ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》   作:ライダーマスク

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ヴァーリ戦という名の蹂躙劇が今回で終わりです。


Life15:略奪されし白龍皇

【語り部SIDE】

 

 

 

 

ヴァーリが発動した[極白銀の真天覇龍]で発動できる最も強い技である[白龍皇の滅神極咆撃]をファイナルベントではなくストライクベントのドラグクロー・ファイアーで消し飛ばしたリュウガ。

 

そんな光景をサーゼクス達とは違う場所で見守っているレダとアルトリア。

 

「いくら覇龍を制御し身体能力を全盛期のアルビオンにしてもリュウガには勝てないか…」

 

「たりめーだろ。リュウガは龍騎のあらゆるスペックを超えている。それに龍騎のイッセーは多少なり手心や容赦があるが、リュウガの時のイッセーは容赦も慈悲も無ぇからな」

 

「リュウガ。イッセーが持つ本質。大切な存在を害し、自分の敵である全てを必要以上に破壊、殺し尽す存在…。初めて見たのはオーロラと取り巻きの妖精を殺している時だったよね…」

 

「あのゴミカス共か。特にあのオーロラって奴は本当に最悪な存在だったな」

 

「うん。彼女は人間ほどではないけど自己愛の権化だからね。それでも持っている美貌やカリスマで無自覚に自分より優れた全てを葬る。それが、イッセーの両親に向けられた時に―――」

 

「ああ―――奴はリュウガに変身した。そして、オーロラの全てを踏みにじり破壊し、奴を絶望と後悔の極致まで追い詰めながら殺した」

 

「敵を倒す事においては理にかなっている。でも、イッセーは…」

 

「あいつはそういう事をするのを嫌っている。だが、それも自分だと受け入れている。アイツは常に矛盾を抱えて生きている」

 

「その矛盾はイッセーが抱える治療できないサバイバーギルトから生まれた。誰かが守るために罪を背負うなら自分が代わりに背負い、自分の守る戦いで護れないなら自分の本質をさらけ出して戦う…。いつ見ても悲しいね」

 

「それがアイツが選んだ道だ。そして、奴が衝動的に一線を超えないように―――平和を捨てないようにオレやお前、魔女や吸血鬼女、白龍、巨狗がいるんだろうが」

 

「うん。まだ見ても大丈夫だけど、命を奪おうとしたら全力で止めるよ―――ドラグレッダー」

 

「テメェに指図されるまでもねぇよ。杖を解放しておけよ?」

 

レダはそう言いながら、自身の身体を無双龍ドラグレッダーの姿へと戻る。

 

「わかってる。万が一の為に力を貸してね―――星護の極聖刃槍杖(エクスミニアド)

 

アルトリアも持っている杖に呼びかけると、呼応するように姿を変えた。

 

その姿は西洋の両刃剣、ランスが融合し複合機能を持った長杖形状の武具。

白を基調としており、豪華でありながらも威厳を感じる金装飾に、杖の先や刃は銀河のような色をしており、各所にはめられた宝玉も同じような色と光を放っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わりリュウガとヴァーリが戦いを繰り広げていた場所。

 

『な…なんなん…だ……あの攻撃を……ただの龍のブレスに…負ける…なんて…ゴハッ!?』

 

ヴァーリは[極白銀の真天覇龍]を辛うじて維持しながらも、全身から血を流し全身の骨に重度の亀裂、一部の骨に至っては骨折し内臓もいくつか損傷し満身創痍。

 

それを証明するかのように大量に吐血した。

 

そんなヴァーリとは対象に天駆で階段を降りるようにヴァーリの元に向かうリュウガ。

 

ドラグブラッカーも追従するようにヴァーリに迫っていく。

 

『最後の一本だが……使うしかない…ッ』

 

ヴァーリは持っていた最後のフェニックスの涙を使用して傷を回復した。

 

『本当はインドラと戦う時の保険だったが……ここでやられるわけにはいかない…ッ!』

 

ヴァーリは残った力で覇龍状態を回復しながら立ち上がった。

 

《ヴァーリ。そろそろこの形態の維持が出来なくなる。技も使えば即解除されて動けなくなる》

 

『わかっている…ッ! 肉弾戦で奴を倒す!!』

 

リュウガが地上に降り立ったと同時にヴァーリが殴りかかる。

 

しかし、リュウガは一切動く様子も構える様子も見せない。

 

