ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》   作:ライダーマスク

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Life3:幼馴染と聖剣

〔イッセーSIDE〕

 

 

 

 

「うーん。どうしようか…」

 

はぐれ悪魔討伐後、俺は自室でスマホを弄りながらバイクのカタログを見ていた。

 

前のバイクは海外メーカーをベースに神崎士郎が遺した研究と技術を使って改造、外装はデザイナーであるキッド・テイラーにデザインさせた奴を自分で作ったカスタム品。

 

かなり愛好していたけどコカビエルであろう堕天使に破壊された。

 

そんなわけで俺は日本メーカーのカタログを見ている。

 

個人的に注目しているのはkawasakiの〔NINJA H2 SX SE〕かな。

こんな感じのデザインやコンセプトが好きだし。

 

値段は…3069000円かぁ。

良い値段はするけど、買えない額じゃない。

 

今度、親と一緒に買いに行くか。

一応未成年だから、高額な買い物に関しては親の同意がないとメーカーや小売業者も売ってくれないしね。

 

そんなことをしていると、リアス部長からメールで「今からそちらに転移で直接来ても良いかしら?」っとチャットアプリから通知が来た。

 

俺はそのままOKを送ると、すぐに転移でリアス部長が来た。

 

「突然の訪問ごめんなさいね」

 

「いえ、あの時とは違って事前に連絡をくれたので良いですよ。それで、直接会って話とかあるんですか?」

 

「ええ。仮眷属とはいえイッセーも私たちの仲間、だから祐斗の事を話しておいた方が良いと思ったの」

 

「もしかして、木場が復讐者になった切っ掛けですか?」

 

「前にも思ったけど察しが良いのね。それも祐斗のような人と会った事でわかったと言っていたわね?」

 

「はい。復讐者達との闘いは…ただ、遺恨だけが残り正しさ故の犠牲の被害者でしたから…まあ、そんなことより今は木場の事が優先です。聞かせてもらえますか?」

 

「そうね。まず私が祐斗を拾ったのはとある国の寒い地域。それも祐斗は全身が毒に侵され今にでも死にそうな状態でね」

 

「毒に侵されて?」

 

「ええ。裕斗はかつて教会で行われた人工的にネームドクラスの聖剣を扱える戦士を生み出す計画の被験者。そして唯一の生き残りなのよ」

 

聖剣を人工的に扱える戦士を生み出す計画。

 

なんか、きな臭いな。

 

「教会にとって聖剣は天使や神の祝福なしで強力な聖なる力と光の力を生み出す剣であり悪魔にとって特攻ともいえる武器。聖なる力や光に弱い存在が斬られれば肉体を消滅させれれる事もあるわ」

 

「でも、聖剣は扱える人間が十年に一人現れればいい方。だからこそ、その計画が教会で立ち上がったんですか?」

 

俺の言葉にリアス部長は頷く。

 

「―――その計画の名前は〔聖剣計画〕。聖剣を扱う才能を見出された者達が養成という名の実験体となって、()()()()()()()()()()()()()()()()。さっきも話した通り、祐斗もその一人よ」

 

「話を聞く限りじゃ木場以外の被験者は全員死亡、そして木場はその場所に居なくて毒に侵され死にかけたという事は」

 

俺の脳裏に胸糞悪い推測が過る。

 

「ええ―――計画は失敗。被験者は失敗作として全員毒ガスによる処分を受けたわ」

 

やっぱりそうかよ…ッ。

 

いくら教会とは言えど、腐ってる部分はあるってことか。

 

魔法使いの知人が知ったらガチギレしそうな案件だな。

 

なにせ、彼女は()()()()()()()()()()()()()()、エクスカリバー以降に生み出された全ての聖剣を作った最初で最後の聖剣の鍛冶師*1

 

聖剣を創った理由もあらゆる脅威から人々を守る為、そしてそれを成してくれる人に振るわせるために制限を付けたと言っていた。

 

「祐斗は他の被験者によってなんとか研究施設を脱出できたけど、散布された毒ガスの影響や周囲の低温環境で瀕死だった。その時の祐斗は死への恐怖よりも聖剣に対する強烈な復讐心を燃やしていたの。でも、祐斗には才能があった。だからこそ悪魔としての生を復讐ではなくて今を生きるために使って欲しかったのよ」

 

リアス部長は木場を命と人生において助けたかったという訳か。

 

聖剣に対する復讐に囚われず、悪魔として長い時間をかけて復讐を薄めて今を生きて欲しかった。

木場にとっては有難迷惑かもしれない。

リアス部長だってそれを知っていてなお、木場に今を生きて人生を過ごして欲しいと思っている。

 

