ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
既にお気に入りや高評価、感想をくれる皆様。
私のミスで起きてしまった誤字を報告してくださる皆様。
いつもありがとうございます!!
長くなりそうなので前後編で分けます。
【語り部SIDE】
これは少し未来の出来事。
『ゴハ…ッ…なんだ…ッ。俺の力が…
『……』
満身創痍のヴァーリの腹を無言で蹴り飛ばす漆黒の怒りを纏う龍の騎士。
その仮面のクラッシャーの瞳は怒りを表すかのように吊り上がり、静かに激しく赤閃を放っている。
そんな存在に重傷にされ、蹴り飛ばされたヴァーリは決して弱くはない。
覇龍を完全掌握し生前の白龍皇が持っていた四つの能力の内、三つを自在に扱う事が可能な現白龍皇にして過去未来現在において越える存在が現れる事が無い最強の白龍皇ヴァーリ。
既に並みの魔王クラスを簡単に倒せるレベルの領域に立ち、世界の強者として名を連ねてもおかしくはない存在。
そんなヴァーリは全身が自分の血で赤く染まり、覇龍を完全掌握した形態で纏った鎧はほとんど破壊されている。
背中には5対10枚の悪魔の翼が生えていた形跡が判るが、既に強力な力で引きちぎられた跡が見える。
そんな光景に白龍皇ヴァーリとある者の戦いを見ていた観戦者達は、そのうちの四人を覗いて絶句していた。
ヴァーリが覇龍を完全掌握した形態に至った際に、彼と相対していた者の敗北を悟っていた。
その中には
この二人がヴァーリの覇龍を完全掌握した形態をみて想起したのは全盛期の白龍皇アルビオン・グウィバーそのもの。
ヴァーリの相手を少し前から調べ実力を探っていたアザゼルも最初はヴァーリが負けると思っていた。
なぜならアザゼルはヴァーリがリスクを軽減した覇龍しか使える事を知らなかったからだ。
しかし、ヴァーリはアザゼルに覇龍を完全掌握した形態を見せた瞬間、
本来は白龍皇を応援してはならない立場だが、アザゼルにとってヴァーリは実の息子同然。
言葉ではでずとも、犯罪者となったヴァーリの成長を喜んでいた。
だが、そんな覇龍を完全掌握した形態であり全盛期の白龍皇を知るアザゼルとミカエル。
かの三大勢力の大戦争を生き残った二人が、全盛期の白龍皇を想起させるヴァーリは持てる力を出しつくした後―――
『……』
『ガハッ!? なぜだ…
『……』
《それに半減も吸収もなぜ効かない!? 二天龍の力が通用しない相手は、真龍、龍神、界龍、そして我が
『……』
白龍皇の光翼に宿るアルビオンの言及に漆黒の龍騎士は何も答えず、目の前のヴァーリに対して怒りを向けるだけ。
そんなヴァーリは、漆黒の龍騎士に見下されながら、成すすべなく蹂躙されていった。
その存在は何も喋らずヴァーリにゆっくり歩み近づきながら必要最小限の動きで圧倒していく。
時には黒い青龍刀の様な片手剣を、時には黒い龍の胴体を模した盾を、時には黒い龍の頭部を模した籠手を、時には黒い龍を。
それらを完璧ともいえるタイミングで召喚、覇龍を完全掌握した形態のヴァーリを蹂躙した。
白龍皇が天を冠する二天龍と称された凶悪な四つの内の三つの能力を意に介さず、ヴァーリが持つ天才中の天才の戦闘技術や初代魔王を超える膨大な魔力。
相手をしている存在以外でヴァーリと戦えるものは、観戦しているサーゼクス、アルトリアの二人という最強のネームバリューのみ。
そうアザゼルは確信し、相手をしている存在は成すすべなく倒される。
そもそも相手をしている存在はヴァーリとの戦いには消極的であり身内であるアザゼルに相手をさせようとしていた。
しかし、ヴァーリはカテレアとの戦いで消耗したアザゼルを相手にしても一方的に勝つだけ。
それでもやる気がない存在にヴァーリは事前に準備していたとある方法を使った。
ヴァーリが相手をしている存在に対して戦わせるために、最低ともいえる方法を使ったが、相手を好戦的にしてそれも強くなるために原動力。
それに自身の立場を弁えず、最強の白龍皇たる自分に敬意を払わない存在への罰と異形世界の残酷な現実を知らしめるためでもあった。