『避ける必要が無いとでもいうのか!! この俺を―――ヴァーリ・ルシファーを舐めるな!!』

 

ヴァーリがそう言い放ちながらリュウガに拳を繰り出した瞬間。

 

リュウガの前に、リュウガのライダーズクレストを模した鏡が出現。

 

その鏡はヴァーリの拳で砕け、攻撃の威力を相殺した。

 

『防御にしては脆いぞ!!』

 

リュウガが展開した防御が一撃で壊れた事により、リュウガが消耗していると勘違いし、追撃と言わんばかりにリュウガに接近。

 

再び格闘攻撃を仕掛けようとした瞬間、再びリュウガのライダーズクレストを模した鏡が出現し、今度は先ほど攻撃したヴァーリの姿が映し出され―――

 

『なにが―――ゴハァッ!?』

 

映しだされたヴァーリの拳が出現し、接近してきたヴァーリの胸部を殴りつけた。

 

『な、なにが起きた…ッ!? 俺が現れて攻撃してきただと!?』

 

《これは我が力の反射!? いや、奴に与えた攻撃全ての事象の再現なのか!?》

 

『……』

 

混乱するヴァーリとアルビオンの様子に、リュウガは態度を変えずゆっくりとヴァーリに迫る。

 

『クッ!? ならばこれならどうだ!』

 

ヴァーリが右手の籠手部分をキャノン砲形状に変形、そこから魔力の砲撃をリュウガに放つ。

 

しかし、ヴァーリが接近戦をしたように砲撃の目の前にリュウガのライダーズクレストを模した鏡が出現。

 

そのまま砲撃と相殺するように砕けると同時に再構成を始め、その鏡からヴァーリが出現し砲撃をヴァーリに向けて放った。

 

『これもか!?』

 

《逃げろヴァーリ!! それを喰らえば致命傷は免れん!》

 

『わかっている!』

 

ヴァーリは悪魔の翼を広げて上空に退避、そしてリュウガが放ったカウンターがヴァーリがいた場所を消し飛ばした。

 

『どういうことだ…ッ。明らかに白龍皇が持っていた反射そのもの…いや、受けた攻撃を完全再現してカウンター攻撃をしている…ッ』

 

《わからん…ッ。少なくとも奴はこの世界の理を超えた力を行使している…ッ。こんな常識はずれな事をできるのはグレートレッドやオーフィス位だぞ!!》

 

『このまま奴にやられっぱなしなのは癪だが、どうやら俺は盛大に勘違いをしていたようだ―――奴は既に俺なぞ及ばない領域に居た…ッ』

 

ヴァーリは自分自身の傲慢さを漸く理解し、後悔し始めた。

 

自分は起こしてはいけない怪物を起こした―――否、その怪物の触れてはいけないモノを踏みにじり激怒させた。

 

今の自分であれば神をも滅ぼせるという自信、既に歴代の白龍皇を超えた自分に敵う者など一部の存在だけ。

 

こんな極東の半田舎町で暮らしている、噂だけの存在である龍騎士に負けるはずがない。

 

むしろ、赤龍帝と戦う前の前哨戦を楽しめる程度の相手だと驕っていた。

 

だが、その驕りはこの戦いで砕け散り、目の前の存在は真龍と龍神、界龍にも引けを取らない相手であると認識し、恐怖した。

 

しかし、ヴァーリがそれに気づくには遅すぎた。

 

既に漆黒の龍騎士の牙は白龍と魔王の血を貪るように喰らおうとしていた―――

 

『……』

 

リュウガはその場から高速移動をしてヴァーリの背後に回る。

 

ヴァーリは目の前の敵が消えた事に気づいていない。

 

そして、リュウガはヴァーリが羽ばたかせていた10枚の悪魔の翼を両手で鷲ずかみにした。

 

『…ッ!? いつの間に―――』

 

ヴァーリは翼を触られてようやく気付いたが、時すでに遅し。

 

リュウガはそのまま右足でヴァーリの背中を踏みつけ―――無理やり悪魔の翼を全て引きちぎった。

 

『ガァァァァァッ!!?』

 

翼を無理やり引きちぎられた事で苦悶の表情と絶叫を上げるヴァーリ。

 

そのまま踏みつけられた右足で地面に落とされ、数回地面をバウンドして近くの校舎に激突した。

 

