突然だが『言霊』もしくは『フラグ』と言う言葉をご存知だろうか。
言葉には力が宿っており放たれた言葉は実現するとか、やったか? は大体やってないとか、そういう類の話なんだけれど。
何でそんな話題を? と思うかも知れないけれど、まぁ聞いて欲しい。
シェンホア絡みの一件で俺とロージィがイエローフラッグを空けたその日の夜の事。ロアナプラに来たばかりの新参が俺を仕留めれば一躍有名に……と息巻いていた所に、たまたま居合わせた
結果、イエローフラッグは無事半壊。E.Oの一件から半年足らずの出来事だった。バオは泣いていい。
んでまぁ、盛大にキレ散らかすかと思われた我らが雇い主だったけれど、俺達が雇われてから一年程は強制休業が激減した事で心にも懐にも余裕が出来たのか、盛大な溜め息と加害者の全額負担及び出禁一ヶ月で手打ちとした。俺なら永久出禁も辞さないとこだけれど、寛大な話である。
休業中は三合会に喧嘩をふっかけた連中の件で報酬に色を付けてもらえたし、加えて賭闘技場の話をいくらか持ってきてもらえた。また、暴力教会からも仕事を振ってもらったおかげで懐は十分過ぎるほどに温まった。用心棒に専念するよりこっちのがいいんじゃないか? と少し悩んだけれど、金があっても消費する暇が無いと心の潤いがなくなるので、現状維持って事に落ち着いた。
シェンホアのケアは飼い主の義務だからして、ロージィに協力してもらった事もあって、彼女も割と快適な療養生活を送れたんじゃないかと思ってる。
食事や洗濯はいいとして、風呂やら着替えやらは流石に俺がやるのも憚られたから、俺としても助かった。飼い主の義務はどうしたって? 会って間もない男に肌を晒すのも抵抗あるだろうから、そこら辺は流石にロージィにお任せしたわけで。
いくらおっぱいの付いたイケメンが好みで彼女がそれに合致したからと言って、命のやり取りをしたのは会って2日目である。我ながらノリと勢いで生きてるなーと言うしかなかった。尚、後悔も反省もしてない。そんなモンは死ぬまで棚上げしとけばよろしい。
わざわざ退屈とは縁遠い生活送ってんだから、楽しければ万事オッケーだ。
当の彼女も最初こそ肩身が狭い思いをしてたみたいだけれど、開き直れば快適な療養生活なのだしと割り切ったんだろう。最近はちょっとしたお使いを頼んで来る程度には、現状に慣れて来ている様だった。
一度色っぽい空気になりかけたけれど、まだ回復しきってない所で致す気になれんかった。じゃあ治ったら即致すのかってーと、タイミングとか雰囲気とかその辺の問題だと思っている。ロージィん時もそうだったし。そういう関係になってもいいしならんでもいいかなー、と考えている部分もあるから尚更だ。
後は……
具体的にはバレルを始端から終端まで厚みたっぷりのブルバレルに交換、アンダーラグをより分厚く仕上げてもらい、重心のバランスを取る為にグリップフレームも同様に厚くしてもらった。当然重量は増したが反動はマイルドになって扱いやすくなったし、却って手に馴染んで丁度良かったかな?
そこまでするなら、バレルを6インチから8インチに換えないかとは聞かれたけれど、それは止めておいた。メンテに出してる間に、8インチモデルを使ってみたんだけれど、銃身が長いと
とまぁ色々あったけれど、程々刺激的で退屈しない日々を過ごして3ヶ月程経った。
シェンホアもすっかり回復してリハビリがてらに本業をこなしつつ、三人目の用心棒としてイエローフラッグの従業員となったある日の事。
「……どういう状況?」
イエローフラッグ店内は蜂の巣をつついた様な有様だった。と言うか
何でや。
たまたまと言うか、酒の発注ついでに私用の買い出しで外に出たのはほんの数時間前である。いない間に一体何があったらこんな事に。
床に転がって呻いたり息をしてなかったりするのは、グスターボを始めとするマニサレラ・カルテルの連中だ。まーた南米絡みかと店内を見渡せば、ロージィの姿が見えない。
……まさかとは思うけれど、
「店内で暴れんの止めてもらえません? せっかく営業再開したってのに」
「暴れたくて暴れたわけじゃねェよ! お前の
ガキ?
