わんだふるぷりきゅあ!混ざり合った獣たち   作:水甲

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20 アジリティとユキの変化?

成護Side

 

ある日のこと、いつも通り……いろはの家に向かう途中、まゆとユキの2人とばったり出会う

 

「あ…成護…くん、こんにちは」

 

「あぁ……」

 

何か…変な感じがする……まゆは顔真っ赤にしてるし、俺も何だか顔が熱い……

 

「はぁ…」

 

ユキはユキで呆れてる…なんで?

 

 

 

 

いろはの家のドッグランには、いろはが知り合いの犬束とペットのウィットにドッグスポーツのアジリティというものに誘われ、参加することになった。こむぎはアジリティをすることにはしゃいでいた。

 

「どうして、そんなにはしゃげるのよ? 初めてでよく分からないものなのに……」

 

「よく分からないからワクワクするんだよ!」

 

「いろはちゃん! おいで! やってみよう!」

 

「はーい! まゆちゃん達も!」

 

「あ、私達は……ここから見てるね!」

 

「分かった!」

 

「分からないワクワクか……いろはちゃん達はすごいな……」

 

「うらやましがる事はない。まゆだって、すごいもの。だって、この私が、パートナーになってあげてるのよ。自信持ちなさい」

 

「そうだな…と言うかいろははまゆを誘ってたけど、誰とさせるつもりだったのか?」

 

「それは…ユキと…じゃ無理というか難しいよね……」

 

だとしたらこむぎか犬束さんのペットのウィットとやらせるつもりだったのか?

 

「所で…2人とも?」

 

「「なに?」」

 

「私を挟まないで話してるのは意識してるからかしら?」

 

「「………違うよ」」

 

意識は…多少はしてるけど…うん……

 

「とりあえずアジリティの方を見よう!」

 

「そ、そうだね!」

 

「はぁ……」

 

そもそもアジリティというのは、コース上に置かれたハードル、トンネル、シーソーなどといった障害物を制限時間内にクリアしていく競技。参加するのは犬だけでなく、飼い主もだ。そのため飼い犬と飼い主の息を合わせる事は、アジリティにおける大切なポイントになっている。まずは犬束さんとウィットがお手本を見せたけど、凄いな……息が合ってる

 

「自然界のワンちゃんが当たり前にしている動きを、スポーツとして一緒にやろうというのが、このアジリティの始まりなんだ!」

 

「すっごく面白そう! こむぎ、やってみよう!」

   

「それじゃあ、最初は簡単なところからやってみようか」

 

「はい!」

 

「ワンワン!」

 

早速いろはたちも初心者だから簡単なものからと思っていたが……

 

「……って、あれ? ええ、こむぎ!? もしかして、ぶっつけ本番でできちゃうの!?」

 

こむぎ…凄い自信だ…確かに普段のこむぎならぶっつけ本番でもやれそうだけど……

 

「ワフー!」

 

「ちょっ! こむぎ! 違う違う! 跳ぶの!」

 

こむぎはハードルを跳ばずくぐり抜ける

 

「ハードルはジゃンプ! じゃなくて、えーと……何ていうんだっけ?」

 

今度はトンネルをくぐるのではなく、ジャンプしてトンネルの上を走る

 

「そこはくぐるんだよ……」

 

今度はポールを避けながら走るのだが……

 

「ぶつかっちゃう! そこは上手く避けてね! スルーするんだよ!……って、全力ダッシュでスルーかーい!……って、すごいダッシュ……」

 

「こむぎちゃん、速い!」

 

「何、あれ……」

 

「何か普通に遊んだだけな感じが……」

 

こむぎはやり終えて、誇らしい顔をしていた。

 

「ワンワン!」

 

「いや、全然できてないからね……」

 

「でも、素質あると思うよ!動きながらもこっちに耳を向けてるのは、いろはちゃんの声がちゃんと入ってる証拠なんだよ!」

 

「へー…」

 

「偉いよ、こむぎちゃん!」

 

「すごいよ、こむぎ!」

 

「何、あのドヤ顔……」

 

「でも、すごく楽しそうだよね!」

 

「こっちも楽しいでしょ?」

 

「え? ええー? もしかして焼きもちやいてる?」

 

「別に」

 

「大丈夫! 私はいつだってユキ派だよ! もちろん、ユキと一緒の時間も、すっごく楽しい!」

 

そう言って嬉しそうに猫吸いをするまゆ…仲良いな、本当に……

 

「はー! 幸せ!」

 

「ま、当然ニャン……」

 

ふとユキが俺を見て……

 

「まゆ吸いはまだ早いわよ」

 

「ユキ!?」

 

「やらないから…」

 

と言うかユキの奴…揶揄ってないか?てっきり俺とまゆの仲を進展させないようにしてる?

 

 

 

 

それからいろはは犬束さんに色々な話を聞いていた。

 

「ドッグスポーツをやる上で大事なのは、焦らずにワンちゃんと向き合う事。私達は、共に人生を歩むパートナーなんだ。だから、どんなに時間がかかっても、オンリーワンの信頼関係を築く。それを常に目指すんだよ」

 

「オンリー……んー……ワンダフルー!分かります! うんうん! オンリーワンダフルな関係になろうって事ですよね!」

 

「うん!」

 

「こむぎ! もう一度アジリティやってみよう! オンリーワンダフルでいけば良いんだって!よしよーし! 次はオンリーワンダフルだよ!」

 

「やっぱり、こむぎちゃんは素質あるよ! それに、いろはちゃんにも、ハンドラーの素質がある!」

 

「素質?」

 

「こむぎちゃんも、いろはちゃんも、お互いの表情や仕草で、相手が何を考えて、何を感じているのかを、常に理解しようとしてるもん!すごく良いパートナー同士だよ!」

 

「えへへ……それほどでも、あるのかな!」

 

それから何度か練習をしていく2人。犬束さんはそんな2人に更にアドバイスをした

 

「コマンドって、私達と同じじゃなくていいんだよ。こむぎちゃんが憶えやすい言葉に変えていいの」

 

「そっか…私達だけのオンリーワンダフルなコマンドでいいって事ですね!」

 

「そういう事! じゃあ、またね!」

 

犬束さんたちはそう言って帰っていった。その後いろはたちは……

 

「憶えやすい言葉か……じゃあ、こむぎの好きな言葉にしよう!」

 

「それ、良いワン!」

 

「えっとね…こむぎの好きな言葉は、いろは! それに、いろはだワン!」

 

「それじゃ、全部私の名前になっちゃうよ…あ、閃いた!」

 

「何? 何?」

 

「憶えにくいのは、ポップとスルーだから、『大好き!』って言ったらジャンプ! 『仲良し!』って言ったら左右にゆらゆら!そんでもって、スタートは…」

 

「うんうん!」

 

「ワンダフルゴー!」

 

「ワンワン! わんだふるだワン!」

 

楽しそうに話している2人。もしかしたら直ぐに上達するじゃないかと思っていると、こむぎとユキは不意にガルガルの気配を感じ取った。

 

 




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