オレが魔法少女になったと思ったら、幼馴染も訳ありだったと知った不具合 作:社畜だったきなこ餅
今回は魔法少女達の会議な回です。
最近、魔法少女仲間であり友達の旭ちゃんの様子がおかしい。
なんだか怪人との戦いをしてる時も、シュヴァルツフィーダーさんとの距離が近い気がするし。
長い間一緒に戦ってきた私達並に連携が取れている。
「というわけで緊急会議だよ!」
「……わー」
「旭さん、今日のお茶会もそこそこにすぐに帰っちゃいましたわよねぇ」
なんだかいつものたまり場みたいになってきた喫茶あずきにて、私は拳を握って緊急会議を宣言する。
若葉ちゃんはいつもみたいに静かだけどノリノリだ。
「早速だけど椛ちゃん、さっき怪人と戦ってる時に何か気付いてたみたいだけど!」
「藪からスティックですわね桜さん」
しゅぴっ、と優雅に紅茶を啜っていた椛ちゃんに私は意見を求める。
私に指さされた椛ちゃんは、何か考え込む様子をしている。
「……どうしたの?いつも即断即決な椛らしくない」
「いえ、その、言って良いか迷っておりまして」
若葉ちゃんが言うように、椛ちゃんは豪快な戦い方とは裏腹に繊細な視点を持つ女の子。
彼女が気付いた事がきっかけで私達が危機を脱したことは一度や二度じゃないから、椛ちゃんの気付きと直感は侮れないの。
「シュヴァルツフィーダーさんが、私達を庇えるよう動くのはまぁいつもの事ですわよね。ふがいない限りですけども」
「……それはそう」
「うん、さっきのウニ怪人の時も翼で私達守ってくれたよね」
逃げ遅れた人たちを狙い撃つかのように、四方八方に放たれたウニ怪人の凶悪な針からシュヴァルツフィーダーさんはウニ怪人に肉薄し。
撃ちだされた針のほとんどを引き受ける私達と逃げ遅れた人達を守ってくれた。
でもその時旭ちゃんは針が迫る小さな子を守るために飛び出して、かなり深い怪我をしていた。
「あの時のシュヴァルツフィーダーさん、初めてお会いしたタコ怪人の時とは比にならないレベルで激怒されてましたわよね」
「…………アレはトラウマ案件」
「……うん、あの時の怒り方は凄かったよね」
今思い出しても背筋が冷えるシュヴァルツフィーダーさんの激怒は恐ろしかった。
だけど私と若葉ちゃんは、別動隊で現れたヤドカリ怪人の対処をしないといけなくなって……シュヴァルツフィーダーさんと椛ちゃんと旭ちゃんにウニ怪人の対処をお願いしちゃってた。
そして私達二人がヤドカリ怪人を撃退して急いで戻った時には、シュヴァルツフィーダーさんはいつもとは違うフォルムに変身していて。
全身の針を砕かれて丸坊主になってたウニ怪人を、凄い勢いで空中に作り出した炎や氷や雷の槍を雨あられと撃ち込んで粉微塵にしてたんだよね……。
「私、その時シュヴァルツフィーダーさんがフォルムチェンジした現場にいましたのですけどね。あの時あの方こう言ったんですよ」
紅茶のカップをソーサーに置くと、椛ちゃんは顔まねのつもりなのかしかめっ面を浮かべて口を開く。
「『竜王の力の片鱗を味合わせてやる、俺の伴侶を傷付けた罪その命と魂全てで贖え』って」
「……伴侶?!」
「え?旭ちゃん、シュヴァルツフィーダーさんのお嫁さんって事?!」
椛ちゃんが放ったとんでもない爆弾発言に、私と若葉ちゃんはほぼ同時にテーブルに手を付きながら椛ちゃんに詰め寄る。
詰め寄られた椛ちゃんはたじろぎながら、言葉を続ける。
「ついでに旭さんは、『バカ!そんなこっぱずかしい事いうなよ!!』って顔真っ赤にしてましたわ」
「照れ隠し、ていうにはちょっと違うよね」
「……伴侶、と言うのは事実としてその事を公言されたことが恥ずかしいと見た」
戦友で友達の旭ちゃんがまさか男性?とお付き合いしてたという事実にびっくりする私達。
そこで私はふと気づく。
「あれ?でも旭ちゃん普段から自分は男だから、男と付き合う気ないって言ってたよね」
「……水着や服を見繕う時も再三繰り返してた」
「考えられるとしたらあの時は隠していたか、それともあの後何か劇的な事があったか。ですかしらねぇ」
当事者である旭ちゃんが珍しくそそくさと帰ってしまってる現状、その事実を確かめる術は今私達にはない。
その時私の脳裏に一人の人物が浮かび、同じ人物が浮かんだのか若葉ちゃんもこっちを見る。椛ちゃんは私達二人の様子に首を傾げていた。
「ねぇ若葉ちゃん、旭ちゃんが男の人とお付き合いしてるという前提で考えよう」
「……御意」
「突然なんですの?桜さん」
