ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
〔イッセーSIDE〕
チラシ配りとついでの街の見回りを続けて数日後。
龍騎に変身した俺は、グレモリー先輩達と一緒に駒王町ある展望台廃墟の中を歩きながら進んでいる。
この場所に来た目的は俺も倒している[はぐれ悪魔]*1の討伐だ。
俺は駒王町に侵入したり感知したはぐれ悪魔を殺しているが、グレモリー先輩達は組織の一つである[大公]*2からはぐれ悪魔の討伐の依頼が来て行う。
正直はぐれ悪魔が出た時点でそいつを討伐し終えるまで討伐隊とか編成してすぐにでも対処して欲しいって思っている。
でも、悪魔もそこまで人を回せる人員が居ないというのが現状だしはぐれ悪魔になった経緯で主が原因なのもある。
今回ははぐれ悪魔に完全に非がある状況と早期発見と管理地区が近いグレモリー先輩達にはぐれ悪魔の討伐依頼が来たという感じだ。
「それにしても、大公がはぐれ悪魔を感知して依頼を送って来たと同時に兵藤君がはぐれ悪魔を感知するなんて凄いわね」
『まあ、こんな感じではぐれ悪魔やはぐれに分類される存在に対処してきましたから。まあ、グレモリー先輩達からしてみれば勝手に排除する目の上のたん瘤だったかもしれないですけど』
「そんなことないわ。むしろ被害で出る前に倒してくれるのだから感謝しているわ」
『そう言ってくれると助かります。それで、今回は俺が戦って実力を見せる感じで良いですか?』
「貴方の本気を見てみたいけど、今回の相手は精々下級クラスだから大丈夫よ。今日は私たち悪魔がはぐれ悪魔を倒すところを見学する形でお願いするわ」
『了解』
俺がそう返事をすると、透明化してグレモリー先輩達に見つからないように来たレダが、脳内に話しかけてきた。
『(今回はオレの出番は無しか?)』
『(ああ。今日は悪魔流のはぐれ悪魔討伐の見学だ。やることはなさそうだし帰っても良いぞ)』
『(いや、オレも悪魔の戦い方が気になるから見ておく。それに、イッセーと契約した
『(好戦的なお前が珍しいな)』
『(うっせーよ)』
それにしてもステルス状態のレダに気付かないって、このステルス状態ってちゃんと機能しているんだな。
俺が出会ってきた知人とか強敵とかって全員見抜いてきたからあまり実感がなかったからな。
「そういえば、兵藤君はどうして悪魔が他種族を悪魔に転生させているのかわかる?」
『かつて数百年前に起きた聖書の三大勢力である悪魔、堕天使、天使の三つ巴で起きた大戦。それによって悪魔は大半が死亡し兵力を失った。その大戦は二天龍の介入で収まったが、それでも冷戦状態に移っただけで戦力的に隙を見せる訳にはいかない。だけど、悪魔は出生率が低く新しい悪魔を生んでも戦力させるには時間がかかりすぎる。だからこそ外部から即戦力となる他種族を悪魔として転生させることで、種族的な数と戦力を補強する。その為に現四大魔王の一角であるアジュカ・ベルゼブブが特殊な技法を用いて完成させたのが[
「ええ。全て正解ね」
「良く知ってるね、兵藤君」
木場が俺に話しかけてきた。
『前にも言ったけど魔法使いの知人にそういった異形世界の知識を、去年の夏休み期間中みっちりと教えられたんだよ。おかげで神話や伝承のマニアレベルの知識を持ってるんだ』
「その人も随分と詳しいね」
『なにせ数世紀から生きている魔法使いだからな。凄く長生きだけど精神性はわんぱくな少女みたいだけど』
魔法使いと言いながら杖に魔法を付与して殴ったり、魔法で魔力の刃とか槌を作って杖に貼り付けて斬りかかったり振り回したり。
挙句の果てには全身を魔法で強化して、殴る蹴るでインファイトで戦うのがメインなっている。
本人曰く―――
―――「だって、遠距離魔法当てるよりもこうやって魔法をぶつけた方が効率がいいからだもん」
らしい。