でも、木場は忘れることは無いだろう。

なにせ、仲間に生かして貰いながらも、仲間が死んだ理由に聖剣が大きく絡むのであれば。

 

何より―――復讐は一度芽生えれば枯れる事は無い華。

どのみち、必ず決着を付けなきゃいけない人の(カルマ)だ。

 

「残念ですが、復讐を覚えた存在は結果がどうであれ決着をつけない限り解決はしません。感情において楽しさや嬉しさよりも、悲しみや怒り、絶望が勝るのが人ですから」

 

「貴方はそういった人達を見てきたのね」

 

「ええ。全てを失い自分だけになった復讐者は皆報われない最期を迎えています」

 

「祐斗も…そうなるの?」

 

リアス部長が悲しげな表情で聞いてきた。

 

俺はその返事に首を横に振った。

 

「俺が言ったのは()()()()()()()()()()()()()です。でも木場は一度すべてを失っていますが、()()()()()()()()()()()()()()()()()。だからこそ木場の復讐をバットエンドからハッピーエンドにすることが出来ます」

 

「イッセー……」

 

「俺も出来る限りの事はします。最悪、木場は痛い思いや俺を嫌う事にもなりますがそこらへんは慣れているので大丈夫です」

 

「そう…いえ、貴方にそんな重責を負わせることはしないわ。私もあの子に嫌われる覚悟で、いつもの優しい私の騎士を復讐から解き放って見せるわ!」

 

おおー良い事言いますね。

 

これなら木場は報われない末路を辿らずに済みそうだ。

 

そう―――俺が手を伸ばせなかった復讐者達みたいに。

 

「それにしてもイッセーの過去に教会関係者がいたとはね。確か私の前任者が教会といざこざがあって消滅させられた。でも、それと同時にこの街から教会関係者が立ち去ったと聞いているけど………」

 

リアス部長が何かを考え始めた。

 

そういえば、この街からイリナや教会関係者の人達がいなくなった理由は何だろうか?

引っ越しの話も急で、別れの挨拶もなかったしな。

 

もしかしたら、この街には俺達が知らない何かがあったのかもしてないな。

 

「ま、今は祐斗の問題を考えるのが先決ね。もう夜も遅いし、そろそろ寝ましょう」

 

そう言うと、リアス部長が突然服を脱ぎ出した!

 

「って、リアス部長!? なんでここで服を脱ぐんですか!?」

 

「なんでって、私は裸じゃないと眠れないのよ」

 

「いや、そういう事を聞いているんじゃなくて、なんで俺の部屋で脱ぐんですか!?」

 

「イッセーと一緒に寝るからに決まっているでしょう」

 

さも当然のような口調で答える部長!

 

もしかして、これも込みで俺の部屋に来たのか!?

 

「本当はこの家にホームステイという形で貴方と同居したかったけれど、どのみちレダさんにスキンシップを邪魔されそうだから諦めていたの。でも、今は貴方と裸で添い寝というスキンシップが出来るチャンス。というか、本番をするわけじゃないしこれくらいは許されても良いわよね?」

 

そう言いながら服を全部脱ぎ終えるリアス部長!

 

目の前にリアス部長の素敵なおっぱいや裸体が!

スタイルは…ちょっと筋肉と肉付きが少なくツルツル過ぎ(意味深)だけど、それでも素晴らしい裸体に変わりない!

 

「さあ、一緒に寝ましょう?」

 

官能的な表情で俺に迫る全裸のリアス部長!

 

これはこれで……と言いたいところだけど、リアス部長の算段はここまでのようだ。

 

なぜなら―――

 

「おい、紅姫。オレのイッセー()に全裸で迫るとは良い度胸じゃねぇか?」

 

リアス部長の背後に腕を組みながら切れているレダの姿があった。

 

「これくらいいじゃない! ていうか、私もイッセーと全裸で寝たいのよ!」

 

「ダメに決まってんだろ? 少なくとも弱ぇ奴をイッセーの側室とは認めねぇよ」

 

「ずるい!ずるい! 今日こそイッセーとスキンシップさせてもらう―――あ…」

 

リアス部長は全身か魔力を放出し戦闘態勢を取るが、瞬時にレダに接近され気絶させられた。

 

「この程度見切れないようじゃまだまだだな。イッセーこいつを自宅まで運んでくれ。んで、一緒に寝るぞ」

 

「ア、ハイ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…」

 

「大丈夫ですか? イッセーさん」

 

「ちょっと気疲れしただけだよ」

 

