ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
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【アーシアSIDE】
「だったら、自分の力で周りに迷惑をかける可能性はぐんと減ったな―――っという事で部長。この先は部長達でお願いしますね。それと急に驚かせて悪かったな」
そう言いながら部屋を去っていくイッセーさん。
アルトリアさんも何かを察した様子で、イッセーさんと部屋を出ていきました。
「これがあれば…僕はみんなに迷惑をかけずに済む……ッ」
イッセーさんに与えられた神器専用の眼鏡をかけているギャスパー君の笑顔が嬉しそうですね。
きっと、神器関連で色々と大変な思いをしてきたのでしょうね。
それに比べれば私の悩みは―――
―――「魔王だけでなく聖書の神も死んでいると言うことだァ!」
今でもあの時の言葉が脳裏から離れません。
ずっと信じて来た神―――主が既にいない事に。
あの後目覚めた私は、イッセーさんが一件を収めてくれた事もあってなんとか日常を送れています。
でも…主が死んだ事実はずっと心に傷として残ったままです。
でも、こんな私よりも目の前にいるギャスパー君の方が大事ですね。
切り替えましょう!
「まさか、こんなあっさりギャスパーの神器問題が一時的とはいえ解決するなんてね。イッセーには毎度驚かされるわ」
「そうですわね。そういえば、リアスはイッセー君の将来について知っているようでしたが? 堕天使勢力に就くような事を言っていましたね」
朱乃さんは表情を険しくしながらリアスさんの言いました。
そういえば、小猫ちゃんの話で聞いたところ、コカビエルからバラキエルの娘さんと言われていました。
ですが、その時の朱乃さんは相当怒り心頭だった様子だったと聞いています。
朱乃さんも堕天使絡みで何かあったのでしょう。
「ええ。イッセーには眷属になら話しても良いと言っているから話すけど、彼は一年ほど仮眷属のテスターを終えたら、グリゴリで神器研究関係で就職するつもりだったのよ」
「「「「!?」」」」
イッセーさんがグリゴリの組織に就職!?
私を含めた皆さんも驚いていました。
「リアス、なぜ彼がグリゴリなんて組織に就職を?」
「朱乃。貴女の気持ちはわかるけどあくまでもイッセー個人の夢だから怒りは抑えて頂戴」
「…申し訳ございませんわ」
「ありがとう。それで、イッセーの夢はね―――誰でも安全に神器と宿主を分離できる技術の確立なのよ」
「所持者と神器を安全に分離ですか?」
木場さんがそう聞き返しました。
「ええ。イッセーはこの世界における神器所持者の扱いに憂い……というよりも憤りを感じているのよ。発現しない…所詮人間社会での才能レベルの神器は放置されているけど、祐斗やアーシア、他にも一般社会では異端レベルの神器を宿した者達は、迫害されたり、制御不能だからと殺されたり、神器の影響が悪く出て人生を歪められたり。そんな現状を彼は変えたいと願っているの」
「…だから安全に所持者と神器を分離できる技術をですか?」
小猫ちゃんが聞き返しました。
「ええ。イッセーはこう言っていたわ―――」
―――「俺は高一生活の一年で様々な異形世界の裏側…負の面を見てきました。その中でも神器によって人生を狂わされた存在達を嫌と言う程見て、俺は出会ってきたほとんどの神器所持者の悲惨な末路を見届ける事しか出来なかったんです。俺は繰り返される神器所持者の悲劇を見送るだけなのはもう沢山なんです。だからこそ神器であれば技術や個人でなんとかできる。自分ができるからこそ神器で苦しむ存在達を助けたいんです。もう、力不足で人を見捨てる事はしたくないんですよ」
「―――そう言っていたわ。このことを話していたイッセーは本当に悔しそうに…なにより自分の非力さを呪っていたわ」
「「「「「……」」」」」
まだ、私と変わらない学生だというのにイッセーさんは想像を絶する体験をしていると思っていました。
まさか、神器所持者の悲運な末路を見届けるしかなかったんんて…。
イッセーさんなら、今まで何でも解決してきた英雄さんだと思っていましたが、そんな事があったなんて…。
