ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
【イッセーSIDE】
修行から二週間が経過した。
今日はレーティングゲーム当日という事で、グレモリー眷属と俺はオカルト研究部の部室で開始時間まで準備と気を休めていた。
修行の結果としては、少なくとライザーの眷属達を全員倒せるほどの実力とスタミナは付いた。
アーシアも兵士と僧侶相手でも普通に勝てるくらいになっている。
だけど、王で在り
というわけで、俺が倒すことになった。
一応俺が素の戦闘で使っている六式体刻魔法でも光属性を扱えるから倒せるけど、今回……というよりかは今後は俺―――兵藤一誠が龍騎士もとい仮面ライダー龍騎という正体をさらけ出す事にした。
まあ、
今回はリアス部長の為と牽制かな。
さて…他の皆はというと、リアス部長と姫島先輩は紅茶を飲みながら談笑、木場は戦闘用の手甲と具足を装備して読書、塔城ちゃんは戦闘用のオープンフィンガーグローブを装備しながらお菓子を食べている。
アーシアは俺の隣で腕に抱き着きながら不安そうにしていた。
「怖いよな?」
「はい…」
今回のレーティングゲームでアーシアは初の戦闘だからな。
とはいえ、本格的に戦闘をするというよりかはリアス部長についてサポートになりそうだけど。
「誰だって最初の戦闘は怖い。俺も初めて化け物と戦った時は無我夢中で怖かったからな」
「そうだったんですか?」
「ああ。デカイ蜘蛛の化け物だった。武器を使ってもその武器が折れて全くダメージを与えられなかった。でもそいつを倒せないと罪のない人たちが殺されるから必死で戦って、なんとか強くなって倒した」
「イッセーさんは凄いんですね」
「凄いか…アーシアから見るとそうなるのか……。まあ、安心しな、何があってもこのゲームは俺が勝たせる。そして、また平和な学園生活を送ろうぜ」
俺はアーシアにサムズアップを送った。
「はい! 私も頑張ります!」
アーシアを俺なりに元気づけると、部室の中央にグレイフィアさんが使う転移陣が現れ本人が現れた。
それと同時に俺たちはグレイフィアさんの近くに移動する。
「皆様、準備はお済になりましたか?」
全員が無言で頷く。
それを準備完了の意思表示と確認し、もう一つの転移陣を隣に生成し話を続ける。
「では、開始時間となりましたら私の隣に生成した転移陣からレーティングゲーム専用フィールドに転移されます。このフィールドは次元の狭間に生成された使い捨ての疑似空間なので、どのような攻撃をしても構いません」
要するに全力を出しても問題ないってことか。
懸念点はレダをそのフィールドに召喚できるかって感じだけど、一年前に冥界や知り合いの魔法使いが次元の狭間に作った疑似空間でも召喚できたらいけるだろう。
まあ、あのカードは使う気はないけどな。
ていうか、使った瞬間に出現する烈火の影響でリアス部長達が死ぬしな。
「さて、今回のレーティングゲームではリアス様とライザー様の婚約の有無を決めるゲームなので両家関係者が観戦しますが、さらに魔王サーゼクス・ルシファー様と魔王アジュカ・ベルゼブブ様も拝見しますのでそれをお忘れなきように」
「お兄様は予想していたけれど、アジュカ様まで御覧になるのね」
リアス部長の言葉に、グレイフィアさんの視線が俺に移った。
多分、仮眷属関係の運用試験も兼ねているってことか。
異形世界初の龍騎正体お披露目としては悪くはないか。
そして開始時間となり、俺たちは専用の転移陣へと集まった。
転移陣が輝く中、グレイフィアさんが俺にだけ聞こえる術を使って話しかけてきた。
「兵藤一誠様、少々よろしいでしょうか?」
「? ええ」
「アジュカ様から伝言がございます―――「
会った事もないのに相当買われているんだな。
もしかしたら、使い魔の件で俺とレダを見ていた二人のうちの一人はアジュカさんかもしれないな。
勘だけどね。
だったら、俺も応えないとな。
「了解です。そして、俺からも伝言をアジュカさんに頼んでもいいですか?」
「はい」
「貴方が驚く事を披露します―――っと」
「承知しました」
グレイフィアさんはそう返事をしてくれた。
「それでは転送が始まります。ご武運を」
グレイフィアさんは丁寧にお辞儀をして俺達を見送った。
