クルーゼ「えっ?テロメアって寿命関係ないの?」 作:大福もちち
コンパスがファウンデーション王国に降り立ったその日の夜、コンパス(ファウンデーション王国からすればラクス)の歓迎会(ファウンデーションに取ってはコンパス最後の晩餐)を兼ねて立食パーティーが行われていた。
立食パーティーはバイキング形式で行われており、多分…一流の食材を使ったピラフ、サラダ、フライドチキン、フライドポテトなどなどが並んでいる。そして『本日のオススメ!!』と大々的に書かれたカキフライと生牡蠣が沢山置かれていたのだ。このご時世、地球産の生牡蠣を食べられる機会は全くない、その事もあり…立食パーティーに参加したファウンデーション王国在住の上級階層の人々は珍しい生牡蠣やカキフライを食べていく。
「アッシュ先生、レイ、なんでバイキング形式なんですかね?」
「なにって、そうだな…このご時世だ。アレルギーや宗教上の理由で食べれないって人も居るんだよ」
シンちゃんはがっつりと沢山のピラフ、フライドチキンを贅沢に食べていく。対して、レイは少しづつとって食べていく形式で楽しんでいる。
そしてアッシュ先生が言うとおり、このご時世はアレルギーや宗教上で食べれない人が多い。宗教によっては豚肉が食べれなかったり、宗教は関係ないが個人的な思想で肉類を一切食べないベジタリアンやビーガンの方々も居る。そう言う人達に合わせて、その人だけ別にコースメニューを考えなければならなくなる。だが…バイキングなら「ご自由にどうぞ」という形なので、そんな人達に合わせる必要はないのだ。
「それに…豚肉を食べない宗教はありますが、鶏肉を食べない宗教はあまり聞かない」
レイはそう言い、フライドチキンを食べる。しかし、食べて2秒後。
「アッシュさん、シン。これ……味の素の唐揚げなんだが」
「「嘘だろ!?」」
だが…ここで3人はファウンデーションの秘密を知ってしまう。そう、ファウンデーションの立食パーティーに用意された生牡蠣とカキフライ以外は、冷凍食品だったのだ。冷凍食品を大量に用意し、それを暖めて作って…なおかつバレないように豪華に見せるように最大限の努力を使ったのだ。
「「マジで味の素だ。すげーな味の素!」」
「安定の味の素ですね」
「「安心して食える」」
メンデルの調査+アスランの調査+ヴィアママからの情報提供で、ファウンデーション王国もといロリババアことアウラが怪しいことを掴んでいたコンパスご一行としては、食中毒の危険性がほぼない冷凍食品はある意味有り難かった。一先ず、このようにバイキング形式だったら、パーティーの参加者全員が食べる可能性もあり、毒殺は難しいだろう。
「どうでしょうか?アシュレイ・クロフォード総隊長。楽しまれてますか?我が国100%の素材を使った食品の味は?」
すると、アッシュ達3人の様子を伺いにオルフェがやって来た。だが…オルフェは3人の思考を読まない。レイはニュータイプで思考を読めない、妨害され、アッシュは不完全なニュータイプだが…殺意と敵意には敏感で間違いなく弾き返される、そしてシンの思考を読むと…薩摩が襲いかかるためだ。
「はい。このような機会を儲けていただき、ありがとうございます。部下の2人も、楽しんでますよ」
アッシュがチラリとレイとシンを見ながらそう言い、2人も合わせるように笑顔を浮かべた。
「それは良かった。でしたら、こちらの生牡蠣はどうでしょうか?身がプリプリで非常に美味しい物ですよ!」
オルフェはそう言い、生牡蠣を手に取り…醤油を軽くかけて美味しそうに食べてしまった。こうやって主催者側が食べて安全を保証するためだろう。
