さあ、ついに上弦登場です!
第1節:間に合え(村上視点)
放り出された乗客を無事受け止めたが、車両からはすっかり置いていかれた。
(彼女もしばらく目を覚まさないだろう。こんな場所に置いていくのも危険だ。おぶっていくか)
オレは正面には盾を、背中には女性を、落ちないように紐で固定する。
「さて、間に合ってくれよ」
◇
第2節:到着(村上視点)
思ったより早く着いた。
車両が横転しているせいか。
女性はついさっき目を覚ましたため、車両から離れた場所で休ませている。
近くを見渡すと、我妻と竈門妹、その他数名が横たわっており、彼らを嘴平が救助しようとしていた。
(・・・眠り鬼はやられたようだな。まずは乗客と隊員の安全確保・・・それが終わったらすぐに・・・)
オレは、車両から少し離れた場所を見る。
(煉獄さんと互角以上に戦うあの鬼・・・おそらく上弦・・・)
◇
第3節:猗窩座(煉獄視点)
「今まで殺してきた柱たちに、炎はいなかったな。そして俺の誘いに頷く者もいなかった。なぜだろうな?同じく武を極める者として理解しかねる。選ばれた者しか鬼になれないというのに。」
上空へと飛んだ鬼──────猗窩座はそのまま空中で構えをとった。
「素晴らしき才能を持つ者が醜く衰えてゆく!俺はつらい!耐えられない。死んでくれ杏寿郎。若く強いまま!」
その言葉の後、猗窩座は勢いよく拳を突き出した。
(──────何かが来る。)
炎の呼吸・肆ノ型──────盛炎のうねり
自身を中心に、渦巻く太刀筋。
刀身には強い衝撃が伝わった。
(虚空を拳で打つと打撃がこちらまで来る。一瞬にも満たない速度。このまま距離をとって戦われると頸を斬るのは厄介だ。ならば──────近づくまで!)
鬼との距離を一気に詰め、刀を振るう。
すると鬼は、さらに密度の高い打撃で応戦してきた。
「この素晴らしい反応速度!この素晴らしい剣技も!失われていくのだ杏寿郎!悲しくはないのか!」
「誰もがそうだ!人間なら!当然のことだ!」
そう、それが人間の儚さ、美しさだ。
「動くな!傷が開いたら致命傷になるぞ!待機命令!!」
背後に横たわっていた竈門少年は、実力が不足していると分かっていても、戦いに参加しようとするか。
その心意気は感心する。
だが。
俺は、ここにいる誰一人死なせるつもりはない。
「弱者に構うな杏寿郎!全力を出せ!俺に集中しろ!」
猗窩座の攻撃速度が、さらに速くなる。
このまま戦っていては、体力の問題から鬼が有利だ。
人間は消耗する。
ここはもっと攻めねば──────
「炎の呼吸・伍ノ型──────」
「破壊殺──────」
来る。
猗窩座の強力な打撃が。
「──────乱式!」
「──────炎虎!」