ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》   作:ライダーマスク

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とある訃報を聞いてショックを受けました。


詳しくは活動報告で


Life2:騎士の異変

【イッセーSIDE】

 

 

 

 

アルマロスさんから連絡を貰った夜。

 

雨が降る中、俺は駒王町をバイクで走り回っていた。

 

なんでこうしているかというと、アルマロスさんから報告されたコカビエルがこの街に潜伏しているからだ。

 

なんで、魔王の妹であるリアス部長が異形関連を管理している町に潜伏しているか。

 

コカビエルは、かの三大勢力同士大戦の再戦を望んでいる存在。

恐らく、エクスカリバーを盗むついでにリアス部長も巻き込めば本当の意味での[三大勢力大戦の再戦]を起こせると考えているに違いない。

 

というか、アルマロスさんや他の堕天使幹部、そして堕天使の総督も同じ考えだそうだ。

 

この事はリアス部長や他の皆に伝えていない。

 

今は木場の様子が冷静じゃないし、勢力の伝記や書物に記される程の存在で勢力長クラスの実力を持つコカビエルを相手にするには、今のリアス部長達では無理だ。

 

相手をすれば即死するレベルだろう。

 

だからこそ、俺は夜の街を見回る様に巡回し少しでもコカビエルに繋がる何かを見つけ、そこからコカビエルを無力化して事を収めたいと思っている。

 

そんなことを考えていると、住宅街の方から異変を感じた。

 

俺は異変を感じた方へと向かうと―――

 

「た…す……けて……く……」

 

全身が切り刻まれた血まみれの神父が、助けを乞いながら倒れた。

 

「大丈夫か!?」

 

どうしてこの街に神父が?

いあ、今は彼の治療をしよう。

 

俺はバイクを止めてヘルメットを脱ぎ、見ただけでわかるような重傷の神父に近寄る。

 

六式体刻魔法参式―――[療癒(りょうゆ)

 

俺は傷害治療の魔法[療癒]を発動し手元からアーシアの神器と同じような緑色のオーラが発生し神父を包み、傷を回復していく。

 

一体誰がこんなこと……木場は…流石にないか。

いくら、復讐者のような状態でもここまでする奴じゃないことはわかる。

 

そして、俺が感じた異変―――その正体は聖剣…それもネームドクラスの気配だった。

 

俺は重傷だった神父に数時間は持つ最低限の治療を施し、偶然近くにあった屋根付きバス停のところに置いて、近づいてくる聖剣の気配の方向を睨む。

 

すると―――

 

「あらま、貧弱神父をズバッとしていたら、妙なクソガキが現れましたねぇ」

 

そうふざけた口調で現れたのは、レイナーレの一件で民間人を己の快楽の為に惨殺したイカレはぐれ神父のフリードだった。

 

「テメェ、どうしてこの街に居やがる。そして、何故お前みたいな奴がネームドクラスの聖剣を所持しているんだ」

 

「おやま! 俺が持つグレートな聖剣がただの聖剣じゃないってわかっちゃいましたか! ていうか俺に会った事があるような口調……俺はお前のようなクソガキに会うのは初めてなんですけど?」

 

そういえば、俺がフリードに合った時は龍騎の姿だけだったな。

今はどうでもいいか。

 

「知り合いに聞いたんでな。それで。なんでお前がこの街に居てネームドクラスの聖剣を持っているんだ?」

 

「ほほーん、この件を聖剣として認識して居るどころかただ者じゃないってわかるとはぁ~。お前、あのクソコスプレ野郎の仲間か?」

 

「そうだと言ったら?」

 

おれがそう返すと、フリードは狂気な笑みを浮かべながら聖剣を構えた。

 

「これは良い機会だッZE! あのクソ野郎の仲間を殺せば奴の苦しむ姿が目に見えますからねぇ! さて、俺が持つ[聖剣エクスカリバー]の性能を試すにはもってこいってなァ!!」

 

よりにもよって()()()()()()()だと!?

 

数日前に盗まれた聖剣がここにあるってことは、フリードの奴はコカビエルとグルってことかよ!?

運が良いのか悪いのかわからないぜ…。

 

「おや?わかりやすく動揺していますな! これは伝説のエクスカリバーが一本天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)〕! これでお前をズタズタに切り裂いて、あのクソコスプレ野郎の心をズタズタにしてやるぜ!」

 

フリードはそう言い放ちながら、以前闘った時よりも跳ね上がったスピードで俺に斬りかかって来た。

 

俺はその攻撃をステップで回避。

 

六式体刻魔法弐式―――[覇甲]!

