ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》   作:ライダーマスク

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Life5:騎士の復讐

【イッセーSIDE】

 

 

 

 

オカルト研究部部室で対峙する俺とイリナ&ゼノヴィアペア。

 

まずは場所を移動させないとな。

 

俺はVバックルに装填されたカードデッキからアドベントカードを一枚ドロー。

 

「一体何をする気!」

 

「イリナ!止めるぞ!」

 

俺の行動を止めようとエクスカリバーを構えて突撃してくる二人組。

 

しかし、俺はこの動作を崩壊するミラーワールドと現実世界の間で五年間続けた。

 

故に動作にかかる時間は一秒もかからない。

 

俺は左手のドラグバイザーにドローしたアドベントカードを読み込ませる。

 

≪TELEPORT VENT≫*1

 

すると、俺と二人が居た場所がオカルト研究部の部室から、かつてレイナーレが根城にしていた教会跡へと場所が変わった。

 

「ここは!? 教会!?」

 

「強制転移!?」

 

『あの場所で戦うのは彼女達に申し訳ないからな。戦っても問題ない場所へと場を移させてもらったぜ』

 

「それが教会だと…ッ。どこまで我々を侮辱すれば気が済むだ!!」

 

「そうよ!! その浅はかな罪深さ!! もはや殺すしかないわよね!!」

 

二人は迷わず俺に斬りかかる。

 

そうだな、俺が戦いをこの場に選んだのは最初に言った部長達に迷惑がかかるから。

 

そして―――変わってしまった幼馴染への決別でもある。

 

だからこそ、俺はイリナの攻撃を一発だけノーガードで受ける。

ゼノヴィアについてはついでだけどな。

 

そして、二人が振うエクスカリバーが俺の胴体目掛けて振われるが―――

 

 

―――カキィンッ…

 

 

乾いた金属音が鳴り、二人の攻撃は龍騎にダメージを与える事はなかった。

 

「なっ!?」

 

「エクスカリバーが効いてない!?」

 

『二人の実力じゃ俺にダメージを与えるなんて無理だ。なにせエクスカリバーの力をまるで出し切れていないからな』

 

かつてエクスカリバーを研究し、数々の有名な聖剣を創造した知り合いの魔法使い。

 

彼女と模擬戦を行い、戦いの最中緊急で作り上げた名も無き聖剣の一撃は龍騎に対して多少なりダメージを与えていた。

 

その聖剣は一撃で自壊したけど、その聖剣が持てる全ての力を発揮して龍騎にダメージを与えた。

 

なのに、そんな聖剣よりも次元レベルで強いはずの七つに別れたエクスカリバーは龍騎にダメージを与える事はなかった。

 

つまり、二人はエクスカリバーの力の上澄みだけで、本質的な力をまるで引き出せていない。

 

「異端者がほざくな!!」

 

「ええ!! 本気を見せてあげる!!」

 

イリナがそういうと同じに、擬態の聖剣の刀身を形状変化させて振るってきた。

 

「エクスカリバーの切れ味を維持したまま鞭のように不規則な軌道の剣戟を喰らいなさい!!」

 

縦横無尽に鞭打の様にエクスカリバーの攻撃が来るが、龍騎には一切ダメージはない。

 

覇甲でも余裕で防げる。

 

「なんで全然ダメージを受けてないのよ!!」

 

「下がれイリナ!!私がこいつを叩き斬る!!」

 

今度はゼノヴィアが破壊の聖剣を振りかぶって斬りかかって来た。

 

俺はその攻撃をノーガードで受ける。

 

勿論。

 

「効いて…ないだと!?」

 

ダメージはない。

 

衝撃を少し感じたくらいかな?