木場の過去を知った翌日の放課後、今日は悪魔家業が無いという事でアーシアと一緒に家に帰っている途中だ。

 

しかも、リアス部長はソーナさんと重要な話し合いがあるようだ。

用事は聞かなかったけど、かなり真剣な表情で話し合っていたから面倒なことには違いないだろうな。

 

「木場さん、大丈夫でしょうか?」

 

アーシアが木場を心配そうに呼んだ。

 

実は学園でも木場は色々と不調を―――というよりかは頭の中が復讐とエクスカリバーで一杯なせいで色々と心配されているらしい。

 

なにせ、木場と同じクラスの女子が「木場きゅんの様子が変だったけど、兵藤君はなにか知らない?」って聞いてくるくらいだ。

 

話を聞けば、先生に呼ばれても返事をしなかったり移動教室に遅れてきたり宿題を忘れたりなどなど。

 

学園でも優秀と評されている木場が、今までしてこなかったから教師陣にも心配されている。

 

「そうだな…今の木場は下手に止めれば逆効果、下手すればリアス部長達に手をあげかねない」

 

「そんな…木場さんに限って……」

 

「それほど今の木場は普通じゃないってことだ」

 

復讐はそう簡単に解決できない。

いや、むしろ復讐に呑まれ悲惨な末路を辿る方が多い。

 

その中には、復讐から救いだそうとした唯一の人を衝動的に殺して戻れなくなった奴等も大勢いた。

 

何か切っ掛けがあれば説得できるかもしれない。

 

復讐に呑まれて怨嗟の中、死んでいく人の姿なんて見たくないからな。

 

「…ッ」

 

もうすぐ自宅に着くところで、俺は聖剣の気配を感じた。

しかも、フリードが持っていた聖剣と似たような気配で感じた場所は俺の家からだ。

 

まさか、母さんがフリードの奴に?

 

念のため魔法使いの知人が作った魔法道具の結界を張っているから、最上級クラスか脅威とみなされなかった存在じゃない限りは居れないはずだ。

 

「い、イッセーさん…なんだか悪寒が……」

 

アーシアも気づいていたか。

悪魔であれば、聖剣とかの聖なる武具に敏感なのだろう。

 

「アーシア。リアス部長に連絡して旧校舎に戻ってくれ」

 

「で、でも…イッセーさんは?」

 

「俺は大丈夫だ。良いから急いで旧校舎に戻ってくれ、そしてリアス部長にこの事を報告してくれ」

 

「わかりました…イッセーさん、気を付けてください!」

 

アーシアはそう言いながら走って駒王学園に戻っていった。

 

俺は瞬時に家まで走り覇甲を発動。

気配を探ると、母さんと二人の女性の気配にエクスカリバーであろう聖剣の気配が二つ。

 

気配で母さんが無事なのはわかったが、念のため覇甲を維持したまま気配を消し音を立てずに家に入る。

 

そして、気配を感じるリビングを覗くと、そこには母さんと、教会のローブを被った二人の女性がいた。

 

一人は栗毛のツインテールの少女で、もう一人は青髪に緑色のメッシュが入っている女性。

 

青髪の方は教会特有の術式が刻まれた布で撒かれた一本の長物が置かれている。

多分、あれが聖剣の気配の源。

栗毛のツインテールの女性の左二の腕にも同じような気配を感じる。

 

少なくともこの二人から母さんに対する敵対意思は感じないし、俺にも気づいていないから少なくとも大丈夫だ。

 

俺は平静を装い覇甲を解除、今戻ったかのような雰囲気でリビングに入った。

 

「ただいまー母さん…ってこの二人誰?」

 

「あらイッセー、お帰りなさい。いやねえ、久しぶりに会ったものだから家にさそって話し込んじゃったのよ」

 

「久しぶり?」

 

俺は2人の女性の方を見た。

 

すると、栗毛のツインテールの少女が立ち上がり俺を向いた。

 

「こんばんわ…いえ、正確には十数年ぶりかしら? 兵藤一誠君?」

 

「十数年ぶり? ん、その栗毛に紫色の眼、活発そうな綺麗な顔―――もしかして…イリナ!?」

 

よりにもよってイリナかよ!?

なんで教会のローブ……いや、父親が教会関係者だったし所属してもおかしくはないけど、なんでエクスカリバーであろう聖剣を持っているんだ!?