しかし、その方法はヴァーリにとって赤龍帝との勝負前の暇つぶしだと認識していた存在の本気を出させるのではなかった。
そう、龍―――
龍の逆鱗と呼ばれる怒らせてはいけない言葉の比にならない程の怒り。
その怒りを感じた者は、
まるで世界すら恐怖させるかのような怒り。
その存在の最初のイメージであった勇ましく理不尽を打ち砕く赤から、対象を情け容赦なく敵の全てを必要以上に悉く蹂躙する怒り。
暴走でもない、大切な者たちが殺されたり害されそうになった時の大切な者たちを守るために、
ヴァーリはその怒りを引き起こしてしまった。
世界すら恐怖する怒りは、覇龍を完全掌握し最強たる白龍皇をゆっくり、じっくりと恐怖へと呑まれていく。
その怒りを見た大半の者たちは漆黒の龍騎士に恐怖を抱いていた。
そして恐怖を抱かなかった四人はそれぞれの想いを心の中でつぶやいた―――
「(なるほど。これが彼自身が言っていた自分の黒い部分か。一体、どれほどの絶望と後悔があればこれほどの怒りを…)」
「(ライザー様をちゃんを止めておいて正解でしたね。万が一、彼の怒りがライザー様に向けられていたら私を退け、あの場で殺されていたでしょう)」
「(あの白龍皇に関しては自業自得だね。今は彼への罰で止まっているから静観するとして、彼が自分の怒りの結果で壊れないように
「(万が一、お前の矜持に反することをお前自身がしようとしたら俺とアルトリアで止めてやるからな)」
四人は漆黒の龍騎士が二天龍の一角たる白龍皇ヴァーリを天から引きずり下ろす光景を―――その先の行く末をそれぞれの視点で見ていった。
【語り部SIDE】
◇
【イッセーSIDE】
「では、行きましょうか」
聖書に記された三大異形勢力の会談当日。
部長が会談に参加するメンバーに出発を告げる。
既に会場となっている駒王学園は悪魔、天使、堕天使それぞれの強力な三重結界に覆われている。
これは会談が終わるまで、参加者は誰一人として帰れず、外にいる者は入れないようになっている。
駒王町も部長がコカビエルの一件で使用した術式が使用されて、万が一でも駒王町の住人に被害が出ないようにしている。
町に関しても、日本神話の神々が特殊な結界でさらに覆って被害に関しては駒王町の建造物とこの場にいる者達だけ。
結界の外では魔王、総督、熾天使のそれぞれの護衛部隊が十数人単位で待機しており、空気は一触即発の雰囲気だ。
ま、サーゼクスさんは戦争に関しては自ら興す気は無いけどね。
ていうか、万が一戦争になってもアザゼルとミカエルはサーゼクスさんに多少抗って負けるだろう。
聖書に記された三大勢力といっても、実際トップの実力に関しては悪魔が飛びぬけているしな。
「ギャスパー。今日の会談は聖書に記された大きな勢力の未来が決まると言っても良い。イッセーが作ってくれた特殊なメガネがあるとはいえ、万が一のことで戦えない貴方を守れる保証は無い。だからこの旧校舎で待っていてね」
「ぼ、僕も三大勢力のトップが集まる会談に参加はショックで気絶しそうなのでありがたいですぅ」
「…大丈夫だよギャー君。私とアルトリア先輩がいるから」
「うん。たとえミカエルとアザゼルが攻めてきても私の魔法と聖剣で撃退してあげるからね」
「アルトリア先輩が頼もし恐ろしいですぅ!!」
うん、アルトリアならアザゼルとミカエルを相手にしてもギャスパーと小猫ちゃんを守れるだろう。
ま、その前にサーゼクスさんが二人を無力化しそうだけどね。
あの人と戦ったわけじゃ無いけどわかる。
三つのサバイブを完全融合したあの形態でも勝てるかどう変わらない程ヤバい。
モルガンさんもこう言っていた。
―――「今の四大魔王は化け物ぞろいですね。その中でも飛びぬけて、ルシファーとベルゼブブは下手な主神を超えています。全盛期の二天龍でも今の四大魔王が相手にすれば封印ではなく魂ごと滅ぼせるでしょう」
他にも今のルシファーとベルゼブブとは下手に交戦しない方が良いとも言っていた。
妖精三騎士もメリュ子以外は同じようなこと言っていたし、アルトリアもサーゼクスさんとは戦いたく無いって言っていたしな。
なんか、悪魔ってとんでも強者を生み出しすぎじゃないか?
