(自称)先生の超親友兼連邦生徒会副会長、紫青ライラ   作:ふしあな

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お久しぶりです
色々とあったお陰で更新が滞っていました。ここから追い上げていけたら良いですね……
まああとは単純に作者が説明フェーズを書くのをめんどくさがったって言うのがあるんだがなぁ!!

やっぱり堅苦しい話より戦闘とか書く方が楽しいよね


始まりを告げる事件

 

 

 

ユメが運転するバンに乗り込み、着いた先はどうも重々しい前線基地の様な建物に張り詰めた空気の砂漠の真っ只中だった。辺りを巡回しているPMCは銃のセーフティを外しいつでも発砲できる様にしているほど警戒を隠さずに巡回している。この場にアビドスのバンが見えても銃を構えて、その中からユメとホシノが顔を見せてようやく有刺鉄線に囲まれた中に招き入れてくれたほどだ。

 

「“………ここは”」

 

指定位置に車を停めて先生たち全員が降り立った先は、砂嵐が吹き太陽に焦げた熱砂が舞い散るアビドス砂漠の中心部。多少整理されている様に見えるが、それでも道を少し外せば多くの砂が降り積りそこに土嚢や武器が立てられているのを見るにいつでも戦える様にしている拠点…というべきだろうか。

 

「ん、ここは探掘基地」

 

「企業たちの拠点みたいなモノです」

 

シロコの名称と共にアヤネが追加で解説する。

アビドス砂漠の地下であるドゥアトは迷宮と呼んでも良いほど複雑に入り組み当時のアビドス生だけでは中々探掘が進まなかった。そこには物資の不足や人手の無さなどがあったが、やはり一番は“アビドス高等学校を取り巻く問題”が大きかった。

 

その当時から先見の明があった副会長はいずれ巨大な金鉱脈になるこのドゥアトの探掘を含めてアビドス高等学校を取り巻く問題ごと解決してしまおうと打った手がこの

 

「企業との連携条約。言うならアビドスは直接企業と契約をしている学校なんです」

 

アビドス高等学校はドゥアトの探掘を主に行い、企業はそのアビドス砂漠探掘委員会が探掘したオーパーツや遺物などの売買を主に行う。勿論その中には複雑な取り決めが為されているが、今では持ちつ持たれつの関係が出来ているという話だ。

 

アビドスは企業から安価で品質が保証された良い探掘道具を買い、企業はアビドスからドゥアトの物資や情報などを独占して買うことが出来る。“取り巻く問題”があった頃に比べれば今やアビドス高等学校は金鉱脈レベルの話では無く、もはやダイヤモンドを産み続ける鶏である。

 

「だからこうして企業だけでは解決できない問題とかあれば呼び出されるんだけどね」

 

セリカがそう不満げに呟くのはやはり、良いようにパシりみたく扱われている事だろうか。セリカの不満も言いたいことも分かるとアヤネは脳内で肯定する。大体こうして企業に呼ばれる案件は相当面倒ごとが煮詰まった後だ。企業のみで秘匿していた大規模な力場から帰ってこない探掘PMCの回収など…金払いは良いが、それ以上に気苦労の多い仕事が待っているのだろうなと向かう足は重い。

 

「………来たかアビドス」

 

そんな中でも足を進めれば目的地に着いてしまう。着いた先でファイル片手に忙しそうに立ち尽くす1人の大人の姿。他のPMCとは違う高級そうなスーツを身に纏ったその人は。

 

「“この人は?”」

 

「ん、紹介する」

 

机の上の書類を纏めてこちらを見るその姿に先生はシロコに耳打ちする。見たことも聞いたこともない人だと分かっているシロコは頷き解説しようと口を開いた瞬間だった。

 

「私はカイザーPMCの理事。アビドス砂漠での企業側の“代表者”と思ってくれていい」

 

「“!初めまして、私は……”」

 

「話は聞いているぞ、シャーレの先生。彼が従う女傑として名高い貴女がいるのなら百人力だ」

 

カイザーPMCの“理事”。その肩書きだけでどれほど偉いのかよく分かる。どうやら理事の中で先生の評価が高いのは副会長であったライラを従えているからだという理由なのはどこか引っ掛かるがそう言うモノだと納得した。

 

「とまあ面倒な前置きはここまでにしよう。……おい、持ってこい」

 

「「はっ」」

 

互いに握手をした直後。簡易的だが用意された丸椅子に座るように促されながら理事はここからのマナーは略式で早速本題に入ろうと後ろに立っていたカイザーの兵士の2人に声を掛け、2つのアタッシュケースを持ってこさせた。

 

「“これは……”」

 

「前金だ。……つまりこれは」

 

目の前に積まれた前金という名の山盛りのクレジット。現金輸送用と見られる黒塗りに銀色が鈍く輝くそのジュラルミンケースの中には隙間一つなく積まれているのが2つ開けられた状態で目の前に置かれた。

 