「……ラグーンの連中に荷を運ばせたんだよ、ソイツがロージィと知り合いだったんだ」
って事は南米絡みか。んー? 何か引っ掛かるな、俺にも関わり有るんじゃ……?
あ。もしかして?
「何でまたお貴族様の子をさらったんです?」
「はぁ!?」
「そちらの仕事絡みってんなら南米だろうし、彼女の知り合いってなると心当たりしかないって言うか……確認なんだけれど、ラブレス家の坊ちゃんだったりします?」
それはもう昔々……でもないか、一年半ぐらい前? 俺と彼女がまだ南米にいた頃の話だ。
彼女の親父さんの友人で、南米十三家が一つ、ラブレス家当主であるディエゴ・ホセ・サン・フェルナンド・ラブレス氏を頼って、かの地を離れた経緯がある。一週間ぐらい滞在させてもらったのだけれど、その時に一人息子のガルシア君とも交流を持ったと言う話だ。
「まさか……!」
「いやま、言うほど知った仲じゃないけれど。知り合いにゃ違い無い感じ。で、何がどうなってラグーンの連中とロージィがいないんです? あとガルシア君」
雑で済まんなと心の中で詫びつつ、三者の不在を問いただす。
「レヴィの奴が坊ちゃんを人質にしたもんだから、ロージィがキレてこの始末だ」
「二人だけで蜂の巣にしたん?」
「なわけあるか。そこの連中も加わりやがったよ」
バオのボヤきに頷いてみせたけれど、それにしても分からん……ガルシア君を人質に? 仕事だからと言えばそーなんだろーけれど、わざわざ事を荒立てる必要あるか? 俺相手程じゃないにしても、レヴィとロージィの仲はよろしくない。だからってするとは思えんし、うーん?
と頭を悩ませていた所に店の電話が鳴った。マニサレラ・カルテルの連中はほっといてもいいとして、とりあえず電話に出る。
「はいイエローフラッグ。誠に勝手ながら本日は休業とあいなります。改めてのご来店をお待ちしておりまーす」
『あらバイパー。また災難の様ね』
「バラライカさん? 心当たりはないんですけれど……え、店の件を言ってるなら、もしかしてホテル・モスクワ絡みだったりするんですか?」
ク ッ ソ 面 倒 臭 ェ。
危うく口から零れそうになった本音を、既のところで飲み込んだ。あっぶね、張さん相手だとすぐ漏れるんだけれど、無意識に相手選んでんのかな俺。
『いいえ? ダッチにちょっと頼まれごとをされてたのよ。イエローフラッグに連絡を入れて欲しいって話だったんだけど、一足遅かったみたいね? ……まぁ貴方がいたのは手間が省けたけど』
「手間が省けたって、どういう意味です?」
これ絶対受話器の向こうで笑ってるわ。何か不穏な空気が受話器越しに漏れてるよ。
『ガルシア君とラグーン商会、それから
うわぁ……。
心に浮かんだのはその三文字だった。まるで獲物を前にした肉食獣じゃないですかヤダー。当の獲物が何なのかはよく分からん。分からんけれど、俺絡みなんだろーなぁとそれぐらいは察せられた。
張さんもバラライカさんも、一体俺の何が気になるんだか……。こちとら人の皮を被ったゴリラなだけで、酒場の用心棒にしか過ぎないって言うのに。
「それは何て言うか……ご厚意に感謝致します?」
『礼には及ばないわバイパー。元々ダッチから連絡をもらった時から、イエローフラッグは我々の監視対象だったのよ? 何となくだけど、勘が働いたのよ。もう一人の
「ロックの?」
彼とラブレス家に何かあったんかな? 考えても仕方ない、か。
「ひとまず逐次連絡もらっても? これから追っかけますので」
『えぇ勿論。貴方に聞きたい事もあるし、ね?』
わぁ怖ーーーーーーい。
何処ぞのエセシスターみたいな事を思いながらも、礼を言って電話を切る。バオにちょっと出る旨を伝えながら、携帯を取り出して目当ての番号にコール。
『あいあい、どしたねご主人サマ?』
「ちょっと面倒事、かも? 家にいるなら車回して欲しいんだけれど。後ちょっと弾丸補充したいから一箱積んどいて」
『おう鉄火場なるか?』
「うーん、どうかな? 分からんけれど念の為ってとこ」
『ご主人サマの勘なら間違い無しですだよ? 急いで行くね』
「よろしくー」
携帯を切って尻のポケットに突っ込んで、胸ポケットから白のパッケージとジッポーを取り出した。一本咥えて火を点け、微かなバニラフレーバーを堪能してから紫煙をゆっくりと吐き出す。
「悪い勘は外れるに越した事は無いんだけれどねー」
