ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
【イッセーSIDE】
堕天使レイナーレに襲撃されてから翌日の放課後。
俺は駒王学園にあるオカルト研究部の部室となっている旧校舎―――正確にはグレモリー先輩が異形世界の住人として活動拠点にしている場所に着いた。
入口を見ると、そこには異形世界の剣を帯剣している木場が待機していた。
「あ、どうも」
「待っていたよ、兵藤君」
「木場か…まあ武装するよなぁ…」
「形式上ね。君が主を襲わないとは限らないからね」
「そうですか…」
「それじゃあ、行こうか」
木場にそう言われ、俺は後に続いた。
昨日はああやって誤魔化したけど、この後のプランを全く考えていないんだよな。
異形と関りがあって、自分自身である龍騎と関りがある時点で絶対にマークされる。
なんとかアドリブで乗り切るしかないな。
そして、木場の後に続いて歩いていると、二階にある部屋の扉に着いた。
その扉には[オカルト研究部]という文字が刻印されたプレートがかかっている。
「部長。兵藤一誠君を連れてきました」
「ええ。入ってきて頂戴」
木場の言葉に扉の奥からグレモリー先輩の声が聞こえた。
最初に会った時は、運動部部長達の勧誘から逃げていた時だったな。
松田と元浜から聞くまでは学園の有名人って知らなかった。
というか、駒王学園高等部のオカルト研究部に在籍している生徒は全員学園で人気で在り有名人だ。
木場も学園の王子様って言われるほどの見た目も性格も言動もイケメンで同じ学園や他行の女子からひっきりなしに告白が来ると噂だ。
まあ、成功した女子は居ないって噂だけど。
「どうぞ。部長は今は急な野暮用の影響でシャワーで体を洗っているから少しだけ待っていてね」
「お、おう…」
木場に言われるがまま俺は部屋にが居る。
部屋の内装は洋風なインテリアにオカルト研究部の名の通り、オカルトじみた内装。
壁、天井、床のいたるところに悪魔用の魔法陣が描かれており、明かりも電気系統ではなくシャンデリアに蝋燭といった感じだ。
「…こちらにどうぞ」
すると、入り口付近で待っていたであろう白髪セミロングヘヤーの女子、塔城小
猫ちゃんが上座に案内してくれた。
そのまま座ると同時に目の前に淹れたての紅茶がはいっているティーカップが置かれた。
「どうぞ、お茶ですわ」
「ありがとうございます」
俺にお茶を出してくれたのは長い黒髪を黄色のリボンでポニーテールヘアーで纏めた女子生徒の姫路朱乃先輩だ。
改めて見ると、オカルト研究部に学園の有名人の大半が在籍しているって、一般常識かみれば異常だよな。
まあ、皆が皆人間じゃないし悪魔的な活動をし易くするためには眷属と主だけで固まった方が色々と便利なんだろうな。
そう考えながら出された紅茶を飲む。
「この紅茶、美味しいですね」
「お口に合って何よりですわ。砂糖はどうしますか?」
「自分は無糖派なので大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます」
「わかりましたわ。おかわりがご所望でしたら仰ってください」
「ありがとうございます」
そんなやり取りをしている中、下座の後ろで壁にもたれて羊羹を切ってではなく、大胆にかぶりついて食べている塔城ちゃん。
羊羹をあんな大胆に食べる人なんて浅倉以来見たことがないな。
「…あげませんよ」
「大丈夫だよ。俺はこの紅茶で十分だから」
なんともたくましいって感じだな。
それにしては物静かでギャップがあって可愛いけどな!
ていうか、部屋の奥に明らかに偉い人が座るデスクの隣からシャワーの音が聞こえるな。
部室にシャワーって運動部でも男女は別れているけど、文化系の部活にシャワー室なんて駒王学園にはないよな。*1
まあ、グレモリー先輩は元七十二柱のグレモリー家の次期当主だから、それなりにお金を持っていて部室の改造なんて軽々とできるのかもしれない。
周りのインテリアとか、俺が座っているソファーとか絶対に十数万は越える値段してそうだ。
「ふぅ…急なはぐれ悪魔討伐は流石に応えるわね」
そう言いながらシャワーからでた全裸のグレモリー先輩が出てきた……って!?
時すでに遅いし何なら俺は全部見えたけど、急いで目をそらしてグレモリー先輩がいる方向とは逆の方向へと向いた!
「ちょ、グレモリー先輩!? なんで全裸で出てくるんですか!?」
「ん? ダメだったかしら?」
「ダメも何も、男というか俺や木場が居るんですよ!?」
「あ、そう言えばそうだったわね。裕斗はいつもの事だから慣れているけど、貴方が居るのを見落としていたわ。お目汚し失礼したわね」
いや、お目汚しとかじゃなくて駒王学園全男子生徒がもそうしているグレモリー先輩の全裸を見れたなんてご褒美ですからね!
