こんばんは!
「ア……ガ……ッ」
後藤ひとりは絶句していた。
「私の……馬鹿……!」
ライブハウス、STARRYにて結束バンド──生まれて初めて組んだバンドのメンバー達と再び顔を合わせ、サイコロ片手に軽快(主観)なトーク。結束バンドのオリジナル曲の作詞を任されることになったり、売れるまではライブに出演するたびにノルマを徴集されるのだと知ったり、思えば長い一日だった。
恩人であり
ノルマ代を払う為にSTARRYでのアルバイトに誘われ、断り切れず了承。来週に控えた初バイト、というタスクが脳内の大部分を占めてしまい、高揚した胸の内とは裏腹にトボトボとした足取りで帰宅。その晩はいつに無くグッスリと眠り、翌朝
現在時刻、19時。
夕食を食べ終え、日中焦がれるほど待ち侘びた
視界に掛かる前髪越し、床に視線を落とす。そこには山口太介から借りっぱなしのモバイルバッテリーが。
「忘れてた……! 色んなことあったからすっかり忘れてた……!」
ジャージのポケットに入れておいたのに。
いつでも渡せるように、文言は予めカンペを作って備えておいたのに。
歯を食いしばって悔やむ。
しかし現実はなにも変わらず、ただモバイルバッテリーを返し忘れてしまったという事実だけが後藤ひとりの背中に重くのしかかる。
「……こ、こうなったらいっそ返さないという手も──いやいや!」
補足しておくと、山口太介はモバイルバッテリーを返してくれとは一言も言っていない。なんならあげるよ、と貸す際に後藤ひとりに伝えているくらいだ。
しかし、言葉通りに受け取ってはいけないだろうというのが後藤ひとりの考え。日本人らしい義理堅さというか、言葉通りに受け取ったことによって生じるかもしれない
兎も角、後藤ひとりは借りたモバイルバッテリーを返したいと思っていた。その思いは朝起きてから夜眠るまで、何をしていてもことあるごとに脳裏を過ぎっては後藤ひとりに額の鉢巻を何度も締め直させたほど。
しかし、
あの瞬間だけ、タスクが頭の中からすっぽりと抜け落ちてしまっていた。
「……そ、そうだ。電話しよう。電話して返したい旨を伝えれば、次会った時にもし忘れちゃっててもお兄さんの方から切り出してくれるかも」
ぶつぶつと、理論を組み立てていく。床の上に正座して、スマホをぽちぽちと触ってロインを──山口太介のプロフィール画面を開いた。
「……お兄さん、起きてるかな」
現在時刻、19時。
この時間に既に床についている高校生というのはかなり珍しい類いだが、後藤ひとりには一般的な高校生が何時に眠るものなのかイマイチよく分かっていなかった。
何故なら、友達がいないから。
たった一人の友達、山口太介とも数度しか顔を合わせていないから。
「……ね、寝てたらどうしよう」
友達の眠りを妨げたで賞で死刑!
