ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》   作:ライダーマスク

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Life7:シスターとの出会い。そして……

【イッセーSIDE】

 

 

 

 

グレモリー先輩達のはぐれ悪魔討伐を見届けた翌日。

 

今日は午前授業に加えて、いつものチラシ配りがないので昼から町の見回りだ。

 

これと言って堕天使から襲撃されていないけど、敵が街に潜んでいるとなると言い難い怖さがある。

 

そして近くのベンチで、自販機で買ったレモンライム味のソーダの缶ジュースを飲む。

 

「ん?」

 

そんな時、この街で珍しい格好を―――変わったシスター服を着た金髪の美少女が視界に入った。

手にはキャリーバッグを持っているけど、雰囲気的に旅行じゃないのは確かだ。

 

なんで、この街にシスター服を着た娘が?

 

すると―――

 

「はうぅわっ!?」

 

ちょっとした段差でつまずきでんぐり返しの要領で派手に転んだ。

 

凄い転び方しているな。

 

シスターなのが気になるけど、心配だし助けるか。

 

容姿的に英語が行けそうだな。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「あうぅ…どうして何もないところで転んでしまうんでしょうか………。あ、すいません。ありがとうございます」

 

「足元不注意ってやつだな。気を付けろよ?」

 

「そうだったんですね。きをつけ―――あ」

 

シスターが言いかけた瞬間、突然吹いた風で彼女が頭につけていたヴェールが風で飛ばされかけるが、俺はすぐにキャッチする。

 

「どうぞ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

シスターさんは俺からヴェールを受け取ると初々しくお辞儀をしながらお礼を言った。

 

遠目からでも美少女って分かったけど。改めて近くでみるとマジで美少女だな。

 

ブロンドカラーのロングヘア―にエメラルドを思わsる課の様なきれいな瞳。

どこか、守護欲を掻き立てる感じな美少女だ。

 

魔法使いの知人と雰囲気が似ているからイギリス系?

いや、どっちかって言うとイタリア系に近いか?

 

「助けたついでにちょっと聞くけど、なんでシスターさんがこの街に来たんだ? 様子からして旅行ってやけじゃないだろ?」

 

「は、はい! 実はこの町の教会に今日赴任することになりまして」

 

「この街の教会? この駒王町に教会とか聖書関連の施設は無いぞ?」

 

「えぇッ!?」

 

俺の言葉に驚くシスターさん。

 

言動からして嘘が言ってないし俺を欺こうとしているわけじゃないな。

 

こういう人の言動を見て嘘を見抜く技術を、北岡さんに習っておいて良かったな。

ついでに司法関係とかも無理やり教えられて地獄を見たけどな!

 

「まあ、正確にはあったんだけど十数年前に担当職員全員が異動になって、そのまま教会としての施設は残っているけど機能はしてないな」

 

「そんなぁ…この街の教会に来るように言われているんです……」

 

「それって、()()()()からの指示かな?」

 

「そ、それは…」

 

このシスターさん、俺がバチカンて言ったら急に黙り込んだな。

 

それに彼女が来ている服は正規のシスター服じゃない。

でも、天界からの祝福を受けたロザリオは首にかけているし…。

 

もしかして―――

 

「なあ、シスターさんよ。一つ質問良いかな?」

 

「は、はい…」

 

「もしかして君は、()()()()()()()()()()()()()()()()かな?」

 

「…ッ!?」

 

バチカンと言った時と同じ反応をした。

 

たぶん、はぐれシスターなのは間違いないな。

 

知合いのイタリア人神父に、悪魔祓いのはぐれと正規の見分け方について教わっておいて助かったな。

 

さて―――

 

「シスターさん。そもそも、この街がどうなっているのか知っていて来たのか?」

 

「い、いえ…ただ来るように言われたので…」

 

はぐれシスターの来訪、ここ最近の堕天使の襲撃。

 

もしや―――

 

「もしかして、()()使()()()()()()にか?」

 

「!? どうしてレイナーレ様の名前を!」

 

まじかー、よりによってレイナーレの関係者かよ。

 

どうしよう…このままグレモリー先輩に報告して連れて……だめだ、そうしたら堕天使レイナーレに身内が悪魔に拉致されたとこでこちらに付け入る隙を与えて迷惑をかけかねない。

