ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
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いつもありがとうございます!!
【イッセーSIDE】
「いやー、まさか魔王様がウチに泊まりたいなんて言うとは驚きですな!!」
「突然の訪問を了承していただきありがとうございます。兵藤五郎殿」
「いえいえ。私達やイッセー関係で助けてくれていますから当然ですとも!」
「そうですよ。今まで異形世界から私達を護るために負担をかけていたところ、リアスさんや魔王さまに助けてもらっていますから。今日は腕によりをかけて息子と一緒にご馳走を作ったので遠慮なく食べてください! 奥様も遠慮なく!」
「ありがとうございます。兵藤三希様」
夕飯時、サーゼクスさんとグレイフィアさんはウチにきて母さんと俺の共同料理を食べている。
あの時サーゼクスさんに頼まれたことは、自身とグレイフィアさんを俺の家に泊めて欲しいという願いだった。
ぶっちゃけ高級ホテルの方が良いと思うけど、近くに異形世界の大きな勢力の長が泊まれるほどのホテルが駒王町にはない。
下手なビジホに泊まれば勢力の長として安く見られるし、魔王を襲撃する輩が現れた一般人が巻き込まれるみたいな事がある。
だったら相応の実力者が集まっており、異形世界を理解している場所に泊まればいい。
部長が住んでいるマンション*1では、身内贔屓と見られる可能性や部長本人や眷属である木場たちに気を遣わせることで、俺の家を選んだらしい。
アーシアもそういう事があるので、今日は部長の家に泊まっている。
まあ―――
「君がイッセー君の相棒であるレダさんだね」
「モグモグ…。ん? ああ、お前は紅姫の兄貴だろ? いつもイッセーが世話になってるな」
「いやいや、助かっているのは私の方だよ。君とイッセー君が悪魔に協力、それもリアスに協力してくれているのは兄として安心できるんだよ」
「そうか? ま、こいつは変なところで頼りないしドジ踏むけど大事な場面や失敗できないところじゃ失敗しないから安心しな。それと、俺はイッセー以外の命令を聞く気はないからよろしく」
「無論だとも。それに一番驚いたのはアルトリア殿とイッセー君が知り合い―――しかもハーレムの一員なのは驚いた」
「ええ。人生初めての恋はイッセーだからね。アーサー王の娘や師匠の弟子、最初で最後の聖剣鍛冶師みたいな肩書抜きにして私と仲良くしてくれた男はイッセーだけだったから」
「私としてもイッセー君は素敵な男性だと思うよ。自分のしている事は他を押しのけて正当化はせず、周りを見ている。本当に未成年なのかは怪しいくらいにね」
「そうだね。あ、この肉団子はイッセーの得意料理の一つで絶品だよ」
「ほう…どれどれ……ん! これは美味しい!」
「これは素晴らしい出来ですね。一誠様、今度この肉団子のレシピを教えていただいてもよろしいでしょうか?」
「良いですよ」
歴代の魔王でも神以上に強い魔王様であるサーゼクスさんと、眷属の女王の頂点に立つグレイフィアさんが、レダとアルトリアと普通の食事をしている光景。
そして、余りものみたいに存在する俺。
この家は異形世界から見れば一種の魔境。
こんなところを襲撃する奴はまずいないだろう。
「息子の料理が褒められるのは母親冥利につきるわね。ほんの基礎しか教えていないのに、今じゃ私より料理が上手いじゃない」
「母さんの教え方が上手かっただけだよ。俺はそれを応用していっただけだよ」
「あんた、応用って言っても限度があるでしょうが。調理法を教えた翌日にローストビーフを作る息子がどこにいるのよ」
「いや、ローストビーフ食べたかっただけだし…。それに丁度父さんの会社仲間が来ていい酒のつまみになったからいいじゃん」