私達の様子を不審者を見るような眼つきで見ながら、こしあんが乗ったビスケットを椛ちゃんがポリポリと齧る。
「口ではたっつんはそんな相手じゃねーし!って顔を真っ赤にしてた旭ちゃんが、たっつんさんであろうプールで見たあの人以外とお付き合いするって考えられる?」
「……無理、プールの時ウォッチングした光景を考えるとありえない」
私の疑問に対し、若葉ちゃんは戦闘中並に思考を回転させている様子を見せながら強く頷いて答える。
椛ちゃんはそんな私達を眺めながら、飲み物のお代わりを注文している。
「という事は、まだ確証には至らないし決めつけちゃダメかもしれないけど」
「……シュヴァルツフィーダーの正体、それは」
私は隣に座っている若葉ちゃんと顔を見合わせて、一つの結論を導き出そうとする。
しかし、そんな私達に対して椛ちゃんはこしあんビスケットを呑み込むと待ったをかけた。
「そこまでですわ桜さんに若葉さん、気になるのは理解できますけども。正体を隠してるであろう方の正体を暴くのは無粋でしてよ」
正直いつもなら、正体解明してやりますわぁ~~!とか言って突っ込んでいきそうな椛ちゃんと思えない言葉。
だけども椛ちゃんが言う内容もまた事実であるため、私達は推理を中断してコーヒーを啜る。
「あの旭さんが認めた殿方なら私達がとやかく言うのは、淑女的にありえねーと思うですわ」
「……本当の所は?」
「気になるし旭さん問い詰めたいのですけど、プールデート尾行してるのバレちゃいましたしこれ以上旭さん怒らせたくねーですわ」
「ソレは、確かにそうだよね……」
口の端にこしあんをつけたまま優雅に微笑む椛ちゃん、そんな彼女を若葉ちゃんが揺さぶりをかければ飛び出すのは切実な事情。
実際あの後旭ちゃんに凄い怒られたのは事実なんだよね……。
「それにですわ、淑女的に踏み入ってはいけない匂いがありますわ」
「……何それ」
「直感ですわ!」
椛ちゃんが自信満々に話す内容に、心のどこかで旭ちゃんに聞こうと思ってた考えがおとなしくなるのを感じる。
こういう時に自信満々に直感だと椛ちゃんが宣言する時は、信号で言うと赤信号だ。
「私達がやる事は旭さんの恋路を見守る事と、旭さんが騙されてた場合シュヴァルツフィーダーさんに落とし前つける事ですわ!」
「……落とし前、つけれる?」
「…………しょーじき自信ねーですわ、今日披露されたあの追加フォーム突破する作戦ゼロでしてよ!」
私達の視線に気付いた椛ちゃんはお手拭きで口元をぬぐうと自信満々に私達がすべきことを宣言する。
しかし若葉ちゃんの言葉に、呻き声をあげながら椛ちゃんはテーブルに突っ伏して吠えた。
(でも私も椛ちゃんの気持ちもよくわかるなぁ)
ヤドカリ怪人をやっつけて駆け付けた先にいたシュヴァルツフィーダーさん。
彼はいつもより体を一回り巨大化させていて、真っ黒だった全身の鱗は一部に甲冑を纏う様に光り輝く黄金の鱗が纏われていて。
背中に生えていた一対の翼の上下には力強く輝く光の翼が二対生えていた、合計三対の六枚羽とかまるで神話じみた姿になっていたもん。
「……竜王の力の片鱗という事は、あの姿も本気ではない?」
「そう言う事になりそうですわねぇ、一体あの方どんな経緯であんな力手に入れられたのやら」
「もしかするとシュヴァルツフィーダーさん、私達の知らないところで世界救ってたりして」
私の呟いた言葉に若葉ちゃんと椛ちゃんは、流石にそれはないでしょと言わんばかりに笑い始める。
「もー!そんなに笑わなくてもいいじゃん!」
我ながら突拍子もない言葉だとは思ったけど、そこまで笑われるなんて想定外で。
私は納得いかず、二人に頬を膨らませながら抗議をするしかないのであった。
第三者視点でサラっと披露されるたっつんの新フォーム。
なお、これでも最終形態じゃないらしい。
ぶっちゃけどこまで読みたい?
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1.旭の完全雌落ちでエンド
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2.雌落ちしてからのイチャラブ
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3.雌落ち後NTRヒロイン旭の防衛戦
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4.続きの構想がある限り続けろ(迫真)