ヴァーリは何とか態勢を立て直そうとするが、リュウガによるカウンターと翼と先ほどの攻撃でフェニックスの涙で回復していたダメージが戻っていた。

 

そんなヴァーリの傍に降り立つリュウガ。

 

『ゴハ…ッ…なんだ…ッ。俺の力が……全盛期の白龍皇のほぼ全ての力を扱え、覇龍すら掌握した俺が…ガハッ!?』

 

満身創痍のヴァーリの腹を無言で蹴り飛ばすリュウガ。

 

蹴り飛ばした先のヴァーリをそのまま追うように歩きながら近づく。

 

『ガハッ……何故だ…何故お前が反射を使える…ッ!』

 

『……』

 

《それに半減も吸収もなぜ効かない!? 二天龍の力が通用しない相手は、真龍、龍神、界龍、そして我が永遠なる好敵手(ライバル)であるドライグだけだ!!》

 

ヴァーリとアルビオンの問いにリュウガは何も答えずゆっくりと迫る。

 

リュウガのクラッシャー越しの吊り上がった赤いツインアイはヴァーリとアルビオンに静かな怒りを向け続ける。

 

コイツを殺さなければ…徹底的に奴の全てを破壊、踏みにじって、絶望と恐怖の底に沈めて永遠に後悔させて殺さなければ、両親や仲間が死ぬ。

 

もう、一緒にバカをした親友はいない。

 

俺のせいで死んだ。

ヴァーリが殺した。

 

やはり俺には、平和な生活は出来なかったんだ。

 

そんな黒く悲し気な想いをしながら、自身と親友を殺した相手と認識したヴァーリに怒りを燃やし続ける。

 

そんな様子に、リアス達はイッセーを応援する事は出来ず、ただ恐怖していた。

 

自分たちが知るイッセーとははるかにかけ離れた存在。

 

勇ましく優しかった仮面ライダー龍騎であるイッセーは漆黒に染まり、容赦も慈悲も無い護る為の殺戮者へと変身した。

 

そして、ミカエルとアザゼルもリアス達と同じような感想を抱いていた。

 

これほどまでの憎しみと憎悪を見たことが無いと驚愕するミカエル。

 

今まで観測した二天龍の覇龍以上の負の感情を感じるアザゼル。

 

サーゼクスはかつてイッセーが話した黒い自身の正体を知り、その根源に至るまでの過程を想像しきれずにいた。

 

グレイフィアは、ライザーをあの場で確り止めておいたことへの英断を感じていた。

 

そして、レダとアルトリアは白龍皇には哀れみを抱きつつ、イッセーが一線を超えないようにいつでも介入できるように見守っていた。

 

『……』

 

周りがそれぞれの反応を示す中、リュウガは怒りの中でかつて試そうと思っていたあるアドベントカード―――[SEPARATION VENT]を思い出した。

 

 

―――例えば、自分の快楽の為に元居た組織を裏切って、自由に活動できるテロ組織に所属するバカとか。

 

 

リュウガはその記憶を躊躇いなくヴァーリで試す事を実行する事に決め、カードデッキからアドベントカード―――[SEPARATION VENT]をドロー。

 

そのままブラックドラグバイザーに装填する。

 

《また、厄介な力が来るぞ!!》

 

『させるか!!』

 

ヴァーリはリュウガのベントインを阻止しようと、接近する。

 

しかし、ヴァーリがベントインを阻止するよりも早くリュウガのベントインが実行された。

 

≪SEPARATION VENT≫

 

[SEPARATION VENT]が発動、その瞬間―――

 

「―――な…ッ」

 

ヴァーリの極白銀の真天覇龍が強制解除され、ヴァーリは力が抜ける感覚に陥りながら、リュウガの目の前で転倒した。

 

「俺の覇龍が解除されただと!? [白龍皇の八眷属]を無効化された時と同じか…ッ。だが―――禁手化(バランスブレイク)!!」

 

ヴァーリは身を護るために禁手状態に移行しようとするが反応がない。

 

「なぜだ…消耗したとはいえ、禁手状態になれるだけの魔力は残っている…ッ! アルビオン!!」

 

ヴァーリは神器の中にいるアルビオンに話しかけるが、背中に展開されている[白龍皇の光翼]は反応しなかった。

 

「アルビオン!! 返事をしろ!! なぜ俺の声に答えない!! アルビオン!! アルビオン!!」

 

ヴァーリが何度も声をかけてもアルビオンは応えなかった。

 