「相当マズい事が起きたみたいですね」

 

「ああ……ああ。配慮に感謝する」

 

大きな案件ひとつの報酬金レベルの大金がまさかの“前金”であるという大盤振る舞いにユメが今回の起きてしまった事件の事の重大さに戦慄するかの様に後ろに立つ後輩たちに目配せをする。

 

その意図を真っ先に読み取ったホシノは全員にスマホの電源を落とし、精密機械なども全部オフラインにする様に声を掛けた。勿論、それは先生のシッテムの箱も例外では無い。だがそうすると先生の身の安全性に欠けるのも事実。ライラは密かに何があっても先生だけは護れるように構えながら続きの話を待つ。

 

「では……事の経緯から解説しよう」

 

カイザーPMCとはもはや名ばかりの軍事会社である。今ではアビドス砂漠の探掘・遺物の売買などをメインに業務を行っている企業という認識で間違いない。そのあり方はもはやアビドスと切っても切り離せない関係になってしまった。

 

そんなカイザーPMCの現状はさておき、理事が彼女たちを呼び出したのはあり得てはならない事件が発生したからだ。それもその筈、まさか遺物が盗まれるなんて到底考えられない事態である。勿論カイザー側も遺物やオーパーツなどの取り扱いにはネズミひとつ通さぬ厳重さで取り扱っている。その中での犯行…犯人はすぐに分かった。それは同じカイザーの職員。おそらくカイザーの中でもPMCとは別派閥の職員が今回の狼藉を行ったのだ。

 

「内通者がいるとはっ!!」

 

「……で、何が盗まれたんです?」

 

見つけ次第八つ裂きにしてやるとばかりの低く底冷え響く声と共に机に叩きつけられた拳には未だ隠しに隠せぬ憤怒の影が見え隠れしていた。そんな姿に少し怖気付くアビドス生や先生を置いて真っ先に切り出したのはホシノだった。

 

「すまないな……ああ、そうだ。盗まれたのは“力場の羅針”含めて3点」

 

「“それって……”」

 

落ち着くよう言うかのようなホシノの問いに流石の理事も大人気ないと理解しているのか一息ついた後、盗まれた物品の書類を見せるようにばら撒く。その中でやはり一番目に入るのは先ほどまで話をしていた“力場の羅針”である。

 

ドゥアト二層以降で行動するのなら殆ど必需品と言って良いほどの遺物。これがあるからカイザーPMCはアビドス砂漠での企業側の代表としての箔があると言ってもいい。

 

「羅針と……後は最近発掘した遺物ですか」

 

「ああ、おそらく金銭的な価値を狙った犯行だろう」

 

後ろから覗くアヤネが呟く。遺物に関しての管理は全員で行っているがその中でも一番知っているのはアヤネだとアビドス全員が満場一致で答える。その期待通りにアヤネは残りの2つの遺物の写真を見て即座に発掘した場所と発掘者と、その遺物の特記事項などを思い出す。

 

すると確かに“力場の羅針”には非常に有用な効果さえあるが、残りの2つはそれほどの効果を持ったモノではない。どちらかといえば貴重品に近いその2つは好事家にとっては涎が垂れるほどの代物であろう。

 

「最悪羅針さえ無事なら構わない。取り返してくれるか?」

 

まあそんな一銭の価値にしかならない貴重品については惜しいが遺物ほどの価値があるわけではない。理事にとっては羅針さえ無事なら問題はないという前置きを置いてその盗まれた遺物の奪還が今回の依頼だ。

 

アビドスにとっても羅針が所在不明なのは色々と都合が悪い。

理事の依頼を

 

「……で、その盗んだ相手が誰とか分かってるの?」

 

「そちらについてはもうこちらで追跡している。だが盗難品はどうやら生徒たちの手に渡っているのを確認した」

 

ホシノの問いに理事は答える。主犯格は既にいつでも取り押さえられるような状態にはしているが問題は盗難したモノが生徒の手に渡っていると言う事だ。“契約”上今回の事件でカイザーPMCは生徒に手出しするのが非常に難しい。

 

「その生徒たちの名は……便利屋68という名で活動している何でも屋だ」

 

 

 


 

 

 

【同時刻】

 

 

アビドスがカイザーから依頼を聞いているのと同時刻。とある部屋の一室に集まった4人の少女たちは黒いアタッシュケースの中に更に黒いクッションで包まれた透き通るような光を反射して青碧色に煌めく水晶の髑髏を眺める。

 

そんな4人の少女のうち真ん中に座った1人の少女…赤髪に特徴的な側頭部から生えた一対のツノはまるで悪魔のよう。その表情も不敵に笑いながら目の前に置かれた一眼見ただけで貴重だと分かる代物にも怖じける事なく今回の依頼者を見る。

 

「へぇ……これがねぇ?」

 

「はい、こちらが今回守っていただきたい代物でして……」

 