倫理的には忘れた方が良いけど、俺だって健全な思春期男子!
脳内の秘密メモリに保存しちゃいます!
「…先輩。部長の全裸を見ていやらしいことを考えていませんか?」
「そ、そんなことナイヨー」
「…怪しいですね」
うわ、この後輩妙に鋭い…ッ。
でもグレモリー先輩が見せてきたようなものだから俺は悪くない!
「もう着替えたからこっちを向いて良いわよ」
「あ、はい」
グレモリー先輩の声を聴いて振り返ると、そこには真新しい駒王学園の制服を着たグレモリー先輩が居た。
ふぅ…ちょっと物足りなかった…じゃなかった。
トラブルが小さくて良かったな。
そして、グレモリー先輩が俺が座っている上座の向かい側の下座に座り、木場、姫島先輩、塔城ちゃんは席の後ろに待機する様に控えた。
「こうして話し合うのは貴方が新入生の頃かしらね―――兵藤一誠君」
「そうですね―――リアス・グレモリー先輩」
「さて、早速聞くけど貴方、昨日堕天使に襲われたのでしょう? そして、私達の正体を知っている」
「ええ。貴方が言う通りですよ、元七十二柱グレモリー公爵家が長女―――リアス・グレモリーさん。そしてその眷属悪魔*2である木場、姫島先輩、塔城ちゃん」
「「「「…ッ」」」」
俺の言葉にグレモリー先輩全員の雰囲気が警戒モードに入った。
「…ええ。という事は
グレモリー先輩はそう言いながら立ち上がると同時に背中から悪魔の特徴である黒い蝙蝠のような翼を出現させ、木場達もそれに続いて同じような翼をだした。
俺が少し前に会った
ん?
今、グレモリー先輩は何て言った?
「えーと、グレモリー先輩」
「どうかしたのかしら?」
「さっきなんて言いました?」
「ええ。
「なるほど……え?」
これって……まさか……俺が龍騎ってグレモリー先輩にバレてね?
いや…まさか…そんな……。
「何言ってるんですか~。俺が龍騎士なんて…冗談言わないでくださいよ~」
「いえ、貴方でしょう? だって、公園の監視カメラに貴方―――兵藤一誠君が龍騎士に変わるところがバッチリ映っていたわよ」
「え…」
戸惑う俺にグレモリー先輩は手元に魔法陣を出して映像を映し出した。
映像には後姿の俺と、レイナーレがまき散らした土煙。
そして―――
―――「変身!」
俺が龍騎に変身するところがばっちり映っていた。
「あの~この映像って?」
「昨日、貴方と堕天使が小競り合いした公園に合った異形用監視術式の映像よ。画角的に堕天使には貴方が変わっているところは見えていないけど、こうして映像にはばっちり映っていたわ」
「…………」
俺は声にならない音を出しながら絶句した。
ま、マジかよ……。
なんつー正体のバレ方してんだ俺ェ!?
いや、そういえば俺が龍騎に変身する時って決まって監視系が無い場所だったし、バトルロワイアル中は神崎士郎が裏で隠蔽していたから気づかれなかった…。
でも、俺が今回変身したのはバトルロワイアル中でもなく悪魔が管理する町の中。
人払いや探知妨害の結界が張られていても定点設置された映像術式は感知したときの映像は記録できるよな…。
やばい! そっちの警戒をすっかり忘れてた!!
魔法使いの知合いにも「正体を隠すのであれば、映像監視術式には気を付けて変身してね」って注意されていたし!
