懐かしい夢を見た。
あの日··········彼、或いは彼女と出会った日の事を。
あれは、俺の5歳の誕生日の日だった。
家族に祝われ、充実したその日の夜、俺は夢を見た。
そこは、真っ白な場所だった。
辺りには何もなく、当時の俺は不安で仕方がなかった。
その時だった。俺の目の前に青白い光の玉が現れた。
光の玉は段々と形を変えていき、やがて仮面の戦士となって俺に話しかけてきた。
『初めましてですね』
「だ、だれ?」
『私は仮面ライダーゼイン、正確に言えば人工知能AIゼイン·······の、並行同位体です』
「へいこう·····どういたい?」
当時5歳だった俺には、並行同位体の意味が分からなかった。
『並行同位体·······まぁ分身とでも思ってください』
「分身!ヒーローみたい!」
『ヒーロー?』
当時の俺は、ゼインにヒーローについて教えた。
始まりは中国の軽慶市、発光する赤ん坊が生まれたという報道からだった。
その赤ん坊の誕生以降、世界各地で超常現象が報告され、世界総人口の約8割が超常能力“個性”を持つに至り、社会は超人社会となった。
そしてそれを機に、絵空事であったヒーローという存在は職業の1つとなった。
だが同時に、個性を利用して悪事を働くヒーローとは対の存在となる
当時の俺は上手く説明する事ができず、それとなくしかゼインに説明できなかった。
『つまりヒーローは、個性と呼ばれる能力を使い、同じ個性を使って悪さをする
「うん!」
『成る程·······』
当時の俺の説明を受けたゼインは、顎に手を置き考える素振りをしていた。
「ねぇゼイン」
『なんでしょうか?』
「ここ何処?」
『ここは恐らく貴方の精神世界······貴方の夢の中だと思ってください』
「僕の夢の中?」
『はい。そして恐らく、私は貴方の個性です』
「ゼインが僕の個性?」
『はい。もっと正確に言えば、貴方の個性と私が混ざり合ったようです』
「混ざり合う?」
当時の俺は、ゼインの言ってる事が理解できず、首を傾げた。
『貴方の話を聞き自身の解析······調べたら分かりました。私は貴方の個性と融合··········合体している事が分かりました』
「合体!凄い凄い!」
『少し、頭に触りますね』
ゼインはそう言い、当時の俺の頭に触れる。
するとゼインの目が光、そっと手を頭から離した。
「何したの?」
『申し訳ありません。勝手ながら、貴方の記憶を見させてもらいました。それにより、現実の世界についてラーニング······学習をさせてもらいました』
そう言うとゼインは、膝をつき当時の俺と視線を合わせた。
『最初に言っておきます。貴方の個性は元々強力な力です。そこに私も混ざった事により、個性はより強化されてしまいました』
「そうなの?」
『はい。はっきり言って私はオリジナル·······本体よりも強力な、異常な存在です。そんな私を取り込んだら、恐らく貴方には様々な困難が立ち塞がるでしょう』
「こんなん?」
『簡単に言えば、思い通りに行かない辛い事があるという事です』
「·················」
『それでも、貴方はヒーローになりたいですか?』
「なりたい!」
『ッ!?』
即答する当時の俺に、ゼインは驚いていた。
「ゼインの言ってる事、少し分かるよ。でも僕、なりたいんだ!悲しんでる人を笑顔にしたい!」
『·········怪我だけじゃすまないかもしれません。それでもヒーローになりたいですか?』
「うん!」
『·······················分かりました』
真剣な顔で答えた当時の俺を見て、ゼインは手をさしのべてきた。
『ならば私は、ヒーローを目指す貴方に力を貸しましょう。貴方の夢を叶える為に』
「うん!宜しくねゼイン!」
そう言った当時の俺は、ゼインと握手を交わした。
すると、目を瞑ってしまうくらいの光に包まれる。
目を開くと、見なれた天井が視界に入った。
スマホの電源をONにして時刻を確認すると5時30分だった。
「懐かしい夢を見たな」
『我々が初めて合った頃でしたね』
「おはようゼイン。ゼインも見たんだ」
『おはようございます、マスター。えぇ、あの頃の貴方は可愛げがありましたね』
「喧しい。それより今日は施設の子達のとこに行く日だったよな?」
『はい。10時より施設の手伝いです』
「サンキューなゼイン。そんじゃ、日課のトレーニングしますか!」
俺はベッドから起き上がり、クローゼットからジャージを取り出して着替える。
俺の名は
飛電インテリジェンスという、ヒーロー達のサポートをする為のアイテム、いわゆるサポートアイテム等を開発している会社の息子で、プロヒーローになる為に色々頑張っている中学三年生である。
ここで俺の個性について言っておこうと思う。
俺の個性の名は【トランセンデンスゼイン】
この個性は、夢と現実で話していたゼインこと仮面ライダーゼインに変身できる。
本来なら、ゼインが生み出した【ゼインカード】と呼ばれるカードは、使用した後は消滅してしまうのだが、数分経つとカードが復活し、再び使用できるようになる。
使用できるゼインカードは、ゼインと同じく仮面ライダーと呼ばれし人達で、サブライダーとダークライダーと呼ばれている者達を含んだ、昭和の時代を駆け抜けた昭和ライダー、平成の時代を駆け抜けた平成ライダー、令和の時代を駆け抜けた令和ライダー達のゼインカードがある。
他にも、仮面ライダー以外の戦士のゼインカードが存在している。
変身の際に使用する【ゼインプログライズキー】と呼ばれるアイテムがあるのだが、それと同系統の様々な能力を宿すアイテム【プログライズキー】を生み出す事ができ、使用する事が可能だ。
プログライズキーの中には、特別なプログライズキーが存在し、強力な為なかなか使いこなせない。
そして俺の体内には、【トランセンデンスエネルギー】と呼ばれるエネルギーが流れており、自分の思い通りに変化させる事が可能。
トランセンデンスとは超越という意味で、トランセンデスエネルギーはあらゆる理を超越したエネルギーだ。
このエネルギーで攻撃は勿論、相手を拘束する等エネルギーを自在に操れたり、エネルギーで物や生物、個性因子を生み出し新たな個性を作る事が可能だ。
生み出した個性に関しては、ブランク状態のプログライズキーに保存でき、プログライズキーを通して使用する事ができる。
『マスター。何をぼうっとしてるんですか?』
「ん?何でもない」
俺は脳に語りかけてくる
という訳で、仮面ライダーゼインとヒロアカの作品になります!
次回は正平の日常回の予定です。
よければ次回も是非読んでください!