そして―――ヴァーリが背中に展開していた[白龍皇の光翼]が光の粒子となって消え始めた。

 

「俺の[白龍皇の光翼]が消えていく…ッ!? いや、俺の中にある神器そのものが消えて行っているだと!?」

 

在り得ない現象に驚く事しか出来ないヴァーリ。

 

ヴァーリから消えゆく[白龍皇の光翼]は、霧散していく粒子がリュウガの左腕に収束していく。

 

ヴァーリがようやく気付いたが、その時にはリュウガの手元に手のひらサイズとなった[白龍皇の光翼]があった。

 

「まさか…俺から神器を……[白龍皇の光翼]を奪ったのか!?」

 

再び在り得ない現象に驚くヴァーリだが、リュウガは気にせずもう一枚のアドベントカード[SEALED VENT]をドローしブラックドラグバイザーに装填する。

 

≪SEALED VENT≫

 

そして、リュウガの手元にあった[白龍皇の光翼]が五枚のアドベントカードに変換される。

 

四枚の絵柄には白龍皇の光翼とそれに応じた能力名が記載されていた。

 

DIVIDE VENT(ディバイドベント)][ABSORB VENT(アブソーブベント)][REFLECT VENT(リフレクトベント)][VENOM VENT(ヴェノムベント)]。

 

最後の一枚には白龍皇アルビオンの全盛期の姿が記された[ADVENT]のカード。

 

能力は分散しているが、イッセーが創りだしたライダーシステムを応用した神器分離システムは対象者を殺さずに成功した。

 

リュウガは[SEPARATION VENT]と[SEALED VENT]で生成したカードをバックルのデッキに仕舞った。

 

それを見たヴァーリは勝てない相手だと分かっているのに、リュウガに向かって走り出し殴った。

 

「返せ!! 俺の力と相棒を!! 返せ!!」

 

ヴァーリはそうリュウガに言いながら殴り蹴り、魔力による砲撃をぶつける。

 

しかし、リュウガは効かないと言わんばかりに平然としていた。

 

ヴァーリは共に激戦を潜り抜けた相棒を失った喪失感。

そして、それを取り戻してアルビオンを救わなければ。

 

その思いで満身創痍の身体を必死に動かし、リュウガを倒して奪われた力を取り戻そうとした。

 

皮肉にも、偽りとはいえ目の前でリュウガの親友を奪ったヴァーリが、今度は自分の力であり相棒であるアルビオンを奪われた。

 

「返せ!!返せぇ!!返せェェェェェェェェ!!!!」

 

ヴァーリは涙を流し力を失った恐怖に駆られながら、勝てない相手であるリュウガを無我夢中で殴りつける。

 

この場面だけ切り取れば、リュウガが悪役でヴァーリが相棒を奪われた物語の主人公に見える。

 

しかし、ヴァーリが相棒を奪われたのはリュウガ―――イッセーから嘘とはいえ親友を奪った罰に過ぎない。

 

神器を奪われた者が生きている光景自体がイレギュラーであるが、この戦いを見ていた全員がそれよりも、今のリュウガとヴァーリの光景を見ていた。

 

もはやヴァーリが今まで培ってきた力、尊厳、自身、プライド。

彼が持っていた戦いに関する全ての尊厳をリュウガは奪い破壊した。

 

もはや、ヴァーリを生かしておく必要は無い。

 

『……』

 

そう感じたリュウガはヴァーリを裏拳で殴り飛ばした。

 

「ガハッ!?」

 

そして、リュウガはデッキからアドベントカード[FINAL VENT]をドロー。

 

そのままブラックドラグバイザーに装填しかけた瞬間―――

 

『そこまでだぜ―――相棒(イッセー)

 

ドラグレッダーの姿に戻ったレダがリュウガを拘束。

 

そして―――

 

『イッセー、これ以上はいけません ―――星護の極聖刃槍杖(エクスミニアド)最果ての輝槍(モード・ロンゴミニアド)

 

姿が大人びて獅子を模した鎧を着たアルトリアの、展開しランス形状に変形した長杖武具である[星護の極聖刃槍杖(エクスミニアド)]による一撃がリュウガを貫いた。

 

『……」

 

攻撃を受けたリュウガは変身が解除。

 

そこから姿を現したイッセーは、変身時までずっと血涙を流していた姿を見せて倒れた。




次回が四章最終回になります。

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