利も来た。
「渡辺先輩」
「全く瀬乃。ああいうのは機械を使う直前まで待て。でないと証拠にならないだろ。ギリギリ使うところではあったが」
確かに、となっていると女子生徒は機械を背中に隠す。
「それは一般では出回らないタイプだ。どこで手に入れた?」
と聞くが答えない。
「確かお前は1年の平河 千秋だな」
「くっ!」
平河は機械を摩利に向かって投げるが、それを首を傾けるだけで避ける。しかしその隙に懐から何かを取り出すと、
「なんだ!?」
小さなボトル?のようなものを取り出し、それを自身に注射した。
「うぅ、あぁあああああああ!」
するとその体が変色肥大化し怪人になる。
「何アレ!?」
駆けつけた雫も驚きながら見るが、
「マルガムじゃないのか?」
「あんな姿に変質するケミーはいないはず」
記憶を掘り起こしても、該当するケミーが思いつかない雫だったが、宝太郎がガッチャードドライバーを取り出して装着。しかし、
「きゃあああ!」
別の所からも悲鳴が上がった。それと同時に騒ぎが上がり、
「警備担当は迎撃と避難を行うんだ!」
と声が聞こえて来る。
「渡辺先輩!雫!」
「あぁ!」
「うん!」
2人はそちらの方に行き、宝太郎はカードを取り出すと、
《ホッパー1!スチームライナー!》
「変身!」
《ガッチャーンコ!スチームホッパー!》
変身した宝太郎は怪人になった平河に飛び掛かるが、凄まじいパワーで掴むと投げ飛ばしてきた。
「くっ!」
機材に突っ込まないように空中で姿勢を直し着地した宝太郎はガッチャートルネードを出し、
「くらえ!」
弓矢の要領で矢を放って牽制。続けて撃つが、強引に突っ込んでくる。
「あぶな!」
それを転がって避けながらアッパレブシドーのカードをセット。
《ケミーセット!》
「はぁ!」
《ケミースラッシュ!》
切って吹っ飛ばした。しかし転がっていった怪人を追いかけると、
「なっ!」
一体だけじゃない。何体もの怪人が暴れまわっている。
魔法が効いてはいるらしく、やはりマルガムとは違うらしいが決定打にはなっていない。
達也もヴァルバラドになって戦うが、如何せん数が多すぎる。
「くっ!」
そして再び平河が変化した怪人が襲い掛かって来たため応戦。
「数が多いな!」
3体の怪人を相手取りながら戦う達也も流石に文句が出る。
その数に徐々に押されていくのを皆が感じたその時、
「はぁ!」
ブォン!っとエンジン音を響かせて1人バイクで飛び込んで来る。
「え?」
怪人達をバイクで吹き飛ばしドリフト止まると、ドリルクラッシャーをガンモードで構え発砲。怪人達を怯ませた。
「随分多いな」
とバイクから降りた男はヘルメットを外し、それを見た宝太郎は問いかける。
「貴方は?」
「俺は桐生戦兎」
と自己紹介していると空から他の男達が降りてきた。
「戦兎!1人で行くなっつうの!」
「わりい龍誠。あ、こいつは万丈龍誠だ」
あ、ども。と挨拶する龍誠と、
「お前がこの世界の仮面ライダーか。宜しくな。俺は匙元士郎って言うんだ」
「ヴァーリだ。何かバッタっぽいな」
いや機関車だろ。いやバッタだろ。と言い合う匙とヴァーリに、
「サイラオーグだ」
と言った大柄な男がジャケットのチャックを外すと中のTシャツにデカデカと【宜しく!】と書いてあった。
「フウと申します」
礼儀正しく挨拶するフウ。そして6人は怪人達を見ると、
「さぁ、実験を始めようか!」
全員がそれぞれベルトを装着。
《ラビット!タンク!ベストマッチ!》
《覚醒!グレートクローズドラゴン!》
《ロボットゼリー!》
《ドラゴンゼリー!》
《デンジャー!クロコダイル!》
《コウモリ!発動機!エボルマッチ!》
ボトルやゼリーをベルトに装着し、レバーを回すと、
『変身!』
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!》
《Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON! Yeahhh!》
《潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!》
《潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!》
《割れる!食われる!砕け散る!クロコダイルインローグ!オラァ!キャー!》
《バットエンジン!フッハッハッハッハ!》
宝太郎達が驚く中変身した戦兎達は、
「仮面ライダービルド。作る、形成するって意味でビルド。以後お見知りおきを」
「仮面ライダーグレートクローズだ!負ける気がしねぇ!」
「仮面ライダーグリス。心火を燃やしてぶっ倒す!」
「仮面ライダークローズチャージ。愛する人との約束を胸に戦う!」
「仮面ライダーローグ。大義の為の犠牲となれ」
「仮面ライダーマッドローグです。誓いのため殲滅します」
それぞれ名乗り怪人達に飛び掛かる。
「はぁ!」
ドリルクラッシャーをブレードにして斬り掛かり、戦車側の足にあるキャタピラ部分で蹴り飛ばして削る。
「今度はこれだ!」
《ハリネズミ!消防車!ベストマッチ!Are You Ready?》
「ビルドアップ!」
《レスキュー剣山! ファイヤーヘッジホッグ! イェーイ!》
姿を変えた戦兎は、炎をまきながら針を飛ばして牽制。怯ませた怪人に、
《ローズ!ヘリコプター!ベストマッチ!Are You Ready?》
「ビルドアップ!」
《情熱の扇風機! ローズコプター! イェーイ!》
再び姿を変えた戦兎は、背中からヘリコプターのプロペラを取り外し、怪人達と戦いながら茨を伸ばしても拘束。
「おらぁあああ!」
そこにビートクローザーを手にした龍誠が飛び掛かり、怪人達を切り飛ばす。
《ヒッパレー!シングルヒット!》
更に斬撃を放ち、キックで吹き飛ばし、
《シングル!ツイン!ツインフィニッシュ!》
匙とヴァーリの同時攻撃で爆発が起き、その爆炎から飛び出したサイラオーグとフウのダブルパンチで追撃。
「さぁて、勝利の法則は決まった!」
《ラビットタンクスパークリング!》
戦兎はベルトに違う物をセットしレバーを回して姿を変える。
《シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!》
更に戦兎はレバーを回し、
《ReadyGo!》
必殺技を発動させ、巨大な泡を作り出し怪人達を閉じ込めると、
『はぁあああああ!』
《スパークリングフィニッシュ!》
《ドラゴニックフィニッシュ!》
《スクラップフィニッシュ!》
《スクラップブレイク!》
《クラックアップフィニッシュ!》
《エボルテックアタック!》
泡に向かって全員の同時攻撃を叩き込むと爆発。そこから変身を解きながら戻ってくると、
「怪我はないか?」
「あなた達は……」
「さっきも名乗っただろ?桐生戦兎、またの名を仮面ライダービルド。あ、怪人になった奴等は戻ったはずだから病院に連れてってやってくれ」
と戦兎が言う中龍誠は背伸びをし、
「いやぁしっかし歯ごたえのねぇ奴等うわぁ!」
『龍誠!?』
突如龍誠の腰まで凍りつく。更に空気まで凍るような感覚。
「よく私の前に顔を出せましたね。ですがここであったが百年目、あの時お兄様から奪ったものを返しなさい!」
と言って絶対零度の顔つきで前に出た深雪に、
「ま、待て落ち着け!多分誰と勘違いしてるかはすぐ分かるけど一旦落ち着け!」
慌ててストップを掛ける龍誠だが問答無用と言わんばかりの勢いの深雪。すると、
「待て深雪!」
「お兄様?」
深雪の肩を掴んで止めたのは達也だ。
「見た目は似てるが少し雰囲気が違う。すぐに解くんだ」
「は、はい」
深雪が龍誠の氷を解除すると、
「すいません、以前貴方によく似た男に襲われたことがあって」
「大方誰なのかが予想着いてるしいいよ」
と手足をバタバタさせて動きを確認する龍誠を横目に真由美が出てきた。
「失礼ですが、皆さんはあの怪人に対して知見があるようですね」
「あぁ、アイツを追ってここまで来たからな。因みに俺達はスマッシュって呼んでる」
戦兎の説明に成程と頷きながら真由美は、
「アレは一体何なんですか?」
「兵藤 一誠の遺産。俺達がそう呼んでいる物から作られた存在だ」