ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》   作:ライダーマスク

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Life10:変りゆく物語(運命)

【リアスSIDE】

 

 

 

 

私―――リアス・グレモリーは、レイナーレが拠点としている教会付近の森にいる奴らの仲間の捕縛をしていた。

 

「これで、最後ですわ。後は祐斗君たちが居る教会だけです」

 

「そう。とりあえず捕まえた者達は冥界の専門機関に転送して頂戴」

 

「はい」

 

捕まえたはぐれ神父達を朱乃が次々と転送していく中、最後に捕まえたレイナーレの部下である下級堕天使達の方を見た。

 

「グッ!?」

 

「拘束を解け!」

 

「う、動けない!?」

 

「逃がすわけないでしょう? それに殺されないだけマシだと思いなさい」

 

まったく、この堕天使達は自分達がやって事の重大さを理解していないようね。

 

ここで説明してもプライドがそうさせないでしょうし、そういった事は組織に連行されてわかってもらう方が良いわね。

 

「部長。この堕天使達以外の転送は終わりましたわ」

 

「そう―――アーシアさん。大丈夫?」

 

私は近くで不安そうなアーシアさんを伺う。

便宜上来てもらうしかないのだけれど、こうして不安にさせるのは良心が痛むわね。

 

「は、はい。不安ですがお二方が守ってくれるので大丈夫です」

 

「そう。なるべく私達から離れないようにね」

 

「わかりました」

 

まあ、彼女が早々以上に物覚えや構成員の数を詳しく覚えていてくれたから、ここまで上手くいっているから何かお礼をしないとね。

 

どうやら、兵藤君をよく気にかけているようだしそれ関連のお願いがきそうね。

 

そう考えていると、堕天使の一人―――アーシア曰くミルテットが不敵な笑みを浮かべて私達を見てきた。

 

「あら、随分と余裕そうね?」

 

「お前たち温室育ちの悪魔は知らないんっすよ。レイナーレ様はここに来るまでに三人の神器所有者から神器を奪って保管しているっす。そして、追い詰められたレイナーレ様はそれ等を自分に宿して迎え撃つ準備はもう終わっているすよ」

 

「へぇ、それがどうかしたの?」

 

「なにもわかっていないバカみたいですね。流石温室育ちの悪魔さんっすね~」

 

「ああ。奪った三つの神器は攻撃系、補助系、防御系のバランスがとれた強力な神器。お前達三流悪魔やあの過大評価された下賤な龍騎士(ドラゴンナイト)など、今のレイナーレ様であれば簡単に屠れるわ!」

 

勝ち誇る捕まえた堕天使達。

 

おそらく誇張抜きで言っているのでしょう。

 

それにしても、アーシアさんの話を聞いていた通りの事が当事者達から聞かされると、私たちが相手にするならば怖いわね。

 

でも―――

 

「貴女たちこそ何も分かっていないようね。龍騎士さんの実力は素の状態(変身前)で魔王クラスよ? いくらレイナーレが神器を複数持っていようと敵わないわ」

 

「ハッ! 見たこともない噂を信じ込むなんて愚かの極みだな」

 

「見たこともない…ね。私は彼と相対した時…そして戦うと考えた瞬間―――自分と眷属が即死するイメージが浮かび上がったわ。もし、龍騎士と相対して何も感じないのであれば貴方たちの見る目がなかったという事よ」

 

「強がるもの今の―――」

 

堕天使の一人―――カラワーナが反論を言うが、朱乃に転送され最後まで言葉を聞くことはなかった。

 

「ウフフ。これ以上堕天使達の声を聞くのは堪えがたいので送らせてもらいました」

 

「そうね。敵の実力も図れないような愚か者の言葉は聞くに堪えないわ」

 

最も朱乃は別の理由で転送したのだけれど、今はそっとしておきましょう。

 

「あ、あの…」

 

「どうかしたの、アーシアさん?」

 

「龍騎士さんは…大丈夫なのでしょうか? あの方はイッセーさんの大切な方で、万が一あの人に何かあればイッセーさんが悲しみます…」

 

そういえば、アーシアさんは兵藤君が龍騎士―――龍騎だという事を知らなかったわね。

 

「大丈夫よ。あの龍騎士さん―――龍騎さんわね。この町にいるどんな存在よりも強い人なのよ。だから安心なさい」

 

「悪魔さん…」

 

はぐれとはいえ、シスターであるアーシアさんにさんづけされるのは奇妙な感覚ね。

 

これも、彼がもたらして運命なのかしら?