 

そのまま覇甲を発動し、そのままフリードに殴りかかる。

 

「まさかの魔法!? でもこの天閃の聖剣を持った俺の敵じゃねぇよ!」

 

フリードは更にスピードを上げて俺の攻撃を回避。

そのまま、背後を取って斬りかかって来たが、それを読んでいた俺は体を高速で捻りフリードの剣戟を覇甲で防御した。

 

「な、なんですとぉ!?」

 

「悪いが使い手がお前程度じゃ、その天閃の聖剣の真価である使い手のスピードを底上げる能力は完全に引き出せないぜ?」

 

「はぁ!? ただの魔法が使える人間が俺様に説教たれてんじゃねぇ!」

 

フリードは天閃の聖剣の能力を発動し俺に連続で斬りかかって来た。

 

俺はフリードの攻撃を回避といなしながら考える。

 

しかし、妙だ……聖剣はそれを扱える因子を持っていないと扱えない。

 

魔法使いの知人の話じゃ、例え因子を持っていたとしてもその因子が強くなければ高位の聖剣やネームドクラスの聖剣を扱えることはできない。

 

少なくとも、フリードに聖剣の因子は無いはずだ。

でなければ、光の銃や光の剣なんて神父や悪魔祓いに配布されるような武器を使わないからな。

 

そうなるとフリードの聖剣は人工的に使えるように施された?

 

そんな技術、聞いたことがないな…。

 

とりあえずフリードを無力化して話を聞くしかないな。

 

俺はあえて、目に見える隙を作る。

 

「隙ありぃ! その体をチョンパ!!」

 

俺がわざと作った隙にフリードがここぞとばかりに大ぶりの攻撃を仕掛ける。

 

覇甲属性魔法―――氷拘(ひょうこう)

 

「なんですと!?」

 

俺はフリードの攻撃をいなし、そのまま奴の利き手を掴み氷拘で頭以外を瞬時に氷漬けにした。

 

「く…クソッ!? なんだこの氷は!? エクスカリバーでも切れねぇだと!?」

 

「使い手が未熟だからじゃないか? 少なくとも、ちゃんとした聖剣使いだったら俺がわざと作った隙に反応はしないけどな」

 

俺は覇甲を纏った拳を鳴らし、フリードに近づく。

 

「さて、クソ神父。そのエクスカリバーはどこで手に入れた? そして、お前がネームドクラスの聖剣を扱える理由はなんだ?」

 

「誰がテメェみたいなカス人間に教えるかよ!」

 

まあ…そう答えるよな。

 

余り気乗りはしないけど、ここは少しだけ話しやすいように拳で語るしかないか。

 

俺はフリードにちょっとした脅しをかけようとした時、背中から脅威を感じてその場から飛んだ!

 

 

―――キィンッ!!

 

 

俺は自分が居た場所を見ると、そこにはレイナーレが神器を総動員して作り出した巨大な光の剣よりも小さく、だが力の密度はその数百倍はあろう光の剣が突き刺さっていた。

 

飛んできた方向を見ると、そこには黒い長髪に鋭い目つきが特徴の堕天使が居た。

 

しかも、感じる気配から察するに勢力長クラス。

少なくとも、最上級クラスは越える強さを感じる。

 

もしかして、こいつがコカビエルか!?

 

「まったく、お前の帰りが遅いと思ったらこんなところで苦戦しているとは……」

 

「ぼ、ボス!」

 

コカビエルらしき堕天使が俺を見る。

 

「お前から感じる波動…少なくとも最上級クラスはあるようだな。お前の様な強者と戦いたいが、()()()()()()()()()

 

「そうかよ…。そんでお前は誰だ?」

 

「今は名乗る時ではない。時が来て、お前が俺の目の前に立ちふさがった時に教えよう―――それからフリードは返してもらうぞ」

 

コカビエルであろう堕天使がそう言いながら、周囲に十発の光の剣を展開し俺に放ってきた!

