ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》   作:ライダーマスク

43 / 53
新しくお気に入りや高評価をしてくださった皆様。
既にお気に入りや高評価、感想をくれる皆様。
私のミスで起きてしまった誤字を報告してくださる皆様。

いつもありがとうございます!!

今回、教会と天界に厳しめの描写があります。
ご注意を!


Life8:熾天使と過ち

【イッセーSIDE】

 

 

 

ギャスパーの社会復帰訓練でアーシア、小猫ちゃんに加えて匙が協力する事になっていた。

 

どうやら、ギャスパーの境遇を小猫ちゃんから聞いて助けたいと買って出たらしい。

 

俺も小猫ちゃんからギャスパーの境遇を聞いたけど、予測していた通りハーフヴァンパイアと神器所持者が受ける最悪な方の運命を両方経験していた。

 

実際、俺はそんなギャスパーと同じ運命を辿った奴らを見て来た。

 

全員運命に抗おうとして、その過程で自分を制御できなくなって破滅していった。

 

ギャスパーがそうなっていないのは、精神があえて弱かったことや部長との出会いのお陰だろう。

 

ああやって、仲間に支えられて成長できればギャスパーは問題ないだろう。

 

それにギャスパーの特訓の際に匙の神器である黒い龍脈(アブソーブション・ライン)を使って、ギャスパーの内にある有り余る力を吸収して、吸血鬼の力をコントロールすることもやっている。

 

まあ、そこはアーシア、匙、小猫ちゃんの三人に神器を使ったトレーニングができないかと相談された時にしたアドバイスだ。

 

それを使えば停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)の鍛錬にも流用できるしな。

 

そんなこんなで、三大勢力の会談が行われる二日前。

 

俺は部長に言われて、朱乃さんが住んでいる神社の階段前に来ていた。

 

どうやら、その神社で俺に会いたいという大物がいるらしい。

 

まあ、神社の奥から勢力長クラスの天使の気配がするって事は熾天使(セラフ)の誰かだろう。

 

聖書の神が居ない今、天界の実質的なトップたちが俺に何用なんだろ。

 

ちなみにアルトリアは、そんな熾天使の気配を察知し、関わるのが嫌で両親の護衛としてうちでレダとティータイム中だ。

 

「お早い到着ですね。イッセー君」

 

「どうも、朱乃さん」

 

すると、巫女装束の朱乃さんが神社の階段を降りながら声をかけて来た。

 

戦闘用に着ていた装束とは若干違うな。

 

見た感じなんかの儀式用かな?

ま、大和撫子な美少女な朱乃さんには凄く似合っているのは間違いないな。

 

「朱乃さんは俺に会いたい人物の仲介役ですか?」

 

「はい。それとイッセー君に個人的な要件があるんですよ」

 

「個人的な要件ですか?」

 

「ええ。それは会いたい人物とのやり取りを終えた頃にお願いしますわ」

 

「わかりました」

 

そして、朱乃さんに案内されるがまま神社の階段を上っていく。

 

普通、悪魔が神社とか神が関わる建造物に入る際はダメージを受ける。

 

これは神が持つ力が悪魔にとって弱点になりうるからだ。

特に神社とか日本でいう神聖な場所とかな。

 

多分、朱乃さんが住むにあたって日本神話の神々とそれなりの約定がされているんだろうな。

 

「そういえば、部長とはいっしょに居なくて良いんですか? 会談の打ち合わせとかで」

 

「私がサポートできる範囲の準備は終わっていますわ。今はグレイフィア様と一緒に最後の打ち合わせや会場の準備などをしています」

 

「そうなんですね。それにしても朱乃さんは大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫とは?」

 

「いや、気配で判る限り何となくですけど俺に会いたい大物って熾天使の誰かですよね? そんな悪魔特攻の力を垂れ流しているような存在と一緒は不安じゃないんですか?」

 

「そこまで察しているとは流石ですね。イッセー君の懸念については問題ありませんわ。向こうは私に害が無いように光の力を抑えているので」

 

「そうなんですね」

 

「それよりも私が神社に住んでいる事に疑問は無いのですか?」

 

「まあ、住んでいるって事は日本神話の神々とそれなりに約定が行われているってわかりますからね。他の神話の神々と違って日本神話の神々は他神話に対して寛容ですから」

 

「もしかしてイッセー君は日本神話の神々と面識があるのですか?」

 

「まあ、色々とありまして。詳細は話せませんが」

 