それを聞いたときは俺の中の魔法使いのイメージが壊されたよ。
まあ、魔法使いって実感したのは魔法式や術式を呼んでいたり解除したり、魔法道具を作っているとき位だ。
「…変わった人ですね。異形世界で長寿な人ってどこか達観した人たちばかりと聞いています」
塔城ちゃんも話に入って来た。
『アハハ…俺が出会った人や知人は結構変わり者が多いんだよな』
「…兵藤先輩も異形世界ではだいぶ変わっている方ですよ」
『よく言われるよ』
「その話は置いておいてそういった
「悪魔の駒が生まれた経緯程ではないですが、上級悪魔同士が自分の下僕として転生させた者達をチェスのように実際に動かして競う実戦形式のゲームでしたっけ?」
「ええ。詳細は貴方がレーティングゲームに参加するときにね。それで、悪魔の駒にはそれぞれ特性があるのだけれど―――」
『―――グレモリー先輩』
俺ははぐれ悪魔の気配を強く感じ、グレモリー先輩を生を呼んだ。
俺の意図をくみ取ったかグレモリー先輩達は表情を変え臨戦態勢に入る。
「どうやら、お出ましのようね」
グレモリー先輩がそう言うと、展望台廃墟後でも一番広い部屋の広場奥から上裸の女性が出てきた。
ただし上半身が見えるのは床から3m離れた場所。
そして、上裸の女性の下から動物の体毛の様な毛に覆われた四足歩行の巨大な半身が出現し、上半身音女性の顔が化け物のように変貌した。
「人間をおびき寄せたと思ったら悪魔か…それに変な格好をした奴もいるなァ」
「…臭いですね。しかもこのはぐれ悪魔、人間を何人か食べてますね」
クソッ…既にこいつによる被害が出ているのかよ。
もっと早く気づいていれば食べられた人達も救えたかもしれないのに…ッ。
俺は拳を強く握りしめる。
「ひょ…龍騎士さん。貴方が出たい気持ちや悔しい気持ちは察するわ。でも今回は私たちも同じ気持ちよ。だから今日は抑えてくれないかしら?」
『大丈夫です』
「ありがとう―――さて、はぐれ悪魔バイサー。己の欲を満たす為だけに卑怯な手で主を殺し数々の罪なき人たちを食らった万死に値するわ。大公アガレス家の命と、グレモリー公爵の名においてあなたを消し飛ばしてあげる!」
「ほう、毛も生えそろっていない小娘ごときが上級悪魔を殺せる私を倒すだと? 生意気なァ!」
グレモリー先輩の挑発ともいえる宣言にはぐれ悪魔―――バイサーが切れながら上半身のおっぱいに魔法陣を出現させ、そこから妙な液体をこちらに撃ってきた。
グレモリー先輩はその場から瞬時に移動、俺は最小限の動きで回避しグレモリー先輩の近くに移動。
バイサーが放った液体は廃墟の壁と床に付着、その場所を瞬時に溶かした。
「溶解性の毒ね―――祐斗!」
「了解です」
グレモリー先輩に呼ばれた木場が帯剣した剣を引き抜きながらバイサーに向って飛び出す。
わりと早いな。
「龍騎士さん。せっかくだし実戦で悪魔の駒の説明をするわね」
『ああ』
グレモリー先輩は木場の方を見た。
木場は素早い動きでバイサーの溶解性の毒をよけながら翻弄しながら回避。
そして―――
「隙あり!」
木場は抜刀した両手剣でバイサーのおっぱいと発動に使っていた両腕を切断した。
「ギャァァァァッ!?」
斬られた両腕とおっぱいから血を吹き出し絶叫するバイサー。
「祐斗を悪魔に転生させるために使った駒は〔
『なるほど』
どうりで思ったよりも早いわけだ。
感心しながらバイサーの方を見ると、その近くに塔城ちゃんが近づいていた。
「食ってやるぅぅッ!!」
すると、バイザーの下半身から縦開きの巨大な口が出現し、歪な無数の牙で塔城ちゃんを食べようとする。
「…させません」
塔城ちゃんがそう言うと同時に迫る牙を両手で掴み止めていた。
「何故だ…なぜ食えぬッ!?」
「…ぶっ飛べ」
焦るバイザーに眼もくれず、バイサーの顎の力が弱まったと同時に両手を離し、その口にある牙をすべて粉砕しながら殴りつけた。
―――ドゴォォンッ!
