ある日の事、まゆのお父さんがアニマルタウンの町長からとある仕事を受けた。その仕事はアニマルカレンダーに使う写真を撮ってほしいとの事だった。アニマルカレンダーとは、アニマルタウンの住人達に配られるカレンダーで、多くの動物達が載せられている。まゆのお父さんは動物を撮るの上手いけど、仕事で海外に行ったりしているため、あまりアニマルタウンの事を知らないため、まゆが案内することになったらしい。
「だから成護くんもよかったら…」
「うん、別に良いけど…」
多分いろは達も誘ってそうだなと思いつつ、俺はまゆの首筋の匂いを嗅ぐ
「ん…」
「まゆの匂い…本当に好きだな」
「成護くん///」
「………飽きないわね…2人とも…」
イチャイチャする俺達を見て、ユキは呆れながらそう呟くのであった。
数日後、まゆのお父さんを案内する日。まゆのお父さんは初めてユキの人間態を見て興奮していた。
「ママから聞いて、いつ会えるのか楽しみにしていたんだよ! いやー、うちのユキは、猫でも人でも美人さんだね! 早速1枚いいかい?」
「嫌」
「いいじゃないか、1枚くらい! ね!」
「い、や」
「じゃあ、こむぎと一緒に撮ろう!」
「え?」
「なんだ、友達と一緒がいいのか!」
「え!?」
「仲良しなんだな!」
「エヘヘ!」
「そ、それは、まあ…」
そんなやり取りを俺達は微笑ましく見ていた。それにしても…ユキが押し負けるのは珍しいな。まぁそれだけいろは達に染まった感じだな。うん
とりあえず何から撮るかとの話になるが、いろは達のおすすめの動物が多く、色んな動物や人達が集まる海浜公園に行くことになった。
「あの、貴行さんは、いつもどうやって動物達の写真を撮っているんですか?」
「あ! 私も知りたい!動いてるものって、上手に撮るのが難しくて…」
「そうだな。自然界の動物は、常に動き回っていたり、隠れてたりしているから、撮影場所の下見をして、あとは、そこでひたすら待つんだ。何日も、何日も…雨が降っても、風が強くても、ジっと待って…その瞬間を撮るんだ」
「カッコいい…」
「その瞬間って、どういう事?」
「言葉で説明するのは難しいけど、宝物にしたい時間、という事かな。レンズの向こうにその瞬間が見えた時…指が勝手に、シャッターを切ってしまうんだ」
そう言いながらベンチに座るお婆さんとペットの犬の写真を撮るまゆのお父さん。
「失礼しました。勝手に撮ってしまって…」
「いいのよ。私達でよければ、いくらでもどうぞ」
「フクちゃん、久しぶり! 元気にしてた?」
「ええ。足腰も弱くなってきたから、あまり外に出てなかったんだけど、今日は良いお天気だから、お散歩に出てみたの。みんなに会えて良かったわね、フクちゃん!」
「私も会えて嬉しいよ、フクちゃん!」
あのフクって犬…老犬だよな………
「どうしたの?住野くん」
「悟…いや、何でもない」
気にしたって仕方ないか……
それから海浜公園に行き、フリーエリアで様々な犬の写真を撮るまゆのお父さん。
一旦休憩のため、まゆはお父さんに缶コーヒーを渡した
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「すごい体勢でとっていたけど、あれも秘訣?」
「体勢というよりは目線かな。撮りたいものと同じ目線にカメラを構えると、表情がよく撮れるんだよ。ほら」
まゆのお父さんは撮った写真を見せてくれたけど、確かに良い写真だ
「フフ、みんな楽しそう!」
「こっちは、面白い感じに撮れたよ」
「跳んでるみたい!」
「さらに目線を下げて、あおりで撮ると…」
「わぁ、カッコいい!」
「だろ? 下から撮る事で迫力が出るんだよ」
「そうなんだ! えっと、同じ目線だと…」
まゆはユキを被写体にすると…
「表情がよく撮れて、下からだと迫力が…フフ! 本当だ!」
「ちょっと目つき悪くない?」
「そんな事ないよ! どこから撮っても、ユキは可愛い!」
何か目つきが見下しているように見えるって言ったら怒られそうだからやめておこう。
「そう!」
「うん!」
「もう、パパってば! 撮るのは私達じゃないでしょ!」
「ごめんごめん。2人の表情がとても良かったから、つい…」
「ついじゃないよ…」
楽しそうに笑うまゆ達。俺はスマホでその光景を撮るのであった。更にもう一枚……まゆの大人びた表情もおさめるのであった。
フクちゃん……
感想待ってます