成護side
「やたら女子中学生に声をかけられる?」
「あぁ」
九郎から相談があると言われ、話を聞くとただモテ自慢か……
「まぁ頑張れ」
「いや、モテ自慢とか思ってるかもしれないけど、違うからな。何かちょっと前にぶつかった子に……」
「あぁうん」
話を聞いてないと駄目なのか?
「どうにもお前と同じ学校の子みたいなんだが……」
「まぁ九郎はモテるから……気にしなくて良いんじゃないか?」
「だからって…俺は…いや、俺達は……」
まぁ自分たちの身体の事を考えると……とは言え一応は…
「気にしすぎなのもどうかと思うぞ」
「そうだけど……」
「とりあえず俺は出るぞ」
「分かった…」
それにしても俺と同じ学校の女子か……誰だろうな?
待ち合わせ場所の鏡石に行くと猫屋敷が既に来ていたが、鏡石に触れて何をしてるんだ?
「願い事か?」
「わっ!?す、住野くん!?」
そこまで驚くことなのか?俺が声をかけたら……
「まだ犬飼たちは来てないみたいだな」
「う、うん。そうみたい」
「それで何をお願いしてたんだ?」
「えっと…キュアニャミーに会えますようにって……」
「キュアニャミー…ね」
一度襲撃されたからあまり良い印象は……まぁ向こうもそうか…
「会えたら良いな」
「うん…」
そんな話をしていると、犬飼たちがやって来た。
今回集まったのはアニマルタウンではこの時期は動物たちの赤ちゃんが産まれるらしく、そのツアーに参加することになった。
何の変哲もない店の上にはツバメの巣があったり、いざ指摘されると普段気づかない所に動物たちがいるんだな
「赤ちゃんウサギが、1、2…いっぱいいるワン!」
「ウサギのお母さんは、一度に沢山の赤ちゃんを産むんだよ。赤ちゃんウサギは、くっつき合って身体を温め合うんだ」
「温かそう!」
「埋まりたい……」
「ん?」
「ううん! 何でも!」
猫屋敷、変な想像でもしてたのか?
それから更にツアーが続いていき、昼食となった。
「実はちょっと作り過ぎちゃって、良かったら食べてくれないかな?」
そう言って兎山が重箱を広げると、結構豪華なお弁当だな……
「美味しそう!」
「悟君が作ったの!? すご過ぎだよ!」
何というか兎山はスペック高いな…俺はそう思いつつ、買っておいたパンを囓っていた。
「あの、実は私も、おやつを作ってきたの…」
猫屋敷が持ってきたのは猫のクッキー。なるほど、猫屋敷の所にいる猫をモチーフにしたのか
「可愛い! ユキちゃんのクッキーだ!」
「いいな! いいな!」
「こむぎちゃんにも、おからで作ったクッキーなら食べられるよね?」
「まゆー! ワン! ありがとワン!」
こむぎは嬉しそうにしながら猫屋敷に飛びかかった。
「2人ともお料理できて、すごいな…私も、自分のお弁当は作ってきたんだけど……じゃじゃーん!」
『え!?』
「えっと……」
犬飼が持ってきた弁当箱には……しっかりと海苔が巻かれて、黒い物体に梅干しが埋め込まれている……おにぎりで良いんだよな?
「おにぎりだよ!」
『おにぎり!?』
おにぎりで正解だったけど……更に問題が…
「これ、何の形だと思う?」
「えっと……」
「何の形か……」
海苔をみっちり巻いていると言うことは黒い何か……何だ?
「犬飼さんの思考パターンをXとした時、キュアフレンディの行動パターンをYとすると……こむぎちゃん?」
「正解!」
「こむぎ……?」
「た、食べよっか! ね!」
「うん、そうしよう!」
もう兎山が凄いとしか言えないな…これは……
「まずは、悟君のサンドイッチから!」
「か……可愛過ぎて、食べられない……」
「うーん、美味しい!」
本当に兎山はよくとまぁここまで手の込んだことを……
「うーん! ホント、美味しい!」
「良かった! いっぱい食べて!」
『うん!』
「私のも食べていいからね!」
「う、うん……」
笑顔でおにぎりを猫屋敷に進める犬飼…まぁ見た目が悪いだけで味に問題はないだろうな……
「それにしても、こんなに動物の赤ちゃんを見られるなんて思わなかったよ!」
「私も!」
「楽しんでくれて良かった!」
「どの赤ちゃんとお母さん達も、みんな一緒で、幸せそうで……子猫の赤ちゃん、とっても小っちゃくて、とっても真っ白で……ユキが赤ちゃんの頃って、こんな感じだったのかなって……」
「2人が出会った時、ユキちゃんは、もう赤ちゃんじゃなかったんだよね?」
「うん。今でも思うの…もっと早く会えてたなら、ユキに寒い思いも寂しい思いもさせずに済んだのにって……あ…ご、ごめんね…変な事言って…そんな事、考えてもしょうがないのに…」
「まゆちゃんは優しいね……」
「大丈夫ワン! まゆと出会えてユキは、すっごくわんだふるだワン!」
「こむぎちゃん……ありがとう! ユキも、そう思ってくれてたら嬉しいな…」
「と言うか過去がどうとかよりも、今はどうかって話だな」
「住野くん…」
「今、幸せなら問題ない。まぁこういう考えは姉さん譲りだけどな」
「今は…か」
猫屋敷も色々と思い返し、嬉しそうにしていた。
「そう言えばちょっと思ったけど、住野くん、いい加減私たちのこと下の名前で呼んだりしないの?」
「急だな…」
「こむぎの事はこむぎって呼んでるワン」
「同じ犬飼だと分からなくなるからな。まぁそうした方がいいなら」
「じゃあ成護くん!はい、まゆちゃんも」
「えっと…成護…くん///」
「いろは、まゆ。兎山は悟でいいか?」
「うん、でも僕は住野くんって呼ぶけど…」
「問題ない」
「せいご――!!」
「こむぎ」
こうして下の名前で呼ぶことになったけど……それにしてもどうにも今日は変な視線を感じるな…今は木の上から……
感想待ってます!