オラリオで斬魄刀打つ転生者の話   作:オリ斬魄刀の小説増えろ

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斬魄刀出ません。

ちょっと内容を改定しました。

リア10爆発46さん、誤字報告ありがとうございます。


リリルカ・アーデ⑤

 

「ふぐうぅぅ……!」

「へぎゅううぅぅ!!!」

 

 床に這いつくばって形容しがたい唸り声を上げる赤毛のショートヘアの女性と、黒いツインテールの女性。

 

 その二人が殆ど同時にガバァッ!! と顔を上げ……ほんの僅かに先んじたツインテールの女性が、横の女性に指を突きつける。

 

「見たかロキ! ボクの勝ちだっ!!!」

「はぁぁ゙──ン!? どっからどう見ても同着やったやろがい!!!」

「先に顔を上げたのはボクだ! 勝利宣言したのもボク!」

「入ったんは同時やないか! ええ加減にせなぶちのめすぞドチビ!!」

 

 立ち上がって服に付いた埃を払ってから胸を張り、相手の吠え声など聞こえないとばかりに勝ち誇っているのは、リリルカの信仰対象、彼女が所属する【ヘスティア・ファミリア】の主神、ヘスティアである。

 

 そして、そのヘスティアにやいのやいのと文句を垂れているのが、【ロキ・ファミリア】の主神、ロキその人であった。

 

「やっぱりぃ〜? 豊かな【クッション】があるとさあ〜ぁ? 倒れてからの復帰も早いんだよねえ〜? ねぇ、君もそう思うだろうロキぃ〜?」

 

 そう言って、ヘスティアは『ぽゆん』と己の一部(おっぱい)をこれでもかと揺らした。

 

 何だ何だと遠巻きに見やっていた周囲の視線がそれに合わせて上下する。

 そして、石畳に座り込んだ状態でヘスティアを見上げていたロキの目線もまた、揺れるソレに吸い込まれて大きく上下した。

 

 ちなみに、神ロキと神ヘスティアの不仲の原因は……少なくとも表立ってのものは……神ロキのヘスティアの体型(おっぱい)に対する嫉妬心が主である。

 

「……こ」

「うん? 『降参』かい?」

「こンのクソチビィィ────ッッ!!!!」

 

 どったんばったんムニムニたゆたゆ。

 

「このアホ乳がァ!」とか「エアオッパイ!」とか「もいだらぁ!」とか、「ハァー!? ならボクだってロキのを……あっいやごめん」とか、「素で謝んなや!!」とか……聞くに堪えない低次元の争いが二柱の神の間に巻き起こる中、二人の体力の消耗する頃合いを見てリリルカがその間に立つ。

 

 備考として記しておくと、リリルカ・アーデもまた、彼女の主神に似て……というわけではないのだが(そもそも彼女の産まれは別の神の下でのものであるし)、種族的に見れば相当な巨乳であった。

 

「お二人共、どうかお気を鎮めてください」

 

 そんな彼女が床で揉み合っている二柱の神に視線を合わせるようにしゃがむと、当然ながら胸板と膝の間で形を変えるものがある。

 

 その柔らかく形を変えるモノ(うにょんって感じ)をシッカリガッツリ目に焼き付けたロキは、数秒己の胸に手を当て……次の瞬間目尻を釣り上げ「フィン!!」と己の【ファミリア】の団長を呼んだ。

 

「……何かな」

「遠征にこいつ連れてくんナシや!! やっぱヘスティアのアホと仲良くなんてできへん! 無理や!」

 

 ロキは別に、遍く全ての巨乳を嫌っている訳ではない。むしろ巨乳は好きだった。

 

 しかし、天敵(ヘスティア)の唯一の女性眷属がロキのお眼鏡に適うレベルの見事な巨乳というのは……とてつもなく、癪だった。

 

 しかし、ソレに帰ってきたのは疲れた溜息のみであった。

 

「無理はお前の提案だ……」

 

 団長と共に近づいてきていた【ロキ・ファミリア】副団長、エルフの王族(ハイエルフ)のリヴェリア・リヨス・アールヴはそのエルフの中でも群を抜いて均整の取れた美しい切れ長の瞳を細め、まるで生ゴミに群がった虫を散らすかのように手に持っていた長杖の石突でロキとヘスティアを引き剥がした。

 

 引き剥がされたロキは自分の眷属達に羽交い締めにされながらもムギャーフギャーと威嚇を続けており、それに触発され再び戦闘態勢に入ろうとするヘスティアをこちらはリリルカが抱きしめて抑えた。

 

「……すまんな、リリルカ。この馬鹿の言う事は気にしないでくれ。我々は君の力を必要としているのだ」

「あはは……その、私は気にしませんので」

 