「きっとギャスパーに使ってくれた道具も、イッセーが見届けるしかなかった神器所持者の悲運への想いで出来た発明品でしょうね。ホント、私は彼との出会いに感謝しないとね」
部長さんはそう言いながらギャスパー君の傍に寄りました。
「ギャスパー。ひとまず貴方はその眼鏡がある以上、貴方が嫌う「制御できない力で味方や他者を停める」なんてことは無くなったわ。恐らくイッセーはそういう思いも察してその眼鏡を送った。そして、後は私達に任せると言った。この意味は分かるわよね?」
「そ、それは……」
ギャスパー君が言い淀んでいます。
いくら神器の暴走が無くなったとはいえ、今までギャスパー君が体験してきた恐怖や、外の世界や他人と関わる事への恐怖はなくなりません。
私も教会を追放されてから最初は、教会や天使さん信者以外の方々と接し方がわからず怖かったですから。
「ま、後は貴方の意志や私達が貴方をどう支えていくかって事よ。私は貴方が全力で表社会に出れるようにしていくわ。これは貴方にとっても大事だけれど私達にとっても大事な事なの」
「僕以外にも…ですか?」
「ええ。今の異形世界は平穏とは程遠い状態よ。何よりコカビエルが攻めてきたのが良い証拠。だからこそ、魔王の実妹という肩書を持つ私は自分で魔王クラスの存在から自衛できないといけない。私は今の眷属の強さでも十分誇りを持てるけど、お兄様はそれでも足りないと判断して、貴方を解放することの決定を下しているの」
「ぼ、僕なんかが…何に役にも……」
「それを最初から決めつけるのは良くないわ。イッセーが貴方に授けた眼鏡は単純に神器の暴走を抑えるだけではなく、いずれこの眼鏡をはずしてグレモリー眷属の一員として活躍して欲しいとの願いもあるの。恐らくだけどイッセーは契約期間である一年を過ぎれば、別行動をとるみたいだしね」
「「「「!?」」」」
イッセーさんが、グレモリー眷属を離れる。
部長さんから聞いていましたが、イッセーさんが請け負った仮眷属の期間は一年。
そして、先ほどの会話でイッセーさんはこう言ってました。
―――「このまま個人というかアルトリアやモルガンさん達に協力して独自で行くのもありだと思いましてね」
―――「そうなのね。あ、それなら悪魔の神器研究部門とかは?」
―――「そこは悪魔社会全体を見てからですかね」
「ですが、イッセー君は部長の提案は断っていませんよ?」
「でも、悪魔の神器研究はイッセーが持っているであろう神器研究の技術よりは劣っているわ。眷属にした神器使いの存在が暴走しても手立ては殺す事だけ。それだけの対応しかできない研究部門に、ギャスパーの悩みをパッと解決できる技術を持ったイッセーが果たして所属したいと思うかしら?」
「それは…無理ですね」
「ええ。それにイッセーにはイッセーの人生がある。仮眷属テスターや駒王学園の学生とは言え、正式な悪魔勢力の存在ではなく雇われ。私達に彼を縛る権利は無いのよ……私も本当はイッセーに悪魔勢力に正式所属してもらった方が良いのだけれど」
イッセーさんにはイッセーさんの人生があります。
それを私達で縛るのは間違いです。
でも、イッセーさんと別れる事になるのはつらいです。
「きっと、イッセーは自分やアルトリア抜きで私達だけで今後の人生を生き抜いて欲しいと願っているのよ。ライザーの時に仮面ライダー龍騎の力を使ったのも、私が安易に彼の力に頼れば自分の評価を落とす事を理解させるためにね」
「イッセー君がそこまで考えているとは…」
「同級生とは思えないほど考えていますね」
「…いつもは少し抜けた先輩ですが、大事なところではしっかりしています」
「そうですね。イッセーさんは大事なところは確りとこなしています」
そう、イッセーさんは私達を助けるだけではなく導いています。
自分抜きでも私達がちゃんと今後の未来を進めるように。
「だからこそ私はギャスパーを一人前になるように主として先輩として…そして家族としてやっていくわ」
「リアス…部長」
「甘いだけではダメ。それをイッセーと出会ってから嫌と言う程経験したの。だから私は嫌われる覚悟で貴方を育てるわ」
部長さんはギャスパー君に厳しく優しい声音で、そう告げた。
ギャスパー君は―――
「……はい」
渋々と言った感じで了承していました。
前途多難ですが、ここからは正式なグレモリー眷属の課題です。
最近の私は何もできなかったので、今度こそ役に立ってみせます!
