「君は最初の依頼だから簡単めのやつって決められている。」
「それじゃあ…このゴブリン討伐とかか?」
「そうですね。じゃあ荷物整理してから行きましょうか。」
ゼットンの初仕事。
初心者の冒険者に危険な依頼に行かれて死なれても困るので、簡単な依頼から徐々に難しくしていく。
「では出発口の馬車に乗って出発してください。」
「ああ、行ってくる。」
ゼットンは馬車に揺られながら改めて依頼書を読んでいる。
「ゴブリンというのは最弱クラスの魔物で、群れて暮らしてるんだ。」
「そいつらが異常発生したから討伐してくれってことか。」
タイラントが寝ている横で、バルタン星人とゼットンは話し合い、メルバは飛んで並走?している。
「もうすぐつきますよ〜。」
「おう。タイラント、起きろ。」
「んお、りょーかい。」
4人が馬車から降りて、少し歩くと、対象がいる森に入る。
辺りから幾つもの視線を感じる。
「奴らは最弱クラスだが、今回は数が多い。気を抜くな。」
タイラントは大きな耳を澄ませ、警戒をしている。
ゼットンも感覚期間である角に意識を集める。
歩みを進めるごとに、視線が多くなる。
「なぁ…いつもはどれだけいるんだ?」
「10匹位です。」
「だが聞こえる感じ倍はいる。」
次の瞬間、ゼットンの横から一本の矢が放たれる。
「!!」
「危ない!!」
ゼットンは咄嗟にゼットンシャッターを展開して防ぐが、その隙に大量のゴブリンが一気に距離を詰めてくる。
「…まずいです。囲まれました。」
『ギィィ…』
槍や棍棒を持った尖った鼻と耳を持つ緑の醜悪な小人のような魔物が50匹程集まる。
「…行くぞ。」
4匹は背中合わせに遠距離攻撃を放つ。
「アロー光線!」
「白色破壊光弾!」
「メルバニック・レイ!」
「ピポポポ…!」
攻撃を受けたゴブリン達は吹き飛ばされ、黒い煙と化して消滅する。
半分程数が減ったゴブリン達は被弾も厭わず突っ込んで来るが、
「「「フォッフォッフォ。」」」
分身したバルタン星人が掃除をする。
「全て倒しましたかね。」
「ゴブリンだしこんなもんだろ。」
戦いが終わる。
辺りの確認をするゼットンの肩に1羽の手紙を咥えた文鳥が止まる。
「こいつは?」
「そいつはギルドの連絡用の鳥だ。」
「どれどれ…!?」
ゼットンは手紙を受け取り、読む。
黒い顔が真っ青に染まる。
「どうしました?」
「近くにゴブリンの親玉を確認。高い魔力を蓄えており非常に危険なため撤退を推奨だそうだ…。」
直後、森の奥から大きな足音が聞こえる。
凄まじいオーラが伝わってくる。
「ギルドは撤退したほうがいいと言っているが…。」
突如文鳥が話し出す。
肩を降り、徐々に大きくなっていく。
「お前は…。」
「薄々気づいていたが…。」
「お前だったなら早く言ってくれよな。」
「ま、まさか…。」
文鳥は姿を替え、ゼットン達と同じくらいの大きさになる。
「アンタらならその必要は無いだろう?」
「そうだな、ラルゲユウス。」
5人は足音の方へ視線を移し、身構える。
次第に音は大きくなり、緊張が高まる。
『ブルルル…。』
低い唸り声と共に、身長5メートル程もある筋骨隆々で巨大なゴブリンが現れる。
『ゴァァァァァ!』
巨大なゴブリンは、ゼットン達が手下たちを全滅させたと一目で見抜く。
鳴き声と共に、戦いが始まる。