白い尻尾と妖怪退治   作:小花し

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なんてことの無い土曜日の朝。

いつも通り朝起きて、着替えて、ご飯を食べて学校に行く。
進学校が故の土曜登校をいつも通り愚痴りながら家を出る。

そんな土曜日の朝のはずだった。
いつも通りの速水碧人の朝のはずだった。
だったと言うからにはいつも通りではない。

その原因を掛け布団の上に見つけてため息をつく。

「どけ、降りろ。」

そう言って布団の上の“原因”をどかして起き上がる。

「うるさいなぁ。朝から忙しいやつだにゃん。」

そう言いながらもそいつはおとなしく僕の上から引き下がる。
起き上がって猫の形をした“それ”改めて観察する。

「早くこんな化け物なんとかしないとなぁ。」

その“化け物”は一見猫のようで、それでも一見すればそれがただの猫じゃないと気が付くだろう。

ぱっと見は純白の毛並みを持つ血統書でもついていそうな白猫である。
しかし、明らかに普通の猫とは違う不気味な点がある。

まず尻尾が四本生えている。
それでもって目も三つ。
額にいかにも“第三の目”という感じでついているそれは今は閉じられている。
というか三つとも閉じられている。
結局、布団から降りたのはいいが、また椅子の上で寝始めたようだ。

「なんでこんなことになっちゃったかなぁ。」

そんな独り言をつぶやきながらこいつと出会った日のことを思いだす。



第一話 馬鹿な話

 発端は金曜の放課後、つまりは昨日の学校からの帰り道までさかのぼる。

 

 「最近お化けがこの辺をうろついてるって話、知ってるか。」

 

 そんな健介の一言がはじまりだったと思う。

 健介は小学校以来の友達で、今はテスト一週間前だからという事で部活もないらしく久しぶりに二人で帰っていた。

 

 「は?お前高校生にもなってまだお化けなんて信じてんのかよ。」

 

 たしか僕はそんな風に返したと思う。

 今考えれば滑稽な話だが、その後の自分なんて想像できるわけもない。

 

 「まあ、馬鹿な話だと言われればそれまでなんだけどな。それでも――」

 

 とりあえず聞いてくれ、と言って健介は話し出した。

 

 簡単に言えば、「この頃近所で不審な人影を見た人がいる」とか、「子供が行方不明になっている」とかそんな話だったと思う。

 

 「でもそんな話本当にあったら町中で噂になるだろ。少なくとも子供が行方不明、なんてなったら流石に町中大騒ぎだぜ。」

 

 それに、と僕は続ける。

 

 「別に地域の掲示板で注意喚起がされてたり、行方不明の子供の顔写真が貼られているってわけでもないんだろ?」

 

 流石にそこまでの事態になっていたら僕が知らないはずがない。

 

 「そうなんだけどな。なんか最近まわりで妙にそんな噂が増えてきててな。」

 

 「どうせ皆な試験前の現実逃避でそんなこと言ってるだけだろ。」

 

 そんなに気にすることか?

 

 と、僕は健介の浮かない顔がやけに気になってそう聞いた。

 

 「実は、俺の家の祠が噂に出てくるんだよ。」

 

 健介の家はこの辺一体の地主で住宅街から少し外れた山の方にあるのだが、話を聞いてみればその家の近くにある祠にまつわる話が出回ってるそうだ。

 

 「祠の周りに不審な人影が集まっていた」とか、「祠に肝試しに行った子供が行方不明になっている」とか。

 

 それじゃあまるで噂の中心がその祠みたいじゃないか。

 

 なんてその時は思ったような気がする。

 

 「じゃあ、今から行ってその噂、確かめてやろうぜ。」

 

 「テスト勉強はどうすんだよ。」

 

 「そんなの別に明日またやればいいさ。どうせ優等生様はもうテスト勉強なんてとっくに終わらせてんだろ。」

 

 「俺は良くてもそれでお前は大丈夫なのかよ。」

 

 「どうせ今帰ったってやらないんだ。いつも通り徹夜でなんとかするさ。」

 

 まだ何か、という僕の質問に健介は苦笑いで返した。

 それに満足した僕は意気揚々健介の家に向かって歩きだした。

 

 

----------------------------

 

 「健介の家なんて久しぶりだよなぁ。」

 

 「まあ学校からも離れてるし、来たっておもしろいものなんてないからな。」

 

 「でもでかいし、探検とか楽しかったぜ。さすがここ一体の地主の家ってね。」

 

 「高校生にもなって家を探検ってわけにもいかないし、懐かしい話だよ。」

 

 「そうか?今思いだしてもお前の家って広いだけじゃなくていろいろ変なものもあったりして、未だに男の心をくすぐる物も多いと思うけど。」

 

 それを聞いて健介は

 ははは、と笑った。

 

 「よく言うよ。昔は『お化けがいた』とか言って俺に泣きついてたくせにさ。」

 

 「そうだったか?」

 

 健介の家は大きいだけでなく子供の好奇心をくすぐるような不思議な置物が多く、「お宝探し」といってそこら中探しまわったものだった。

 

 「にしても、不気味なものも多かったよな。実は本当にそういうのがお化けを呼び寄せてたりしてな。」

 

 そんな僕の冗談に、

 

 ははは。

 

 健介はまた少し笑った。

 




あとがき

前書きの部分をプロローグに使ってみました。
1000文字以上って制限ちょっとめんどくさいですよね。
やっぱり自分で書いたものを人に見せるってやっぱりビビりますね。
初めて投稿してみてるので何かご指摘などあったらぜひ教えてください。
ほめてもらえると嬉しいです。

2話おもしろいから読んでね。
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