それに彼女の能力も魅力的だし、この一件が終われば誘ってみようかしら。

 

「さて、私たちのやることは片付いたし教会にいる祐斗たちと兵藤君と合流しましょう―――ッ!?」

 

 

―――ギャォォォォォォンッ!!!

 

 

私がそう言いかけた時、私たちの頭上を一匹の赤い龍が勢いよく通過していった。

 

朱乃やアーシアさんも突然現れた赤い龍に驚いていた。

 

姿は一瞬しか見れなかったけど東洋の龍のように胴が長く翼を生やさずに飛んでいた。

そして、兵藤君と似た力を感じる。

 

どこか龍騎さんの姿に似たデザインに彼が龍騎と呼ばれる所以を改めて見れた気がするわ。

 

これだと、祐斗と小猫のサポートはいらない感じね。

 

「朱乃、アーシアさん。私達も教会に行きましょうか」

 

「了解です、部長」

 

「は、はい!」

 

さて、龍騎士改め〔仮面ライダー龍騎〕さん。

 

貴方の実力を改めて見定めさせてもらうわ。

 

 

 

 

【リアスSIDE OUT】

 

 

 

 

 

 

 

 

【イッセーSIDE】

 

 

 

 

俺達はフリードを倒し終わた後、教会内部にいるはぐれ神父達を拘束していった。

 

といっても、フリード以外のはぐれ神父達は木場と塔城ちゃんが全部相手をしてくれた。

 

塔城ちゃんは「私たちの仕事なので」っと言い、木場は「神父にはちょっとした因縁…()()()()()()()()()()()()()()()」っと学園での木場とは違った雰囲気で言った。

 

あの様子じゃ教会のタカ派*1に何かされた感じか?

 

ま、そこは木場の個人的な領域みたいだからよほどのことがない限り突っ込むのはよした方が良いな。

 

「後はここで最後ですね」

 

塔城ちゃんがそういうと、目の前には大きな鉄製の扉があった。

 

場所は地下であやしげな雰囲気が漂い、扉の向こうには20人近いはぐれ神父達とレイナーレの気配を感じる。

 

「どうする? 兵藤君」

 

『正面突破に決まっているだろ? それとも作戦が必要か?』

 

「僕と小猫ちゃんだけだったら必要だったけど、兵藤君が居れば正面突破の方が良さそうだね」

 

「…私と裕斗先輩よりも強い兵藤先輩が居れば問題ないですね」

 

『そうかい。んじゃ行くか!』

 

俺は飛び蹴りで目の前の扉を破壊する。

 

破壊した影響であたりに土煙が舞うがすぐに晴れると、そこには玉座みたいな椅子に座るレイナーレと、その横に控えるように佇む20人のはぐれ神父が居た。

 

「まさか、真正面から堂々と来るとわね。愚かさもここまで来ると笑えるわ」

 

『好きなだけ言ってろ、堕天使レイナーレ。もはやお前等に逃げ道はない』

 

「逃げ道? 逃げるのはお前たちの方よ? 言っておくけど上や警備に回している連中は雑兵。でもこの場にいる20人のはぐれ神父達は私がえりすぐった者達ばかり。なにより―――」

 

レイナーレは玉座から立ち上がると同時にある程度の高度に達するとその場で静止。

 

そして右手を天に、左手を横に構えた瞬間―――

 

「来たれ我が力―――紫光矢(スターリング・パープル)龍の手(トゥワイス・クリティカル)六光の盾(ヘキサスター・イージス)!」

 