「ほら、イッセーお手製の美味しいスイーツや焼き菓子もあるから、食べながらゲームでもしようよ」
「…イッセー先輩のお菓子は下手な名店よりも美味しいよ」
「そうなんですか…モグモグ…! 美味しいですぅ!!」
俺が事前に作っておいたスイーツとお菓子を美味しそうに食べるギャスパー。
「気に入ってくれて作った者の冥利に尽きるよ。ま、会談が最悪な方向に行ってもアルトリアが守ってくれるし、最悪俺とサーゼクスさんで鎮圧するから問題ないからな!」
俺はサムズアップでギャスパーにそういう。
「イッセー先輩も頼もし恐ろしいですぅ!」
「アハハ」
俺とギャスパーのやり取りにため息をつく部長達。
アルトリアは気にせず俺の作ったスイーツとお菓子をアホ毛をブンブン揺らしながら美味しそうに食べている。
そんなこんなで、アルトリア、小猫ちゃん、ギャスパーを除いたオカルト研究部は会談会場へと向かった。
◇
会談会場の扉前に到着し部長がノックし来たことを告げる。
「入りたまえ」
そのまま部屋の奥からサーゼクスさんの返答が来て入室。
部屋は駒王学園の来賓用の部屋を術式で空間拡張と強化を施された豪華絢爛な場所に変わっていた。
ていうか、ほとんど異界化しているな。
そして、部屋の中央には部屋の内装と同じく豪華絢爛な机とテーブルがあり、既に悪魔の代表として四大魔王の一角であるサーゼクスさん。
堕天使、神の子を見張る者の代表として総督のアザゼル。
天界・教会の代表としてミカエルが座っている。
そしてそれぞれの直属の護衛として、悪魔側は給仕も兼任しているグレイフィアさん。
堕天使側は現白龍皇のヴァーリ。
天使側はゼノヴィアとイリナがいた。
2人には悪いけど、天使側の護衛だけ貧弱すぎないか?
多分この場で会談が破断し戦闘が始まれば、二人は瞬殺されるぞ…。
まあ、コカビエルの案件に関わっているからそれも兼ねて来ているのかもな。
ていうか、二人の表情が妙に暗いな。
雰囲気的にコカビエル事件の翌日の時のアーシアの雰囲気に似ている。
まさか―――
そして、俺たちの入室を確認するとサーゼクスさんが他の代表と護衛に紹介を始める。
「私の妹と、その眷属、そして現ベルゼブブが始めている仮眷属のテスターというよりも異形世界をにぎわせている龍騎士殿だ。先日のコカビエル襲撃では彼女達が活躍してくれた」
サーゼクスさんの紹介と同時に部長達は会釈をした。
因みに俺はしていない。
あくまで俺は悪魔に雇われただけで、正式な所属ではない。
だから、サーゼクスさんは俺の事だけは殿と敬称を付けている。
「サーゼクス殿から報告は受けています。コカビエルの襲撃とバルパーとフリードの件では申し訳ございませんでした。そして事件の解決、ご苦労様でした」
ミカエルさんは改めての謝罪と礼を言った。
そしてアザゼルは―――
「あー。俺の所のコカビエルとはぐれ神父と拾った研究者が迷惑をかけたな」
悪びれた様子もなく形だけの謝罪もどきをするアザゼル。
流石のアザゼルの態度に部長達は表情を崩しかけるが大事な場なので持ち直し指定の場所で待機した。
「さて、龍騎士殿は私の隣に着席してくれ」
「わかりました」
俺はサーゼクスさんの隣にある空いた椅子に座る。
「では、参加者がそろったところで会談を始める。まず大前提として、この場にいる者は聖書の神である“サンクトス”*1の死を認知している。大丈夫かね?」
サーゼクスさんの説明にイリナとゼノヴィア以外はこれといって反応は見せない。
2人だけは表情がさらに暗くなっているが、動きはそこまで目立っていない。
ってことは、コカビエル事件に関わった者として神の死を事故みたいに知らされたって事か。
会談に参加しているのも納得だな。
恐らく学園の外にいる三大勢力の兵士たちも知っているな。
そんな思考を巡らせていると、まずは三大勢力の代表同士で今後の在り方について話し合っていた。
「我々は悪魔の駒を安易に解き放ちすぎた。今は使用制限や過去に悪用し外交に影響を及ぼした者たちへの処罰などをやっている」
