ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
既にお気に入りや高評価、感想をくれる皆様。
私のミスで起きてしまった誤字を報告してくださる皆様。
いつもありがとうございます!!
今回はちょっとしたホラー描写とヴァーリの強化内容が出ます。
【語り部SIDE】
「「「「「!?」」」」」
「松田さん!? 元浜さん!?」
ヴァーリが出した松田と元浜の首を見て、他の者が驚き、同じクラスメイトであるアーシアは名を叫ぶ。
イッセーとアーシアの様子を見て駒王学園に関わりのない者は、瞬時にイッセーとアーシアの友の様な関係だと察し、リアス達駒王学園関係者はイッセーとアーシアの友でありクラスメイトだと察した。
―――なんで、二人の首をヴァーリが持っているんだ?
―――なんで二人が殺されているんだ?
―――なんで、異形とは関係のない二人がこんなことになっているんだ?
イッセーはヴァーリが持ってきた親友二人の首を前に思考が一気に乱れた。
『君があまりにも俺や白龍皇を愚弄するのでね。君を俺を楽しませる余興として居てもらうために色々と調べさせてもらった』
ヴァーリは持ってきた松田と元浜の首を魔力で浮かしながら話を続けた。
『家族も交友関係も異形と全く関係のない普通過ぎる経歴。しかし、中学二年生から活動を始め数多の強者を屠り倒して来た。だが、そんな君はとても仲間思い出家族想いだと分かった。そして天を冠する二天龍である俺を愚弄した罪、そして異形に君の様な存在の正体が露見する最悪、そして君は赤龍帝との戦いの前に楽しませる余興としての自覚を教育させるために―――
「……」
ヴァーリの言葉にイッセーは何も様子を見せなくなった。
否、今のイッセーにヴァーリの言葉は届いている。
唯一イッセーに届いたヴァーリの言葉は「異形に君の様な存在の正体が露見する最悪」。
そう、イッセーは自身が今までやって来たヴィジランテ活動は表社会にとっては称賛されるが、裏の社会にとっては恨みを買って当然の所業。
だからこそ、イッセーはそういった恨みから家族や親友を守るべく半端な事はせずに発端からつながる脅威の全てを完全に倒している。
そして正体を隠す事をしてきたイッセーは両親や親友、人間社会での交友関係にある人たちを巻き込ませずに済んだ。
リアスに正体が判明した時に全力で警戒しなかったのも、彼女の人となりを知っていたからこそ。
それに悪魔の貴族に協力すれば両親や関係者を守ってくれるという安心があった。
しかし、それはリアス達の内で成せる安心。
ライザーとのレーティングゲーム、コカビエルとの戦いで正体を晒したが、既にグレモリー家の庇護下にある事や、サーゼクスや他の魔王の眷属が家族を守ってくれる事。
だからこそ、イッセーは増えた守るべき者達の為に正体を明かした戦う事を決めた。
しかし、ヴァーリ・ルシファーという存在が、自身への執着による最悪を見落としていた。
否、かつて史上最悪の犯罪者である浅倉威でもやらなかった他人を巻き込み戦う気にさせるという事を、ヴァーリでもしないだろうと思い込んでいた。
しかし、ヴァーリという存在は人間ではなく悪魔と人間のハーフでありドラゴンの力を持つもの。
人間は強い欲を持ち、悪魔はプライドが高く、ドラゴンは自分の思い通りにするならば周りがどうなろうと無関心。
それを考慮できなかったイッセーは、その存在たるヴァーリの身勝手により親友二人である松田と元浜を失った真実を目の当たりにした。
相手を見抜けず、適当にあしらった事でその相手に自分の大切な友たちを殺された。
今のイッセーは親友二人を殺したヴァーリへの怒りもそうだが、自分の浅はかさに絶望せず、そんな自分に対して怒っていた。
それと同時に、イッセーは過去にミラーワールド崩壊の際にミラーモンスターが現実に逃げるのを阻止する為に戦い続けた5年間の合間に知ってしまった記憶を呼び起こした。
それは最初のライダーバトルから神崎士郎がやり直した1000回にも及ぶ龍騎として戦った全ての記憶。
その記憶の中には、自分が身勝手に龍騎として行動しミラーモンスターや他の仮面ライダー達に両親や親友、クラスメイト、町の住人が殺される時が何度も起きた。
―――あの時こうしていれば助かったのでは?