 

『イリナにも言ったはずだ。二人は聖剣の力をまるで引き出せていないと。ただ、上澄みの力を振るっているんじゃ聖剣の真価は発揮できないぜ?』

 

「黙れ!! 異端者!!」

 

「ええ!! さっさと斬られて浄化されなさい!!」

 

二人は交互に攻撃を繰り出してくるが、俺へのダメージはゼロ。

 

そろそろ終わらせるか。

 

俺は再びカードデッキからアドベントカードをドロー。

 

それをドラグバイザーに読み込ませる。

 

≪STEAL VENT≫

 

そして、イリナから擬態の聖剣を強制的に奪い、俺が手にする。

 

「エクスカリバーが!?」

 

「イリナ!?」

 

突然エクスカリバーが奪われた事に驚く二人。

 

俺は構わず擬態の聖剣の変形能力を使い刀身を刃引きした縄形状に変化。

そのまま、ゼノヴィアを簀巻きにして拘束する。

 

「なっ!?」

 

『これで終わりだぜ』

 

そして、擬態の聖剣で拘束したゼノヴィアをエクスカリバーを奪われて棒立ちのイリナにぶつけた。

 

「キャッ!?」

「ガァッ!?」

 

そのまま教会跡の壁に激突。

 

そして、ぶつかった衝撃でゼノヴィアが手放し宙を舞う破壊の聖剣を擬態の聖剣で絡めとり引き寄せて空いた左手でキャッチする。

 

『一丁あがりだ。まったく、獲物である聖剣を満足に扱えないどころか、簡単に奪われるなんて聖剣使い失格だぜ』

 

「ぐっ…なんでいとも簡単に擬態の聖剣の力を…ッ!?」

 

「破壊の聖剣を軽々と扱うなんて…ッ。ゼノヴィアでさえやっと満足に扱えるのに…!」

 

『聖剣とまともに対話してないだろ。それに剣術や戦い方が毛が生えた程度の戦士位。それと聖剣の性能に頼りすぎだ。聖剣はあくまで道具、それを扱うのはその者であり強くなければ宝の持ち腐れだ』

 

俺はそう言いながら破壊の聖剣を地面に突き立て、擬態の聖剣全体をロープ形状にして、突き立てた破壊の聖剣の柄に巻き付ける。

 

『そしてこれはちょっとした助言だ。確かにアーシアはアンタ等教会を裏切った。その事実は変わらない。でも、その事実に対する贖罪は追放と[魔女]の烙印で終わり。これ以上教会が関与する余地はないぜ』

 

「なんだと! 異端者や魔女、悪魔を狩るのが我々聖剣使いの使命だ!! それをして何が悪い!!」

 

「そうよ! 裏切り者は徹底的に断罪する! 悪魔に転生したら猶更で、それが教会としての在り方なのよ!」

 

『自ら出た錆を徹底的にただす…その生き方も尊重されるべきだ。でもな? それを既に終わった関係のない他者に強いてはいけないんだ。アーシアはもう教会も天界とも関係のない正式な転生悪魔。転生悪魔として悪事をしてない彼女を裁く権利など誰にもない』

 

「「…ッ」」

 

俺の言葉に何も返せない二人。

 

これで少しは懲りただろう。

 

後は―――

 

『最後に―――2人の実力だけじゃコカビエルからエクスカリバーを盗むどころか破壊することも出来ない。大人しくバチカン本部に帰ってストラーダかクリスタルディを連れてきた方が良いぜ』

 

俺はそれだけ言って再びカードデッキから[TELEPORT VENT]のカードを使いこの場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

[TELEPORT VENT]でオカルト研究部の部室に戻り変身を解除する。

 

既に部長達は部室で休んでいるが、木場は部長と朱乃さんに魔力で拘束されていた。

 

「離してください!! ようやく僕が果たすべき復讐のエクスカリバーが現れたんです!!」

 

「ダメよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。エクスカリバーを破壊するなんて外交問題に発展しかねない行為を到底容認できないわ」

 

「ええ。そんなことしたら部長や私達に迷惑がかかるのですよ? それを理解しているのですか?」

 

「だったら僕をはぐれにすれば!!」

 

「いい加減にしなさい!!」

 

部長はそう言いながら木場にビンタを喰らわせる。

 