レイナーレが名前を叫ぶと、右手には竜を模した籠手、左手には、紫色の光で形成された弓、周囲にはヘキサゴン形状の光の防壁が展開された。

 

「あの三つ…全部が神器だね」

 

「疑ってはいませんが、あのシスターさんの言う通りのようですね」

 

木場と塔城ちゃんがそれぞれ感想を漏らす。

 

確か[紫光矢(スターリング・パープル)*2は紫色の光の矢を放ち、感覚で軌道変更が可能な光系攻撃系神器。

龍の手(トゥワイス・クリティカル)]は、一定時間所持者の力を二倍にする状態変化系。

そして、[六光の盾(ヘキサスター・イージス)*3は周囲に一定量のダメージ量を無効化する光系防御系神器。

 

どれも所有者のポテンシャル次第では、最上級クラスすら屠る可能性を秘めているモノばかりだな。

 

『随分と神器を奪ってきたじゃないか』

 

「奪う? 人間には過ぎた力を私という至高の存在というあるべき主として戻しただけよ? 本当はアーシアの聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)を頂いて攻守ともに完全な力を手に入れる予定だったのだけれど」

 

『完全な力? お前が持つ神器もアーシアが持っている神器も宿した人の者だった奴じゃないか。それを自分の力だと言い張るなんてみっともないぜ』

 

「お前こそ、自分で誇張したうわさでイキってるくせに。ブーメラン発言って言うのよ? まあ、下賤な種族であるお前にはわからないわよね?」

 

そのまま言い返したいところだが、このまま舌戦をしていても状況が進まないな。

 

それにナメられっぱなしも性に合わないしな。

 

『だったらツベコベ言わずにかかって来いよ? 俺を殺したいんだろ?』

 

「ええ。地獄の苦しみを味合わせて殺してあげる!」

 

≪Dragon Booster!!≫

 

レイナーレの龍の手が発動すると同時に、アイツから感じる気配が能力通り二倍に膨れ上がった。

 

それと同時に控えていたはぐれ神父達もそれぞれの光の武器を構えて襲ってきた。

 

「ひょ―――龍騎さんはあの堕天使をお願いします」

 

「あんなに神器を使われる僕たちだとちょっと厳しいからね。だから残りのはぐれ神父達は僕たちに任せて」

 

『おう、任せたぜ』

 

はぐれ神父達と戦いを始める木場と塔城ちゃん。

 

木場は創造した魔剣で光の武器の光を食らわせながら斬り伏せ、塔城ちゃんは圧倒的なフィジカルではぐれ神父達を倒していく。

 

「チッ…想った以上にグレモリーの下級悪魔共はやるようね…」

 

『おいおい、よそ見している場合か? 覚悟しな堕天使レイナーレ―――ここから先は俺の戦いだ!

 

俺はレイナーレに向ってジャンプしながら距離を詰めて右ストレートを放つ!

 

「チッ! 六光の盾!」

 

レイナーレは六光の盾を展開して俺の攻撃を防ごうとするが、展開された六角形に光の防壁は攻撃が触れたと同時に砕け散りそのままレイナーレの腹部を捉えた。

 

「ガハァッ!?」

 

腹を殴られたレイナーレは血反吐を吐きながら近くの壁に激突した。

 

「な、なんで…龍の手によって強化され上級クラスの攻撃すら無傷の六光の盾が…こんな簡単に…ッ!?」

 

『言っておくけどこれでも加減したパンチだ。それに神器を使うにはただ持つだけじゃなくてそれなりに鍛錬を積まないと意味がないぜ?』

 

「ほざくなッ!!」

 

レイナーレは表情を怒りに染めて、紫光矢を構えてそこから大きな光の矢を形成する。

 

元々光の力を扱う堕天使にとって相性がいい神器のせいか、六光の盾よりも力が洗練されている。

 

「食らえ!」

 

そのまま槍に似た大きな紫色の光の矢を放つ。

 