―――あの時俺が抗しなければ両親やダチ達、平和に暮らしている人たちが死なずに済んだのでは?
―――俺があんなことをしなければ…蓮さんや手塚さんは死なずに済んだのでは?
―――俺のせいで死んだ…
―――俺の身勝手で関係のない人たちが死んだ…
―――俺のせいでダチが死んだ…
―――俺のせいだ…
―――俺のせいだ……
―――俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ
イッセーは松田と元浜が自分の言動によってヴァーリに殺さ、大切な人を失った時の自分のトラウマが永遠に想起され続ける。
そんな異様とも思えるイッセーの様子に、近くで彼の顔を見ていたアザゼルは驚きと同時に恐怖していた。
「(なんだ…ッ。龍騎士の様子に表情……どこまで絶望と後悔を体験すればここまで酷いことになるんだ……ッ)」
常人どころか異形でも発狂死するような負の感情に飲まれたイッセー様子に、アザゼルは絶句するしかなかった。
しかし、アザゼルの次にイッセーの近くにいるヴァーリはイッセーの異変に気づけなかった。
否―――今の有頂天となり人生経験が浅いヴァーリにはイッセーの絶望は感じ取ることができなかった。
それ故に最強と称される白龍皇は、イッセーの中にある本質を全力で呼び起こす事になる。
『動かなかくなるとは……。やはり噂は噂、所詮は友如き殺されて動揺する弱者。そうだな、今の君は戦える状態じゃない。だから君を戦わせる理由を思いついた』
ヴァーリの言葉にイッセーは無反応だった。
それを見たヴァーリは鎧越しにニヤリと笑みを浮かべ言い放った。
『今度は君の両親を殺そう! そして君は真の復讐者となってライバルがいない俺の人生に彩を加える最高の脇役となるんだ!
「ッ! ヴァーリ!! テメェ言っていいこととややって良いことのラインがあるだろうが!!」
『関係ない。俺は俺の楽しみの為に何でもするだけだ。これは畜生でも悪辣でもない。ドラゴンが己の目的を果たす崇高なる儀式だ』
「ヴァーリッ! 本当にそれで良いのか! 今のお前は、
『奴と俺は違う。あの醜悪を固めた存在は醜い悪意の衝動にかられて動いたのに対して、俺は自らの高みと崇高なる白龍皇として高みを目指すための行為。それにーーーこれは偽物さ』
「は?」
ヴァーリはイッセーに見せた松田と元浜の首に手をかざすと、2つの首は砂の山が崩れるように消えた。
『これでも常識は弁えている。この兵藤一誠の友2人の首は俺が精巧に作った偽物。血や肉は畜産施設にあったものを拝借して作ったんだ。見破られないか心配だったが、その様子だと彼の心をかなり動かせたから成功のようだ』
ヴァーリのラインを超えた言動にアザゼルは怒りと共に後悔した。
自分はとんでもない怪物―――世界の脅威を生み出しのにはなったのだろうと。
しかし、ヴァーリでも一線を超えずにいた事の安堵も感じていた。
アザゼルは友達は死んでないとイッセーに話しかけた。
しかしーーー
「……」
イッセーは無反応だった。
この時のアザゼルは嫌な予感ーーー正確には悪寒を感じ取り、イッセーを叩き起こそうとした。
しかし、
アザゼルとヴァーリがやり取りしている間にヴァーリから言われた両親を殺すという宣言。
ヴァーリが最初に見せた親友2人の本物と勘違いした偽の死体。
そして、両親を殺害する予告発言により、イッセーの本質を最悪で最恐な状態で叩き起こしてしまった。
―――ヴァーリが父さんと母さんを殺す?
―――自分が楽しむために?
―――俺を暇つぶしに使う為に?
―――嫌だ…
―――これ以上大切な人たちを失いたくない…
―――失うわけにはいかない…
―――どうする…?