そんな少女たちの前に座るのはキヴォトスでも珍しくないスーツを身に纏ったロボットの男。そんな彼は今見せた水晶髑髏を一定期間守って欲しいという依頼。貴重品ゆえに多くの人に狙われているのを是非裏社会に名高い便利屋68に守ってもらえないかという依頼。

 

「ふふふ……安心しなさい。“水晶髑髏”は私がキチンと守ってみせるわ」

 

この便利屋68の社長、陸八魔アルがね。という真ん中に座った少女…アルがまるで三日月の様な恐ろしいほどの笑みを浮かべてこの依頼の完遂を依頼主に誓う。そんな勇ましい様子にこれなら任せられると依頼主は上機嫌で報酬の話をし始めた。

 

「前金でこれほど。そして成功報酬は」

 

依頼主は懐から小さな札束を一つ取り出し、前金として置いた後で持っていたもうひとつのアタッシュケースを机の上に乗せて鍵を開ける。先ほどの水晶髑髏よりも重厚に守られたその中にはキラリと真紅に輝く大粒のルビーが鎮座していた。

 

「こちら“深紅の大輪”を無料でお譲りいたします」

 

「なっ……」

 

見る人を魅了するかのような宝石の輝き。まさかこれほどの代物を報酬として出すとは考えてもいなかったのだろう。不敵な笑みから目を丸くして驚くアルの顔に満足したのかではこの依頼を受けてくれるか?と再度依頼主は問う。

 

「ええ。任せてちょうだい」

 

「心強い事です……ではこの日時までよろしくお願いしますね」

 

アタッシュケースとその鍵を預けて依頼主はまるでステップを踏むかの様な気軽さで残りの伝達事項を伝えて去っていく。そうして完全に便利屋68の事務所から立ち去っていくのが見えたところでようやくアルはその不敵な笑みから満面の笑みで喜ぶかの様に両手を頬に当てながら脚をバタバタと動かす。

 

「ふふふ………うふふふふふふ!!」

 

「にゃは♡アルちゃん上機嫌〜!」

 

そんなアルの姿に隣で座っていた4人の少女の中で一番幼そうに見える銀髪の少女がそんなアルの頬を突きながら笑う。

 

「ええ!だって……」

 

ようやく私たちも有名になってきたのよね!

そう、実は便利屋68は割と自転車操業の企業である。日頃から常に金欠で、一食抜いたりひとつのカップラーメンを4人で分けて食べたりしているほどの金のなさ。事務所の維持費や家賃でさえ危ういところに入ってきた大口の依頼。前金だけで数ヶ月の家賃や食費、銃の整備費や諸費などetc…賄えるといった実に気前の良い依頼。

 

「あわわわ……アルさま…爆弾の準備していいですか……?」

 

「ええ!そうね!今から忙しくなるわよー!」

 

上機嫌なアルの姿に他の3人の準備にも力が入る。少し遠くで紫の髪の少女がアルに粘土状の爆薬が入ったカバンを持ち上げる。勿論、全部の装備を使って今回の依頼を完遂する意欲でいるからアルは全武装の所持を命じる。……さて、ようやく準備できたとアルは今回の仕事のためにまずはみんなで腹ごしらえをしようと席を立ったのだった。

 

「んー?カヨコっちどうかした?」

 

「………そうだね、急ごう」

 

そんなアルの後ろを追従していく紫髪と銀髪の少女のうち、一番後ろで沈黙していた黒と白が混ざった髪色の少女が不自然に沈黙しているのが見えた。カヨコと呼ばれたその少女はまるで忘れる様に首を何度か左右に小さく振って銃を取り出しホルスターに納める。その一連の武器の装備の仕方は見る人が見れば“キヴォトスで一番有名”と言っても過言ではない彼の姿と被るかの様な手慣れたあり方。

 

そう。まるで“連邦生徒会副会長”紫青ライラの影を踏襲するかの様なカヨコの姿。

何故何でも屋の一社員がキヴォトスのトップに立つ彼の面影があるのか?その2人には一体どんな関係があるのか、或いは無いのか?その全てを知るのは当事者の2人だけ……だが、密かにカヨコが感じるツノの疼きだけがその2人の再会を予知している様で────────

 

 

 





ライラ「怒らないでくださいね?わざわざ地元の生徒たちを敵に回して宝探しをするなんてバカみたいじゃないですか………連邦生徒会は君たちの後ろにいるよ」

理事「うわあああああああああ(アビドス書き文字)副会長がアビドスを立て直していくっ!……もしかして敵対しているより肩を並べて利用し合ってた方が利が大きいタイプ?」

ライラ「はいっそうですよ(ニコニコ…ゴングを鳴らせっ!交渉開始だぁ!!」


アル「いやぁ……私たちも有名になってきたわねぇ……」
銀髪と紫髪「ですねぇ……」
カヨコ(悪寒書き文字)

ってな感じが今話ですね。
それでは感想、評価お待ちしてます。
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