 

そうなると、ここはこのシスターさんを目的地に送り届けるか。

 

幸い、この街に廃墟同然だけど教会は残っているしな。

 

「まあ良いや。とりあえず君の目的地はこの街にある教会なんだろ?」

 

「はい…」

 

「とりあえず、そこまで送るよ。不安にさせたお詫びも込めて」

 

「良いんですか!?」

 

「ああ。ただし、教会の門が見えるところまでだ。これでも、レイナーレには何かと因縁つけられて面倒だからな」

 

「レイナーレ様と何かあったんですか?」

 

「ちょっとな。奴に俺の事を聞かれても、道を教えながら近くまで送ってくれた一般人で通しておいてくれ」

 

「わ、わかりました!」

 

こうして、俺はレイナーレと関係大有りのシスターをこの街にある廃墟同然の教会まで送ることになった。

 

 

 

 

 

 

「そういえば、英語が喋れてびっくりです! 道中、私と会話できる人が居なかったので」

 

「これでも主要国の読み書きや発音は出来るんだぜ? ついでにラテン語もな―――Sicut hoc(こんな感じに)

 

「凄いですね~」

 

「今の時代、自国語以外にも英語くらいは話せるようにならないと将来が心配だからな」

 

英語に関しては、魔法使いの知人に魔法を使って本来かかる時間を短縮しまくって押しててもらったなぁ。

 

ホント軽い感じで「ついでに主要国やラテン語もやっちゃおー」って、その場のノリで数種類の言語と発音を叩き込まれた時は地獄だった。

 

何気に人生初の知恵熱を発症したし。

 

そうこうしていると―――

 

「うわぁぁぁぁん」

 

公園のそばを横切ると、男の子が地面に座りながら泣いていた。

 

よく見れば全身砂ぼこりまみれで、膝に擦り傷があって血を流しているから、はしゃぎすぎて転んだって感じか?

 

「あ、ちょっと待っていてください!」

 

「あ、ちょっと…」

 

シスターさんがその子を見るなり、傍に駆け寄っていった。

 

俺もシスターさんが置いていった荷物を持ちながら着いていく。

 

「大丈夫ですか? 男の子ならこのくらいで泣いてはダメですよ」

 

シスターは子供の頭を撫でて慰めた後、自分の掌を子供の擦りむいた膝に当てる。

 

すると、彼女の人差し指にエメラルドの装飾が施された銀色の指輪が出現、そこから淡い緑色の光が発せられ、光を受けた膝の傷があっという間に消えていった。

 

あれは教会の祝福じゃない…もしかして神器(セイクリッドギア)か?

 

「ありがとう! お姉ちゃん!」

 

傷が治り泣くのを止めた男の子は、シスターさんいお礼を言ってその場を走りさっていった。

 

「ありがとうだってさ」

 

「よかったです」

 

俺は彼女の手に顕現している神器らしきものを見て問いかけた。

 

「その力は―――」

 

「治癒の力です。神様からいただいた素敵なものなんですよ…」

 

俺の問いかけに、誇らしくも悲しげな雰囲気で答えるシスターさん。

 

恐らく彼女が教会から追放されたのは、この力が関わっている感じか?

ま、今は詮索してもしょうがないから置いておくか。

 

「人を助けられる良い力だな」

 

「はい…」

 

微笑みながら返事をするシスターさん。

だけど、悲しげな雰囲気はそのままだった。

 

そして、シスターさんと歩いて数分後。

 

遠くから廃墟となった教会が見える場所までたどり着いた。

 

「ほら、あそこがこの街にある唯一の教会とよべる場所だ。このまままっすぐ行けばたどり着けるよ」

 

「ありがとうございます! 本当に助かりました!」

 

「それじゃあな」

 

俺はそのまま元来た道に帰ろうとするが―――

 

「あ、あの! ぜひお礼をしたいので、一緒に来ていただけませんか?」

 

「前にも言ったけど君の主人とはいざこざがあって会えないんだ。その気持ちだけでうれしいから大丈夫だよ。それと、俺と会った事はくれぐれもレイナーレには言うなよ?」

 