―――そんなのわかりきっている…
―――
―――これ以上失わな為に…
―――守るために…奴を…ヴァーリを…滅ぼす…
―――護る為に滅ぼす
―――敵が生まれ変わっても手を出さないように
―――違う
―――生まれ変わりなど許さないほどに滅ぼす
―――
―――殺せ
―――殺セ
―――殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ
そして、龍騎たるイッセーは変身した。
理不尽に抗えない者達から護り戦う仮面ライダー龍騎ではない、もう一つの仮面ライダーへと。
それはかつて鏡の世界で生まれたイッセーの本質。
護る為ならば、害するあらゆる存在の全てを踏みにじり、永遠の後悔と絶望を与える漆黒に染まりし龍のライダーへと。
それに変身したイッセーの表情は、光すら呑み込む影で見えない。
ただ、見えるのは兵藤一誠の双眸であり、その瞳も静寂でありながら激し赤色に染まっていた。
そして、手に持っていた龍騎のカードデッキは黒炎が包み込み、龍騎のクレストは禍々しく漆黒に染まったドラゴンの紋章が刻まれた別のカードデッキへと変化した。
俯いていた面をあげて、ヴァーリを視界にとらえるイッセー。
『どうやらやる気になったようだな。まあ俺とどこまでやれるか見極め倒した後、君の両親は殺すのは変わりない。そうでなければ君は強くなれないからな』
「……」
ヴァーリの言葉にイッセー何も答えず、変化したカードデッキを正面に静かに構える。
イッセーの腰に漆黒に染まったVバックルが装着される。
そして、イッセーは構えることなく一言呟いた―――
「―――変身」
呟くと同時にイッセーはVバックルにカードデッキを装填。
龍騎の時と違い濁り暗い効果音と共に、変身後の黒い鏡像がイッセーに重なり変身を遂げた。
その姿は龍騎を黒く染め上げた姿。
頭部とカードデッキのクレストは禍々しいドラゴンへと変わり龍騎とは違う存在。
この世の呑み込む怒りと殺意に満ちた仮面ライダーの存在を―――
否―――仮面リュウガの変身の瞬間、この世界にいる全ての強者がリュウガが顕現した方角を向きある本能が起された。
この場にいる全ての存在。
悪魔の中でも最強たるサーゼクスにグレイフィア。
そして、最強の魔女の弟子であり最初で最後の聖剣鍛冶師であるアルトリア。
イッセーの契約ミラーモンスターであるレダ。
その者達も含めて、全員が本能でこう感じた。
―――怒らせてはいけない存在が憤怒に満ちた。
世界にいる全ての強者たる敵を理不尽に滅ぼし尽くす存在。
その姿の名は“仮面ライダーリュウガ”。
かつて神崎士郎がイッセーの本質から生み出した龍騎と対を成すネガライダー。
護る為ならば、敵の全てを滅ぼし、どんな惨酷で残忍な事でも躊躇いなく行う最凶の仮面ライダー。
その行動原理は怒り。
爆発する怒りではなく、鋭く洗練され静寂とも呼べる怒り。
そこにあるのは怒りの感情のみであり、慈悲も優しさも存在しない。
そんな仮面ライダーリュウガに身も心も変身したイッセーはゆっくりとヴァーリに向かって歩き出す。
『姿が多少違えど戦う気になってくれたようだな! さあ、お前の全力を!殺意を!最強たる白龍皇である俺に見せろ!』
禁手状態のヴァーリが周囲に術式を展開し、あらゆる系統の魔法や魔力の砲撃をイッセー ―――リュウガに放つ。
一発一発が上位レベルの上級悪魔を全力の防御込みで消し飛ばす威力。
そんな攻撃にリュウガは動揺を見せずに、ヴァーリに向かってゆっくりと歩みを続ける。
そして、ヴァーリの攻撃がリュウガに当たる寸前―――リュウガは左腕に装着されたガントレット形状の自身の召喚機である[ブラックドラグバイザー]に装填していたアドベントカードを発動させる。
≪CONFINE VENT≫
その瞬間、ヴァーリが放った攻撃の全てが一瞬で消滅した。
『何? 俺の攻撃が消えた? いや無効にされたのか?』
『……』
ヴァーリの問いにリュウガは何も答えず、対象に向かって歩き出す。