全く面倒なこったと溜め息を吐く。まぁまだ窮屈とは思わんけれど、息苦しくなる様なら色々考えないとならんかもなーとちょっと考えてしまう。
ま、そん時はそん時である。たとえ何処だろうと
「同じ様に思ってくれりゃいいんだけれど、どーかねー?」
そう呟きながら浮かべたのは、多分苦笑だった。
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シェンホアに拾ってもらってから三度の連絡を挟んで辿り着いたのはロアナプラの埠頭の一角。
ラグーン商会の面々、二年ぶりぐらいに会うガルシア君、それからロージィ。不穏なのはホテル・モスクワの頭目たるバラライカさんと、彼女の手足である
さてロージィは所々怪我してはいるけれど、いずれも軽傷っぽいので一安心。何でかレヴィが左肩から出血してるけれど、イエローフラッグで誰かにやられた? もしかしたらロージィかも。マニサレラ・カルテルんとこに、そこまで腕の立つのがいるとも思えないし。
それはそれとして、インベルM911とカトラスに加えて持ち主がどっちも地面に転がってる上に、バラライカさんがスチェッキンを抜いてるのは一体全体どういう事なんだろーか。
「どう言う状況なんです? この有様は」
「お兄さん!!」
ロックの横で叫ぶガルシア少年に軽く手を振って答え、バラライカさんに目を向ける。
「幼気な少年を巡って
成程? バラライカさんでもそういう
「それは何とも
言えばレヴィが嫌っそうな顔するわダッチが明後日の方向見るわ、ロックは苦笑いするわで何ともハッキリしない感じだった。
「えっと、因みに僕のロードランナーなんだけど」
「ロージィ絡みなら俺が持つよ。買い換えた方が早そうなら、今度一緒に見に行こっか?」
気まずそうに言うベニーに、うちの子がすいませんって意味を込めて返すと、彼は安堵した様に笑って頷いた。
俺が関わるのはこんぐらいかな? と思っていたら、ガルシア君が駆け寄って来て俺の腕を引っ張った。何かね少年。
「お兄さんならお姉さんを助けられるよね!? あんなに強いんだもの、お姉さんの事を悪く言うアイツらをやっつけてよ!!」
「どう言う事?」
「あら酷いわね坊や。私は事実を教えてあげたのに」
肩を竦めて苦笑するバラライカさん。目が笑ってねーんですけれど? それにしてもロージィを悪く言う、か……これはアカン奴かな?
「いい事を教えてあげる、バイパー」
バラライカさんの言葉に首を傾げると、彼女は薄く笑いながらこう続けた。
「私たち『ホテル・モスクワ』は、マニサレラ・カルテルと戦争をするつもりだったの。少々
「ふむ? 懸念事項はなんなんです?」
「
「お姉さんはそんな人じゃない!」
「成程分からん」
一瞬空気が固まった気がするけれど、それはおいといて。
シェンホアが目ぇかっ開いてんのがちょっと笑えるんだけれど、どしたんよ。
「ねぇ、バイパー誤魔化さないで頂戴? 貴方がロージィって呼んでる女がどう言う人間か、ガルシア君に教えて上げなさいな」
どう言う人間かと来たか……うーん。
「どう言うもこう言うも、ロージィは親父の仇ってだけですけれど」
面倒臭ぇからゲロった。猟犬って呼び方が出て来るんだったら、そっちはどーにもならんだろーし。俺がそれを知ってるのかどうか知りたいってんなら、答えといてもいーかって感じだ。
「えっ」
誰だ間抜けな声上げてんの。目の前の
「ロック。初めて会った時にどっかで見た事あるって言ってたじゃん?」
「え、俺!? ……あぁ、確かにそうだけど」
いきなり話を振られて挙動不審なロックだったが、返事はしてくれたのを確認しながらロージィに近付いて頭を一撫で、それから罅の入った伊達眼鏡を拝借してかけると、自分の髪の毛を搔きむしる様にボサボサにする。
「それってテレビで見たこんな顔じゃない?」
言って顔を上げた。
途端に一人を除いてその場の全員が一歩後退る。地味に傷付くぞその反応、謝罪と賠償を請求したい。突撃隊の中にはこっちに銃口向けるのまでおるし、一体どんな化け物を目にしてんだ。
あ、ヤバい。俺を見てあの反応だって分かってるから泣きそう。ま、嘘だけれど。
「……た、確かに見た事あるね……」
ロック、ローーーーック? 過呼吸起こしそうなツラしてるけれど大丈夫? レヴィのおっぱいでも揉んどけ?
