わんだふるぷりきゅあ!混ざり合った獣たち   作:水甲

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夏祭り回!



22 明かす内緒

『どうやらこの個体は痛みに強いようだな』

 

『先日の個体は確か飢えれば飢えるほど能力が高くなるようで』

 

『こちらは更に特殊みたいです。どうやら孤独であればあるほど……』

 

『被検体1号、2号、3号。共に成果が出ているみたいだな……さて、こちらの…………』

 

 

 

 

 

 

「はっ!?」

 

久し振りに嫌な夢を見た……本当に最悪……

 

「姉さん、魘されてたみたいだけど大丈夫か?」

 

「大丈夫…よ……あれ?九郎は?」

 

「九郎なら出かけてる」

 

「そういえばデートだっけ?本番の祭りは夜なのに」

 

「頼まれたって、昼間からずっとデートしたいって」

 

あの子もそれなりに距離を詰めてるみたいね。良かった良かった

 

「成護はどうなの?まゆちゃんとは?」

 

「……そこそこ?」

 

「早く付き合いなさい」

 

「うるせぇ」

 

2人とも頑張ってるみたいね。とりあえず今日はまゆちゃん辺りにでも……

 

不意に視線を感じた!?今のは……気のせい?

 

「………夢のせいで色々と過敏になってるのかしら?」

 

 

 

 

 

「……見つけた」

 

「……まだよ。出来れば彼が目覚めてから」

 

「……早く楽しみたいぜ!」

 

 

 

 

 

 

成護Side

 

今日はいろはたちと一緒に七夕祭りに行くことになった。九郎は蟹江とデートのためこの場におらず、姉さんは待ち時間暇だから少し回ってくるとか……なので待ち合わせ場所には俺と悟と大福のみだった

 

「そういえば大福と会うの初めてだな」

 

「確かに…よく話すけど会わせるの初めてだったね」

 

話しに聞いてはいた。だけど……

 

「住野くん?」

 

「いや、なんというか…大福は大物だなと……」

 

「どういうこと?」

 

「あー、完全にではないけど……」

 

「成護くん、兎山くん。お待たせ」

 

俺があることを言いかけると、まゆとユキの2人がやって来た。2人とも浴衣姿。

 

「2人とも似合ってるな」

 

「はぁ…」

 

普通に浴衣姿なのを褒めたのに、ユキにため息をつかれた。なんで?

 

「あなた、そう言うときはまゆにだけ言いなさい」

 

「えっ?」

 

「ゆ、ユキ///」

 

「ほら、早く」

 

「えっと…まゆ、浴衣似合ってるぞ」

 

「あ、ありがとう///」

 

ユキ……応援してくれるのはありがたいんだけど……もう少し……

 

それからまゆから、ユキが人になれることをまゆの母親にバラしたらしいが、まゆの母親はあまり驚いた様子を見せなかったとか……ある意味大物では?

 

「じゃあ、ユキちゃんの事、普通に受け入れてくれたんだ」

 

「そうなの! すごく喜んでたよ!」

 

「猫屋敷さんのお母さんって、実は大物なのかも?」

 

「この子も大物ね」

 

「え? 大福が?」

 

「この顔つき、ただのウサギじゃない」

 

「顔つき?」

 

「うん、凄く分かる…さっきも『お前が悟が話してた成護か。中々強そうだが、俺がいない時に悟が危ない目にあいそうだったら助けてやってくれ』ってイケボで言われたぞ」

 

「住野くん、大福の言葉分かるの!?」

 

「完全にはじゃないけど…ある程度は……」

 

まぁこれも俺の中にある獣の力のお陰だろうな。それにしても大福の声……まるで乙女座の男みたいな声だったな

そんな話をしていると、いろはたちもやって来た

 

「おーい! みんな!」

 

「こむぎ! 待って!」

 

「こむぎちゃん! いろはちゃん!」

 

「いろは! 早く早く!」

 

「浴衣じゃ上手く走れないんだよ……遅れてごめんね……」

 

「ううん、そんなに待ってないよ! ね!」

 

「え、えっと……うん…全然…」

 

何か悟の様子が…いろはたちが来てから……いや、と言うよりいろはの浴衣姿を見てから……

 

「えっと、もしかして、兎山君って、いろはちゃんの事が好きなの?」

 

「え……」

 