『何かをしたようだが面白い。魔法や術式の遠距離攻撃が通用しないのであれば接近戦と行こうか!』
ヴァーリは閃光の様な速さでリュウガに接近、そのまま拳の一撃を叩きこもうとするが―――
『……』
ヴァーリの拳はリュウガの必要最低限の動きでいなされると同時に、カウンターでヴァーリの腹部に膝蹴りを入れた。
『ゴハッ!?』
ヴァーリの禁手の鎧が薄い飴細工のように砕け、そのまま内臓や筋肉などを破壊。
そのままヴァーリは吐血しながら膝をついた。
『な、なんなんだ…ッ!? この一撃は…ッ。禁手状態の鎧は魔力による防御で勢力長級の一撃でも破壊しにくい強度まで上げているんだぞ…ッ!』
『……』
ヴァーリの驚愕にリュウガは無言で、その心境にある激しく冷たい怒りを向ける。
ヴァーリが膝をついた隙。
なのに、リュウガは何もしない。
否―――ヴァーリを徹底的に叩きのめし絶望と後悔の果てで殺す為に。
『クッ!』
ヴァーリはその場から移動し、戦いを楽しむ為に禍の団から入団祝いとしてもらったフェニックスの涙を使って治療した。
『これは想定外に強くなったぞ! アルビオン!!』
《歓喜している場合か!! 奴は明らかに異常だ!! 生前や歴代の白龍皇達は様々な恨みや怒りを売って来たが、奴の怒りはそれをはるかに上回る!! 何より先ほどの攻撃は天龍の一撃に匹敵するぞ!!》
『要するに、奴は怒りで天龍級の攻撃を放つことができるんだろう? だったら、禁手状態で相手をするよりも俺のとっておきを使うにふさわしいじゃないか!!』
アルビオンの警告にヴァーリは自分の全力をぶつけられる相手を見つけて聞いていなかった。
そんな様子にリュウガは再びヴァーリに向かって歩き出す。
『どうやら相手も歩いて近づくという事はそれを望んでいるようだ!! アルビオン! アレを使うぞ!!』
《…ッ。下手に相手をするのは危険だが、アレなら奴を圧倒出来るやもしれん。言っておくが出し惜しみは無しだぞ!》
『ああ―――まさか一撃で君は俺の全力を出す相手だと分からされるとは。お前を侮ったことを謝罪しよう!!』
『……』
ヴァーリがリュウガに戦いを盛り上げる為に謝罪をするが、行動は変えずにひたすら対象に向かって歩き出す。
『流石に反応なしはアレだが良いだろう!! 龍騎士、そしてアザゼル!! 見るが良い!! 歴代の白龍皇が成し得なかった覇龍を完全支配した俺の最強を!!』
ヴァーリは全身から勢力長クラス以上の魔力を放出しながら右手を天に掲げて唱える。
歴代白龍皇の全てを超えた最強に。
『《―――我、目覚めるは覇の理を支配せし真なる天龍なり》』
ヴァーリとアルビオンの声が重なり合いながら詠唱が続いていく。
『《無限と別し、夢幻を超越する》』
『《我、究極の覇道と真なる白龍の皇帝と至りて》』
『《汝を白き黎明と極銀の威光を魅せよう!!》』
《
唱え終えると同時に、ヴァーリの鎧姿が変貌。
龍のデザインを残しつつ、全身がより強大な力を持つ存在と知らしめる威圧的な姿へと変貌。
各所に魔王と龍の皇帝を思わせるかのような金色の装飾に輝く青い宝玉。
白龍皇の光翼も強化され、分離攻撃をしてきそうなユニットが計8基搭載されている。
サーゼクス、グレイフィア、旧校舎の外で行く末を見守るレダとアルトリア。
そして対峙しているリュウガ以外の全員が、今のヴァーリに驚愕し恐れを抱いていた。
ことアザゼルとミカエルに至っては、今のヴァーリは全盛期の白龍皇と変わらない力を持つと思わせる程に。
『[
「なんだ…あの姿は俺でも知らなかったぞ……ッ」
『ああ。教えなかったからな。これを習得するのに神器の中で禁手状態を禁じ、歴代全ての白龍皇と戦いを繰り広げた。そして至った―――覇龍を完全支配し全盛期のアルビオンのほぼすべての力を顕現させた究極の覇龍に』
ヴァーリが解放した力は強大。
サーゼクスとグレイフィアがリアス達の周りを強力な結界で守らなければ、ヴァーリが放っている力だけでリアス達やイリナ、ゼノヴィアまでも圧死するからだ。