「悪魔は対応が早いですね。我々天界も教会が起こした他の異形勢力に対しての宗教侵略などの賠償問題に取り組んでいます」
「俺らはこれといって何もしてないな。いつも通り危険と判断した神器所持者の処分と神器収集と研究の日々だ」
「なるほど。悪魔、天使、堕天使はそれぞれの道へと向かい、二天龍の介入でうやむやになった戦争への意欲は無いという事でいいかな?」
「ええ。このまま戦争を再起させれば今度こそ聖書に記された三大勢力は確実に滅ぶでしょう」
「だな。ていうか、戦争の発端はサンクトスが悪魔を生み出した事への自己嫌悪から天界と教会が悪魔に宣戦布告から始まった事だからな? 俺たちはそのとばっちりを受けて守るための戦争に参加したからな」
「その件に関しては申し訳ありません。今は、いくら主の命令でも未来を考えて抗議すべきと思いましたが、あの時は主が絶対でしたので…」
「私を含めた現魔王に関しても就任したのは戦争が有耶無耶になってからだいぶ経過した頃だ。それに戦争を主導していた初代魔王の血族は魔王襲名による内戦で完全失脚。生き残りは全て追放した」
「みたいだな。しかし四大魔王はともかくとして、ミカエルはだいぶ変わったよな。昔はサンクトスが絶対だったのに、いまじゃその絶対なサンクトスの方針に懐疑的じゃねぇか」
「神の死で色々と考えた末の変化ですよ。このまま争っても戦争の大本である主と初代魔王が死んだ以上争う理由も無い。それに主がいない以上天使は増える事はない。ならば別の道を行き主に他頼らず自らの勢力を存続させるだけです」
「あの主を絶対として天界一堅物だったミカエル様が言うようになったじゃねぇか。先の発言はサンクトスが居た頃に考えでもしたら、俺らの時みたいに速攻で堕天していたのによ」
「何とか主が遺したシステムを運用するためです。しかし主が扱う前提のシステムが故にその弊害がうまれ、
ミカエルがそう言いながら、
当の本人は話をよくわかっていないか、頭をかしげている。
それから話は変わって、コカビエルとバルパーが共謀して起こした事件の報告会となった。
部長が事前に製作したレポートとパワーポイントを使って事件の詳細を報告していく。
補足として天界・教会側から事件に関わったイリナとゼノヴィアも自分たち視点での報告をした。
これといって荒れはしなかったが、二人はアーシアに申し訳なさそうな表情を向けていた。
更に身に覚えがないアーシアはさらに困惑していた。
「―――以上が駒王町異形管理責任者であるリアス・グレモリーとその眷属悪魔。そして協力者にして仮眷属のテスターである龍騎士こと兵藤一誠様が関与した事件です」
部長は報告を終えて下がる。
事件に関してはコカビエルの真意は伏せている。
あくまでコカビエルは自分は犯罪者として、会談の礎となる事を望んで俺に殺されることを望んだ。
一応、部長はそのことをサーゼクスさんに報告しているが、サーゼクスさんもそのことを伏せるように指示したみたいだし。
そんで、普段は俺をあだ名で呼んでいる部長でも、一応サーゼクスさんやアザゼル、ミカエルと同格の立場となっている俺の呼び方は敬称を付けている。
後は政治的に町や事件を解決した功労者である人を呼び捨てやあだ名呼びはマズイという事もあるしな。
「さて。今回の事件の首謀者であるコカビエルの上にあたる堕天使総督殿の意見を聞きたい」
「それは事前に転送した資料に全て書いてあるだろ? あの事件はコカビエルが戦争に生きた者達に居場所を作るために起こしたモンだ。一応、当時の外交問題を考えてウチの白龍皇が処理をするように指示したが、その前にそこの龍騎士がやった。本当は生きて裁判にかけたかったけどな」
「なるほど。では龍騎士―――いや仮面ライダー龍騎殿。コカビエルに関してどうして生け捕りではなく殺しを実行したのか。貴方の意見を聞きたい」
ここで俺の出番が来るか。
俺は一呼吸おいて話し始めた。
新たなお気に入り登録や高評価、感想などお待ちしています!!