ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
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私のミスで起きてしまった誤字を報告してくださる皆様。
いつもありがとうございます!!
【語り部SIDE】
何時もの姿から大人の様な姿に獅子の模した鎧を着たアルトリア。
彼女の腕には虚ろな目で血涙を流し続けるリュウガから変身が解けたイッセー。
「あ、貴女は…アルトリアなの?」
姿が前よりも変わったことに驚いたリアスがアルトリアに声かけた。
そんな様子を見たアルトリアは、いつの間にか連れていた鎧を着た白馬にイッセーを乗せながら答え始める。
「リアス殿…ではなかった…先輩。アルトリアで合っていますよ。この杖の槍の力を解放すると強制的にこの姿になって性格も多少変わってしまっていますが」
アルトリアは巨大で豪華な装飾と洗練されたデザインのランスの先を地面に突き立てる。
「そ、そうなの…。でも、なんでイッセーを刺したの? 死んではいないようだけれど…」
「ええ。あくまで変身解除に必要な最低限の攻撃を不意打ちで与えただけです。ダメージは多少ありますがイッセーならば大丈夫でしょう。そして、刺した理由はイッセーからの願いです」
「どういう事?」
「イッセーは衝動的な怒りや復讐での殺しをすることを自ら禁じています。ですが、イッセーの中にある受け入れた本質はそれ容易く行ってしまう。だからこそ、私とレダでそこの白龍皇―――いえ、元白龍皇に止めを刺す前に止めたという事です」
「ああ。イッセーは復讐は否定しないし他人が復讐の末に復讐相手を殺す事に異議はない。だが、自分の場合は自ら復讐の連鎖を生まない為に禁じているんだ。まあ、何度か止める事が出来なかったけどな」
妖精國でのオーロラという妖精に関しては、実質リュウガで殺している。
その時のイッセーの精神状態や、のちにオーロラを殺した際にその妖精を愛した妖精達から向けられた復讐。
その果てと全てを滅ぼさなければ終わらない因果を知り破滅しかない未来。
それを知ったイッセーは自ら衝動的な怒りと復讐心で殺すことを禁じた。
「とりあえず、そこの元白龍皇を捕まえておけ。今はイッセーの最後の攻撃で意識を失っているが、いつ意識を取り戻して暴れられたら面倒だしよ」
「レダの言う通りです。アザゼル、彼を育てながらテロ組織に加担させた責任を取ってください」
「…色々と問い詰めてぇ事があるが、今はそんな場合じゃないな」
アザゼルが堕天使式の術式でヴァーリを拘束しようとした瞬間―――
「―――そうは問屋がおらさねぇってな!!」
意識を失い重傷状態のヴァーリを、金色の雲に乗った何者かが連れ去った。
「誰!?」
リアスが問いかけると同時に、ヴァーリを連れ去った者の動きを追えていた、レダ、アルトリア、サーゼクス、グレイフィアが上空を見た。
そこにいたのは三国志と中国の伝承などに登場する鎧を着た男が左腕にヴァーリを、右手に質素ながらも濃密なオーラを放つ棍棒を持って、彼らを見下ろしていた。
そして、その男の姿にアザゼルは見覚えがあった。
「まさか、お前まで禍の団入りをしているって事か―――“
「美猴? アザゼル、彼は一体?」
アザゼルにそう聞くミカエル。
「奴は
「「「「「!?」」」」」
アザゼルの紹介に驚く面々。
それもそのはずで、闘戦勝仏とは中国四大奇書に数えられる西遊記の登場人物―――石から生まれた猿の妖怪であり、この世界でも習得難易度がけた違いに高い仙術を習得し、神通力を持つ者。
その末裔―――血縁者となる。
「なるほど。お前まで禍の団入りしているとはな。須弥山が知っているかどうかはわからんが、クソ猿―――初代孫悟空が知ったらヤバいぜ?」
「俺っちは初代と違って自由気ままに生きるんだぜぃ。それに初代が怖くて禍の団に入れるかってんだい」
「孫悟空の血縁者までもが、テロ組織に加担なんて……ッ」
リアスを含めたこの場で戦う資格すらない者たちが戦慄する。
「自由ってのはそういうもんだぜぃ。ていうか、そろそろアース神族とやり合うのにヴァーリがここまでボロボロになるとは―――噂の龍騎士も相当ヴァーリにやられたみたいだがな」
美猴がアルトリアが連れた馬に乗せられているのと、血涙を流しているイッセーの状況を見てそう誤認している。