脳裏の後藤裁判所ですぐさま裁かれ、慌てて頭を振って思考から追い出す。
「め、メッセージにしておこうかな。あぁでも、通知音が鳴っちゃうなら同じか……」
スマホを床に置き、うーん、と腕を組んで悩む。時刻は19時30分。
「…………よしっ」
後藤ひとりはスマホをそのままに立ち上がった。
「…………」
畳んであった衣類を持って部屋を出て、階段を降りていく。
目的は一つ、入浴。つまりは束の間のインターバルというわけだ。
部屋に残されたスマホのライトだけが、いつまでも灯っていた。
▽
「おねーちゃん! 白い紙ちょーだい!」
部屋のドアを開く音。
入って来たのは後藤ひとりの妹、後藤ふたりだった。
それなりの頻度でお絵描きを嗜んでいる後藤ふたりは、切らしてしまった絵を描く為の白い紙を貰いに姉の部屋を訪れたところだった。
描く前から予感するほどの力作ならば画用紙を使うが、半ば手遊びも兼ねているお絵描きならば描く紙の良し悪しには然程こだわらない。
今晩も創作意欲の赴くままに自由帳を広げた後藤ふたりだったが、その自由帳には描けるスペースが無く──つまりは最後のページまで描き切ってしまっていて。
いつものように声をかけながらドアを開け、姉の部屋の中を見渡す。部屋の主はいないのか、明るい室内に人影は見当たらなかった。
「おねーちゃん、いないの?」
部屋に入る。呼びかけに応える者はおらず、後藤ふたりはコテンと首を傾げた。
「なぁんだ、じゃああとででいっか──」
5歳ながらに人の部屋を勝手に漁るのは悪い事だと理解していた後藤ふたりは、諦めて身体を反転──させようとして、床に置いてあるスマホが目に入った。
「…………」
自分にはまだ買い与えられていない
──いい? スマホは個人情報が沢山入ってるから、おいそれと人に貸しちゃいけないんだよ。
手を伸ばした瞬間、スマホ貸してと姉にお願いした際に返ってきた言葉を思い出す。
「うーん……」
伸ばした手を引っ込めた。
そうだ、勝手に触るのはいけないことだと後藤ふたりは思い直す。
「……ながめるだけならいっか」
姉の言葉を
「……人の名前?」
絶賛5歳児。画面に表示された漢字は読めない。しかし人名であることは理解できたようで、何故おねーちゃんのスマホに他人の名前が? と滑らかに思考を進める。
画面に表示された名前が、母のものでも父のものでもないことは分かる。じゃあそれ以外の名前がスマホに表示される理由とはなんだ? と後藤ふたりは考える。
姉に友達がいるかいないかなんて問題は、
「……うーん、わかんないや」
わかんないから、おねーちゃんに聞いてみよう。
スマホを両手に持つ。既に
トテテテ、とスマホ片手に部屋の外へと出ようとする。しかし歩き始めた際、握った位置からズレた後藤ふたりの指が画面に触れてしまう。
その指が偶然、プロフィール画面の中にある通話ボタンをピンポイントで押してしまう。
プルルルルル。
突如としてなり始めた
『もしもし、ごとちゃん? どうしたの』
誰か、男の人の声。しかも手に持ったスマホから。おねーちゃんに怒られると悟った後藤ふたりだったが、過ぎたことは変えられない。どうせ怒られるのならと、意を決してスマホを耳に当てた。
「……も、もしもし」
『あれ、ごとちゃんじゃないな。もしもーし』
「わ、わたし、後藤ふたり5歳です。おにーさん誰?」
おっかなびっくり、敬語で返す。通話口の向こうから『あぁ』となにかに納得したような声が漏れ出た。
『俺は山口太介16歳。ふたりちゃんは、後藤ひとりさん──ごとちゃんの妹さんかな?』
「うんっ」
5歳である後藤ふたりには、相手の口調から大体の人物像を想像したりはできない。けれどもしかし、電話の向こうの男の人──山口太介が紛れも無く善人であることはなんとなく理解出来た。よく分からないけど、この人は怖くない。そう察した後藤ふたりの返事の声は、知らずの内に跳ねていた。
『ごとちゃん、そこにいる?』
「いないよ」
答えれば『そっか、間違えてかけちゃったのか』と呟きが微かに。
「おにーさん、誰?」
『俺? ごとちゃんの友達だよ』
「友達いたんだ、おねーちゃん。嘘かと思ってた!」
『あ、あはは。……ごとちゃん可哀想に』
知らない人との電話。偶然訪れた非日常に、後藤ふたりはどこかワクワクしていた。間違えてかけちゃいましたと伝えることなど忘れ、会話が続く。