「貴方をはぐれ認定して解決できるほど簡単な問題じゃないの!! それに裕斗は知っているでしょう。はぐれ悪魔を出した主にはれっきとした罰則があると!!」

 

「それは…ッ」

 

言葉に詰まる木場。

 

僅かながら残った理性が、部長の叱りでなんとか戻ってきた感じだな。

 

「大丈夫ですか?」

 

「イッセー。戻って来たのね。あの聖剣使い二人は?」

 

「軽く捻っただけですよ。それにあの二人ではコカビエル相手にエクスカリバーを奪還するどころか破壊することも不可能だと告げて、教会の最高戦力位連れてきた方が良いと言っておきました」

 

「そう。私としてもコカビエル相手にあの二人は役不足だと感じているわ。一応、お兄様に今回の一件を報告したけど、コカビエルがこの町に着た証拠が無いと動けないみたいなの」

 

「なるほど。エクスカリバーが盗まれたのは事実として認められたんですね」

 

「ええ。それらしい力の波動をわずかながら日本神話の方々が拾っているみたいなの。悪魔も色々と外交関係で動いているわ。もちろんこの町の住人に関しても避難を始めているわ」

 

「そうなんですね―――そんじゃ…木場。せっかくのイケメン王子が大無いしなほど顔が憎悪だらけだぞ」

 

俺は木場にそう言いながら前に立つ。

 

「イッセー君…ッ! なぜあの時僕を気絶させたんだ!! あの場で僕は二人が持つエクスカリバーを―――」

 

「破壊していたとでも言いたいのか? 残念だけど、今のお前じゃとてもじゃないけどエクスカリバーを折るなんて不可能だし、あの二人に勝つ事すらできないぞ」

 

「なんだと!! そんなのやってみなくちゃ―――」

 

「だったら、何で部長と朱乃さんの魔力拘束から抜け出せていないんだ?」

 

「何ッ!?」

 

「七つに別れてもかのアーサー王が振った伝説の聖剣エクスカリバー。その聖剣から放たれる一撃は神を超える力がある。部長と朱乃さんには悪いけど、上級クラス程度の拘束を自力で抜け出せないお前が、そんな聖剣を破壊できるとは到底思えないな」

 

「僕の…同志達の無念を馬鹿にしているのかッ!!」

 

「同志達の無念? お前、本()()()()()()()()()()

 

「何を…ッ」

 

俺は木場の胸倉を掴んで、全力で睨み付ける。

 

「言っておくが俺は復讐を否定する気はない。復讐も感情を持つ生物の生きる原動力の一つだからな。だがな? 復讐の理由に他人を―――ましてや死んだ仲間を使うのは一番やっちゃいけねぇ事だろうが!!」

 

「ッ!?」

 

「なあ、木場。お前の事を命を懸けて逃がした大切な同志は本当にエクスカリバーに復讐しろと願って逃がしたのか? 自分たちの無念を晴らせと遺言を言われたのか?」

 

「それは…。でも、僕達は聖剣計画で地獄の痛みを味わい続けて救われると信じて来た!! でも失敗作として不要だと殺されたんだ! すべてはエクスカリバーによって!! だから死んでいった同志達は僕にエクスカリバーに対して復讐を望んでいるはずだ!!」

 

「ふざけんじゃねぇ!!!!」

 

俺は加減した拳で木場の頬を殴っり、木場が倒れるが再び胸倉を掴んで起こす。

 

「結局、自分の抑えきれない復讐を正当化するために死んだ仲間の遺志を自分の都合のいいように捻じ曲げただけじゃねえか!! 何が「僕にエクスカリバーに対して復讐を望んでいるはずだ」だぁ? 死者の遺志をテメェの復讐で冒涜するんじゃねぇよ!!」

 

「イッセー君にはわかるわけない!! 幼いころから実験で地獄のような日々を味わいながらも希望を持ち続けた結果殺される屈辱が!! 日本という平和な場所で過ごして来た温室育ちの君が!!」

 