だが…アシュレイ・クロフォードと愉快なコンパスの少年達は知っている。牡蠣の毒性及びノロウイルスは早くても30分~1時間遅くて1日以降で突如として食中毒として襲ってくることを。
「その牡蠣もファウンデーション王国で取れた物ですか?」
「はい!我が国の近衛兵団長のシュラが取ってくれました!ラクス姫もカキフライが好物とお聞きしましたので!」
悪意は無い。オルフェは親切心から牡蠣を用意して振る舞っているようだ。そして、オルフェはカキフライも食べてしまう。
「うむ!!流石は我が国のカキフライ!!外はカリカリ!!中はしっとり!!では、また」
オルフェは去っていった。ファウンデーション王国のカキフライは外はカリカリ、中はしっとりと生とのことだ。食感は美味しいかも知れないが、間違いなく危ないカキフライである。
「アッシュ先生…レイ」
「言うなシンちゃん」
「そうだ。だが…これは言える」
「「「アイツ、死んだな」」」
3人は心の中で99%で地獄が待ち受けるオルフェに敬礼した。えっ?コーディネーターやアコードは免疫力が強いから大丈夫だって?所がどっこい、ノロウイルスとアレルギー反応に関しては別だ。
本来、人間の身体もそうだが…生物の身体は多少のウイルスや寄生虫とは良好な関係を結んでいる。例えば人間で言えば顔に住む顔ダニ、ほぼ全ての人間の顔に住んでいるダニだが、全く影響はない。しかし、良好な関係のウイルス以外が身体に入ると免疫反応で症状が出る。牡蠣ではノロウイルス、キツネではエキノコックスは問題ないが…この二つが人間の中に入れば大変なことになるのだ。
ノロウイルスの下痢と嘔吐は体内に入ったノロウイルスを出すための作用なので、全く関係なく発動する。
「コーディネーターなら発熱は無いかも知れないが…毒抜き*1してなかったら毒も有るかもな。地球ってドンパチしてるし、ここって武力で独立したところだろ?」
皆も牡蠣には気を付けよう!!
「「流石にコンパスの地球育ちで食べる人って」」
「どうかしたのかな?」
と、そこにクルーゼさんとムウさんがやって来る。シンちゃん、レイ、アッシュ先生がその方向を見ると…白ワインを飲みながらカキフライを楽しむムウさん、ビールを飲みながら生牡蠣を楽しむクルーゼさんであった。
「「「食べてる人おるぅぅぅ!!」」」
「このカキ!めちゃくちゃ旨いぞ!!ニコルの親父さんがプラント産の当たらない牡蠣をこの前送ってくれてよ、それも旨かったが…流石は天然物は違うな!!」
「実に美味だね!!居酒屋で食べる生牡蠣は少しスマートな物が多いが、ここまで大きいのは珍しい!!」
ムウさんは先日、部下のニコルのお父さんでザフトのお偉いさんであるニコルパパから一足お先に「息子が世話になってるね」とデュランダルPの生牡蠣をプレゼントされたこともあり、牡蠣が食べたくなって…ここの牡蠣を食べてしまったのだ。勿論、ファウンデーション王国産とは知らない。
そしてクルーゼさんも食べていた。しかも、生牡蠣とカキフライを沢山である!!
「どうしたのかね?ボールがアトミックバズーカを受けたような顔をしてるよ?」
「「「これ、プラント産じゃなくてファウンデーション王国産」」」
「「マジで!?」」
その瞬間、ムウさんとクルーゼさんはどんどん顔が青白くなる。
「カキは食べない方が良いね。はい、ルディの分ね」
「兄ちゃん、ありがとう」
キラはルーデウスと行動しており、ルーデウスの分をとってあげていた。
(ヤマト隊長…聞こえますか?)