バイサーはそのまま後方に吹っ飛び倒れる。
「小猫を転生させると気に使った駒は[
ある意味昆虫界の黒蟻だな。
固い甲殻に、自分よりも何倍もある虫や餌となる物体を運ぶ力。
しかも塔城ちゃんの場合は運ぶだけではなくその力を100%攻撃に転じることが出来る。
「…ひょ―――龍騎士さん。今、私の事小さいって思いました?」
『え、別にそんなことは思ってないよ。純粋に凄いなって思っただけだよ』
「…そうですか」
なんか、塔城ちゃんが不満そうな感じだな。
もしかして、自分の体形がコンプレックスなのかもしれないな。
「さて、朱乃貴方の―――」
グレモリー先輩がそう言いかけた時、俺は木場が斬り落としたバイサーの両手が一瞬だけ動いたのを察知。
バイザーの方を見ると、歪んだ笑顔でグレモリー先輩の方を向くと同時に木場が斬り落とした両腕が彼女に向って襲い掛かって来た。
「「「部長!?」」」
木場達も両腕が動き出した事に気付くが、この三人じゃ間に合わない。
俺は瞬時に動き、グレモリー先輩を襲おうとしたバイサーの両腕を掴む。
『そうは行かないぜ、はぐれ悪魔』
「な、なぜ反応できた!?」
『昔戦った化け物に斬り落とした触手を遠隔操作して襲われたことがあったんだよ。あの時は数千に分裂して襲い掛かって来た苦労したけどこれくらいなら余裕だ』
そう言いながら掴んでいた両腕を握りつぶし、近くの壁に投げつけた。
投げつけられた両腕だった者は原形をとどめず肉と骨と血のミンチになって動きを止めた。
『大丈夫ですか?』
「え、ええ…。ありがとう」
グレモリー先輩の戸惑ったお礼と俺を見る木場たち。
「とりあえず戦闘に戻りましょうか―――朱乃」
「わかりましたわ、部長」
姫島先輩はバイサーの方へと歩きながら両手に黄色の魔法陣を展開、そこから黄色の電流が大きくなりながら出現する。
「さて、下僕である私たちを無視して王を取ろうとする無礼な不届き物にはお仕置きですよ」
姫島先輩はそう言いながら、手元に出現させた魔法陣から電撃をバイサーに向けて放つ。
「ギャァァァァァァッ!?」
電撃を食らったバイザーは絶叫しその身は皮膚を焼き肉を焦がしていく。
「グゥゥッ…キサマァ…ッ」
「あらあら~まだそんな顔をする元気があるのですね。ならドンドンいきましょう」
姫島先輩は怖い笑みで、バイサーに連続で電撃を浴びせていく。
しかもさっきの電撃よりも威力を下げて。
多分この
「朱乃を転生させる際に使った駒は[
『説明は有難いんですけど、さっきから姫島先輩の攻撃の方がインパクト強すぎてあまり話が入ってこないんですけど…』
「そう言えば言い忘れていたけど、朱乃は究極のSよ」
『デスヨネー』
「大丈夫よ。味方には優しい最強の副部長だから」
『さいですか…』
まあ、普段の姫島先輩は眷属の皆には優しいし、学園生活でもSっ気を見せた事は無いみたいだし大丈夫だろう。
それに俺もS寄りだし戦闘でも負ける気はしないしな。
それから、姫島先輩のSな電撃を食らってバイサーは起き上がれないほどダメージを受けてダウン。
「部長、
「ありがとう」
姫島先輩の言葉にグレモリー先輩はバイサーに近寄り手をかざしながら魔法陣を出現させ変わった魔力を展開する。
「さて、はぐれ悪魔バイサー。最後に言い遺すことは?」
「こ、ゴロゼ…ッ」
「そう―――消し飛びなさい」
そして、グレモリー先輩から奇妙な赤黒い魔力がバイサーに向けて放たれ、その魔力はバイザーの肉体全てを消滅させた。
これはエネルギー質量による消滅じゃなくて概念的な消滅―――なるほど、四大魔王の一角も同じ系統の魔力を持っていると聞いたからそういう事か。
「これではぐれ悪魔バイザーの討伐は完了ね。朱乃、祐斗、小猫、ご苦労様」
こうしてグレモリー先輩達にはぐれ悪魔討伐は終了した。
「どうだったかしら? 私たちの戦闘は」
『まあ、良いんじゃないか? でも、切り落とした腕への警戒は忘れずにですかね?』
「確かに、そこは僕の失態だったね。王を守る騎士として恥ずかしい限りだよ」
「私も警戒を怠っていたからお互い様ね。それで、龍騎士さんがあのはぐれ悪魔を本気で倒すとしたらどうかしら?」
『そうだな…ワンパンかな』
「「「「……」」」」
俺の返事に黙り込む皆。
いや、俺とグレモリー先輩達じゃ俺の方が強いから仕方がないでしょ!?
正直に答えたのに俺がヤバい奴みたいに見るなんてひどいじゃないか!
まあ、そんなこんなでグレモリー先輩達、悪魔流のはぐれ悪魔討伐見学は無事に終わった。
レダの総評はというと―――
『ガキの集まりにしちゃ出来た方じゃないか? まあ、オレならブレス一発で消し炭にできるけど』
という感じだった。