人間の状態だと避けないとまずい攻撃だが、俺は放たれた攻撃をノーガードで受け止める。

 

「なっ!?」

 

自慢の攻撃が当たっても無傷な事に驚くレイナーレ。

 

『この程度の攻撃なら避けるまでもねぇよ。もしかして、それが限界なのか?』

 

「舐めるなぁッ!!」

 

今度は同じ矢を無数に展開し連続で放ってきた。

 

それでも変わらず龍騎の装甲やアンダースーツを傷付けることは出来ず当たった紫色の光の矢は空しく霧散する。

 

「なんで効かないのよ!? 神器の力を重ねがけているのに!」

 

『どんな強力な道具や力を持っても、操る存在が弱ければ意味がないってことだ』

 

蓮さんと撃破する前に、俺が撃破した仮面ライダーの中でも最強である[仮面ライダーオーディン]も中身が素人だったので何とか倒せた。

 

ただ、蓮さんと撃破したオーディンは変身者が神崎士郎だったからヤバかったけど。

 

まさに、レイナーレには過ぎた力の三つの神器がその例を体現している。

 

『そんじゃ、俺も攻撃再開と行こうか!』

 

「させるか!」

 

レイナーレは再び無数の光の矢を放つが、それらすべてを俺は受け止めたり拳で破壊していきレイナーレとの距離を詰めた。

 

「ッ!? 六光の盾、多重展開!」

 

レイナーレはとっさに六光の盾を六枚展開し重ねて防御を固めた。

 

俺は構わず6種の魔法の内の一つを発動させる。

 

六式体刻魔法壱式―――天駆(てんく)

 

すると、俺の足は地面がない場所でありながら空中に立ち、そのまま回し蹴りの要領でレイナーレが展開した六光の盾ごと上に蹴り上げる。

 

「ガァッ!?」

 

俺に蹴り上げられたレイナーレは、そのまま天井を突き破り教会の礼拝堂まで吹っ飛んだ。

 

俺はそのまま天駆でレイナーレが通った穴を上り、地上である礼拝堂にあがった。

 

「う、腕がぁぁぁぁッ!?」

 

レイナーレは防御に使った右手が見るも無残にぐちゃぐちゃになっている事に痛みながら悶える。

 

『これはお前に神器を奪われ殺された人たちの分だ。とはいえ、この程度じゃ全然足りないと思うけどな』

 

「ちょ、調子に乗るなァ…私は至高なる堕天使……こんな訳の分からない奴に負けるはずがないッ!!」

 

潰れた右手の痛みに耐えながら、今度は左手に光の力を溜めていく。

 

先程の攻撃とは違い大きさがどんどん膨らんでいき、紫光矢と六光の盾。

そして龍の手の力を収束させていき巨大な光の剣を作り上げた。

 

「これが私が放てる最大限の技……最上級クラスにも匹敵するこの力ならお前を確実に屠れる!!」

 

『やってみろよ。他人の気持ちを知らず、自分勝手に周りを犠牲にしていくお前の攻撃なんざ一撃で破ってやる』

 

「調子に乗るナァァァァァァ!!!!」

 

レイナーレは絶叫に近い叫びで巨大な光の剣を振るってきた。

 

俺はその攻撃に対抗する為、アドベントカードを引こうとするが―――

 

『ギャォォォォォォンッ!!!』

 

『え?』

 

「なっ!?」

 

突然、モンスター姿のレダが現れレイナーレが作り出した巨大な光の剣を体当たりで粉砕。

そのまま、レイナーレも前方の教会の壁に尻尾薙ぐように叩きつけた。

 

壁に叩きつけられたレイナーレはそのまま気絶するかのように倒れ、点火していた神器も消えた。

 

『おいおい、いきなりきて何やってんだよ。レダ』

 

『それはこっちの台詞だぜ? いきなり変身したかと思ってお前の気配を追ってみれば随分と楽しそうなことをしているじゃねぇか。こんな事にオレを巻き込まないなんて無粋じゃねぇか』