【アーシアSIDE OUT】
◇
【イッセーSIDE】
俺はアルトリアを連れて、気配を消しながら空から部長達の様子を見ていた。
「まったく、イッセーは本当に凄いよね」
「なにが?」
「助けるばかりじゃなくて、ちゃんと導いている所だよ」
「歴史を見るに導くことをした王の国は長く繁栄し、助けるばかりの王の国は早く衰退した。ブリテンのようにな」
「父さんの事に関しては自業自得だよ。師匠の忠告を無視するどころか私との接触禁止とブリテンへの立ち入り禁止を言ったんだから。私もその時に家出して絶縁。モードレッドも余計にアーサー王の息子として拗らせて、ランスロットは浮気。他の円卓も息をするように裏切って、それから転がるようにブリテンは滅んだしね」
「英雄は英雄であって王たる器である事は絶対にあらず。英雄がちゃんとした王になるのは、異形や人間の世界じゃほんの一握りだよな」
「うん。だからこそイッセーは凄いんだよ。殆どの英雄はただ救う事ばかりでその後を考えない奴等ばかり。そういう後の事を考えているのはその英雄と呼ばれた対を成す者達ばかりだし」
「俺はそこまで凄くないよ。所詮自分のやっている事は個人のエゴにすぎない。あくまで自己満足のやりたいことだ。でも、助けるばかりじゃ本当の助ける事じゃないのは十分わかるさ」
ライダーバトル、異形世界の負の因縁で生まれた復讐者。
昔は復讐はダメで、復讐する正当な理由があっても復讐すれば負の連鎖が生まれるから駄目だと思っていた。
だが、それは復讐を知らず復讐をしらない無知な罪からくる独善的で一方的な言葉。
俺は学んだ。
復讐は絶対的な悪ではなく、復讐心を持った者の心の整理だと。
復讐に絶対的な悪があるとすれば復讐者が、自分の都合で全く関係のない他者を巻き込むことだけだ。
復讐の連鎖が生まれたのも、復讐をさせる大本の奴が原因だ。
そいつに家族がいて幸せでも、復讐される過去があれば復讐される義務がある。
そして復讐者は復讐を果たせば、復讐した身内や家族に復讐される義務が起きる。
そこで復讐者が一人でありその復讐を受け入れればその連鎖は終わる事。
俺があの時木場にキレたのは、木場が復讐の理由を他者の遺志を使った事。
なにより、復讐したいのであれば、部長の眷属化に対して怒らず、眷属化し復讐を優先せずに今まで平和に生きていたのに、今更復讐に走ったからだ。
そんなことを考えていると、アルトリアが自分の胸に抱き寄せて来た。
「アルトリア?」
「イッセーは大丈夫なの?」
「大丈夫って?」
「君は本当なら平和な学生生活を送るはずだった普通の男の子だったんだよ。でも、君が仮面ライダー龍騎の力を手にした瞬間に変わって、子供なのに大人になる事を運命づけられた。苦しくないはずがないよ」
「いや、これは俺が選んだ道だから……」
「でもだよ。イッセーはたまに苦しそうな様子を見せるんだよ? リアスさん達には気づかれていないけど、レダや私、師匠や妖精騎士の三人にはバレバレだよ」
「そう…なのか?」
「君は凄いよ。私や師匠以上にね。でもね、そんなすごい人でも君は一人の感情を持った存在なんだ。だから一人で背負うとしないで。私達に背負えるものならちゃんと背負わせて。私は君の恋人でハーレムの一員なんだからさ」
背負っているか。
確かに俺はライダーバトルの全てを背負い続けている。
時々、その重圧に圧し潰されそうになるけど、それでも俺があの時ライダーバトルに関わる事を決めてから発生した義務。
これは誰にも明かしちゃいけない。
まあ、それ以外は存分に頼るつもりだけどね。
「ありがとな」
「いいってもんよ! 恋人でハーレムの一人なら当然だからね!」
まったく、俺は恵まれているな。
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