「おにーさん、なんでおねーちゃんと友達になったの?」
『あぁ。ちょっと前、困ってたごとちゃんを助けたことがあったんだよ』
……あんまペラペラ喋っていいことでもないんだけどね。
山口太介の呟きの意味はよく分からず、後藤ふたりは記憶を探る。
「あー! おねーちゃん、びっくりするくらいウキウキで帰って来た日があったの思い出した! 帰り遅いと思ったらただいま! って大きな声出して帰ってきたから、おとーさんとおかーさんすっごい驚いてたの!」
『そ、そうなんだ』
「おねーちゃんと友達ってことは、おにーさんもギターするの?」
脳裏に浮かぶは、年がら年中部屋で黙々とギターを弾き続ける姉の格好良い姿。そんな姉と友達になのだから、きっとこのおにーさんもギター関連の人なのだろう。後藤ふたりはそう考えた。
しかし返答は想像とは違い、おにーさん──山口太介はどこか気まずそうに言った。
『……いや、俺はギター弾けないんだよね』
「そうなんだぁ、じゃあなに出来るの?」
受け取り方次第では傷付きかねない言葉。しかし山口太介はありのままに受け取った為、質問の意図がそうではないことを理解していた。
『楽器はできないけど、歌が歌えるよ』
「お歌? 上手なの?」
『ふたりちゃん、ここだけの話……俺メッチャ上手い」
内緒話のように囁かれてしまい、後藤ふたりのテンションが上がった。
「えー! すごい! 歌って! なにか歌って!」
『良いとも。リクエスト言ってごらん? 知ってる曲なら歌うよ』
「アレ歌って! おかーさんといっしょの歌!」
『? どれだろう。歯磨きのやつ?』
「ちがう! 【にじのむこうに】!」
『あー、ガチ名曲ね。よしじゃあいくよ?』
「うん!」
歌が上手いと自称する電話の向こうのおにーさん。歌の良し悪しは分からないが、想像するはテレビの歌番組に出ている大人の人達。
心の中でのハードルは既に上がり切っている後藤ふたり。どんな歌声なんだろうとワクワクしながらスマホを耳に当てていると──始まった。
『あめがあがったよ おひさまがでてきたよ
あおいそらのむこうには にじがかかったよ』
衝撃。
衝撃が、スマホを当てた右耳の鼓膜を──脳を震わせた。
5歳児には刺激が強過ぎる歌声。街中で流れていたらならば、急いでいるサラリーマンでも思わず立ち止まってしまうほどの歌声。
スマホ越しに耳元で歌われる。
衝撃といっても大音量による鼓膜への直接的なダメージではなく。山口太介の
しかしこの際重要なのは、音量ではなく山口太介の歌声。耳元から直接頭の中へと滑り落ちたその声は脳に深く染み込み、後藤ふたりに心地良い多幸感を植え付けた。生命活動に関わる体内の動き以外を全て止めてしまうほどの幸福。電子機器を通しているとはいえ、この威力。後藤ふたりの身体がピシリと硬直し、黙って聴き入ってしまう。
『さがしにいこう ぼくらのゆめを
にじのむこうに なにがあるんだろう』
歌のおにいさんのような、明瞭で溌剌とした発声。子供も違和感無く聞き取れるほどの滑舌で歌い上げられた歌詞は、未だフリーズしたままの後藤ふたりの脳に刻み込まれ、そこにきてようやく「この人、歌が上手い」という事実に辿り着いた。
いや、上手いなんてものじゃない。
しかし後藤ふたりにはそれ以外におにーさんの歌声を形容する語彙は無く──つまりは、
いつまでも続いてほしいと願うほどの、幸せな時間。遂には目を閉じてしまった後藤ふたりは、やがて終わりが来てしまうその時を出来るだけ考えないように、今この瞬間のおにーさんの歌声を──
「……ふたり、なにやってるの?」
耳元からではない声が聞こえた。
慌てて振り返ると、そこにはバスタオルで髪を拭いながら驚いた表情と共に硬直している
目が合う。すぐに後藤ひとりの視線が外され、視線は後藤ふたりが手に持つスマホへと注がれる。
「ドゥワァッ!!!!!!!!!」
驚愕。下手くそなカメラマンが撮った写真のように後藤ひとりのピントがブレる。その際発せられた摩訶不思議な叫び声に、スマホの向こうの山口太介も歌うのを止めて『1700?』と返したのだった。
▽
「すみませんでした本当に本当に……」
『いやいや、なにも気にすることはないって。ふたりちゃんとお話出来て嬉しかったし』