「それはそうだけど…。ていうかその翌日にスイーツでブッシュドノエル作ったのは?」
「スイーツ特集の番組見て美味しそうだったから。それにその日は母さんが町内会の婦人たちを家に緊急招待したから丁度良かっただろ?」
「その節は本当に助かったわ。ま、アンタの高くなりすぎた料理スキルで、中学の時に運動部の合宿に招待されまくって料理係していたのが懐かしいわ」
そんなこともあったなー。
バレンタインの時なんて、同級生の女子から「兵藤!!美味しいバレンタインチョコの作り方教えて!!」って迫られた。
しかも、それが俺がモテていると勘違いした松田や元浜、他のモテない男子たちに襲撃されるといった事件もあった。
ちなみに、モルガンさんや妖精騎士の三人も俺の料理を食べたい気分になると駒王町に来る。
最後に来たのは今年の年始で、おせちを食べにきたな。
「うむ…。兵藤五郎さん、イッセー君は料理も上手ですが他の家事スキルはどんな感じですか?」
「一般主婦以上にできますな。このまえ、母さんがアイロンがけを忘れた私のシャツ類を全てアイロンがけした時は「クリーニングにだしたのか?」ってレベルでしたから」
「掃除もお手の物で「軽く掃除しておいて」と言ったら業者並みに仕上げてきましたから。そういう意味でイッセーはグレイフィアさんみたいな仕事が一番似合うんじゃないですかね」
「なるほど…」
グレイフィアさんは、まるでヘッドハンティングをしに来た他企業の様な社長の目で俺を見た。
え、これってワンチャン俺は悪魔に執事みたいな感じで雇われそうな流れ?
「あの、兵藤五郎様、兵藤三希様。もしよろしければ、イッセー様を一度私が働いている職場にインターンシップとして招待してもよろしいでしょうか?」
「おおー!それは良いですな!」
「本場の給仕を体験すればイッセーもより成長できます! まだ、学生の身なので日程は大変ですが夏休み中に行かせたいですね!」
「ありがとうございます」
なんか、俺がグレイフィアさんの職場にインターンシップに行く流れが出来てるんですけど…。
まあ、俺としてもガチの給仕をマジかで体験できるのは良いと思う。
どうせなら今年の夏休みの自由研究は「本場のメイドや執事の職場を体験してみた」なんて良いかもしれないな!
「イッセーが執事か……そうなるとオレはお嬢様だな!」
「そうだね…。イッセーが私専属の執事……ふへへ」
レダとアルトリアはなんか、変な事を考えているがスルーしておこう。
ちなみにレダの家事スキルは並み、アルトリアは………ハルマゲドン級に壊滅的だ。
アルトリアの料理を食べた時の記憶を思い出す度に発狂しそうだ。
◇
食事が終わり寝る時間となった。
グレイフィアさんはアルトリアの部屋で寝る事になり、レダも今日限定で母さんの部屋で寝る事になっている。
どうやら、サーゼクスさんが今日だけ俺と二人きりで話したいことがあるそうだ。
レダは拗ねていたけど、相手が男でサーゼクスさんならと渋々了承していた。
「そんで、俺と話したいことは何ですか?」
「ああ。その前に君にはお礼を言わないといけない」
「礼? コカビエルの一件なら町に住んでいる住人として自衛しただけなので大丈夫ですよ」
「それもあるけど、私が一番礼を言いたいのはリアスの件だ」
「部長ですか?」
「ああ。婚約や今後の未来、なによりリアスの恋心。全てにおいて君が確り支えてくれた。これは悪魔の長である魔王ではなく、リアスの家族として、兄としての礼だ―――リアスを助け、支えてくれてありがとう」
「まあ、俺は部長の仮眷属として出来る事をしただけですよ」
「君はリアスの報告通りに謙虚だね。龍騎士としての活動は私や他の魔王にも報告が上がっているが、決して目立つような無駄なことはせずに、助けた者達を助けた後もちゃんとできるように支援し、名乗らずいつの間にか消える。そして、異形世界の表に出る事になれば自分が龍騎士と明かしてリアスや家族を守ろうとする。君自身には何も益がないというのに」