「本当にイッセー君は昔から色んな異形世界とかかわりが有るのですね。だからこそライザーやコカビエルを倒せる力を培ってきたのでしょうね」

 

「まあ、そんなところですよ」

 

そんな会話をしていると、神社の鳥居を潜って境内に入る。

 

目の前には古くも手入れされた立派な神社の本殿。

 

隣には朱乃さんが住んでいる場所らしき宿舎がある。

 

「それにしても悪魔である朱乃さんが神社に住むなんて珍しいですね」

 

「ええ。先代の神主が亡くなった後、無人になったこの神社を管理できる者が居なく、私はちょっとした神社の家の生まれでしたので管理を申し出たら、リアスと日本神話の神々の方が約定をして住めるようにしてくれました」

 

「日本神話としても都合がよく、朱乃さんにとっての慣れ親しんだ場所に近いところに住める。良いですね」

 

「ええ。夏休みは夏祭りを、年末年始は住職の方を呼んで除夜の鐘を鳴らしていますわ」

 

そんなやり取りをしていると、俺が感じた気配が強くなった。

 

「―――彼が龍騎士……いえ、()()()()()()()()殿()()()()

 

男性の声が聞こえると同時に目の前に神々しい閃光が現れ、そこから黄金に輝く6対12枚の天使の翼を羽ばたかせ、神々しいヘイローを現した金髪長髪の熾天使が現れた。

 

服装は天使の正装をより豪華にした服装に熾天使の紋章が刺繍されている。

 

紋章と容姿でこの熾天使がだれか分かった。

 

「お初にお目にかかります仮面ライダー龍騎、兵藤一誠殿。私の名は“ミカエル”。現天界の長をしています」

 

 

 

 

 

 

 

 

ミカエルが現れた後、俺たちは朱乃さんに案内されるがまま神社の本殿内にいる。

 

俺とミカエルは向かい合わせで正座し、真ん中に朱乃さんが座っている形だ。

 

「それで、現天界勢力の長が俺に何用ですか?」

 

「まずは貴方にお礼を言わねばなりません。コカビエルが起こそうとした三大勢力大戦の再戦。それを防いだ功労者である貴方に―――本当にご苦労様でした」

 

ご苦労様か。

まあ、向こうにとって俺は人間だから下位存在。

ナチュラルに下に見る言動は当たり前で、サーゼクスさんがイレギュラーなだけだな。

 

ま、それはそれとして―――

 

「俺は自分の街を護るために自衛したにすぎません。今回の事件はコカビエルが発端ですが、貴方達のエクスカリバーに対しての管理の甘さで起きた事件でもあります。今更貴方の賞賛を聞いたところでどうでもいいですし―――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「イッセー君!?」

 

「やはり、そこは見抜かれていましたか…」

 

ミカエルが困ったような表情をしていた。

 

実はアルトリアが熾天使の気配を感じたと同時に、俺が出会う大物が熾天使だと把握した時にこう言っていた。

 

―――「イッセー。もし熾天使の誰かが君を使って私に協力させるような事や雰囲気があったら釘を刺しておいてね」

 

まあ、大事な恋人の一人であるアルトリアを売る気は無い。

 

なにより、ミカエルの最初の謝罪から俺を使ってアルトリアを懐柔させようとしているのは見え透いている。

 

現状、アルトリアと深く関わりを持っているのが判明しているのはモルガンさんと妖精三騎士。

 

この四人はモルガンさんが魔女であることや、妖精三騎士が妖精國出身であることから天界は下手に干渉できない。

 

本人であるアルトリアは、聖剣を教会と天界に与えた際の約束を破った事が発覚してから断絶。

 

そうなると、消去法的に俺になり、それを伝手にしてアルトリアを懐柔させて引き入れたいのは俺でもわかる。

 

アルトリアは()()()()()()()()()()()*1

 

神器にも聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)というあらゆる特性を持った聖剣を造れるが、質や強度からすべてがアルトリアが片手間で作った聖剣に劣る。

 

判り易く言えば、アルトリアが片手間で作った聖剣が一般的な両刃剣であれば[聖剣創造]製は只の木で作られた玩具くらいだ。

 

そういうことや、三大勢力の中じゃ種族的に一番増えにくい天使は戦力が一番低い。

 

だからこそ、強力な聖剣をポンポン作れるアルトリアは天界と教会にとって絶対に欲しい存在だ。

 

