モテモテなあいつを親友ルートに引きずりこむ。   作:小魔神

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評価と感想ありがとうございます!!!


第8話

 俺には友達が2人いる。 

 小学生の高学年にもなって女の子と遊んでいるのは変だって周りの友達は言うけど、俺はそうは思わない。

 だって俺たちはずっと仲良しだったんだから。

 

「なぁ、ドッジボールしようぜ」

「やめろよ。こいつ女としか遊ばないんだぜ」

 

 だから、男の子達に仲間外れにされても気にしなかった。だって遊ぶ相手はいつもいたんだから。この2人が俺の交遊関係のすべてだった。

 

「ねぇ、どうして急に俺って言い出したの?」

「そうそう、前まで僕だったよね?」

 

「だって、俺って言った方がカッコいいし」

 

 気づけば2人の前だけでは俺っていう一人称を使うようになっていた。2人の前ではカッコつけたかったし。

 

「えー僕の方がいいよね。セナちゃんはどう思う?」

「私もそっちの方がいいかなぁ」

 

 まぁ、2人には不評だったみたいだけど。

 

「今日は何して遊ぶ、セナちゃん?」

「そうだねー」

 

 

 

 

 中学生になった。相変わらず俺は2人と遊んでいた。小学生の時に比べで周りにばかにされることも減ってきた。

 言いたくはないけど、俺たちのグループの容姿がよかったことも理由だと思う。もっとも2人は気づいていなかったかもしれないけど。そういうところは疎いからなぁ。

 それでも3人でいることを周りにとやかくいわれないのは嬉しかった。だって俺にはこいつらしかいないんだから。

 

「部活なにしようかなぁ。セナちゃんは決めた?」

「私は帰宅部かなぁ。勉強もしないといけないし」

「俺も部活は入らないかな。上下関係とか苦手だし」

 

 結局、みんな帰宅部になった。恥ずかしくて言えなかったけど、俺が部活に入らなかったのは2人と遊ぶ時間を削りたくなかったから。

 

「好きです。付き合ってください」

「ごめんね」

 

 そう言えばこの時期から告白されることも多くなった。中学生になって周りが恋愛に興味を持ってきたんだと思う。  

 そういう俺も好きな人がいないわけではなかった。

 

「きみ、カッコいいね。私と遊ばない?」

「すいません」

 

 先輩から告白されることも多くなった。年上の人は苦手だ。断るのも気を遣うし。

 

「相変わらずモテるね」

「ハハ、セナちゃんもモテるじゃん」

 

 2人からからかわれることも多かった。周りの男子からのそれとは違って嫌な気はしなかったけど。

 それに2人に恋人がいないことも嬉しかった。この3人の関係性が崩れるのか嫌だったから。

 

「私告白されちゃった。しかも高校生の先輩に」

「ヒューヒューだね。流石セナちゃん。で、返事はどうしたの?」

 

 それは突然のことだった。溜まり場にしてるいつもの空き教室で。

 もちろん、今までも告白されたなんて話しは何度もあがっていた。ただ、いつも違うのは告白された彼女が満更でもない表情を浮かべていたことだ。

 

 そして次の日、タイミングよく2人きりになったので思いきって言ってみることにした。

 

 

「あの告白って受けたの?」

 

「うーん保留中。でも受けてもいいかなとは思ってる」

 

「その、受けないでって言ったら断ってくれる?」

 

 我ながら勝手なことを言っているのは分かってる。それでも俺はこの3人の関係性を崩したくなかった。だから情けないのは分かっていてもお願いするしかなかったんだ。

 

「どうして? 私のこと好きでもないくせに」

 

「いや、俺はその」

 

「相変わらずハッキリしないね。じゃあキスして、抱いてくれる? 単純に興味があるの。そうしてくれれば告白は断る」

 

 衝撃を受けた。友達だと思っていた彼女から、そんな生々しい発言を受けたことに。エゴかもしれないけど、彼女たちはいつまでも純真無垢な存在であってほしかった。

 

 それに、それでなくても彼女のお願いは聞けるわけはなかった。

 

「…ごめん。それはできない」

 

 だから俺がこの返事をするのは至極当然だ。

 

「なんで? どうして? 私のことが好きじゃないから?」

 

「だって、友達とそういうことするのは変だし。それーーー」

 

 それ以上の発言はできなかった。だって、俺の唇は柔らかい感触に覆われていたから。

 

 思わず手で払いのける。

 柔らかな感触が離れ、大きな音が響く。

 

「痛…」

 

「あ、ごめん」

 

「来ないで!」

 

 そう言った彼女は俺に視線を向けることもしなかった。

 しばらくの静寂が続いたあと、彼女は小さな声で呟いた。

 

「告白は断る。変なことしてごめんね」

 

 それだけ言って走り去る彼女を止めることはできなかった。

 そして悟る。

 終わったということを。

 俺たち3人の関係は今日をもって崩れ去った。

 

 

 結局そのあとは、いつもの空き教室で突っ伏していた。だって、もう何もしたくなかったから。

 そうしてどのくらい時間が経っただろうか。背後から足音が聞こえてきた。見なくてもその音の主はわかった。

 

「僕はどうしたらいいと思う?」

 

「あれ、俺はもうやめちゃったの?」

 

「うん。結局背伸びしてただけだったんだよ。兄貴の真似をしてただけ」

 

 もともと、俺って言い出したのは2人にカッコつけるためだったんだ。でも、もうカッコつける理由なんてない。大体、自分でも思ってたんだ僕には似合わないって。

 

「僕の方がいいと思うよ。そっちの方が似合ってるし。それに私にはよく分からないけど、お互いに悪いところはあったんだと思うよ。」

 

「でも、もう仲良くできないよ」

 

 あんなことをしてしまったんだ。向こうだって顔も見たくないはず。それに僕も正直に言うと会いたくはなかった。

 

「はぁ、全く男らしくないなぁ。そういうところは嫌いだよ。じゃあ私がお手本を見せてあげる」

 

「お手本?」

 

「そうそう背伸びのお手本。私も友達って呼べるのは2人くらいだからね。大事にしたいんだよ」

 

 そういうと彼女は咳払いして、演技がかった口調で続ける。

 

「だから私、いや俺がセナちゃ…セナに言っておくよ。ミズキく…ミズキと仲直りしろって」

 

 僕の好きな人。コウちゃんはそう言ってにっこりと笑った。

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