◇
転移の光に包まれた俺達が次に見たのは、先程と変わらないオカルト研究部の部室だった。
アーシアだけは首をかしげていたが、皆はここが本当の部室でないことを察している。
《レーティングゲーム参加者、観戦者の方々、この度はリアス様とライザー様の婚約を決めるレーティングゲームの審判とアナウンス役を拝命しましたグレモリー家メイド長のグレイフィアと申します》
審判がリアス部長側のグレイフィアさんか。
多分、身内が審判してもフェニックス家当主とグレモリー家当主はライザーが勝つと思っているのだろう。
まあ、グレイフィアさんをぱっと見て勘だけど、この人はこういった事は私情は持ち込まないと思うから大丈夫な気がする。
《今回のレーティングゲームのフィールドは、リアス・グレモリー様とその眷属の方々が通う駒王学園の高等部の校舎を再現した疑似空間を次元の狭間に用意させていただきました》
だろうね。
精巧に造られているけど場所が高等部の範囲だし、それが怪しげに光っているからな。
知り合いの魔法使いだったら空とか国単位の土地まで用意するけど。
《両陣営、転移した先が〔本陣〕になります。リアス様は旧校舎、ライザー様は新校舎。兵士の方々の[
校舎内限定か。
まあ、俺達は兵士は居ないというか、俺を仮眷属にする際に全部使ったから実質的に兵士は0だから関係あるのはライザー側か。
ま、今回の相手はそんな機能が使えても使う必要がないしな。
《使い魔の制限に関しては有りません。今回アジュカ様がリアス様に委託している[
そういえば、俺がその件を聞いたときに「
じゃないと、グレイフィアさんにあんな伝言頼むわけないし。
「兵藤君が全力で戦えるのね。とはいえ、貴方に頼りきりの戦いにはしないわ」
「ええ。修行の成果を見せますわ」
「うん。僕たちができる限りの事は尽くすつもりだよ」
「…せめて、眷属達は全滅させたいです」
「わ、私も頑張ります!」
皆いい意気込みだな。
こりゃ、ライザーと戦うまで出番はないかな?
《では、レーティングゲーム開始時間となりました。ゲームの制限時間は3時間となります》
グレイフィアさんの宣言と共に、開始を告げるかのように重くきれいな鐘の音がゲームフィールドに鳴り響いた。
◇
さて、リアス部長が考えた初のレーティングゲーム作戦は意外と単純なものだった。
出来る限り、ライザーの眷属はリアス部長達が倒し俺がライザーを倒す単純で自身のゲームに対する評価を落とさない戦法と言っていた。
まあ、俺が無双すると俺だけに頼り切った情けない王ってレッテルを貴族社会が根強い悪魔であればやりそうだしな。
ちなみに、実戦での作戦は既に進行していて俺達の本陣である囮の罠は設置完了。
リアス部長とアーシア、木場、姫島先輩がそれぞれの目的で別行動をしている。
俺と塔城ちゃんは旧校舎を攻められる時に、ライザー側が有利になる場所である体育館を破壊する為に、その場所の裏側にある園庭の近くで待機している。
「…兵藤先輩」
「ああ。いるな」
俺達が体育館中央に視線を向けると、そこにはライザーの眷属が四人ほど待機していた。
チャイナドレスを着た女性の〔戦車〕一人、棍を持っている和服の女の子、ブルマ式の体操服を着てチェーンソーを持った双子の少女二人が〔兵士〕三人。
数はこちらの倍だな。
「塔城ちゃん行けるか?」
「…戦車と兵士三人を同時に相手にするのは避けたいですね」
「んじゃ、塔城ちゃんが戦車を相手にしている間、兵士三人は俺がヘイトを貰っておく。終わったら撃破よろしく」
「…別に倒しても良いですけど」
「それは、塔城ちゃんの消耗具合で判断するよ」
「…了解です」
会話が終了したと同時に、俺と塔城ちゃんは勢いよく園庭を飛び出しライザーの眷属に奇襲をかけた。
「奇襲!?」
「噂の仮眷属の人間もいる! 戦車は私がやるから三人は仮眷属の方を!」
「了解!」
「「はーい!」」
ライザーの戦車が俺たちの思惑通りに兵士の三人に指示をした。
これは助かるな。
「任せた」
「…はい」
そのまま、塔城ちゃんはライザーの戦車と戦闘を始めた。
俺はあえて、兵士の三人の中心に拳を振り上げ、その三人がギリギリ回避できる様にかなり加減したパンチを繰り出す。
「「「!?」」」
俺の想定通りに兵士の三人は俺の攻撃を回避し前と後ろに移動した。