「そうですか…。でしたらこのお礼はまたの機会にお返しします。あ、私は“アーシア・アルジェント”と申します! アーシアと呼んでください!」

 

「俺は兵藤一誠だ。また会える機会があればな」

 

「はい! イッセーさん、またお会いしましょう!」

 

俺は手を振りながら教会へと向かうアーシアを見送りながら元来た道へと引き返した。

 

アーシアか。

どうにも、はぐれになるような要素がない優しいシスターだったな。

 

なんで彼女がシスターになったか気になるけど、そこは追々調べる必要があったら知らべていくか。

 

そして、この時の俺は知らなかった。

 

アーシアが言った「またお会いしましょう」という言葉が最悪な形で…そしてすぐに迎える事に。

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

俺はアーシアとで立ったことやレイナーレ手の関連性をグレモリー先輩に話した。

 

「なるほどね。神器持ち疑いのはぐれにシスターを町に入れてきた…。ますます目的が分からないわね…」

 

「とりあえずは放置で?」

 

「ええ。向うがやらかしてくれない限りはね―――あ、兵藤君。話は変わるけど、今日から本格的に悪魔家業の補助に入ってもらっても良いかしら?」

 

「本格的な悪魔家業ですか?」

 

「ええ。兵藤君には指名のない依頼案件を任せたいの。これと言って難しい事をするわけじゃなくてこの機械で相手の願いを入力して、表示された願いの対価を相手に伝えるだけでいいの。対価を払えば願いは自動的に叶えられるし、無理ならこの度はご縁がなかったという事で。という感じね」

 

「セールスマンですね」

 

「悪魔家業なんてそんなものよ。早速だけど一件、任せても良いかしら? もちろん龍騎士―――じゃなくて龍騎の姿でね?」

 

「了解です」

 

俺はグレモリー先輩から必要な機械を受け取り龍騎に変身。

 

そのまま、仮眷属(アリアス)用の転移陣*1で早速仕事先に向った。

 

 

 

 

 

 

『ッ!?』

 

転移が終わった瞬間、俺は周囲の光景を見て一瞬で臨戦態勢に入った。

 

なぜなら、俺が転移したグレモリー先輩達にお客さんであろう自室が血まみれになっていたからだ。

 

この家に生きている二人に人間の気配。

 

一人はこの家に、一人は家の外で結界を張る作業をしている感じだ。

 

俺はその二人の気配を気にしつつ、部屋の血しぶきが濃い方向であろう背後を見る。

 

『…ッ。なんつー悪趣味な』

 

俺が見たのは腸を斬り裂かれ絶望に顔を染めた男の死体が逆十字に張り付けにされている光景だった。

 

その横には血文字でDamnant homines,(悪魔と契約する) qui cum diabolo paciscantur, punientur(クソ人間はお仕置きよ!)!」とふざけたラテン語で綴られていた。

 

この惨殺の仕方に血文字…このやり口は―――

 

俺がある人物に行き当たる瞬間と同時に、家にいた一人に気配がこちらに来るのを感知して構える。

 

「おんやぁ~。なんか来たと思ったらコスプレ野郎がいるじゃあ~ありませんか~」

 

ふざけた口調に歪んだ笑顔を見せる神父服を着た白髪の男。

俺を見るなり殺意を向けてきやがった。

 

『おい、このふざけた奴はお前がやったのか?』

 

俺がは視線を後ろにある無残な遺体に一瞬向けながら言うと、神父服を着た男はゲラゲラと笑いながら話始めた。

 

「イエス!イエス~。俺が殺っちゃいました。だってー、悪魔を呼び出そうとしいたしー、殺すしかないっしょ」

 

『この土地は悪魔が異形関連を管轄している土地だぞ。お前らが介入すればどうなるかわかってんのか?』

 

「そんなもん、俺達悪魔祓いには関係ナッシング! 悪魔と関わる奴は死ね!がジャスティスなすよ~。あ、俺の名前はフリード・セルゼン。とある悪魔払い組織に所属する末端にございますですよ」

 

妙に丁寧な所作でお辞儀をする神父服の男―――フリード。

 

まあ―――

 

『お前が悪魔払い組織に所属している? こんな凶行ばかりして教会から追放されて堕天使に拾われた()()()だろ?』

 