「ね? おねーちゃん。おにーさんもこう言ってるよ?」
「ふたりはしっかり反省しなさい」
「はい……」
湯上がり、パジャマ姿の後藤ひとりは床に置いたスマホの前で正座していた。その隣には後藤ふたりが同じく正座の姿勢で座っていて、スピーカーモードにしたスマホからは山口太介の困ったような笑い声が聞こえてきていた。
スマホの持ち主不在の中行われたゲリラ歌唱。本人以外が楽しんでいる中現れた
妹の無礼と姉の監督不行き届きをお許し下さいと風呂上がりの綺麗な額を躊躇なく部屋の床に擦り付けた後藤ひとり。電話越しでも何をしているのか容易に想像がついた山口太介はすぐさまやめるように説いたが、電話越しでは対面時ほどの力は発揮せず。やがて会話が再開されたのは、後藤ひとりに土下座をひとしきり満足させるまで続けさせた後だった。
「おにーさん、お歌上手だね! ふたりすっごいすっごい楽しかった!」
『そりゃあ良かった』
「ふ、ふたり。お兄さんの歌声を聴いたの? 私もまだ聴いたことないのに……?」
「すっごい上手なんだよ! おねーちゃんも歌ってもらいなよ!」
「ふたり? 人様に、おいそれと振っちゃ駄目なんだよ。雑な振りは私の苦手な陽キャのノリに似て憂鬱な気分に……あわわわわわ」
「おねーちゃん、白目剥かないでよ〜」
『……ふたりちゃん、治せそう?』
「うん! 妹なので!」
▽
「……あの、本当にすみませんでした」
『だから、謝ることないって』
階下から母に呼ばれた後藤ふたりが風呂へと向かった後。未だ正座を続けている後藤ひとりは、床に置いたスマホに今一度頭を下げた。
スマホの向こうでクスクスと笑い声がする。私の謝罪で誰かを笑顔に出来たならこんなに嬉しいことはない──後藤ひとりがおかしな方向に誇りを持ち始めたところで。
『ふたりちゃん、良い子だね』
「え、あっ、はい。ありがとうございます。ふたりは私と違って元気いっぱいですし、友達もいっぱいいるみたいですし……」
『あー! ごめんごめん! ごとちゃんの自尊心を傷付けるつもりはなかったんだって!』
山口太介のフォローに、後藤ひとりはクスリと笑った。時刻は20時を回っている。普段の後藤ひとりならば押入れに入りギターを手に取っていたところだが、何故だか今はそうしなくてもいいような気がしていた。
他人との会話を避け続けてきた後藤ひとりが、山口太介との会話をどこか心地よく思い始めていた。
「……お兄さん、歌がお上手なんですか?」
『え? あー、うん』
当たり前のように肯定され、肝が冷える。そう言えるまでに一体どれだけの研鑽を続け、どれだけの場数を踏んできたのかと想像してしまう。想像してしまったので、その後に続いた山口太介の言葉をしっかり謙遜と受け取った。
『いやでも、あくまで知り合いの中じゃあ一番かなってレベルだよ。カラオケじゃヒーローだけど、絶対にプロにはなれないし』
「い、いや、そんなこと……」
無意識にフォローを入れ、そういえば自分は彼の歌を聴いたことがないのだと思い出す。空虚なフォローは却って傷付けてしまうだけだと、後藤ひとりは人知れず土下座をした。
数秒、数十秒。
やがて長過ぎる静寂を異変に思った山口太介に生存確認をされるまで、綺麗な土下座をし続ける。
その間、謝罪の念を送りながら──地面に目を向けながら、ふと考えてみた。
サイコロトークの時にふと聞いた彼の歌唱力の評判を。伊地知虹夏と山田リョウが太鼓判を押す、彼の歌声がどれだけのものなのだろうかと。
妹が飛び跳ねるほど興奮した彼の歌声──その実力を。
気付けば切り出していた。
「あ、あの……」
『どうしたの? ごとちゃん』
「こ、今度、お兄さんの歌を聴いてみたいです。…………なんて」
『歌? 全然良いけど。なんなら今歌おうか』
「い、いやいや! 生で聴きたいんです!」
『オッケー。じゃあ今度カラオケでも行く? 推しのカラオケ店とかあったら合わせるよ』
「あ、カラオケはちょっと……」
陽の気が身体に堪えるので。
あと人様に披露できる歌声じゃないので。
恥ずかしいので。
断りを入れると、山口太介は「じゃあどうしようか」と考え始めた。
『次STARRYで会った時に歌うのも良いけど、ガチでやると星歌さんに怒られちゃうからな』
「が、
私なんかの為に?