「貴方も知っているはずですが、我々天界・教会は他の悪魔や堕天使と比べて戦力低下が一番大きいのです。だからこそアルトリア殿の力は必須といっても良い。ですが、師であるモルガンは敵対状態であり、本人も我々が起こした過ちで絶縁。だからこそ貴方に協力してもらいたかったのですが…」

 

「すみませんが自業自得です。それにアルトリアは聖剣計画を知りました。恐らくですが近いうちに、そちらが保管しているエクスカリバーの最後の一本―――祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)の返還要請も来ることになります。というか、彼女のはそのつもりです」

 

「やはり…。そのことに関しても―――」

 

「協力できません。そもそも、コカビエルを追う部隊に関しても外交関係があるとはいえ、かの大戦を生き残り武勲で名を挙げたコカビエル相手に、精々上級クラスと戦えるあの二人を派遣している事。エクスカリバーの保管に関しても幹部が攻めて来たとはいえ、簡単に盗まれすぎな事。一般的な視点から見ても貴方達は聖剣の扱いが酷すぎます」

 

「それは、彼女の伝言ですか?」

 

「いえ、これは俺が客観的に見た貴方達への評価です。せめてストラーダやクリスタルディ、そちらのジョーカーと呼ばれる神滅具である煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)所持者を送っていれば俺やアルトリアの評価はマシになっていたと思います」

 

「それは……返す言葉も無いですね」

 

他にもこの町に住む存在達が向こうの不手際で巻き込まれたことも言及したいけど、向こうにとっては異教徒が死のうがどうでもいいと思っているから暖簾に腕押しだから辞めておこう。

 

教会の負の歴史とかも考えると、日本神話を滅ぼして宗教侵略なんて事も考えていそうだしな。

 

ま、ミカエルがどこまで俺が考えた通りかは定かではないけどな。

 

「言っておきますが、俺だからこの程度の言及で済んでいます。もしアルトリアが本気で貴方を問い詰める事になればもっと罵詈雑言が飛ぶどころか、この場で貴方達が保有しているアルトリアが創った聖剣を全て返納しろとか言いますよ」

 

「…貴方が彼女を抑えているのですか?」

 

「いえ、彼女は貴方達に()()()()()()()()。もう関わりたいとも思っていませんね」

 

「……やはりですか。時間が経てばと思いましたが、あの時の裏切りに近い―――いえ、我々の裏切りは永遠に許されない事なのでしょうね」

 

「俺もアルトリア視点でしか聞いていませんが、その件は誰がどう見ても酷すぎます。彼女がエクスカリバーを研究して様々な聖剣を造った理由。それを蔑ろにして自分達の利益に使ったのですから」

 

そう、聖剣や神の武具は元々世界の意志や神やそれに類ずる存在しか作り出せない武具。

 

エクスカリバーもその一つであり、世界が生み出した聖剣*2

 

別名―――[原初の聖剣]*3とも呼ばれている。

 

アルトリアはそのエクスカリバーを自らの知識で解析しそれを完全模倣したもう一つのエクスカリバーを作った。

 

しかし、エクスカリバーの力は人間では扱えば自分の父親のような過ちが繰り返される。

 

だからこそある戦いで本物のエクスカリバーが折れたことにして、自身が作った完全模倣したエクスカリバーの力をわざと劣化させて七つの聖剣に分けた。*4

 

そしてアルトリアはそのエクスカリバーや自分が今後作っていく聖剣を使うに辺り、ある約束を取り付けた。

 


1つ、聖剣は異形の理不尽から力無き者達を護るため使う事。

2つ、宗教関係や教会・天界などの利益となる争いでの使用を禁ずる。

3つ、聖剣の適合基準を捻じ曲げる研究を禁ずる。

4つ、象徴としての使用を禁ずる

5つ、復讐の為に使用することを禁ずる。

6つ、聖剣を振るう者、自ら王や組織の長に就くことを禁ずる。*5


 

アルトリアが聖剣を造り教会や天界に渡したのも、力ある者の理不尽から、力無き存在を護るため。

 

最初はアルトリアとの約束は守られていたが、三大勢力の戦争で天使と教会はアルトリアが創り授けたエクスカリバーや聖剣を使った。

 

なにより、悪魔や魔の存在達に復讐するために属した者達に聖剣を使わせ、挙句の果てには聖剣を振るう者に権力を与えた。

 