ライザーのゲーム映像を見たけど、棍をもった少女の動きはまあまあ戦い慣れしている動きだ。
体操服の双子は悪魔の身体能力に頼り切った回避。
まあ、武器もチェーンソーだから戦闘技術は素人だろう。
「奇襲を受けたけど、その程度の攻撃能力なら私達でも行けそうね―――イル、ネル。かく乱をお願い」
「はーい。解体しまーす♪」
「バラバラバラバラ!!」
双子は笑みを浮かべながらチェーンソーを起動し魔力で強化、そのまま俺に向って突っ込んでくる。
俺はあえて素人っぽい動きで双子の攻撃を回避。
すかさず、棍の少女が突きを繰り出してくるが同じ要領で回避する。
棍の少女はともかくとしてチェーンソーの双子は、ホラー映画とかゴア映画にある狂気な幼女みたいな感じで怖いな。
純粋な笑顔で殺傷武器を迫られることが、現実に起こって欲しくないんだけどな。
「ぐー! 素人な動きなのに当たらない!」
「早くバラバラになってよ!」
「動きは素人なのに当たる気配がない。この違和感は…?」
双子は苛ついているけど、棍の少女の方は違和感を感じている。
ゲームでも見たけど、彼女は兵士の中でも強い方だったな。
そう考えると、俺がこの三人を引き付けているのは正解だったな。
とりあえず、俺の実力が棍の少女にバレる前に回避はやめて魔法でやり過ごすか。
「六式体刻魔法伍式―――[
覇城を発動させると、俺の周囲を黒めの透明なトリオン形状の防壁が幾重にもつながった半球状のドームが出現。
そして、俺に攻撃してきた兵士三人の攻撃を完全にシャットアウトした。
「魔法の防壁!?」
「固い!?」
「全然壊れない!」
兵士三人は防御魔法である覇城に攻撃をするがビクともしない。
この魔法は味方や自分を守る結界支援魔法。
勢力長クラスの攻撃に数発耐える強固な結界。
とはいえ、これでも力の消費をかなり抑えて作っているから精々最上級クラスの攻撃に一発耐える程度の強度。
まあ、この場にいるライザーの眷属じゃ突破は不可能だけど。
他にも便利機能はあるが今は良いか。
そう考えていると―――
「…終わりです」
「ガハッ!?」
塔城ちゃんがライザーの戦車にとどめの一撃を繰り出していた。
塔城ちゃんは眼に見える消耗はなく、ライザーの戦車は着ていた服はボロボロになり全身に痣や出血が見える。
どうやら、塔城ちゃんのワンサイドゲームで決着がついたな。
そして、塔城ちゃんによって倒された戦車の少女は光に包まれると同時に消えるように転移していった。
《ライザー・フェニックス陣営の〔戦車〕一名。
グレイフィアさんのアナウンスがリタイアを告げる。
「兵藤先輩。こっちは終わりました」
「ちゃんと修行を活かしていたな。んで、残りの相手は出来るか?」
「できますが、そろそろ時間です」
「確かに」
そう言えば姫島先輩が体育館を破壊する威力の雷をチャージし終える時間だな。
とはいえ、ライザーの眷属の一人が体育館の近くに潜んでいるのが気になるな。
とりあえず、作戦通りにここから出て行くか。
《ライザー・フェニックス陣営の[兵士]三名。
木場もやることを終えたみたいだし。
俺は覇城を解除、突然解除された防壁にライザーの兵士の少女三人はおどろいて体勢を崩す。
〘兵藤君、小猫ちゃん。私の方の準備は終わりましたわ〙
姫島先輩からの通信で準備完了が聞こえると同時に、俺と塔城ちゃんは視線を合わせて頷き体育館の出口に向かう。
「って、ここを放棄する気!?」
棍を持った少女が、体育館を放棄する事がいかに愚策かみたいなリアクションを取るが俺たちは構わず体育館をでる。
そして、数秒後。
―――ドガガガガァァァァンッ!!
体育館に上級クラスレベルの雷が降り注ぎ、体育館を破壊した。
《ライザー・フェニックス陣営の[兵士]三名。
それとほぼ同時に、体育館に残っていたライザーの兵士三人のリタイアアナウンスも聞こえた。
〘そっちも終わったようだね〙
木場から通信が来た。
「とりあえずはな。先に目的の場所に行ってくれ…。どうやら例の戦法で来ているようだし」
〘? わかったけど、そっちも気を付けてね〙
俺は木場の通信を聞き終えると、塔城ちゃんを俺の方に寄せた。
「兵藤先輩?」
「良いから傍に居ろ―――来る」
俺がそう言った瞬間。
―――ドォォォォォォン!!
