魔法科高校の劣等生 ガッチャードクロス   作:ユウジン

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差別

「うーん」

 

少し離れた所から、公開討論を行っている会場を見ていた宝太郎は、双眼鏡から目を離す。

 

「ホッパー!」

「ありがとうホッパー1」

 

気遣って労ってくれるホッパー1に礼を言いつつ、再び双眼鏡を覗くと、

 

「あれ?」

 

講堂からコソコソと離れていく男が一人。

 

「怪しい……」

「ホッパー」

 

宝太郎とホッパー1は顔を見合わせ、それを追い掛けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり兄さんの考え通りになったか。かくなる上は」

 

男はそう言って、どこかに連絡を取る。

 

「何してるんだ?」

「っ!」

 

宝太郎が声を掛けると、男は驚きながら振り返り、宝太郎をジロジロ見て、

 

「君は瀬乃宝太郎君じゃないか」

「ま、まぁ」

 

いきなり名前を呼ばれ、宝太郎が困惑すると、

 

「俺は司甲(つかさきのえ)。君と同じ二科生だ」

「はぁ」

 

学年は上みたいだが、何か馴れ馴れしいな。と思っていると、

 

「司波達也くんを調べたときに君も知ってね。苦労しただろう。ずっと魔法師の能力を比べられてきて」

「っ!」

 

司甲は、宝太郎の肩に手を置く。

 

「優秀な2人のお幼馴染。そして天涯孤独の身。ずっと苦労してきただろう。魔法師の能力が劣るだけで見下されてきただろう」

「っ!」

「だが、私達なら君を理解できる。これから一緒に差別を是正しようじゃないか」

 

司甲は、宝太郎の肩を掴み、そう言ってくるが、

 

「いくつか訂正させてください」

「え?」

 

すると宝太郎は司甲の手を払い除け、

 

「俺は一人じゃない。雫やほのかも、ケミー(友達)もいる。確かに色眼鏡で見るやつもいたけど、そんな奴らばかりじゃない!」

「っ!」

 

宝太郎はそのまま拳を握ると、司甲を殴り飛ばした。

 

「ふざけんなよ。皆をバカにすんな!結局誰よりも一科生だの二科生だの、気にしてんのはアンタじゃねぇか!」

 

頬を擦り、司甲は立ち上がる。

 

「俺が……?違う。俺は平等のために戦うんだ!」

 

そう叫び、懐から取り出したのはケミーカード。

 

「バーニング!」

「なっ!」

「うぉおおおおおお!」

 

ケミーを取り込み、マルガムとなった司甲は、炎を撒き散らし、襲いかかってくる。

 

「くっ!」

《ホッパー1!スチームライナー!》

「変身!」

《ガッチャーンコ!スチームホッパー!》

 

素早く変身し、マルガムを蹴り飛ばす。だが、

 

「アチチチチ!」

 

熱さに思わず転がり、更に飛んでくる火炎弾を避ける。

 

「まずいまずい!」

 

火の手が上がり、急いで雫に電話をかける。

 

【もしもし?】

「雫?今マルガムに襲われてて」

【ホントに?こっちも今武装した人たちが乗り込んで制圧されたところなんだけど】

「マジか?って今炎を撃ってくるハバネロみたいなケミーなんだけど」

【それなら多分レベルナンバー2。バーニングネロだと思う】

「だよね!ただこのままだと大火事だよ」

【ならヒーケスキューをガッチャージガンでスキャンして使ってみて】

「成程!」

 

宝太郎はガッチャージガンを取り出し、

 

「炎には消火!頼むよ!」

「ヒーケスキュー!」

《ヒーケスキュー!ガッチャージバスター!》

 

消火剤を撒き散らし火を止める。

 

「おぉおお!」

 

続いて銃撃し、マルガムを怯ませると、ドライバーを操作。

 

《スチームホッパー!フィーバー!》

 

キックの体勢に入り、そのままマルガムをぶち抜いた。

 

「ガッチャ!宜しくね!バーニングネロ!」

 

カードにケミーを封印し、バーニングネロを見てから、地面に倒れる司甲を見る。

 

マルガムになった前後は記憶がなくなるため、ガッチャードの正体がバレることはないが、

 

「何でケミーカードを」

 

そう。何故カードを持っていたのか……だがそれは今ここで考えても仕方ない。とにかく、今はここを離れて、と思った時、

 

「ん?」

 

激しい破壊音と共に、離れた所から何かが崩れた音がする。

 

それが気になり、宝太郎は建物に飛び上がると、それは図書館の方からで、崩れた壁から少し離れた所には、女性が一人倒れており、その崩れた壁の中から、カードを一枚持った、紫の大剣を携えた何者かが立っていた。

 

『……』

 

互いに見合い、大剣の奴は剣を担ぐとそのまま歩いていった。

 

「何なんだあいつ」

 

敵ではない。と思うのだが、何なのか分からず、宝太郎はその背中を見送るしかできなかったのだった。

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