 

レダは不満げに言い返してきた。

 

『いや、別にレダが出張るほど相手は強くないし今回はなるべく殺さずに―――って、レイナーレ!?』

 

俺は急いでレダが吹っ飛ばしたレイナーレに近付いて息がある確認する。

 

瀕死だけどまだ息はあるな。

 

危ない…。

 

『ちゃんと加減はしたぜ? そもそもイッセーと戦ってまだ生きているなら殺さずに無力化することくらい察しているからな?』

 

『よかったぁ~』

 

それから、木場達とグレモリー先輩達にアーシアが来るまで俺は6種の魔法の一つでレイナーレに最低限の治療を施した。

 

「ご苦労様と言ったところかしら……まあ、そこにいる赤いドラゴンさんが気になるけど」

 

『アハハ。こいつは俺の相棒の“無双龍ドラグレッダー”です。愛称でレダって呼んでいます』

 

『初めましてだな、悪魔共。オレはイッセーに紹介された通り“無双龍ドラグレッダー”って言うんだ。言っておくが俺はイッセーの言うこと以外聞かないからな?』

 

「ど、どうも…私はリアス・グレモリーよ。よろしくお願いするわ」

 

『ああ。そこの金髪女もよろしくな』

 

「ひゃ、ひゃい! よ、よろしくお願いします!」

 

それからレダとの挨拶を済ませて、グレモリー先輩にレイナーレを任せて冥界の専門機関に転送してもらった。

 

「とりあえず、街に侵入したはぐれ神父達と堕天使は全員送りおわたわ。それで、今後の対応なのだけれど―――アーシアさん」

 

「は、はい!」

 

「貴女の身柄は私が一度預かって今後の話をすることになるわ。もちろん悪いようにはしないから安心して頂戴」

 

「わ、わかりました!」

 

初々しくお辞儀をするアーシア。

 

さて、敵も居ないし変身を解くか。

 

俺はVバックルからカードデッキを取り出し変身を解く。

 

すると、グレモリー先輩が驚きレダはやれやれといった表情をしていた。

 

「ん? どうしたんだ皆?」

 

俺がそう聞くと、皆がアーシアに視線を向けた。

 

なんでアーシアをみんな見るんだ?

 

ん? そう言えばアーシアは俺の正体を知っていないよな――――あ。

 

俺が事の重大さに気付いた頃には―――

 

「あの騎士さんの正体って、イッセーさんだったんですか!?」

 

「やっちまったぁぁぁぁぁぁ!!」

 

時すでに遅かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、色々と油断しきってアーシアに正体をばらした俺はオカルト研究部の部室でグレモリー先輩に正座させられていた。

 

「あのね、兵藤君。貴方の正体がバレる事がいかに危ないかわかっているでしょう?」

 

「ハイ…」

 

「いくら信頼できて仲良くなった相手でも油断して正体を明かしちゃダメなのよ。今回は相手がアーシアだったから良かったのよ?」

 

「ハイ…」

 

「私の力でご両親を守っているけどそれでも守り切れるかどうかわからないレベルで貴方の名前は知れ渡っているのよ。いつもの慎重さを今後は私達やアーシアの前でも忘れずに」

 

「ごもっともです…」

 

ぐぅの音もでない説教だ。

 

なんで自分で隠している失態をグレモリー先輩に叱ってもらっている状況が妙にカオスだけど、俺が全部悪いから何も言えない!

 

「実力に圧倒的差があるのに部長にしかかれる兵藤君…面白いね」

 

「…兵藤先輩は変な所で抜けていますね。それがパワーバランスといった所ですね」

 

「うふふ。戦っている姿は勇ましいですが、今は年相応の先輩後輩の関係ですわね」

 

木場達にも言われたい放題だ。

 

なにも言い返せないのが悔しい…というか不甲斐ない。

 

ん?待てよ…

 

「あの~グレモリー先輩?」

 

「何かしら?」

 

「なんで、今後にアーシアの名前が出るんですか?」

 

「そう言えば言ってなかったわね―――出てきて頂戴」

 

グレモリー先輩がそう扉の向こう側に言うと、駒王学園の制服を着たアーシアが出てきた!