 

「チッ!」

 

俺は飛んできた光の剣をすべて相殺するが、そのころには俺が拘束したフリードは居なくなり、コカビエルであろう堕天使の気配もなくなっていた。

 

多分、さっきの攻撃は全力じゃない。

俺と同じように、周囲に配慮した加減した攻撃だった。

 

違和感を感じながらも、今は救助した神父の治療を優先する為に置いてきた場所で再び治療した。

 

バイクで運んでも問題ない状態まで治療し、近くに止めた愛車のバイクを駐車した場所に到着すると―――

 

「嘘…だろ……」

 

俺は神父を抱えながらその場で膝をついた。

 

なぜなら、俺の愛車であるバイクはコカビエルであろう堕天使が放った光の剣によって真っ二つにされてたからだ。

 

「なんでだよぉぉぉぉぉ!!!」

 

俺は修理不可能な状態の愛車を見て叫んだ。

 

そして、真っ二つされた愛車と怪我した神父を同時に運びながらその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

フリードとコカビエルであろう堕天使の襲撃から翌日。

 

あの後、神父は駒王町から離れた異形関連の病院に搬送。

医者に治療と駒王町に来た要件を聞くように伝え、そのまま料金を支払った。

 

愛車であるバイクは、もはや修理できないレベルだったので簡単に供養して、一般の回収業者で引き取ってもらえるように分解。

 

それ以外のパーツは家にある俺専用のガレージにしまった。

 

あの堕天使がコカビエルかどうかは定かではないけどこれだけは言える。

 

俺の愛車をスクラップにした事は100倍で返してやる!

 

そう心の決めた。

 

そんな心境の中、俺はリアス部長達と町の外れにある廃工場に集合しはぐれ悪魔討伐を始めるところだ。

 

「あら、徒歩なんて珍しいわね?」

 

「いやー、バイクはちょっと不幸な事故で…」

 

「もしかして、撥ねてないでしょうね?」

 

リアス部長が怪しげに俺を見た。

 

「ち、違いますよ! どっちかというと愛車が助からないほどのダメージを……」

 

「そう言えば昨日の夜はどこか行っていたようね。もしかしてはぐれに壊されたの?」

 

「まあ、そんなところです…」

 

まあ、上級クラスのはぐれが雑魚に見えるほどのヤバい堕天使に真っ二つにされましたけどね…。

 

しかし、コカビエルが潜伏しているのにはぐれ悪魔か…。

 

「大公からは今夜討伐する様にと。どうやらAランクに近いBランク級のはぐれ悪魔のようですね」

 

「かなり危険ね。イッセーが居るから逃がす事は無いけど、彼に頼るのは愚の骨頂。仕事後だけれど修行とも思って皆で行くわよ。私と朱乃、アーシアは工場外の外でバックアップで待機。裕斗、小猫、イッセーは工場内に入って牽制して頂戴。あ、イッセーは危ない時に助けに入るようにお願いね」

 

「…了解です」

 

「うっす」

 

「…………」

 

リアス部長の指示に俺と塔城ちゃんは答えるが、木場だけは下を見つめながら返事をしなかった。

というか、何か別の事を考えて聞こえてないよな…。

 

「祐斗?」

 

「………」

 

リアス部長が声をかけても反応しない。

 

仕方がないな。

 

「おい、木場!」

 

俺は木場の肩を叩きながら呼ぶ。

 

「あ、ごめん。リアス部長、すみません…」

 

「祐斗、調子が悪いなら外で待機する?」

 

「いえ、指示通り行きます」

 

「そう…」

 

リアス部長が心配そうに木場を見る。

 

木場は俺が幼馴染と写った写真、正確にはその背後に写った聖剣を見てから様子がおかしい。

あの時の眼は明らかに復讐者そのものだった。

 

だけど、今はそのことを深く考えたり木場と問答する時間は無い。

 

まずは目の前の脅威を片付けないと。

 

「そんじゃ行くぞ、木場、塔城ちゃん」

 

「…はい」

 

「うん」

 

それから俺達は工場内に入る。

 

すでに機器類は撤去され広々とした空間だけが残っているが、辺りは血まみれで死体や骨、肉片などが散らばっていた。

 

見えるだけでも十数人は殺されている。

 

クソッ…俺が気付いていれば…ッ。

 

ケケケッ…人間が来たと思ったら悪魔に変わった人間か…大方私を討伐しに来たのだろう?

