ハイスクールD×D《MASKED RIDER RYUKI》 作:ライダーマスク
【イッセーSIDE】
グレモリー先輩の仮眷属として契約してから翌日。
「というわけで、グレモリー先輩の
「なんか、お前から妙な感じがするかと思ったらそういう事かよ…」
今日は休日という事で、レダにそのことを報告した。
後で両親にも報告する予定だ。
「変な感じって、そんなに変わったか?」
「ああ。俺以外に誰かと契約的なつながりを感じるな」
「まあ、グレモリー先輩と契約して仮眷属になったからか? というか、そういうのに五月蠅いお前が余り言ってこないんて珍しいな」
「別に、仮なんだし一年くらいの期間なんだろ? それにお前の両親が俺たち以外の勢力?に守ってもらえるならオレもうるさく言わねーよ」
「そうですかい」
実はレダは契約関係にはかなりうるさい。
俺がピンク髪の角の生えた美少女悪魔さんに眷属にさそわれた時は、その人に全力で威嚇するほど拒んだ。
本人曰く―――
―――オレはあくまでイッセーとしか契約したくないし対等な関係でありたいんだよ。そして、イッセーが誰かの下になる契約は絶対に無理だな。
だそうだ。
要するに、俺以外と組む気はないし下につく気もないってことだ。
相棒である俺としては嬉しいが、あの時みたいに全力で威嚇するのはやめて欲しい…。
危うくその人と眷属全員と戦闘になる所だったしな。
「言っておくが、オレはイッセー以外の言う事は聞く気はないからそこんところ悪魔の奴らに言っておくようにな?」
「わかってるよ」
「流石、オレが唯一認めた相棒で番だな」
レダはそう言いながら、俺の頬にキスをした。
◇
さて、グレモリー先輩の仮眷属として早速、悪魔の仕事をしている。
と言っても、最初の仕事は悪魔家業において人間がグレモリー先輩達を召喚するために必要なチラシを駒王町にある全世帯に配る事。
チラシには「自分では叶えられない願いを叶えるチャンスを掴んでみませんか?」と日本語で書かれたタイトルに、グレモリー家の家紋が中央にある召喚用の術式陣が印字されたモノ。
普通なら新手の宗教勧誘とかで見向きもしないが、なにか自分では兼ねられない願いを持っている人がそのチラシを見て手に取るとグレモリー先輩達からランダムで誰かが召喚される仕組みになっているらしい。*1
普通ならチャリで配る所だが、俺は原付から中型、大型バイクを運転できる免許を持っている*2ため、いつも使っているバイク*3を使っているので比較的楽だ。
しかし、願いを叶えるか―――
バトルロワイアルで純粋な願いを叶えるために戦ってきた仮面ライダー達。
俺もその中の一人―――いや、俺はそんなライダーたちの願いを踏みにじるが如く、バトルロワイアルを終わらせ、ミラーワールドの消滅を願った。
こんな俺が、誰かの願いを叶えるための手伝いなんて皮肉も良いところだな。
そうは思ってもグレモリー先輩はそのことを知らないから、自分を攻めるしかないって感じだな。
ま、受けた仕事はきっちりこなそうか。
そして、グレモリー先輩から貰ったチラシを全て配り終り、拠点に帰ろうとバイクを走らせている時だった―――
「ッ!?」
―――ヒュオンッ!
背後から突然きた堕天使の気配と同時に、きた光の槍の攻撃を感じた俺はとっさに急ブレーキをかけて、ドリフト走行の要領で回避。
そのまま、人気のない道路へと急いで進路を変更した。
後ろを見れば、30m斜め後ろ方向にコートと帽子をかぶり背中に堕天使の羽を生やした男が俺に殺気を向けながら追って来た。
実力的には下級クラスか?
「おい! いきなり何しやがる、堕天使!」
「気づいていたか。まあいい、貴様はレイナーレ様から殺すように言われている人間。この場で果ててもらおうか!」
男の堕天使は俺を追尾しながら光の槍を投げてくる。
レイナーレ様ってことはアイツの部下ってことか。
ていうか、いきなり襲撃とかお構いなしにもほどがあるだろ!?