このことから美猴はついさっきこの場に現れた。三大勢力の代表たちと、レダ、アルトリア、グレイフィアが判断した。
「うひょ~三大勢力の格最強クラスにモルガンの弟子であり最初で最後の聖剣鍛冶師、それに天龍クラスのドラゴンとはな。相手をしたいが分が悪いな……ここは撤退といきますか!」
美猴が転移でヴァーリを連れて撤退。
迎撃を考えたが、万が一初代孫悟空を相手にする覚悟で禍の団入りした美猴の仙術で暴れられた際のリスクを考え、その場の全員が見逃した。
そして、残っていた禍の団の残党はリアス達が戦闘し、捕まった者や戦闘の末に死んだものも居た。
だが、これにて禍の団の襲撃は終息を告げた。
しかし、リアス達の心にはリュウガに変身したイッセーに対する畏れが残った。
【語り部SIDE OUT】
◇
【イッセーSIDE】
「う……」
腹部に強烈な痛みと、頬には血の涙が流れた後を感じる。
俺はその状態だけで、何がどうなったかを全て察した。
眼を開けると同時に、生物の感触が全身に伝わる。
よく見れば、アルトリアの愛馬である“ドゥン・スタリオン”だった。
「目覚めたようですね、イッセー」
「みたいだな」
俺が意識を取り戻したのを感づいた、レダと槍を使う時のアルトリアが肩を貸してくれた。
「また、俺はリュウガになったんだな…」
「ああ」
「はい。ですが、殺させてはいません」
「そうか…悪いな」
「そんなこというな。これもお前がオレたちに願った事だろうが」
「はい。リュウガになったイッセーが衝動的に殺す前に止める。それが私やレダ、師匠たちに最初にお願いした事ですから」
そう笑みを返すレダとアルトリア。
いくらダチを殺した相手でも、根本的な原因は俺が正体を明かした事だ。
そして、両親が悪魔に守られている事を考えすぎて松田と元浜の事を失念していた俺自身の過失。
それにリュウガで敵を殺すのは俺の在り方に反する。
衝動的な怒りでもなく、恨みでも悲しみでもなく、俺が俺として―――龍騎として敵を殺す覚悟と意思以外で、俺は敵の命を奪う事はしちゃいけない。
俺は仲間のお陰でそれを守れた。
守れた……いや…俺は結局……ダチを…見捨てて……ッ。
松田と元浜を……巻き込んで……ッ。
俺は涙を流した。
アイツらとは中学の頃からの長い付き合いだった。
何時もバカやる時も、遊ぶ時も、怒られる時も、何かするときも一緒だった。
俺が仮面ライダー龍騎として居られてのも、まだ、普通の学生として居られてのもアイツらがいたおかげだった…。
だけど、もういない。
俺が部長達の為や両親の為に正体を明かしたせいで。
たいせつな親友だったのに、俺は二人を巻き込んで殺したんだ……ッ。
結局、俺はライダーバトルでの過ちを繰り返しっちまった…ッ!!
「松田…元浜……ッ」
俺がそう言葉に漏らすと、レダとアルトリアが抱き寄せて来た。
「イッセー。大丈夫だ。あの二人は死んじゃいねぇよ」
「どういう…ことだ?」
「あの元白龍皇が持ってきた松田と元浜の首は精巧に作った偽物です。二人は生きていますよ」
「ほんとう…なのか?」
俺が二人にそう聞くと、サーゼクスさんとグレイフィアさんが来ていた。
「イッセー君。君の友達ならこちらで確認が取れた。家族も全員無事だ」
「はい。駒王学園関係者やイッセー様の親戚全て全員無事です」
そう言いながら、グレイフィアさんが魔力である映像を投影してくれた。
そこには、アホそうだが幸せそうに寝ている松田と元浜の二人。
本当に無事だったんだな…ッ。
「良かったぁ…本当に良かったぁ」
2人が無事。
その事実だけでリュウガに変身した疲れが吹き飛んだ。
流していた涙がうれし涙に変わるように。
それから、会談は校舎が崩壊したことで外で簡易的な椅子と机が用意されて続きが行われた。
聖書に記された三大異形勢力である[悪魔][天使][堕天使]の和平同盟が正式に締結された。
そして、禍の団襲撃による事後処理が会談の護衛として参加していた三大勢力の兵士達が行われる中。俺に関しての話になった。
「お疲れ様―――といっていいのか分からないが、此度の会談において裏切った白龍皇…いや、元白龍皇と言った方が良いかな?」
「元白龍皇? どういうことですか?」
「もしかして記憶が無いのかい?」
「実はあの姿に変身すると何と言いますか、
「つまり暴走なのかい?」
「いえ…あくまで敵と認識した者しか攻撃しません」
「そうなると敵を殺せば…」