精神感応の感触が来たため、キラは咄嗟に唐揚げのイメージをしたが…それをスルーしてイングリットの声が頭に響く。
(ビックリした…イングリットさんか。僕はイメージするだけで良いんだよね?どうしたの)
(非常事態です。ラクス総裁がカキフライを食べました。体勢を保つためとは言え、ファウンデーション王国側から差し出されたこともあり…更にもう一度揚げていただきましたが…恐らく毒抜きはされてません。
念のため、毒味をしましたが…顔の半分が痺れてます。総裁も似たような症状が出てます)
ラクス直属の護衛を担当したイングリットからのSOS!!
なんと言うことだ。ラクスはオルフェとアウラからカキフライを差し出され、ファウンデーション側との表向きは友好な関係を崩さないためにも、食べるしか出来なかったのだ。幸いにも、ラクスが「もう少しカリカリの方が」と告げたことで、再度加熱されてノロウイルスの危険性は低くなったが…それでも毒抜きはされておらず、毒味を担当したイングリットとラクスに貝毒の症状が出てしまった。
牡蠣はざっくり言うと海水を取り込みプランクトンを食べて…綺麗にした海水を出すのだが…この仮定で毒性プランクトンを食べると、身体に毒素を蓄えてしまう。麻痺毒を蓄えていた場合は、顔や身体が痺れるような麻痺が出るのだ。
「ルディ!一先ず、ラクスとイングリットを連れて行くよ」
「うん!!」
SOSを受けたキラとルーデウスは一段高い所で、食事をしていたラクスと付き添いのイングリット、そしてロリババアの所に向かう。
「失礼します。ラクス、大丈夫?」
「ラクスねえ、大丈夫?」
2人の問いかけに対してラクスは頷くように返事をする。顔はしんどそうで、コーディネーターのため免疫力は強く…顔や手足が痺れた程度のようだ。
「イングリットどうだい?自力で動けそう?」
(自力で動けます。ヤマト隊長はラクス総裁を、ルーデウスは周囲の安全確保を…)
イングリットは頷くように返事をして、テレパシーでキラとルーデウスに伝えた。
「アウラ女王陛下。総裁は少し気分が優れないようです。失礼します」
「おっおう…(妾、毒なんて入れてないんだけど!?)」
キラはラクスをお姫様だっこし、イングリットは左腕が痺れているのか右手で抑えて歩き出す。そして3人を守るように、ルーデウスが警戒しながら歩き出して…城を出ていった。
「のう…オルフェよ。毒なんていれてないよね?」
「母上、いれてませんよ」
「だよね。牡蠣も新鮮な物を用意したし…」
キラ達が見えなくなってから、ロリババアはオルフェと小さな声で会話をする。だが…何かがロリババアの胃袋から上がってくる。これは…まさか…
「母上?」
「オルフェぇぇ…ヘルプぅぅ…おろぉぉぉぉおお!!」
「はいたー!?」
ロリババアアウラ、口からキラキラのモザイクがかかったゲロをナイアガラの滝のように吐き出してしまう。
「母上!?何が!?えっ!?」
「まずいのじゃ……お腹が物凄く痛いのじゃぁあ!!妾はヴィアと違って出産経験したこと無いからわからんのじゃが、多分陣痛ぐらい痛いのじゃ!!肛門が負けそうじゃぁぁあ!!」
食中毒は遅れてやってくる!!ロリババア…人生初の食中毒を味わい、高熱と下痢とゲロのトリプルコンボを味わうことになってしまうのだ!!