まゆの一言に悟は図星を突かれた感じだった。いや、まさか……

 

「いや…あの…その…」

 

慌てる悟の様子を見て、まゆは察した

 

「そうなんだ!」

 

「え……ちょ、ちょっと……ごめん! 大福見てて!」

 

悟はまゆと俺をみんなから少し離れた場所に連れて行き……

 

「この事、内緒にしといてもらえるかな?」

 

「え、どうして? 2人、仲良いし、いろはちゃんだって、兎山君の事、すごく信頼してると思うけど!」

 

「それは、友達としてであって、犬飼さんはボクの事、そういう風に意識してる訳じゃないから……」

 

「確かに、いろはちゃんって、男の子も女の子も動物も、みんな平等に友達って感じだね!」

 

「だから、内緒にしてて……」

 

悟のいろはを見る目は何処か愛おしくも、困らせたくない。優しさを込めた目だった。

 

「困らせたくないんだ……それに、気まずくなるのも嫌だから……」

 

「そうなんだ……」

 

「悟、内緒にする代わりに俺達のも内緒にして欲しいことがあるんだけど」

 

「え?」

 

「え!?」

 

「俺とまゆはつきあ……」

 

「つ、付き合ってない!その…恋人未満!まだ恋人未満なの!」

 

「そうなんだ…でもなんでまた…」

 

「悟の秘密の思いを俺達だけ知ってるのはフェアじゃないだろ。だからだよ」

 

「そっか…ありがとう」

 

お互いに内緒の事を話しているといろはが尻餅をついていた

 

「痛…」

 

「いろは…」

 

悟はそれを見て慌てて駆け寄った。

 

「大丈夫?」

 

「うん、大丈夫……」

 

「ウソ……鼻緒がとれちゃった…」

 

「私の、あげる!」

 

「ダメだよ! それじゃ、こむぎが裸足になっちゃう!」

 

「大丈夫! 直せるよ! 肩、掴まってて!」

 

いろはは悟の肩に掴まると…悟は鼻緒を直し始める

 

「結び目がほどけただけみたいだから、すぐ直せるよ!」

 

「上手だね、悟君……」

 

「大した事ないよ。はい、でき……た…」

 

「悟君、ありがとう!」

 

「全然! いつでも呼んで!」

 

「うん!」

 

何か物凄い良い雰囲気だな……あとまゆ、こむぎが邪魔し……心配して駆け寄らないように押さえてる

 

「内緒にって言いながら、すぐ助けに行って……好きがあふれてる…とってもお似合いだよ…私、2人を応援する!」

 

「応援…それ、楽しい?」

 

「すっごく楽しい!」

 

「……まゆ、自分方もしっかりして」

 

「うっ!?」

 

ユキのツッコまれるまゆであった。

 

「まぁ自分の恋愛よりも人の恋愛応援する気持ちは分かるけど」

 

「まぼろさん!?いつの間に!?」

 

「そろそろ合流するかなって……」

 

「姉さん……」

 

とりあえず祭りに回る前に色々とあったけど……俺達は今から祭りを回ることになった。

 

 

 

 

 

俺達は最初に鏡石に来ていた。鏡石には沢山の短冊が飾られていた。アニマルタウンでは鏡石の傍に短冊を置けば願いが叶うとか……

 

「私のお願い事はね、いろはと毎日一緒に遊びたい!」

 

「それ、もう叶ってない?」

 

「あ、そっか。じゃあ、いろはとお話ししたい!」

 

「それも叶ってる」

 

「そっか。うーん、どうしよう……」

 

「私は、世界中の動物と友達になれますように!」

 

「ボクは……」

 

「書かないの? いろはちゃんと、もっと仲良くなれ……」

 

「そんな事書かないからね! 今は困ってる動物を助ける事が大事だから!」

 

「そうだね!」

 

「私も、そう書こう! 困ってる動物達を助けられますように!」

 

「まゆ、楽しそう」

 

「ユキは? 短冊、書かないの?」

 

「もう叶ってるから、いい」

 

「うーん…うーん…」

 

「珍しいね。こむぎちゃんが、そんなに悩むなんて」

 

「ゆっくり考えなよ。先にお店見に行こう!」

 

こむぎだけが願い事を書けないでいた……いや、俺もか……とりあえず俺の願いは……

 

『悲しませないように…』

 

そう書くのであった。




まぼろの願いは次回にでも!

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