コカビエルの件で露呈した聖剣計画を含めると、教会・天界は既にアルトリアとの約束の大半を破った。

 

だからこそ裏切られたアルトリアは、今後一切教会・天界と関わる事を辞めた。

 

聖剣を没収しなかったのは、一つ目の約束もある程度果たされている温情からだ。

 

「それで、俺への用事はそれだけですか?」

 

「いえ。貴方にアルトリア殿に取り入ってもらうのもそうでしたが、これを親善の証にと―――」

 

ミカエルが手をかざすと、そこから一本の聖剣が出現した。

 

確かアルトリアが制作した聖剣の一つ―――

 

「ゲオルギウスが悪しき龍を退治した時に使用された龍殺しの属性(ドラゴンスレイヤー)が付与された聖剣―――[アスカロン]ですね」

 

「彼女と知り合いなら知っていましたね。これを貴方にと」

 

「どうして俺に渡すんですか? 少なくとも俺は貴方達の活動の邪魔もしているし、そちらの最高戦力であるストラーダと戦っていた身ですよ」

 

「それも承知しています。ですが、今回行われる会談において三大勢力が手を取り合う唯一の機会だと思っているのですよ。かの大戦が二天龍討伐から終わり大きな争いは無くなりましたが、ご存じのように三大勢力の間で小規模な鍔迫り合いが未だに続いています」

 

「この状態が続けば―――いや、冷戦下で三大勢力は他の異形勢力に黒に近いグレーな事をしていましたからね。貴方達教会・天界の宗教侵略、悪魔の悪辣な眷属集め、堕天使の神器所持者の拉致。実にやりたい放題でしたから」

 

「ええ。だからこそ、冷戦状態が続けばいずれ我々三大勢力は滅ぶ―――いえ、神の死が他勢力に知られれば、横合いから他の勢力が攻め込み滅ぼされるでしょう」

 

「実際、北欧神話はそれで大分ピリピリしていますけどね」

 

噂じゃ、ロキとヘラが三大勢力による干渉でかなりキレて三大勢力を滅ぼそうとフェンリル挙兵寸前だったらしいからな。

 

神崎士郎も妹の蘇生をしたら、異形勢力を世界に影響を与えないレベルで殲滅する予定だったし。

 

しかも、最初のターゲットは三大勢力だしな。

 

ミカエルが話を続ける

 

「その聖剣は、私から悪魔サイドへのプレゼントの一つです。他の方にも似た品を渡しておりますし、堕天使側にも贈り物をしました。こちらとしても、噂の聖魔剣を数本譲り受けましたしね」

 

なるほど、だから木場が部長達と呼ばれたのか。

 

正直なところ、木場が天界・教会に自分の力を渡すのは気が引ける気持ちだっただろうな。

 

ていうか―――

 

「それなら俺に渡すんじゃなくて、悪魔勢力に正式に所属している誰かに渡すべきじゃないですか?」

 

「それも考えましたが、今回会談が起きた切っ掛けの中心に居た貴方はある意味三大勢力が手を取り合うきっかけともいえます。そして過去に三大勢力が唯一手を取り合った事件である二天龍の討伐。あの時のように再び手を取り合うことを願って、赤い龍を従え戦う貴方に願をかける意味でアスカロンを渡す事に決めました。これは個人的な事です」

 

いや、皮肉にしか聞こえない気するんだけど。

 

ていうか、ミカエルがいう事って下手すれば「三大勢力は俺を共通の脅威とみなして協力して滅ぼす」って聞こえる。

 

アスカロンはその俺を見つける為の目印だと。

 

向こうはそんな気はないとは思うけど、邪推させるような事は止めて欲しい。

 

まあ、せっかく貰えるのなら貰ってアルトリアに返しておこう。

 

俺は六式体刻魔法があるし、龍騎じゃドラグセイバーがあるし。

 

なんならサバイブにも剣はあるし、他にもサバイブの先の力にも剣があるしな。

ていうか、サバイブから一段化強化した形態とそこからもう一段階強化した剣の方が遥かに強いしな。

 

「まあ、使うかどうはわかりませんがそちらの誠意は受け取っておきます」

 

「ありがとうございます。これで用事は済みました―――では」

 

そしてミカエルは転移でこの場から消えた。

*1
独自設定

*2
独自設定

*3
独自設定

*4
独自設定

*5
独自設定




朱乃とのやり取りは次回に持ち越しします。

新たなお気に入り登録や高評価、感想などお待ちしています!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。