「あっ…」
「母上ぇぇぇぇえ!!」
一方のミレニアム。
「処置は終わったわ」
ミレニアムの医務室にラクスとイングリットを無事に運べたキラとルーデウス。ラクスとイングリットはヴィアの適切な処置を受けて、無事とのことで明日には元気になっているとのこと。
「しかし、毒か…まさか牡蠣を使った毒殺を?」
ミレニアムに残っていたコノエ艦長が考えながらそう言う。
「確かに牡蠣の自然毒を使えば、最悪は不幸にも食中毒という言いわけが使えます」
同じく残り、エリカと並ぶ魔改造野郎のハインラインさんが言う。確かに牡蠣での食あたりなら、不幸にも起こった食中毒と言い訳が出来るのだ。
「仕方がない…ルディ、行くよ。お・と・し・ま・えをつけさせてやる」
「OK!徹底的だね!」
スパコ兄弟、責任者のオルフェに落とし前をつけさせるために再度、出発。
「えっ?」
「ほへ?」
だが…パーティー会場に到着すると、人が誰も居なかったのだ。その代わり、床の所々ではキラキラモザイクのかかったゲロと下痢が有ったのだ。
「まさか……集団食中毒!?…トイレは…あっちか!」
一番近いトイレの近くに行ったが、阿鼻叫喚の地獄となっていたので…次のトイレのポイントに向かう。
「ぐぅぅ…こっ…これは…なんなんだ!?……牡蠣は腐ってなかったのに!!」
すると、その道中で全神経を肛門の筋肉に集中させ、内股歩きで歩くオルフェが居たのだ。
ターゲットを確認したキラとルーデウスは仁王立ちし、進路を塞ぐ。
「ヒビキ兄弟…そこをどけ!!」
「やだね。兄ちゃん!!」
「ここを通りたかったら、これにサインするんだ!!」
キラはとある書類をつき出す。それはキラお手製の誓約書であり『私オルフェ・ラム・タオは今回の件を受けて責任を取り、後日記者会見を開いてしかるべき対応を取ります』と書かれていたのだ。
「さあ…どうする?サインしてトイレで用を足すか、盛大に漏らすか!!」
「サインした方が楽だよ~今のアンタにとってトイレはアヴァロンだもんね」
ニヤニヤと悪い笑みを浮かべるスパコ兄弟。だが…ここはファウンデーションの城、オルフェは全てを知り尽くしている。
「くっ……トイレ…は…ここだけじゃ……ないぃ!!」
オルフェは180度方向転換し、つま先立ちで脂汗もかきながら移動する。どうやら、限界が近いようだ。だが、ここで逃げられたら責任から逃れられてしまう…
「「にがぁすかぁぁあ!!」」
逃がすわけにはいかない、キラとルーデウスはオルフェにタックルして動きを妨害する。
「バカ!!やめろ!!」
「「ぬぅぅぉおお!!」」
「あぎゃぁぁぁぁあ!!あっ……」
その瞬間。オルフェの表情が緩む。まさか、漏らした?と思ったキラとルーデウスはオルフェから離れてしまう。だが、それはオルフェの作戦だった。オルフェは再び顔を力ませて、つま先立ちで歩き出す。
「バカめ!!世界の支配者が……うんこなど漏らすかぁぁあ!!」
だが、スパコ兄弟は諦めない。再び走り出して、オルフェの足を完全にロックする。すると、オルフェは前方向に倒れてしまう。
「あぁぁぁあ!!」
目の前に手を伸ばすオルフェ。目の前には男子トイレの入り口があり、すぐそこにはアヴァロンがあるのに…こんな所で…こんな所で…社会的に死んでしまうのか。
「「よし」」
無事に誓約書にサインと印鑑を押したオルフェは男子トイレに入り、ギリギリ間に合った。
だが、ファウンデーション王国のアコードは精神感応で常に繋がっており、安堵したオルフェの肛門筋が緩む感覚が伝わってしまい…
「いやぁぁぁあ」
「ぎゃぁぁぁあ」
「聞いてないよ、こんな毒!」
「コイツの毒は…強すぎる」
トイレで出した筈で、トイレから出たアコード達全員に伝わってしまい…大変なことになったとか。
後半に続く。
一番ヤバイのはアウラです。ノロウイルスは老人や子供は特に危ないので(笑)
次回…後編
Freedom終わったらどうする?
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Freedomな皆さん、今後も弾けて
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Freedomな皆さんINビルドシリーズ
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Freedomな皆さんIN水星の魔女
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Freedomな皆さんINスパロボ的な