「ああ!! ガキの頃から中二までは平和に育ったガキだったよ!! でもな、俺だって地獄を見てきてるんだよ!! 自分の願いの為に関係のない奴を平気で殺す刑事! 英雄になりたいがためにマッチポンプで人を平気で殺すクソガキ! 戦いを楽しみたいがために連続殺人を犯す野郎! 弱者である人間を痛めつける異形共! 俺はそんな奴らの被害者を散々見て来た! そして何度も救おうとして救えず目の前で死んでいった復讐者! 何度も何度も俺は何もできずに目の前で命が簡単に消えていく! 世界は惨酷な事で溢れているってな!!」

 

「そんこと…君には関係ないじゃないか……ッ!」

 

「ああ関係ねぇよ!! でもな、そんな現状を見て見ぬ振りができねぇんだよ。自分が守りたいモンを命を懸けて守りたいエゴでな! それは木場、お前がエクスカリバーに復讐したいってエゴと変わらねぇんだよ!!」

 

「そんなこと…ッ!」

 

「ないわけねぇよ。だったらもう一度問うぜ―――お前の同志達はお前を逃がす際、本当にエクスカリバーへの復讐を望み託したのか?」

 

「それは……ッ」

 

「わからねぇよな。だったら木場、お前がやりてぇ復讐はお前個人の願いでエゴだ。そしてもう一度見つめなおせ、俺が聖剣の写真を見せる前まで復讐から離れていたこと。部長達と過ごしてきた平和な日々を。そして―――自分たちの命を投げうってまでお前を生かした同志達の本当の遺志を」

 

「………」

 

俺の言葉を聞いた木場は、先ほどまでの血気迫る勢いが消えて考え始めた。

 

とりあえず木場がこれ以上暴走する事はなくなったな。

 

まあ、拘束を外せば一人でエクスカリバー探しをしそうだけど。

 

「ありがとうイッセー。私が不甲斐ないばかりに貴方に損な役回りをさせてしまって」

 

「私も申し訳ありませんわ。学生として眷属として先輩なのに押さえつける事しかできませんでしたから」

 

「…私もすみません。何もできず見てることしかできませんでした」

 

「わ、私も何もできなくてすみません…」

 

部長達が申し訳なさそうに謝って来た。

 

「別に良いですよ。こういうのは性に合っているので。それに木場だってわかっているはずです。自分の復讐が己のエゴから来ているのも―――殺された同志達が自分に本当に託した願いを」

 

「イッセーは知っているの? 祐斗の同志達の本当の遺志を」

 

「何となく察してはいますが、あくまで察しているだけでそれが本当かどうかわかりません。ですが、木場の同志達が託した遺志はエクスカリバーに…聖剣計画に対する復讐ではない事は確かです」

 

「どうしてそう言い切れるのかしら?」

 

「だって、木場が俺のアルバムを見るまで部長達と楽しく学生生活に部活動をしていたからです。本当に復讐の遺志を託された奴は平和な日常を送る事は無いですから」

 

「まるで見きたような感じね…」

 

「ええ。俺はそういう奴らを高校一年生の一年間で沢山見てきましたから」

 

そう、高校一年生を過ごした一年間。

 

俺はその一年で異形の世界を知り、その世界の闇の部分を散々見て来た。

 

異形の悪意に晒され全てを失い復讐者になった者。

聖書の神がもたらした神器によって人生を狂わされた者。

 

ライダーバトルでも己の願いの為に惨酷に…ましてや精神的に人間を辞めたライダー達もいた。

 

そんな奴らをたくさん見てきたからこそ言える。

 

木場は復讐を望まれて、同志達が命を投げうって生かしたんじゃない。

 

恐らく、処刑される現場で生きる希望があるのは木場だけだった。

 

そして、木場の同志達はせめて生きていて欲しかったんだと思うんだ。

 

じゃなきゃ、木場が平和に学生生活やら部長達と過ごせるわけが無いからな。

*1
オリジナルアドベントカード。使用者が認識し選択した対象を任意の場所に強制転移させる




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