オラリオで斬魄刀打つ転生者の話 作:オリ斬魄刀の小説増えろ
あの日のツナ缶さん、誤字報告ありがとうございます。ガチでヒリュテじゃなくヒュリテだと勘違いしてました……
「おはようございます、エイナ様」
「あ、おはようございますリリさん!」
リリルカがドアをくぐった瞬間にざわめきが三割ほど控えめになるギルド本部。
オラリオは世界の中心だの何だのと言われているが、結局のところは魔石という世界最高のエネルギーリソースを確保する為の採掘所であり、その採掘方法が
誰もが己の力を誇示し、その力の及ぶ範囲では法にさえも従わずに好きに生きるのがここの魔石採掘工……またの名を、『冒険者』だとかなんとか、呼ぶ。
そんな野蛮人共がたった二つ全員右に倣えで従う規則がある。
それは、『主神の命』。
そして、『強さ』。
神々の眷属が集うこのオラリオでは、誰もが強さに取り憑かれている。
街に住む民衆は注目株の冒険者を目で追い噂をし、商人は少しでも強い冒険者の所属する神の眷属集団……【ファミリア】に近付こうと揉み手をし、その【ファミリア】は強力な冒険者の数という名の力を手にしようと日々策謀を巡らせ、肝心の冒険者は……言うまでもないだろう。
「本日もココは通常営業のようですねえ」
「あはは……不愉快な思いをさせてしまい申し訳ありません……」
『リリルカのやつ、路上で悪口言ってた同業者の首を握り潰したらしいぜ……』とかなんとかいう噂がもう既に流れてしまっているロビーを抜け、専属迷宮アドバイザー……寿退職で別れ冒険者を諦めサポーターに転向した事で別れ、また冒険者に戻ったと思ったら二つ名絡みのアレヤコレヤで怯えられるようになっていたたまれないので別れ……かれこれ通算で四人目となる専属迷宮アドバイザーのハーフエルフ、エイナ・チュールという受付嬢についついそう愚痴る。
彼女としては天気が良いか悪いか程度の話題の取っ掛かりとして出した話だが、予想以上の謝罪に面食らった彼女は慌てて頭を上げさせた。
これでは自分もそのへんに転がっている強い力でいきがる事だけが趣味の屑と同じでしかない。
「い、いえいえ! どうせどこかの神が広めたのでしょうしギルドは何も悪くないでしょう!? というか例え百歩譲ってギルドに多少の責があったとしてもエイナ様は何も謝る必要が無いじゃないですかぁ!」
「ですが、リリさんに謂れのない悪評がついてしまっているのは事実ですから……」
「それも神々が【
このままでは謝罪合戦になると予見したリリルカは、話を切る意味で話題を変える。
エイナはそれを理解したようで、少々申し訳無さそうにニコリと笑って手を合わせた。
「はい! 本日から【ロキ・ファミリア】との合同遠征ですよね! 相手方の団長のフィン・ディムナ様からもお話は伺っております!」
「合同と言っても、ウチのファミリアからは私しか出ないんですがね……まあ二人しかいないんですけど、団員……」
その話題というのが、最近オラリオでも(主に神々の間で)センセーショナルな話題として駆け巡っている『団員同士は仲が良いのに神同士の仲は最悪な事で有名な【ロキ・ファミリア】と【ヘスティア・ファミリア】の合同遠征』であった。
ポリポリと頬を掻きながら困ったように話すリリルカに、エイナは胸の前でパンと両手を合わせて「そんなの関係ありませんよ!」と笑む。
「以前から【
「別に、団員間での仲は悪くないのですけど……主神さま達が、ね……あと個人的な理由でティオネ様がちょっと……」
「……あ、あはは……」
そこまで言って、二人は顔を見合わせて笑う。
【ロキ・ファミリア】の幹部ティオネ・ヒリュテが団長であるフィン・ディムナに対し相当に熱を上げているのは有名な話であり、そんなフィンが、優秀な同族の女性を人生の伴侶に求めている事もまた、有名であった。
そして、この街で最も優秀な
「気が重いですよ……全く」
「ご、ご安全に……?」
フィン団長がリリに求婚するところを色々言う人多いですけど、現実的に四十二歳の有名人つったら斎藤工とか綾野剛とか向井理なんで、もしもニュースで彼等が十代女性と婚約!って言われても驚かねーなーって思う。
十五歳は流石に駄目?それはそう。