後藤ひとりが口調を合わせて問う。
山口太介が笑った。
『当たり前じゃんごとちゃん。俺は手ぇ抜いて歌ったりはしないぜ』
「…………」
カッコイイ。
当然のように言って退けた山口太介に、後藤ひとりは心の底からそう思った。異性に対してのソレではなく、言うならば生き様に対しての。
そのカッコ良さに後藤ひとりの心が動かされる。精査する前の言葉が口から勝手に飛び出す。
「こっ! こここここ」
『ど、どうしたのごとちゃん』
「こここ、ここ、今度! 私が弾くギターと一緒に歌ってください!!!!」
ギタリスト後藤ひとりとしての、彼へのリスペクト。本気に対しては、こちらもできる限りの本気で応えなければならないと思ったからだ。
ただ聴くだけじゃ駄目だ。
後藤ひとりは漠然と、しかし固い意志でそう思っていた。
でもそれはそれとして、言ってからしっかり後悔はしていた。
『おっ、良いねぇごとちゃん。なんかロックっぽいじゃんそれ』
山口太介もすぐに了承。よって後藤ひとりの提案が硬度を増していく。
「で、でも私なんかの演奏じゃお兄さんの邪魔になるかも……」
今度、お兄さんとセッションするんだ。
そう思ってからは早く、後藤ひとりはすぐさまネガティヴ思考に移行してしまっていた。
クヨクヨウジウジと現実に目を向け始めた後藤ひとり。電話口から山口太介の声がする。
『ごとちゃん』
「はっ、はい!」
『──やるよ』
「え、あ、その、はい」
『俺が本気で歌って、ごとちゃんが本気でギターを弾く。今度絶対にやろう』
背を背けようとした後藤ひとりに、山口太介の決意が刺さる。逃げるな、俺についてこいと電話越しに檄を飛ばしてくる。
考える。
「…………」
『…………』
「…………はい!」
『長い
「はい!」
『よっしゃ! 今日はもう遅いから、なに歌うかとかどこで歌うかとかはまた今度決めようか!』
「はい! お兄さんの歌いたい曲でどうぞ! 場所もお兄さんにお任せします!」
会話が終わりそうな雰囲気を感じて、後藤ひとりの声に力が乗る。山口太介との会話が苦痛なわけではないが、それでも、会話が終わるというのは否応無しにポジティブな感情が生まれてしまうものなのだ。
ぼっちだから。
『よろしくねごとちゃん! 俺楽しみにしてるから!』
「はい! 私も楽しみです!」
『それじゃあねごとちゃん! ふたりちゃんにもよろしく!』
「はい! 伝えておきます! それでは!」
『あと来週の初バイト、その日俺もシフト入ってたからよろしくね!』
「よろしくお願いします!」
『折角だから、その日ごとちゃんのこと名前で呼んだりしてみようかな。ほら、前以って言えば心の準備出来るんでしょ?』
「はい! よろしくお願いします! ──……え?」
神曲:にじのむこうに
後藤ひとり:自宅バフ&電話越しバフが掛かっているので、意外と喋れる。その晩、なんで隣でギター弾くとか言っちゃったんだろうとメチャクチャ後悔した。でも楽しみは楽しみらしい。
モバイルバッテリーのことを聞くのをまた忘れた。
山口太介:歌が上手い。