フリードは楽しそうに悪魔祓いに支給される光力で形成された光の剣と、教会の紋章が刻印された自動式拳銃を取り出す。

 

「おんやー、こちらの事情に詳しいでいやがりますなぁ? まあ、この現場を見たしこのクソ人間をかばっている時点でお前も死刑! 今からお前のクソダサコスプレごとこの素敵な光の剣で心臓貫いて、このイカス銃でそのダセェヘルメットごと、必殺必中フォーリンラブしちゃいます!」

 

フリードはそう言いながら光の剣を俺の心臓の左胸に突き刺すが―――

 

 

―――カキンッ

 

 

その刃は龍騎の装甲を貫くどころか傷一つつけることが出来なかった。

 

「へ?」

 

フリードが不抜けた声で光の剣と俺を交合に見る。

 

『そんなもんでやられるかよ』

 

「チッ! だったら、光の銃0距離射撃でその頭を粉砕しちゃいます!」

 

今度は俺の頭にめがけて光の銃を連射してくる。

 

だけど、放たれる銃弾は先ほどの同じく龍騎の装甲を傷つけることはかなわなかった。

 

「固すぎるんですけどぉ!?」

 

『聞くわけねぇだろ。そんじゃ今度は俺の番だな』

 

俺はフリードが光の剣を持っている右手を掴む。

 

「クッ!? 触んじゃねぇよ!」

 

『黙ってろ快楽殺人狂。お前のボスは堕天使レイナーレか?』

 

「ハンッ! だれがお前みたいなクソ野郎に―――」

 

俺はグレモリー先輩の御客さんをこいつから守れなかった悔しさと怒りを感じながら、掴んでいたフリードの右腕を握りつぶす。

 

骨と肉がつぶれた感触が伝わると同時に―――

 

「ぎやぁぁぁぁ!? 俺の腕がぁぁぁ!!!」

 

フリードがあまりの痛みに絶叫していた。

 

『叫ぶなよ。お前に殺された人の方が何倍も苦しかったんだからな―――それで、お前のあるじは堕天使レイナーレか?』

 

俺が再びフリードに聞いた瞬間―――

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

聞き覚えのある声での悲鳴がこの部屋に響きわたった。

 

声がした方向を見ると、そこには俺が昼頃に出会ったシスターであるアーシアが俺が見た無残な肢体を見ていた。

 

気配は感じていたが、まさかアーシアだとはな。

 

「お、おんや? 助手のアーシアちゃん。人払いの結界は張り終わったのかな?」

 

「こ、これは……どういう事ですか…フリード神父」

 

「そういえば、アーシアちゃんはこの手の死体は初めてでしたねぇ。これが俺らの仕事ナンデス!。悪魔に魅入られたダメ人間をこうして始末するんすよ…♪」

 

無残な死体を見て呆然としているアーシアに、このことが当たりまえで何でもないような口ぶりで自分が行なったことを説明するフリード。

 

こいつは、はぐれになるべくしてなった存在だな。 

 

「そ、そんな………っ!?」

 

フリードの説明を聞いてショックを受けたアーシアがフリードの方を向き、俺を見るなり驚いていた。

 

龍騎としての姿だから俺が兵藤一誠だという事はわからないのが幸いだな。

 

『そこのはぐれシスターさんよ。アンタに聞く―――アンタとコイツのあるじは堕天使レイナーレだな?』

 

「え…はい……」

 

『そうか。それで、アンタは教会から追放された悪魔祓いがこういった事をしているのを知ってたか?』

 

「いいえ…このような惨い事…私は出来ません……」

 

だろうな。

 

見知らぬ子供を助けるお人よしなら猶更だ。

 

さて―――

 

『おい、クソはぐれ神父。お前―――いやお前たちは悪魔の管理する土地を犯した。これがどうなるかくらいわかるよな?』

 

「ああ! 俺やボスたちでこの一帯にいる悪魔共をぶっ殺しまくってボスの上司に献上するんだよ!」

 

そう言いながら光の銃を俺の方にして銃にエネルギーをチャージしはじめた。

 

なるほど、連射で無理なら最大出力ってかんじか?