なんつーマヌケなミスで正体ばれたんだ…。
「ア……アァ……」
「なんか、凄い反応で落ち込んでいるようね…?」
「…真っ白になっています」
「相当正体がバレたのがショックなんでしょうね」
「あの様子だと、相当上手く正体を隠していたようですね。まあ、僕たちがこの映像を見るまで彼が龍騎士の正体なんて思いもしなかったからね」
俺の様子を見て、若干哀れんだ目で見てくるグレモリー先輩達。
ああーこれ、マジでどうしよう。
一応、グレモリー先輩達相手なら余裕で全員殺さずに無力化できるけど、記憶改竄とか消去なんてできないしなぁ…。
そういったことは魔法使いや、イタリア人神父にやってもらっていたし。
どうしよう…状況が俺にとってかなり不利になってしまった……。
考えろ…何か打開策があるはずだ……考えろ……。
だめだ…何も思いつかない。
両手で顔面をおおうようにふさぎ込む俺。
「あの、兵藤君。話を進めても良いかしら?」
「いえ…その……どうぞ………」
どうにもこうにも解決策を思いつかなかった俺は、半ば自暴自棄になり成り行き任せにすることにした。
最悪俺が学園を出て行って、早めに堕天使幹部のおっちゃんのところに行けば何とかなるしな。
「それでね。堕天使に襲われた理由が
「ええ。まあ本当に宿していないんですけどね」
「でも、龍騎士の姿は神器の力ではないの?」
ああ、そういう事か。
確かに神崎士郎が作ったライダーシステムって、異形側から見れば神器に見えるよな。
「
多少嘘を混ぜて誤魔化そう。
「そして、私達異形の世界を知ったという事ね」
「そんな感じです」
流石にミラーワールド関連やバトルロワイアル、他の仮面ライダーについては話せない。
恐らく、異形側がそれらの事を認知し技術研究したら第二第三のミラーワールドやバトルロワイアルが開きかねない。
それだけは防がないと、今度は俺だけじゃ手に負えないからな。
「神器とは違うのね。そしたら異能でもなさそうだし…神話時代の遺産という線引も…。それで、貴方がその力を手に入れたのは何時?」
「中学二年生ですね」
「中学二年!? 兵藤君は高等部二年だから…たった二年でただの人間から魔王クラスまで実力をつけたの!?」
グレモリー先輩の言葉に木場たちも驚いていた。
魔王クラス…たしか俺らで言うところの勢力長クラスだったっけ。
まあ、普通の人間が一気に異形社会の勢力の長並みの力を二年で手に入れたなんておかしい話だよな。
本当はそこからプラス5年間休まず、ミラーワールドから出ようとする億単位のミラーモンスター達と戦っていたから年月は違うけど。
まあ、長寿がデフォな異形世界で五年で魔王クラスに至っているのも異形にとっては非常識だけどね。
といっても、
「しかも、映像を見る限り堕天使を相手にしているときは姿が変わる前で応戦したいたわね………。兵藤君、
「まあ、異形世界で
「そうなのね…それじゃあ、他の質問にも答えてくれるかしら?」
「まあ、
「含みのある言い方が気になるけど、それじゃあ聞いていくわね」
それからグレモリー先輩から来た質問は、こんな感じだ。
リアス:貴方が私達悪魔からでてしまったはぐれ悪魔や、各異形勢力からでたはぐれに当てはまる存在を倒した理由は?
イッセー:そいつらが罪のない人を襲っていて、その人たちを助けたいからですね。
リアス:色んな勢力から勧誘が接触はあったのかしら?
イッセー:接触する前に現場から離れていたからほとんどありませんでした。まあ個人で正体を知っていて付き合いがある異形側の知人は数人います。
リアス:知人の名前は言えるかしら?
イッセー:言えないですね。全員訳アリですから。
リアス:勧誘があった時は?
イッセー:全力で逃げたりある程度牽制したりもしました。正直、しつこく勧誘してくる勢力はどこも胡散臭かったり「異形世界の勢力にテロしかけようぜ」とか、いかにも
俺の答に難しい表情をするグレモリー先輩。
しれっと、背後にいる姫島先輩が嘘発見器と同じ機能の術式を使っている。
「朱乃」
「嘘は言っていませんわ」
「そう…。これまでの話を聞く限り貴方は悪人どころか、創作物に出てくる秘密の正義のヒーローみたいね」
「そ、そうですか…」
ヒーローか。
正直、話した内容だったらそう捉えても仕方がない。
でも、バトルロワイアルに参加して自分勝手な理由で皆の願いを踏みにじっているわけだから、自分がヒーローなんて思えないな。
何より、俺はミラーモンスターや化け物を守る目的で倒しているけど、生きるために意外に命を奪っている事には変わりないし。
「それじゃあ最後の質問ね―――どうして、頑なに正体を隠そうとするの?」
「まあ、自分の力が異形世界では異端みたいなモノっていうのがありますが、一番の理由は―――家族を異形世界のいざこざに巻き込みたくないからです」
「そうなると、貴方の両親は―――」
「いえ、俺が仮面ライダー龍騎…そちらでは龍騎士という姿で異形世界で活動しているのは存じています。もちろん異形の事も。ですが、本人たちが関わる意識がないのでなるべく触れさせないように、神隠しとか…異形関連で胡散臭い噂が出ている場所に行かないようにとか危ない所だけ注意している感じです」
「そう。つまり貴方は後ろ盾はない状態でここまで一人で自分の活動と家族を守って来たという事ね」
「そうなるんですかね?」
俺としては当たりまえの事って認識だからな。
何故か、グレモリー先輩たちはわかりやすく驚いているけど。
悪魔と人間との価値観の違いってやつかな?
それから、グレモリー先輩は眷属である木場たちと相談している。
そして相談が終わったのか、グレモリー先輩が話を再開した。
「ねぇ、兵藤一誠君。まずは結論から言わせてもらうわ―――私の眷属になってみない?」
「グレモリー先輩の眷属…え?!」
いきなりぶっ飛んだ提案が来た!?
次回、仮面ライダー龍騎ことイッセーは眷属になるのか!?