わんだふるぷりきゅあ!混ざり合った獣たち   作:水甲

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44 マルっとスマイル

成護Side

 

この間のふれあいパークで出会った桜空と言う奴……強かった。単純な力だけじゃなく、氷を作り出しそれを上手く扱う戦闘スタイル……それだけで俺は桜空に勝てない……

だからって変に力を求めるよりも自分の今持ちうる力をどう使えば強くなれるか……

 

「どうしたものか……」

 

「成護…何を考えてるのか知らないけど……まゆがえらいことになってるわよ」

 

ユキにそう言われて気が付くと、まゆの衣服が少し乱れており、更に顔も真っ赤になり、息も荒かった

 

「せ、成護くん////その///吸うのは良いけど…少し激しい///」

 

「わ、悪い。色々と考えていて」

 

「ううん、その…私とイチャイチャしてるときは……私のことだけを…」

 

「まゆ、分かった。まゆのことしか考えない!」

 

そう言ってまゆとキスをした。それを見たユキはため息をついていた

 

「仲良しなのは良いけど……まゆ、そろそろ出かけるんでしょ」

 

「そうだった!」

 

「いろはの所か?」

 

「うん、でもいろはちゃんに用事じゃなく、サロンの方に…」

 

「サロンの方?」

 

 

 

 

 

まゆとユキと一緒にいろはの両親がやっているサロンに来た俺達。まゆはユキの爪をよく切れているか不安だったらしく、その確認をして貰いに来たらしい

 

「うん、よく出来てるよ。後は…」

 

いろはのお父さんはそう言ってユキの爪をヤスリで綺麗に整えた。ユキも満足そうにしている

 

「まあ、悪くないニャ」

 

「ありがとうございます!」

 

「どういたしまして! また聞きたい事があったらおいで!いつでもマルっとアニマルスマイルでお答えしちゃうからね!」

 

それにしてもいろはのお父さんのあの声って……

とりあえず俺達は少しいろはのお父さんの仕事を見ることになった。

いろはのお父さんはドッグランで次の患者の呼んでいた

 

「モカちゃーん! 君の番だよー! どこかなー?」

 

「あの、いろはちゃん。さっきから気になってたんだけど、あの声って……」

 

「あれは、お父さんの得意技『スマイルボイス』だよ」

 

「スマイルボイス?」

 

「うん。お父さん、ワンちゃんの前では、できるだけ高くて優しい声を出すようにしてるんだ」

 

「え、何で?」

 

「ワンちゃんは、低くて太い声だと、怒られてるって感じたり、怖いって思っちゃう子が多いんだ」

 

「だから、あの声、スマイルボイスを使ってるんだね!」

 

「うん!」

 

なるほどな……だけどさっきから呼びかけてるモカちゃんは中々来ない。するといろはのお父さんは何かをひらめき、先ずは友達になるところからとこむぎに頼み、一緒になって遊ぶことに……

 

「さっきよりもパワフルに遊んでるね!」

 

「うん! すっごく楽しそう!」

 

そんな話をしていると悟が

大福を連れてやって来た。

悟も大福の爪をちゃんと切れているか確認して貰いに来たらしいが、まだまだ時間が掛かると言うことで……

 

「それまで、私の部屋で遊んで待ってよ!」

 

「え……」

 

そんなこんなで俺達はいろはの部屋に行くが、悟は緊張してか入れず考え込んでいた。

そんな悟を見て、大福も何か「やれやれだな」って感じでいる……

 

「どうぞ、どうぞ、入って!」

 

「え……ああ、うん…失礼します…」

 

「好きな子の部屋は緊張するよね!」

 

「そ、そんな事……」

 

緊張するものなのか?と思ったけど、俺の場合は気にしなさすぎなのかもな……

 

「ニコニコしてるー?」

 

「うわぁ!?」

 

「ニッコでーす! 」

 

「ニコ様、こんにちは。」

 

「こ、こんにちは…」

 

「どうしたの、悟? 顔が固いよ? ニコニコしないと! ニコ!」

 

「ニコニコ…」

 

ニコ様も何かぶれないな……

 

「そういえば男性のトリマーの人って珍しいらしいよ」

 

「そうなんだ?」

 

「いろはちゃんのお父さんはどうしてトリマーになったんだろ?」

 

トリマーになった理由は何なのか考えていると、いろはのお母さんとメエメエがおやつを持ってやって来た。

 

「ねぇ、お母さん。お父さんはどうしてトリマーになったの?」

 

いろはは母親なら理由が分かると思い、聞いてみると……

 

「それはね、すーっごく頑張って、なったのよ」

 

いろはのお母さんはベランダでいろはのお父さんの仕事ぶりを見ながら教えてくれた

 

「剛君と一番最初に会ったのは、海浜公園のペットフリーエリアなの。剛君、毎日毎日通ってて、どうしてなのかなって思って、話しかけたら、トリマーになるのが夢だって教えてくれたのよ。でも、剛君の声って、低くて太いから、全然ワンちゃん達が懐いてくれなくってね、それで、アドバイスしたの。声をなるべく高く柔らかくしたら?』って。そしたら……『なるほど! 顔も心も声も全部マルっとスマイルにするんですね!』って、剛君がトリマーになれたのは、あの人がいつでも動物に一生懸命に寄り添って、すっごく頑張ったから!」

 

「顔も心も声も全部マルっとスマイル…」

 

「そこからスマイルボイスが生まれたんだね!」

 

「その後、お二人はどうなったんですか?」

 

「私、その時ちょうど、この街でサロンを併設した動物病院を開こうと思ってたの。剛君は理想のトリマーだったから、『一緒にやらない?』って誘ったのよ」

 

「知らなかった…お父さんとお母さんに、そんな事があったなんて…」

 

いい話だけど……まゆ、自然といろはの両親の馴れ初めを聞いてないか?気のせいか?

 

「気のせいニャ」

 

俺の心を読んだのか、ユキに小さくツッコミを入れられた




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