まさに生前であり全盛期の白龍皇その者に匹敵する力を顕現させたヴァーリ。
アザゼルはそんなヴァーリに対して、ここまで成長した嬉しさ。
なにより黒い龍騎士たるリュウガを倒せると思ってしまった。
本来であればテロリストを倒すリュウガを応援し、ヴァーリを否定しなけれないけない立場。
しかし、アザゼルがヴァーリに対して抱き続けた息子愛ゆえにヴァーリを応援している。
そんな状況でもリュウガは動き一つ変えずにヴァーリへと歩みを続ける。
『反応は無しか…だが、この力を解放した俺に勝てるかな!』
先ほどよりも早いスピードでリュウガに接近。
アザゼルとミカエルでも反応できない速度で攻撃されるリュウガだが、再び装填していたアドベントカードをブラックドラグバイザーで読み込む。
≪ADVENT≫
それと同時に黒いドラグレッダーことリュウガの契約ミラーモンスターであるドラグブラッカーがリュウガの陰から出現すると同時にヴァーリに体当たりをする。
『ッ!? 俺がいる場所に龍を召喚だと!?』
《肉体のスペックは全盛期の俺と変わらないはずなのに、読めていたというのか!?》
ヴァーリは体当たり攻撃を空中で回転し衝撃と威力を逃がしながら浮遊。
そして、リュウガによって召喚されたドラグブラッカーはリュウガの周囲を囲うようにヴァーリを見た。
『まだ様子見か…。まるで俺達が挑戦者と言わんばかりだな』
《ヴァーリ。この形態の維持時間はまだ少ない。短期決戦で仕留めろ》
『言われずとも―――飛翔せよ![
ヴァーリが言い放つと同時に、背中の翼から八機の白い小型の白龍が縦横無尽に飛んでいきリュウガとドラグブラッカーを方囲。
『三次元からの全方囲砲撃だ―――喰らえ』
そして、白龍皇の八眷属による三次元オールレンジ攻撃がリュウガとドラグブラッカーを襲う。
一発が魔王を討つ威力を持った砲撃。
周囲の地面が一瞬にして消え去り、空間がいくつも崩壊して次元の間が見える。
そんな攻撃もリュウガとドラグブラッカーは最低限の動きで全てを回避。
地面がオールレンジ攻撃で消えてもリュウガは天駆で最低限の動きで三次元攻撃を回避。
『やはり避けるか…ならばこれならどうだ―――ディバイディング・リフレクター!!』
《
すると、ヴァーリが飛ばした[白龍皇の八眷属]全機が銀色の輝き、互いに打った砲撃をリュウガとドラグブラッカーに向けて反射しさらなる不規則な攻撃を仕掛けた。
『アルビオンが持つ能力は四つ。対象の力を半分にする[半減]、半減した力を自らの力に変える[吸収]、そしてあらゆる事象をカウンターさせる[反射]。もう一つは封印されアルビオンが使う事を嫌悪しているから発現できなかったがどうだ? オールレンジ攻撃に加えて、回避した攻撃が何度も反射されて襲ってくる恐怖は?』
『……』
ヴァーリの言葉など効かないと言わんばかりに攻撃を回避し続けるリュウガ。
ヴァーリが持てる手品は出し尽くしたようだと本能で察したリュウガ。
ここからは自分のターンだと言わんばかりにアドベントカードをドローして召喚機に読み込ませる。
≪CONFINE VENT≫
コンファインベントを発動したリュウガは自身を攻撃する白龍皇の八眷属を無効化。
『白龍皇の八眷属を先ほど見たく無効化だと!?』
《バカな…。聖書の神でさえ俺の攻撃を無効化できなかったぞ!》
ほぼ全盛期の白龍皇の力の一端である白龍皇の八眷属を簡単に無効化されたことに驚愕する二人。
リュウガはそんなことお構いなしに、一瞬でヴァーリの背後に移動。
肝心のヴァーリはリュウガの動きを捉える事ができず、消えたように見えていた。
そしてリュウガがヴァーリの背中を的確に蹴り飛ばす。
『ガハッ!?』
《この状態のヴァーリの鎧を砕くどころかダメージを与えるだと!?》
『……』
リュウガはお構いなしにヴァーリに格闘攻撃を与えていく。
一発一発がヴァーリにとって無視できないダメージ。