「まあ、それが俺の行動理念って言うか叶え続ける夢ってもんですから」
「まるで本物の英雄を見ているようだよ」
「いえ、俺は英雄なんて素敵なモンじゃないですよ。所詮俺も他人の犠牲の上で成り立っている存在。
「そうか…。只の学生である君がどうして…色々経験し成長した大人の様な心をもてるのか。それに君自身の強さなど、一目見た時に感じたよ―――「君と死合うとしたら私が本気を出さないと勝てない」とね」
「それは買い被りですよ」
「いいや、私が君を見た瞬間にそう感じたんだ。アジュカ以来にね。そこまでの強さと精神的な成長―――君は他を絶するほどの経験と試練を乗り越えてきたのだろう。それも、常人は耐えられないほどの」
「それは…」
まさか、ここまで見抜かれると思わなかった。
流石は魔王。
勢力の長として、対象を見てどのような存在かを見抜く素質も超越しているな。
でも―――
「俺は…
今でも思い出す。
妖精國での一件でソールズベリー領主が俺を邪魔に思ったか両親を殺すと言った瞬間、俺は黒くなって奴を殺した。
他にもマーリン・アンブロシウスを相手にした時に奴から言われた言葉。
―――「まだまだ君の物語は面白くなれる!! そうだ! 君の両親を殺して復讐者と成れば、君の運命は私が望む最高の物語になる!!」
その時も黒くなり奴を徹底的にぶちのめした。
俺の大切なものを踏みにじる奴は、全て駆除すべき最悪だと言わんばかりに。
それでも倒せず、最終的に俺は元に戻って龍騎として[烈火][疾風][無限]の三つのサバイブのカードを融合して使用した形態を生み出して倒した。
昔の俺はそんなことはしなかったが、ライダーバトルで生み出された鏡の世界の自分。
護りたい者、叶えたい望みの為に害する存在を尊厳や心、その敵の全てを必要以上に…徹底的に滅ぼす自分。
最初は否定したが、それでも自分から生まれたもう一人の自分。
俺はもう一人の自分に勝って受け入れた。
だからこそ、俺は家族や大切な人たちが殺されそうになったりすると黒くなり、敵の全てを必要以上に踏みにじり滅ぼす。
だからこそ―――
「俺は英雄なんてものには一生なれません。
「君は黒くなった自分が嫌いなのかね?」
「いえ、それも自分の一部、兵藤一誠であると受け入れています。だからこそ俺は
「なるほど。君は自分を深く理解しているからこそ自分は誇れるものではないと評価しているんだね」
「ええ。本当は部長の想いに応えたいっていうのもありますが、俺はそういった側面を持っています。恐らく部長や眷属の皆が俺の黒い一面を見ればきっと恐れるでしょう。だからこそ、俺は自分の黒いところを受け入れ、止められる存在以外の想いを受け入れる気はありません」
「そうか。そうなると、リアスの恋は相当難易度が跳ね上がる。それこそ私に本気を出させるレベルまで強くならないとね」
「てっきり止めるかと思いました。普通なら俺みたいな存在が肉親の想い人なんて許せないですし」
「ま、普通の存在ならそうだが私はリアスの兄。リアスが本気で君を想い恋しているなら応援するのが筋さ。私も時間が空けばリアスを鍛えるとしよう。これでも滅びの魔力に関しては歴代バアル家を超えているのでね」
「部長は最高で最強の兄を持ちましたね」
「褒めてくれてありがとう。それに私も君と同じように家族が本気で危機になればなりふり構わず暴れるのさ。だからこそ若く才能がある者に、早くルシファーの名を継いでほしいのだがね」
「そんな早く、サーゼクスさんを超える悪魔が生まれるのは難しいんじゃないですかね?」
「そうだね。半端な者には継がせる気はないからね」
そして、俺はサーゼクスさんと談笑しつつ眠りについた。
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