「自動的に変身が解除されます。それで、ヴァーリが元白龍皇というのは?」
「実は―――」
俺はサーゼクスさんから、リュウガとしての俺とヴァーリとの戦いをざっくりと聞かされた。
どうやら、リュウガは俺がいずれ試そうと思っていた[SEPARATION VENT]と[SEALED VENT]を使ったらしい。
まあ、俺が考えていた試験使用に値する奴に該当していたから問題ない。
そして、龍騎のカードデッキを確認してみると
[
この四枚は[白龍皇の光翼]の絵柄に、各能力に対応したエフェクトが描かれている。
最後の五枚目である[ADVENT]には、アルトリアに異形に関する勉強で見せてもらった生前の白龍皇アルビオン・グウィバーが描かれている。
まさか、アドベントカードとして顕現して、能力を分割しての封印とはな。
これは俺としても予想外だ。
俺がそう考えているとアザゼルが話しかけてきた。
「さて、神器オタクと神器研究の権威としてはお前さんが使った神器分離について色々と聞きたいところだがまずは―――申し訳なかった。ウチのヴァーリがあそこまでハメを外すと予想できず、貴方に親友の死を味合わせる最悪な事をしてしまった。そして、ちゃんと育てきれなかった。本当に申し訳ない」
アザゼルが今まで見たことが無いくらい、真剣な表情で俺に頭を下げた。
会談の時の悪びれない謝罪ではなく、組織の長として所属していたヴァーリのやらかしに対する謝罪。
そして、ヴァーリの親としての責任からの真っ当な謝罪だ。
正直なところ[SEPARATION VENT]と[SEALED VENT]について問い詰められると思ったけど、流石のアザゼルもそうはいかなかったって事だろう。
なるほど…やるべきところは確りとやる。
こういうところがアザゼルが総督という堕天使をまとめ上げる立場に居るのがわかる。
「まずは我々からの責任の取り方として、グリゴリからも貴方の両親や親友、その他全てに関してあの馬鹿が抜かしたことが無いように俺の全てを以って手を尽くす事を[
俺の前で胸に手を当てながら跪くアザゼル。
これが最悪の裏切り者を出し、その裏切り者の父親としての今できる最大のケジメなんだろうな。
それに、一勢力の頂点が異形世界でヴィジランテ活動をしている存在に頭を下げる意味。
それを理解した上での行為。
おそらく、ヴァーリを殺さずにいてくれた事も含まれているのだろう。
まあ、止めたのはレダとアルトリアだけど。
とりあえず俺が言える事は―――
「その誓いちゃんと受け取った。そして賠償に関してはもう一つ―――アンタの持てる全てでリアス部長達を強くすること。もう一つは俺が目指している誰でも扱える安全に神器所持者から神器を分離する方法を作る事に全力で協力する事。これも加えさせてくれ」
「「「「「!?」」」」」
俺の提案を聞いた部長達は驚き、アルトリアは何処か納得した様子を見せていた。
あのヴァーリをあそこまで―――少なくともリュウガ相手にある程度粘れるまで強くしたのはアザゼルの指導力だと思っている。
この先[旧魔王派]や[英雄派]が所属する[禍の団]がいる以上、双方にとってリアス部長達は格好の標的だ。
[旧魔王派]は現魔王サーゼクスさんの実妹として、[英雄派]は悪魔―――しかも魔王の妹という人間にとっての脅威を排除する為。
そういった理由で襲ってくる。
俺とアルトリアの修業もいいけど、俺達は独自な力を伸ばしているしそれぞれの目的もある。
そこで、アザゼルをリアス部長達の修業指南役に来てもらい俺とアルトリアの時間を作る。
そして、俺が目指している誰でも扱える安全に神器所持者から神器を分離する方法にアザゼルの神器研究資料や知識があれば近づける。
この考えは部長達はわからないけど、アザゼルやサーゼクスさん、グレイフィアさん、ミカエルも察せるはずだ。
「わかった。それにも全力を尽くすと誓おう」
「ありがとう」
これで俺に関しての話は終わり。
サーゼクスさんとグレイフィアさん、アザゼルもこれといって用は無くなった雰囲気。
だが、アルトリアとミカエルに関しては―――
「お久しぶりです。アルトリア殿」
「……貴方から声をかけてくるのは久しぶりですね。ミカエル」
非常にギスギスしていた。
これに関しては教会と天界がアルトリアの約束を無下にし続けたから擁護の仕様も無い。
まあ、ミカエルを擁護する気も無いけどね。
「はい。改めて貴方との約束をたがえてしまった事への謝罪を―――」