避けようにも、その先に別の攻撃が置かれるように繰り出され防戦一方。
覇龍を完全支配した鎧は全盛期の白龍皇の鱗や甲殻と同等の硬さを誇る。
そんな硬い鎧を一撃で破壊していくリュウガ。
今のヴァーリは半減の力で自身のダメージを半減させて反撃の機会をうかがう事だけ。
そして、リュウガにほんのわずかな隙が出来たのを確認しヴァーリはリュウガに触れる事に成功した。
『今、貴様に触れたぞ!! これで半減をお前に行使できる!!』
ヴァーリはリュウガに対して力の半減ではなく物理的な半減を使う。
『―――圧死しろ!!』
《
ヴァーリはなりふり構わずリュウガの全てを圧縮する能力を発動。
そして、リュウガは瞬時に消滅する―――はずだった。
『……』
『な…なんだと!?』
ヴァーリは確かに力をリュウガに行使したが、肝心のリュウガには何も起きなかった。
《私の力は絶対に効くはずだ!! なぜ奴に物理的半減が効いていない!!》
『まさか…奴に概念的攻撃は効かないという事―――ゴハッ!?』
ヴァーリが言い終える前にリュウガは、ヴァーリの目の前に移動しながら腹に拳を叩き込む。
『が…ァ! 何度もやられるか!!』
ヴァーリはリュウガの攻撃にダメージ半減を使って耐えきり、反撃と言わんばかりに鎧の籠手先から魔力で形成されたエネルギーサーベルを展開して斬りかかる。
だが、リュウガもその行動を予想していたかあらかじめアドベントカードを装填していたブラックドラグバイザーを起動する。
≪SWORD VENT≫
瞬時に黒いドラグセイバーを召喚して、エネルギーサーベルを展開している場所を斬り壊した。
『だったらゼロ距離砲撃はどうだ!!』
今度は両腰と両肩部からキャノンパーツを生成しそこから瞬時に一撃で勢力長クラスに致命傷を与える砲撃を放つヴァーリ。
≪GUARD VENT≫
しかし、そこも読まれていたかリュウガは黒いドラグシールドを召喚しキャノンパーツの銃口を抑え、ヴァーリのゼロ距離攻撃を暴発させた。
『ガッ!?』
自身の攻撃による暴発で自傷ダメージを喰らい吹き飛ぶヴァーリ。
しかし、バランスを取り直して立て地面に着地。
そして鎧を修復すると同時に再び白龍皇の八眷属を顕現させて、八機全てを砲撃特化形状に変形。
そして、ヴァーリの周囲に展開させ、ヴァーリも両手、両肩部、両腰部に二門ずつキャノンパーツを展開。
更に背中から二門のキャノンパーツに胸部中央にも一門のキャノンパーツを展開。
その全てのキャノンパーツにヴァーリの膨大な魔力が収束される。
『正真正銘俺が持つ最強の技。この攻撃は神すら滅ぼす最強の一撃となるだろう!!』
ヴァーリが力を溜める状況で、本来であれば急接近して連続攻撃を叩き込むのが定石。
しかし、リュウガはそれをせず再びアドベントカードを使う。
≪STRIKE VENT≫
今度は黒いドラグクローを召喚し右手に装着。
リュウガはその右手を構えると同時に、ドラグブラッカーは背後で口に黒と青の禍々しい炎をチャージする。
『正面からこの攻撃を相殺するか!! なめられたものだ!!』
《ああ―――ここで奴を討たねば天龍の恥! まだ見ぬドライグの所持者と最高の戦いをするためにも、我らを愚弄する奴を滅ぼすぞ、ヴァーリ!!》
『ああ―――こいつを滅ぼしさらなる高みへ行こうか、アルビオン!!』
そして、ヴァーリの攻撃準備が整ったかのように、ヴァーリは技名を叫ぶ。
『喰らうが良い。我が最強にして最終攻撃―――[
《
ヴァーリと白龍皇の八眷属から放たれる、神をも滅ぼす極大の魔力砲撃の一斉掃射。
そしてリュウガは―――
『………』
無言で黒と青い禍々しい[ドラグクローファイアー]をヴァーリの攻撃に対して放った。
一瞬だけ、リュウガとヴァーリの攻撃が拮抗。
そして―――
リュウガの禍々しい[ドラグクローファイアー]が、ヴァーリの[
一万字を超えたので、戦いの終わりは次回に!
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