いやま、この反応は仕方ないって分かってる。
自分でボサボサにした髪を手櫛で直して伊達眼鏡を外した俺は、今尚ビビってるガルシア少年の前で視線を合わせる様に腰を屈めた。
「もう一度言うけれど、ロージィは親父を殺した人で、俺は仇討ちの為に名前と国を捨てて南米にいたってわけ。結果は御覧の通り……殺しちゃいないけれど、赦したわけでもないんだ。君には分からんと思うけれど、死ぬまで恨み続けられるとしても
結局はそれだ。マイナスの感情を燃料にし続けるのって、心身にクるんだよね。哀しみはって? それも疲れるは疲れるけれど、俺の場合は何かの原動力にはならん。
赦せない気持ちはある。彼女が好きだって気持ちもある。矛盾してる様で、ベクトル自体が違うんだから、俺の中で両立していられるし、他人に口を出される謂れはないのだ。
日向だろうと日陰だろうとやっぱ愛だろ、愛。
と自分の中で決着が付いたわけなんだけれど、周りはそーでもなかった。特にガルシア君。
「そんなのおかしいよ! お姉さんと一緒にいるなら、猟犬の事なんて知らないって」
「そりゃダメだろ、少年」
それは一番やっちゃいけない。
「彼女の傍にいるのなら、猟犬を否定しちゃあダメだ。
そもそも死んで償いたいって言うから飼い主宣言したわけだからして。その理由を否定するのは違うだろって話である。
飼い主発言の流れは、流石に黙っておく。世の中には
「国際指名手配中のテロリストを受け入れる、か。それはいいけど、この情報をFARCやICPОが知ったらどうなるかしらね?」
「
その手は桑名の……なんだっけ?
さておき、前者はともかく後者は絶対に回避すべき事態だろう。何せこの街に光が差し込んだ日には、黙示録の予言もかくやの大惨事が約束されてるのだから。
ま、それは彼女を始末してしまえばまるっと解決する話でもあるので、賭けに近いんだけれど。
「ついでだからぶっちゃけますけれど、マグダレナの悪夢って知ってます?」
「……えぇ。それが?」
「俺の事です」
ビシッと親指で自分を差せば、バラライカさんだけでなくロージィも目を見開いてた。いや何で君まで驚いてるんよ?
「貴様が……2000人以上ものテロリストを血祭に上げた史上最悪のカウンターテロだと?」
「え、何それ知らん……怖」
一日三人を目安に一年三ヶ月程続けてたけれどさぁ……因みに週一で休んでたし、各地に移動したりとかもあったからそこまでヤレてないと思う。
「流石に盛り過ぎでしょ、行っても1000ぐらいかと」
「それでも四桁……正気の沙汰じゃねぇ」
おかしいな? レヴィにまでドン引きされる謂れはないはずだぞ。
「ま、証拠は出せませんけれどね?
ぶっちゃけ目撃者がこの世に一人しかいない以上、俺の言葉がマジかガセなのか? これが判断出来ないのって結構重要なんよな。少なくとも俺の面が割れてるのなら、バラライカさんなら絶対言ってくると思うし。
……あ、そっか。そう言う事か?