 

「光の銃最大出力ブッパだ! 吹っ飛んで死にやがれ、クソコスプレ野郎!!」

 

フリードは言い放ちながら俺に最大出力の射撃を繰り出すが、先程と同じように無傷だった。

 

「はぁぁぁ!!?? 悪魔祓い特性の上級悪魔の防御結界も貫く最大出力射撃だぞ!」

 

『俺にとってはそれは玩具同然だ。とあり合えず面倒だから気絶してろ!』

 

俺はフリードの鳩尾を加減して殴りつけ、その場で気絶させる。

 

そして、アーシアの傍による。

 

「あ、あの…」

 

俺の姿を見て戸惑うアーシア。

 

仕方がない、ここはレイナーレに使った設定で演技するか。

 

『その容姿。兵藤一誠君が言っていたシスターさんか?』

 

「!? イッセーさんを知っているんですか?」

 

『彼とはちょっとした知人でね。今日、君と会った事を聞いたんだ』

 

「そ、そうだったんですね…」

 

そんなやり取りをしていると、あれが通って来た転移陣が赤く光り、そこからグレモリー先輩達が来た。

 

「大丈―――ってもう終わらせたのね」

 

『遅いですよ』

 

「この光景は…そこに倒れている神父がやったのかい?」

 

『正確には、はぐれ神父だけどな』

 

それから、グレモリー先輩たちは俺の戻りが遅いことを案じて使い魔に様子を見させてらこの現状を把握。

 

今しがた転移できたという説明を受けた。

 

『すみません。お客さんを危険にさらすどころかこうなることを防ぐことも出来なくて……』

 

「……貴方が気に病むことじゃないわ。これが起きたのは私が堕天使と部下であるはぐれ神父の活動を泳がせすぎたのが原因。責任は私にあるわ」

 

『だけど…』

 

「貴方はあくまで協力者。そして町の異形関係を管理しているのは私よ―――ん、もしかして貴方が少し前に報告したシスター?」

 

『ええ』

 

グレモリー先輩がアーシアを見る。

 

『ッ!』

 

その瞬間、俺はこの場所に堕天使数人が近づく気配を感じ、姫島先輩も同じように気付いたのかグレモリー先輩に話しかけた。

 

「―――ッ!? 部長、マークしていたであろう数人の堕天使がここに近づいていますわ」

 

「まずいわね。こちらを妨害した証拠は取れたけど、まだ裏付けが終わっていないのに…ッ」

 

グレモリー先輩は悔しそうに眷属用と仮眷属用の転移陣を出現させた。

 

「皆、そしてひょ…龍騎士さん。この場は一旦引くわよ!」

 

『なら、彼女も!』

 

「気持ちは察するけど、この転移陣は私と仮眷属であるあなた以外転移できないの。それに、背後関係が洗えていない状態で堕天使の部下である彼女をこちらが無理やり連れてきたらそれこそ、ここで堕天使と争えば悪魔と堕天使の間で大きな問題になりかねないわ。彼女を守りたいのであれば、ここは我慢して頂戴」

 

確かに、グレモリー先輩達の言う通りここでアーシアを連れて行けば堕天使側が「悪魔が部下を拉致した」と因縁を付けられて戦争に発展。

 

この街が戦火に包まれる可能性がある。

 

理屈はわかるけど、フリードのみたいなやつを野放しにしている奴がいる場所でアーシアを放っておくこともできない…ッ。

 

どうすれば―――

 

考えていると、俺の背中をアーシアが押した。

 

『シスターさん?』

 

「行ってください、イッセーさんの知り合いさん。私なら大丈夫ですから」

 

『…ッ』

 

俺に逃げてと伝えるアーシアは涙を流していた。

 

クッ…こうなったら賭けだ!

 

俺はアーシアの耳元で、周りに聞こえないように話しかける。

 

『シスターさん。君とイッセー君が出会った場所を覚えているか? もし、君が今いる場所が嫌であればそこを目指してくれ。そこにイッセー君を待たせる!』

 

「……はい。イッセーさんの知人さん。ありがとうございます」

 

俺はアーシアの返事を聞いて、転移陣に入りその場からグレモリー先輩達と共に転移していった。

*1
オリジナル設定。仮眷属用専用の転移

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