「いりません。既にその謝罪は最初に約束を破った際に聞き飽きる程の言い訳と形だけの謝罪で誠意無しと判断しましたから。それに聖剣計画にそれを応用した聖剣適合を歪める行為。ですので―――[
「ッ!? それは、難しいです。あれは七つに別れたエクスカリバー最後の一振りです。それを手放せば我々の戦力が―――」
「私にとってはどうでもいい事です。それにこれはお願いではありません―――
アルトリアは[
天使の兵隊がミカエルを守ろうと集まるが、アルトリアから放たれる気迫に押されて動けなくなっている。
「どうにか…我々に挽回のチャンスを貰うことは出来ませんか?」
「既にそれができる領域は過ぎていると申し上げたはずです。それにエクスカリバーを失って戦力が揺らぐ勢力など有っても無くても同然。それこそ、私に頼り続けた怠慢という罪だと受け入れなさい」
「……わかりました。一週間以内に[祝福の聖剣]を返還することを約束しましょう」
「今度こそ、約束をたがえない様にしてください。それと、人類の守護者を称するのであれば聖剣計画のような人道に反した事は止めておくことです」
「謹んで承りました」
ま、約束を破り続けて聖剣計画まで知られた以上はどうすることも出来ないだろう。
今回の会談で三大勢力はそれぞれ和平を結ぶことになったが、それと同時にダメージを負った。
悪魔は初代魔王の血筋の生き残りがテロ組織の大きな派閥と化し。
堕天使は所属していた元神滅具所持者が、あほな理由で禍の団入り。
天界・教会はアルトリアから正式な絶縁状にくわえて、所持していた最後のエクスカリバーである[祝福の聖剣]を失う。
今回の一件で三大勢力は大きく外交的な立場の弱体化を余儀なくされた。
だけど、ここから挽回できるだけのポテンシャルも三大勢力は持っている。
俺は悪魔に協力しているが、あくまで試行システムのテスター。
政治に関しては第三者として見届けるつもりだ。
それから、三大勢力同士で会談の締めくくりが行われた。
「さて、俺達三大勢力はこの会談で色々と軽くない痛手を負う事になった。それにこの会談による和平に納得できない配下もでるだろうな」
「ええ。特に我々天界・教会はそれが顕著に表れるでしょう。ですが、脅威が明確化した以上は団結し、長年の憎み合いから変わっていかなければいけません」
「ああ。正直なところ戦争での決着よりも困難な道だがそれはお互いに頑張っていくしかないな。それに[禍の団]への対策は今後の重点課題として連携をとって話し合おう」
サーゼクス様の言葉に、アザゼル、ミカエルが頷いた。
「あ、ミカエル。今回の会談や[禍の団]に関して他の神話や異形勢力への説明は頼むな。下手にオーディン率いる北欧神話や帝釈天率いる須弥山、インド神話の奴等に動かれるのはマズイからな」
「ええ。堕天使の総督と悪魔の魔王が説明しても体裁的に説得力が欠けますからね。何より外交的なダメージが少ない我々がやるべきことでしょうし、神に呈しての報告は慣れていますから」
「ああ。さてと、集まれお前ら!」
アザゼルは率いてきて堕天使の兵士たちを集め、ある宣言を言い放つ。
「俺は[神の子を見張る者]総督として悪魔と天使と和平を結んだ。今後グリゴリは悪魔と天使との戦争行為は一切禁ずる。正直なところ裏切り者を育てた俺に不服や意義がある者はお咎めなく去っても良い―――ついてきたい者だけ俺についてこい!!」
「「「「「は! 我らが命、この心身が滅びるまでアザゼル総督の為に!!」」」」」
自分のやらかしを宣言し、俺みたいな奴に頭を下げても忠誠は変わらずか。
アザゼルに対しての評価を改めないとな。
それから、会談の撤収作業が行われ三大勢力の歴史の節目となる会談は終わりを告げた。
この会談により結ばれた和平の名前は会場場所である学園と町から取り[駒王協定]と名付けられた。
さて、これにて原作第四巻編である【停止教室のブラックドラゴン】編が終了です。
ここは色々と改変やオリジナル要素をぶち込みたくて長くなってしまいました。
リュウガのスペックやオリジナルアドベントカードや能力、アルトリアのメインウエポンである[星護の極聖刃槍杖]については設定を投稿用に纏め次第、設定の方に上げる予定です。
次回はアザゼル合流メインの番外編です。
それでは!
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