 

気味の悪い声を発しながらはぐれ悪魔が現れた。

 

その姿は美少女だけれど、口や体全体が人間の返り血で染まっている。

 

「ああ。悪いがお前は踏み越えてはいけない一線を越えた。討伐させてもらうぜ?」

 

食糧である人間が大口をたたくとは…まずは貴様の喉元から嚙み潰してくれる!

 

はぐれ悪魔は美少女の姿から蜘蛛の様な化け物に変化。

 

俺に襲い掛かろうとするが…

 

「…よそ見厳禁」

 

塔城ちゃんが横から殴り飛ばした。

 

少しはやるようだな…

 

「…思った以上に固いですね」

 

攻撃特化の塔城ちゃんの攻撃を受けて少しだけ血を流す程度か。

Aランクに近いっていうのは伊達じゃないみたいだな。

 

ただ、関節が脆そうだからテクニックとスピード、剣での攻撃が得意な木場が適任だな。

 

「……」

 

クソッ、またあの時の同じように別のこと考えて今を見れていない…ッ!

 

「木場!ぼさっとするな!」

 

「あ」

 

ようやく木場が状況を見たのか、はぐれ悪魔に攻撃を仕掛けるが集中できていないせいで攻撃が単調。

おかげではぐれ悪魔の弱点であろう関節が狙えていない。

 

「祐斗先輩…」

 

塔城ちゃんのが心配する様にフォローにはいる。

 

本当なら木場と塔城ちゃんのコンビネーションでとっくに討伐できるはずなのに、木場のせいで全然討伐できていない。

 

このままいけば木場もそうだけど、塔城ちゃんや外で待機している皆が危ない。

 

仕方がないか。

 

俺は覇甲を発動。

 

覇甲から光属性魔法を発動。

 

「塔城ちゃん、木場!離れろ!」

 

「「ッ!」」

 

俺の言葉に2人ははぐれ悪魔から離れ、それと同時に俺ははぐれ悪魔との距離を瞬時に詰める。

 

なっ!?

 

「覇甲属性魔法―――斬光」

 

覇甲の具足から光属性魔法で形成された刃ではぐれ悪魔を真っ二つに蹴り切り裂き、そのままはぐれ悪魔は光による影響で消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

はぐれ悪魔討伐が終わり、事の顛末を塔城ちゃんがリアス部長に報告し終えた。

 

危ない状況だったのに、木場は変わらず何かを考えている様子だった。

 

すると、報告を全て聞き終えたリアス部長は木場の傍に行った。

 

「祐斗、ちょっといいかしら?」

 

「はい、なん―――」

 

木場が返事を終える前に、リアス部長は木場の頬を引っ叩いた。

 

「いい加減にしなさい。悪魔家業でもあなたのその態度で苦情が来ているのよ。それに、今回のはぐれ悪魔討伐任務。本来であれば貴方が小猫と連係を取れていれば、イッセーに頼らずに済んだはずなのに、一歩間違えれば私達の誰かが危なかったのよ?」

 

「すみませんでした…。今日は調子が悪いので失礼します」

 

「ちょっと、祐斗!」

 

木場はリアス部長の説教もどうでもいい感じを出しながら帰ろうとする。

 

まだ、木場がどうして聖剣を見て復讐者の眼をするのか。

それがわからない以上深くは突っ込めない。

 

だからこそこれだけは言っておこう。

 

俺は帰ろうとする木場の肩を掴む。

 

「兵藤君?」

 

「木場。お前が聖剣を見た時、復讐者の眼をしていたな」

 

「ッ!? どうしてそれを!」

 

「昔、全てを失った復讐者と戦った時に同じ目をしていた」

 

「そうかい……。そうさ、僕は復讐者さ―――[聖剣エクスカリバー]()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を破壊しそれに関わった研究者を殺す。僕はそのために生かされたのさ」

 

「…ッ」

 

よりにもよって、今問題の中心になっているエクスカリバーかよ…ッ。

こりゃ、まずいことになったな。

 

ともかくこれだけは言っておこう。

 

「木場、これだけは言っておく。()()()()()()()()……感情を持っている生物なら誰しもが抱く感情であり動機だ。でもな、復讐を行えるのは自分以外全てを失った個人だけだ

 

「どういう意味かな?」

 

「周りを見てわからないか?」

 

俺はそう言って木場の肩を離した。

 

そして、木場はみんなを見て何も言わずこの場を去っていった。

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