とりあえずグレモリー先輩に報告だな。
俺は被っているフルフェイスヘルメットを音声操作しはじめる。
「通話アプリ起動。連絡先、グレモリー先輩」
すると、フルフェイスヘルメットに内蔵されたヘッドマウントディスプレイに電話表示とグレモリー先輩に電話をかけている画面が表示された。
実は、また堕天使の襲撃が来ても良いようにグレモリー先輩と副部長である姫島先輩と連絡先を交換している!
この事が学園の男子生徒や松田と元浜に知られたら殺さるかもな!
ってそんな事、考えている場合じゃないよな。
〘もしもし、どうしたの兵藤君?〙
よし、グレモリー先輩と電話がつながった。
「グレモリー先輩、夜分遅くにすみません。今大丈夫ですか?」
〘ええ。それでどうしたの?〙
「実は現在進行形で堕天使に襲撃されまして」
俺がそう言うと、電話越しでもわかる様にグレモリー先輩の様子が変わった。
〘そういう事は私の事情を伺わず言いなさい! それで、今どこにいるの?〙
「今、町外れの国道〇号線を右車線側で走ってます。夜中ならここを走る車両はないですし」
〘〇号線ね……。それなら◇号線に切り替わる場所から右折して廃工場があわ。その先に向って頂戴。その先で私と合流しましょう〙
「了解」
〘私が貴方に言うのもなんだけど、気を付けてね!〙
「はい!」
そして通話を終らせ、俺はグレモリー先輩に言われた通りの場所に向かった。
◇
「ちょこまかと!」
あれから数分後、後1分で目的地に到着する道のりで俺を追いかける堕天使は若干息を切らしながらも俺に光の槍を投げ続ける。
道中、アイツの槍が道路やガードレールや公共物や建造物に当たらない様に避けてたから、これと言って被害はないけど面倒だ!
「何故当たらん! たかが下等な人間が作った鉄屑程度!」
「ああ!このイカしたバイクが鉄屑だぁ!? このバイクはな、一般社会に出回っている技術よりも十数段超えた技術で作られたバイクで、デザインは有名デザイナーのキッド・テイラーさんがしてくれた奴なんだぞ!」
「下等な人間が作ったものは全てが鉄屑だ。そして、ちょこまかと動くな!」
「殺されそうになっているのに、避けて何が悪いんだよ!」
そんなやり取りをしていく内に、グレモリー先輩に指示された場所へ到着した。
「待っていたわ兵藤君」
そこにはグレモリー先輩と木場たちが何時でも戦えるように待機していた。
俺はみんなの傍でバイクを停止させる。
「ようやく止まった―――ッ!?」
追いかけてきた堕天使は止まった俺に喜ぶのもつかの間、すでに待機していたグレモリー先輩達を見て驚いていた。
そんな堕天使に一歩前に出たグレモリー先輩が不敵な笑みを浮かべながら話始める。
「こんばんわ、欲に溺れて天界から追放された堕天使さん。私、リアス・グレモリーが異形世界関係を管理しているこの街で暴れているようだけど、どんな用事で私に話を通さずに活動しているのかしら?」
「悪魔か…邪魔をするな。そのものは強力な神器を宿し我々が制御できないと判断し処分することが決まった人間だ」
「そんな嘘信じられるわけないでしょう? この男はただ異形世界と関係があるだけで異能も異形のハーフでもなく神器を宿していない人間よ?」
「貴様こそ嘘つくな。我々が持つ神器探知術式ではこの男に神器があることは―――」
「貴方こそしつこいわね。私たちの調べでは彼に神器は宿ってないの。それに加えて彼は昨日から私の正式な協力者。それもちゃんとした契約をした状態でね―――兵藤君」
俺はグレモリー先輩の考えを察し、右手の手の甲にあるグレモリー先輩と仮眷属の証拠であるグレモリー家の紋章を目の前の堕天使にみせた。
「命を狙われたからと言って悪魔と契約したのか…ッ」
「ああ」
本当は違うけど、そういう事にしておこう。
「そういうことなの。だから彼の命を狙うという事は私と事を構えるという事。言っている意味は解るわね?」
「クッ…。ここで貴様らと事を構えるのはレイナーレ様の意に反する……」
堕天使の男は顔を悔しさで歪めながら手元に生成していた光の槍を消した。
「そこの人間運が良かったな。だが、覚えておくといい…貴様が一人でいるときはこの堕天使ドーナシークが―――我々[