 ……気にしませんので、等と言っているが、ヘスティアをこのギルドに見送りに来て欲しいと言って誘き寄せたのは彼女本人であるし、この街にはそれこそ掃いて捨てるほどに居る噂好きと悪意持ちの二属性を揃えた神にその情報を流したのも彼女だ。

 

 そんな彼女の思惑通り、混乱と噂が大好きな神々はそれとな〜くロキに【ロキ・ファミリア】の遠征の見送りにヘスティアが行くらしいということを伝え、それに対抗心を燃やしたロキがこうして大人げ無く醜い争いを起こした。

 

(そのうちどこかのファミリアの傘下に入る事はあるかもしれませんが、ソレと既成事実を許すかどうかは別問題ですからね)

 

 吠えるロキを前に困った顔をしたフィンと目が合ったリリルカは、羽交い締めの体勢のままにニコリと笑った。

 

 それを見た彼は、一連の騒動が彼女の仕込みだと……同じタイプ(策謀家)としての直感で……理解し、ため息を吐いて頭を掻いた。

 

 そして、猛るロキに引きずられるようにしてギルドまで来てしまっていた地上残留(るすばん)組にロキを託し、気持ちを切り替えるようにパンパンと手を叩いた。

 

「さぁ、これでちょっとは緊張も解れたろう! いつまでもロビーに居ては他の【ファミリア】に迷惑だし、僕等もいい加減に出発の時間だ!」

 

 フィンが遠征隊の士気を上げている中、リリルカはエイナにヘスティアを託す。

 

「いいかいリリ君? 君は可愛らしいんだから周りの注目を集めてしまうだろうけど、もし男にコナをかけられても絶対にスッパリと拒絶するんだよ? 本当にキッパリ言ってやれば相手だって諦めることが多いんだからさ!」

「ヘスティア様、ダンジョンに男はいませんよ」

「遠征隊には居るじゃあないか!! 山程!」

 

 苦笑いのエイナと並んでヘスティア(処女神)からの絶対実体験由来ではない男絡みの忠告を粛々と聞き流し、ハンカチ(持ってる)と替えの下着(持ってる)とここに来る道中で主神の神友から貰ったというポーション(持ってる)に揚げたてのじゃが丸くん(さっき食べた)を袋に一杯持たされ、彼女は「ありがとうございます、嬉しいです」とその親切を笑顔で受け入れた。

 

 神に嘘は通じない。

 

 地上に生きる子供達は、神に嘘をつくことができず、常にその言葉の真贋は神に筒抜けである。

 

 ……しかし、今の主神の下に辿り着くまで色々と醜悪な地獄を潜ってきたリリルカにとって神のお節介は純粋に言葉通り嬉しく、そのためヘスティアは自分の余計なお世話っぷりに気づかずに己のハリボテの有能さに胸を張る。

 

「無理はしないようにね──!!」

「はい! 行ってきます、ヘスティア様!」

 

 こうして打算と策謀まみれの胃が痛む遠征が始まった。

 

 こんな真似をしなければいけないのも、まぁ色々とのっぴきならない理由もあるのだが。

 どうしようもない理由があるとは言えども二級冒険者一人と鍛冶師一人の【ファミリア】では他勢力に対抗するだけの単純なマンパワーが足りず、結果としてこうして他神にへりくだるような真似をしている。

 

 無理なことと理解はしていても。しかし、彼女としては思わざるを得ない。

 

(……新しい眷属、入ってくれませんかねえ……)

 

 この遠征が終わる時、そんな彼女の願いは叶う。そして。

 

(そんな大層な人じゃなくてもいいんですよ。レベル一でも、私や師匠と違ってトラブルを呼び込まないような大人しい感じの人が……)

 

 なおそちらの方の願いは、いっそ悲しいほどに叶わない。




リリルカ・アーデ

Lv.4

力  :E446

耐久 :H181
  
器用 :B789

敏捷 :C610

魔力 :C602

鎖結:H

魄睡:H

継戦:G


《魔法》
【シンダー・エラ】

・変身魔法。

・変身像は詠唱時のイメージ依存。
具体性欠如の際は失敗(ファンブル)

・模倣推奨。

・詠唱式【貴方の刻印(きず)は私のもの。私の刻印(きず)は私のもの】

・解呪式【響く十二時のお告げ】

《スキル》

縁下力持(アーテル・アシスト)

・一定以上の装備過重時における補正。

・能力補正は重量に比例。

霊圧操作(ソウル・アジャスト)

・外部に漏出する精神力(マインド)の調整。

・魔力攻撃




※ステイタス修正しました……


これにてプロローグリリ編、終わりです。

此処から先は約十年近く前からスタートとなりますので、彼女の本格的な出番はもう少し先となります。

そして、次回からはもうちょっとBLEACH要素が増えます。
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