 

「覚えていてくれたんだね!」

 

「ま、まあファースト幼馴染だしな。それにしても昔の少年風なガキから立派な女性になったもんだなー」

 

「これでも女磨きはちゃんとしているのよ! あの時の様なヤンチャな子供じゃないわ!」

 

まあ、天真爛漫さは残っているけどな。

 

「ていうか、なんで駒王町に?」

 

「ちょっとした用事で来たの。この家に来たのは挨拶をしに来ただけだから―――それじゃあおばさま、私たちはこれで」

 

イリナがそう言うと、隣に座っていた青髪の少女も立ち上がる。

 

「お茶、ありがとうございました」

 

「良いのよー、いつでもウチに寄ってらっしゃい」

 

「ありがとうございます。それじゃあね、イッセー君」

 

「ああ」

 

そして、イリナと青髪の少女は家から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

イリナたちが家を去ってから数分後。

 

転移でリアス部長とアーシアが家に来た。

 

「アーシアから事情を聞いて急いで来たけど皆無事でよかったわ。イッセーのお母様も何かされませんでしたか?」

 

「イッセーさんとお母様が無事でよかったです」

 

リアス部長とアーシアは俺達の無事を見て安堵した。

 

「大丈夫よ。知り合いだったからね、でもイリナちゃんがリアスさんやアーシアちゃんと敵同士になっているだなんてね…悲しいわ……」

 

「申し訳ありません」

 

「リアスさんが謝る事じゃないのよ。人間がまだ争っているように異形の世界でも争いがある。私達が一方的に責める権利はないですから」

 

「そう言っていただけると有難いです」

 

まあ、母さんや父さんは不思議なくらい異形の世界に関して寛容というか…まあ呑み込みが早い。

 

レダの姿を見て驚きはしたけど、すぐに順応するどころか俺がお世話になっているという形で感謝していたしな。

 

あ、そういえば…

 

「リアス部長、ソーナさんから呼ばれた用事は何だったんですか? 深刻そうでしたけど?」

 

「ええ。実はソーナから聖剣を所持した教会の関係者が潜り込んできている、という話を聞いたの。しかもソーナ達と接触して、この街の異形関係を管理している私に交渉を求めているようなの」

 

「聖剣を所持した教会関係者……もしかしたら、うちに来たイリナともう一人かもしれません」

 

「え!? 本当なの!」

 

「まあ、二人は教会関係者、しかも戦士の服装や専用のローブを着ていて、聖剣も持っていました。それも普通じゃないネームドクラスの聖剣を」

 

「そうなのね…。イッセーから見て幼馴染さんともう一人は、どの程度の実力かわかるかしら?」

 

「そうですね…。俺の気配隠蔽に気付いていないので少なくとも最上級クラスは無いですね。しかも、俺の事を一般人くらいにしか見ていなかったので本人たちは中級、聖剣を含めて上級クラスって所ですかね」

 

「そうなのね……」

 

するとリアス部長が少しの間考え込んだ。

 

そして、再び口を開く。

 

「話を戻すけど、教会関係者の交渉に応じようと思うの。わざわざ向こうから交渉してくるなんて、よっぽどのことでしょうし」

 

多分、エクスカリバーをコカビエルに盗まれた案件に違いないな。

 

はたして向こうは協力を求めるのか、それともコカビエルと結託しているといちゃもんつけて攻撃してくるか。

 

「それでね、万が一の状況を考えてイッセーには交渉の席に立って交渉の立会人兼祐斗のストッパーをして欲しいのよ」

 

「木場を参加させるんですか?」

 

「正直言って、聖剣を目にした今の祐斗は堪えられないと思うわ。でも、祐斗はこの街で交渉を持ち掛けた教会関係者と接触するでしょう。その時に対立するとそれこそ三大勢力の大戦の再発になりかねないから、交渉の場で合した方が総合的なリスクが低いの」

 

なるほど、リアス部長が全体の事を考えた上での事か。

 

さすが、リアス部長!

 

「ということで、イッセーには兵藤一誠としてじゃなくて仮面ライダー龍騎、こちらの世界の言い方で龍騎士として交渉の立会人と祐斗のストッパーをして欲しいの良いかしら?」

 

「ええ。良いですよ、一応中立の立場なんでリアス部長よりの手助けは出来ませんが…」

 

「それでいいのよ」

 

「わかりました。それで交渉の日時は?」

 

「明日の放課後よ」

 

結構急だな。

まあ、コカビエルとエクスカリバーが絡めば交渉事を早めに済ませたいんだろうな。

 

木場の件も心配だけど、アーシアに関しても留意しておいた方が良さそうだな。

 

「あの、リアス部長―――」

 

俺は念のため、アーシアの過去による部分で交渉が下手にならないように説明をした。

*1
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