 

「お久しぶりです、イッセーさん!」

 

「あ、アーシア!?」

 

え、なんでうちの制服を!? しかもアーシアの気配が前と違って、木場達に似ているような…?

 

すると、アーシアから悪魔の翼が生えた!?

 

「ちょ!? グレモリー先輩! アーシアを悪魔に転生させたんですか!?」

 

「ええ。彼女の神器〔聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)〕は種族問わず怪我を治療できる能力。試しに色々と事情を話してスカウトしたら承諾してくれたの」

 

「えぇ!? そんな大事なことを短期間で承諾したの!?」

 

「兵藤君も同じでしょ?」

 

「あ、そうでした―――ってアーシアは良いのか? 悪魔になった以上祈りは出来ないんだぞ?」

 

俺がそう聞くと、アーシアは思いつめながらも前に進もうとする表情に変わった。

 

「私は主の教えに逆らった身です。そもそも祈ること自体がダメなんです。それにイッセーさんが言ってくれました―――罪を背負いながらも友達と本音で語り合ったり遊んだりすることが出来ると。私は友達の()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……そして、信仰を捨てきれていませんが、いずれ決着をつける為にも悪魔に転生したんです」

 

「そうか……。アーシアがそこまで考えてくれるなら俺から何も言わないよ―――グレモリー先輩。どうか、アーシアをよろしくお願いします」

 

「ええ。グレモリー家の名に賭けてアーシアを立派な悪魔にして見せるわ」

 

立派な悪魔の定義が怖いけど、グレモリー先輩なら大丈夫だろう。

 

「あ、そういえば兵藤君に渡す書類と伝える事項があるわ」

 

「いきなりどうしたんですか?」

 

俺がそう聞くと、グレモリー先輩は俺に一枚の紙―――駒王学園が発光している入部届け、しかも部活欄に〔オカルト研究部〕、そして使命と学年欄に俺が記載されている用紙だった。

 

「へ?」

 

「彼方の両親を守る都合や貴方の変な所で抜けている事を重く見て、オカルト研究部に入部してもらうわ。もちろん拒否権は無いわ」

 

「えぇぇぇ!?」

 

「もちろんご両親は納得済みで「これからバカ息子をよろしくお願いします!!」っと言われたわ」

 

「両親は何やってんだ…って、いつの間に俺の両親と接触しているですか!?」

 

「守る為よ。それに異形について承知してるならそっちの方が都合がいいし、貴方の両親も納得しているわ」

 

「アハハ……」

 

なんか俺の知らない所で話が進みすぎて怖い。

 

そういえば、知り合いの魔法使いが俺に異形関連や魔法関連を教えるときもこんな感じだった気がする。

 

まあ、悪い感じじゃ―――いや、いままで入部を拒否してきた運動部の部長達に殺意を向けられそうで怖いな。

 

ま、頑張るしかないか。

 

俺がそう考えていると、グレモリー先輩はもう一つの話をした。

 

「あ。アーシアは兵藤君の家にホームステイする事になっているからよろしくね」

 

「よろしくお願いします、イッセーさん!」

 

「ああ、よろしくなアーシア………え?、ホームステイ!!??」

 

また俺の知らない所で話しが進んでいた事に、頭がパンクしそうだ。

 

でも、家族が増える感じで悪くはないか。

*1
組織において過激派を示す言葉。教会では狂信者にあたる

*2
拙作オリジナル神器。効果は青光矢の色違い

*3
拙作オリジナル神器




章の最後という事で長くなっちゃいました。

さて、これにて原作第一巻は終了です。

次回は番外編なのでよろしくお願いします!

それから、イッセーが使う魔法についても番外編である程度触れて、同時にキャラ設定でも補足する予定です。

それでは!
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