「もしかして、単に俺の素性が知りたかった感じです?」
バラライカさんにそう言ってみるが、当の彼女は口元に手を当てて考え事をしているのか無反応だ。ドン引きしてる……ってのとは違うな、なんだろ分からん。
「ご主人様……何で口にしてしまったの」
すげー呆れた顔したロージィがこちらにやって来た。何で呆れてんの?
「いや何かもー面倒臭ぇなって。これで夜会の人らに追っかけられるなら別んとこ行くのも辞さない感じ? けれどシェンホアはどーする? 会って2日で拾われた挙句にこの
「……それを口に出来るご主人サマのメンタルの方が、心臓に悪いよ」
「は?」
心配してる飼い主に何という辛辣な……。
「俺はいーんよ。散歩するのが地獄でも楽しいし……けれど、ソレに付き合わされる身になれって言われたらぐうの音も出ないじゃん?」
俺がそう言えば、ロージィとシェンホアは互いの顔を見合わせ、それから改めて俺の顔を見て、揃って深々と溜め息を吐いた。
「毒を喰らわば皿までって言いましたか? そういう事よ」
「私達を飼うって宣言したんだから、最期まで面倒を見て頂戴ね?」
二人の言葉に目を丸くする。ロージィはまぁ分かるけれど、シェンホアのナニに触れたかよく分からんのよな……いやま、付いて来てくれるってんなら嬉しいんだけれども。
「そっか」
言いながら笑う俺の顔はどんな風だろうか? 二人も笑ってるからきっとマシなモンだと思いたい。
「バイパー」
「はいな?」
再起動したらしいバラライカさんがすげー真面目な顔で声を掛けて来る。
「さっきの話は本当なのね?」
「えぇ、まぁ。証拠は出せませんけれど」
「いやいい。……とりあえず、そうね。ガルシア君は私の方で責任を持ってお帰り頂くわ」
「お願いします。んじゃま、ガルシア君。そう言う事で」
ガルシア君の頭を撫でながら、俺は言葉を続ける。
「俺も彼女も、ここにいるみんなが悪党だ。ベネズエラの実家に戻って、ここの事も俺達の事も全部忘れなよ? お爺ちゃんになった頃に笑い話として思い出すぐらいで、丁度いい」
何か言いたげな彼をバラライカさんに預け、ラグーンの面々の所に向かう。
おう落ち着け
「んじゃま、俺達はこれでお暇するよ。ロードランナーの件は改めて」
「……おう。そうだな」
歯切れの悪いダッチに苦笑で返しながら、俺は背を向ける。
「おい蛇野郎」
「何さ?」
「……結局お前は何がしてェんだよ」
軋む様な声音でレヴィが問う。そこに拘る理由が分からん。
分からんけれど、答えなんて決まってる。
「
背中越しに手を振って、カムリの運転席に乗り込む。
小難しい事なんて考えてない。程好く我欲を満たして、生を謳歌したいだけである。
俺がそうすると都合が悪い奴もいるかも知れないけれど、日本にいる間ずっと我慢してやってたんだからもうえぇやろ? としか思わない。
死ねば止まるだろうから、出来るならそうすりゃいい。俺が言えるのはそんぐらいだった。
飼い主:色々面倒臭くなってゲロった。作者としてはこの展開は考えて無かった筈なんだけど「コイツならやるやろなぁ」と思ってしまったのが良くなかった感。
ロージィ:やりやがった!ご主人ついにやりやがった!!な心境。地獄でも何処でもついてくので責任は取ってもらう所存。
シェンホア:何それ知らん怖……が半分、この場面でそんな気遣いするぐらいなら最後まで面倒見るよろしが半分。想像以上の大悪党だったご主人サマにドン引きより困惑と言うかノリで生きるの控えるがよいなと思ってる。
ガルシア君;強いお兄さんとお姉さんが大悪党だった事がショック過ぎて、実家に帰ってからしばらくは寝小便する毎日が続いた。嘘です。
ラグーンの面々:ドン引き。ロックは画面越しに観た顔を直視した事でSAN値がゴリゴリ削られた。
バラライカさん:堅気の世界にいた時の方がよっぽど悪人顔やんけと思ってる。それにしても誰もがドン引く悪人顔ってどんな顔なんだろう……。
次回更新予定は08/15になります。