アビドスの面々と銀行強盗した数日後、俺は何の悩みも苦しみもなく、まるで赤ちゃんのようにぐっすりと眠りにつく日々を送っていた。
この平穏が続けばいい。そう思う中、なんとティーパーティから召集を受けたのだ。ちなみに俺は桐藤ナギサとも、聖園ミカとも関わりはない。百合園セイアとは多少関わりがありはしたが、彼女は現在、原作通り行方不明扱いだ。とにかく、今のティーパーティメンバーと俺との間には何もないのだ。
気が乗らないため適当に景色を見ながら廊下を歩く。そしてティーパーティの部屋に着いた。
ノックをして部屋に入る。
「失礼します。トリニティ総合学園高等部二年無所属七望ネムリ、召集に応じ参りました」
「召集に応じていただき感謝します。私はティーパーティの今期のホストを務める桐藤ナギサです。早速ですが、本題に移らせていただきます」
桐藤ナギサはそう言うと、一度ティーカップに口をつける。
なんともまあらしくない。個人的にはさっさと話が進むのでありがたいが、本来はここまで急いで本題に進むタイプでもないだろうに。
疑いは人を変える、ということだろうか。今回の場合、いい意味ではないが。
「数日前、あなたはヒフミさんと出かけていたようですね」
「ええ、まあ」
「......単刀直入にお聞きしますが、何処で何をしていましたか?」
......なるほど、ファウストとジェイソン、そして覆面水着団のことはすでに耳に入っている、ということか。
まあ適当に誤魔化せばいい。いくら権力が強かろうと、さすがに一生徒の行動履歴を遡ることなどできまい。
「そうですね、前に阿慈谷と出かけたときは......百鬼夜行に行きましたね。なんでも、ご当地ペロロなるものを集めたいとか言ってましたね」
「......どうして、あなたが付いていく必要が?」
「トリニティの生徒ってだけでよく誘拐されそうになるんですよ。阿慈谷はそこまで戦いに向いてないですし、誘拐されそうになれば抵抗も難しいでしょう。ですので、俺が護衛として付いていくわけです」
「なるほど......概ね理解しました。本日はお越しいただきありがとうございました。次に会うときは、もう少しゆっくり話せるといいですね」
「そうですね、次があるのであれば、俺も何か持ってきますよ。よく行く店のスイーツとか」
「そうですか......それでは、その時を楽しみにしておきますね」
微笑む桐藤ナギサの顔を見て俺は部屋から出る。
ああ、あれは完全にロックオンされたな。あんな下手くそな笑顔じゃあ本心を隠しきれていない。
原作の知識があるからわかった、というわけではないだろう。きっと、誰が見ても何か追い詰められているように感じるだろう。
......にしても、追い詰められ過ぎじゃないか?原作だとここまで酷かっただろうか。
まあ、それは置いておこう。どうせもう関わることなどないのだから。俺が何かできることもない。何かできるのは、
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七望ネムリが部屋を出て、ここには桐藤ナギサが残された。
聖園ミカは今はいない。どこにいるかなど、今は関係もない。
百合園セイアは今も見つからない。突如姿を消して、どれくらい経っただろうか。
桐藤ナギサは先ほどの言葉を交わした少年のことを考える。
キヴォトス唯一の男子生徒。その存在はこの学園において、迫害の対象になった。しかし彼は折れず、今もなおこの学園にいる。それが今の彼女にとってはとても恐ろしいものに思えてならない。
なぜそこまでされてここに留まるのか。もしかして、どうしてもトリニティでなければならなかった―――――?
彼女の疑念は止まらない。ここからはただ、彼がトリニティにいる理由を都合よく解釈していくだけだ。
彼は行方不明になった百合園セイアと関わりがあった。そして、桐藤ナギサ自身が気にかけている阿慈谷ヒフミとも親しい。
平時であれば何も気にならなかっただろう。だが今の彼女にしてみれば、自身に毒牙が迫っていると感じられる。
彼の存在により、彼女の状態は
それは、今はわからない。
アビドス編3章を読むためにあまねく奇跡の始発点も読みました。
シロコとシロコ*テラーの特殊勝利モーションの意味を理解して涙出ました。
あと、シュポガキのBGMめっちゃ好きです。