「ひっさしぶりの外の空気だ。」
タイラントとゼットンは病院からでて、冒険者が集うギルドに向かう。
「やっぱりそこにはたくさん人がいるのか?」
「そりゃあ勿論。人間以外にも獣人やらいっぱいいるぞ。何なら他のとこには怪獣もいるらしい。」
「ならば色々しているうちに会えるかもな。」
街並みを眺めると大多数が人間であり、肩から鳥の翼を生やした種族やラゴンにもっと魚らしくした種族、直立した熊や猫のような種族が少数いる。
おそらく人間が住民の大多数を占めているのだろう。
「ついたぞ。」
「結構大きな建物だな。」
レンガ造りの建物に付けられた扉を開けて中に入ると、
依頼をしに来た人や、それを書き出して掲示板に貼る人、それを受ける人などが居る。
「こっちだ。」
タイラントに新規登録と書かれているカウンターに連れられる。
「それじゃ頼むぞ。」
「はい、承知しました。では、ゼットンさんの登録をさせていただきます。」
「待て待て待て。一体どういうことだ。」
受付の女性に何故か名前が知られている。
もちろん面識は無い。
「お前はこの界隈じゃ有名人だからな。」
「もしかしてあの飛竜の件か?」
「勇者が話したいって言ってんのもその件だ。」
話しながら受け取った書類を書き、登録が完了する。
バルタンとメルバは先に話しているそうなので、待たせないように早足で向かう。
「お、来たな。」
「君がゼットンか。私の名前はクラウト。よろしく。」
「こちらこそよろしく。」
「他の仲間はどこ行ったんだ?」
「8人で話すのもアレだからね。自由に過ごしてもらっているよ。」
「それはそれで怪獣4匹がが一人を囲んでるやばい絵面なんですけどね。」
赤髪の青年、クラウトはゼットン達にも物怖じしていない。
「君のことはバルタン星人から聞いているよ。」
「お前余計なこと言ってないよな?」
「もちろん。私が変なことをいう忍者に見えるか?」
「少なくとも忍者とは程遠いですよ。」
「私泣くよ?」
「あ〜…、クラウトはどうしてゼットンに会いに来たんだ?」
話題の脱線を防ぐためにタイラントは軌道修正をする。
「ゼットンとは一度会っていてね、というかこっちが目撃しただけなんだけどね。」
「いつ頃ですか?」
「巨大なレッドワイバーンの時だよ。」
「となるとあの依頼に行った時か?」
「…もしかして俺横取りしちゃった?」
「横取りだなんてとんでもない。寧ろあの魔獣を倒してくれて感謝したいくらいだよ。」
「何も言われなくて良かった…。」
「その時の報酬金を渡しに来たんだよ。」
クラウトは鞄からお金が入った袋を取り出す。
「そういや報酬金めっちゃ高かったような…。」
「えぇ?!そんなのもらえないぞ!」
「まぁそう言わずに、同業者だし受け取ってくれ。」
「人の好意というものは受け取っておくものだからな。」
「じゃあありがたく受け取っておこう…。」
ゼットンはお金を受け取り、鞄に仕舞う。
クラウトはそれを見届けると、帰っていく。
「それじゃあ私はこのあと用事があるから失礼するよ。」
「こちらこそ色々話せて楽しかったよ。」
「じゃあ武闘大会でまた会おう。」
そう言い残し、立ち去っていった。
「武闘大会出るんですね。」
「フォッフォッフォ!戦うのが楽しみだな。」
「それじゃあ依頼受けようぜ。」
ゼットンの初仕事が始まる。