ライザーの女王の爆撃が俺達を襲った。
まあ、そう来ると思っていたから塔城ちゃんと俺を覇城で体育館と同じ出力の防御で守ったけどね。
俺は近くに潜んでいたライザーの女王の気配を追っていると、俺達の斜め上の上空に姿を現した。
「あっけないわね…。狩りを終えて油断した獲物は一番狩りやすいわ。こちらは多少の駒を[
完全に俺と塔城ちゃんを倒した気でいるな。
すると、姫島先輩から通信が来た。
〘小猫ちゃん!兵藤君! 大丈夫ですか!?〙
「大丈夫ですよ。あの女王の奇襲は予測で来たんで」
「…兵藤先輩に守ってもらったので無事です」
〘無事でなによりです。私がライザーの女王を相手にするので2人は祐斗君と合流を〙
2人は祐斗君と合流を〙
「了解です。あ、とりあえず上にいるライザーの女王が面倒なんで地面に叩き落としておきますね」
〘その後は私がやるということで良いのでしょうか?〙
「よろしくお願いします」
通信を終らせる。
「そう言う事だから、塔城ちゃんは俺が攻撃し終えるまで待ってて」
「…わかりました」
塔城ちゃんの返事を聞いた俺は天駆を発動し、そのままライザーの女王が居る場所へとジャンプした。
「なっ!?」
「狩りを終えて油断したのはアンタの方だったな?」
目の前に現れた俺に動揺するライザーの女王に構わず、背中にハイキックを食らわせ地面に叩きつける。
「カハッ!?」
吐血しながら地面に叩きつけられるライザーの女王。
俺はそれを確認し、塔城ちゃんの下に戻る。
すると、姫島先輩もこちらに来た。
「私の警戒ミスでライザーの女王を逃していました。すみません」
「別に大丈夫ですよ。あの女王はこういう戦法を乱用していましたし気配も追えていたので」
「…兵藤先輩が居たので大丈夫です。それに仕返しもしてくれたので」
「見事なハイキックでしたわね」
「アハハ…」
まあ、リタイア寸前にするために加減したキックだけどね。
少なくともアバラと背骨を折ったから後は楽だと思う。
そう考えながら、よろめきながらも立ち上がるライザーの女王を見る。
女王だから戦車の特性で意外とタフだな。
「意外にタフだな。駒の特性に救われたな」
「くっ…ただの人間が…よくもやってくれたわね…ッ」
俺を睨みながらライザーの女王は、懐からフェニックス家の紋章が特徴の小瓶を取りだした。
確か―――
「あれは―――[フェニックスの涙]!?」
姫島先輩が驚きながら小瓶の正体を告げた。
たしか、フェニックス家の悪魔が特殊な技法で作る回復アイテムだったな。
使用者の傷を瀕死まで一瞬で治療できるって、知り合いの魔法使いが言っていたな。
「これを、序盤で使わされるとはね…ッ」
ライザーの女王はそう言いながら、フェニックスの涙を自分に振りかけ俺が与えたダメージを瞬時に回復した。
「姫島先輩、大丈夫ですか?」
「ええ。レーティングゲームでのフェニックスの涙の所持数は二個まで。ですが一個使わせたのなら勝算はあります」
姫島先輩は全身に雷の魔力を纏わせた。
修行前よりかは強くなっているし、魔力の扱い方も上達しているから問題なさそうだな。
「んじゃ、ここは任せますね。行こうか」
「…はい。朱乃さん気をつけてください」
「はい」
「この私に恥をかかせた相手を逃がすとでも!」
ライザーの女王が俺達を追撃しようとする。
すると、姫島先輩が俺達の後ろに入りライザーの女王に電撃を繰り出す。
「貴方の相手は私ですわ―――〔
ライザーの女王は姫島先輩の電撃を魔力障壁で防御し、姫島先輩を睨んだ。
「その二つ名は嫌いだから呼ばないでくれるかしら―――[
「敵である貴女に配慮をするとでも?」
姫島先輩とライザーの女王が睨み合う。
今の姫島先輩ならライザーの女王がもう一つフェニックスの涙を持っていても大丈夫そうだ。
そして、俺と塔城ちゃんは予定通りに木場と合流するためにその場を移動した。
次回、レーティングゲーム終結!
さて、ミラーモンスターを全滅させ魔王クラスである龍騎イッセーを相手にライザーはどうなるのでしょうかね?