そして、男の堕天使はこの場を後にするように飛んで逃げていった。
ていうか、悪魔が異形関係を管理している土地で堂々と堕天使の組織の名を使うってヤバいだろ…。
「あの堕天使は理解しているのかしら? 幹部クラスを呼ばなきゃ兵藤君には勝てない事」
グレモリー先輩がため息をつきながら警戒を解き、それに続いて木場たちも警戒を解いた。
どっちかって言うと、組織の名前を使った事にびっくりして欲しいんですが…。
「大丈夫?」
「ええ。どっちかって言うと町や道路、建造物に被害を出さずにここまで来るのに苦労したって感じですね」
「流石は噂の龍騎士ね。実力が魔王クラスと言われるほどね」
「…仮面ライダー。その名に恥じないドライビングテクニックということですか」
グレモリー先輩と塔城ちゃんの美少女二人組の称賛は嬉しいな。
「それなりに腕は磨いていますから。念のため道中にあの堕天使が残した痕跡がないか調べた方が良いですね。一般人に見つかったら面倒ですし」
「そうだね。そしたら僕たちは飛行しながら兵藤君が辿った道のりを追う感じかな」
「ええ。念の為見ておきましょう」
「祐斗と朱乃の言う通り見ておきましょうか。兵藤君、案内を頼めるかしら?」
「了解です」
俺はヘルメットを被りながらバイクに刺さったキーを回し再びエンジンを起動。
そのまま、元来た道を法定速度よりも少し遅めにスピードを調整。
グレモリー先輩達も悪魔の翼を広げて飛行、俺の後ろに続くように追従していった。
◇
男堕天使―――たしかドーナシクだったっけか?
そいつの襲撃から数日後。
奴の言葉通り堕天使からの襲撃は―――全くなくこれといって平和だ。
正直、この街にレイナーレやドーナシークみたいな堕天使が潜んでいるかと思うと全く安心できない。
そのことをグレモリー先輩にさきほど打診したけど―――
「知っての通り、私達悪魔、堕天使、そして展開に住まう天使と聖書の神は大昔に戦争をしていて、二天龍の介入で一時的に大規模な戦争は終わったけどそれでも小さな小競り合いが続いて、冷戦状態なの。正直な所、私たち悪魔が下手に手をだせば大戦が勃発しかねないの」
「一応、グレモリー先輩と契約関係前に襲われているんですけど…」
「そこに関してはこちらで兵藤君に
「万が一、向うの勘違いで被害者が出たらどうするんですか?」
「それは無いわ。流石に私が向こうの―――堕天使ドーナシークに姿と言葉を残した事で「貴女達がこの街で行動している事は把握している。下手に動けばこちらも対処する」と伝わっているはずだから」
「そうですかね…」
とまあ、そんな感じだった。
正直な所、普通の堕天使だったら大丈夫だと思うんだけど、俺がレイナーレとで立た時にアイツが言っていたことが気になるんだよな。
―――まあ、この街が悪魔に管理されているのは承知の上で行動しているわ。まあ、邪魔してきたら殺すけどね。
―――一介の悪魔が一人や二人死んだところで魔王なんざ気にしないでしょ? 簡単な賠償問題で終わりよ。
あんなこと言っていたから、多分この街を管理している悪魔がリアス・グレモリーだという事を把握していない可能性がある。
しかも、元七十二柱のグレモリー侯爵の令嬢で次期当主、そして現四大魔王の一角の妹であることも。
それも報告しているんだけど、さっきの説明で流石に向こうは理解しているとグレモリー先輩も思っているんだろう。
俺としては嫌な予感がするけどね。
「私としても出来れば堕天使達にはこの街から出て行ってもらいたいけど、明確に堕天使達が
「まあ、そういう難しい事情があるのは承知しているんで大丈夫ですよ。ですが、俺がその現場にいて未遂になって居たら止めても良いですよね?」
「ええ。あくまで貴方は協力者だから私や眷属達が事を起こすよりも影響は少ないわ。なにか言われても「私が異形関連を管理している町で活動している理由は?」って言えば向こうも何も言えないでしょうし」
「わかりました」
よし、言質は取ったしグレモリー先輩の許可もとれたから、チラシ配りのついでや夜中の散歩ついでに堕天使達が一般人に何かしでかしたら対処できるな。
俺はそう考えながら、今日も今日とてチラシ配りに向った。