村上鋼と影浦雅人は鬼を狩る   作:白澄星火

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第12話:間に合った

第1節:強さの意味(村上視点)

 

『もしみんなに危機が訪れた時、"鋼が強くてよかった"って言うと思うよ』

 

・・・

 

(・・・夢・・・か)

 

列車の影で、乗客と共に仮眠をとっていたオレは、ふと目を覚ました。

 

「・・・行くか」

 

 

第2節:上弦の力・柱の力(炭治郎視点)

 

村上さんが去り、煉獄さんは猗窩座と一対一で戦っている。

 

煉獄さんは強い。

 

でも。

少しずつ、確実に消耗している。

 

最初は額を切られ、次はわき腹に指を突き立てられ、そしててついに片目を抉られた。

 

しかし未だ衰えぬ太刀筋。

 

「炎の呼吸・壱ノ型──────不知火」

 

もはや執念が煉獄さんを動かし、鬼を袈裟斬りにしてみせた。

 

だが。

飛び退き、煉獄さんと距離をとった猗窩座は、平然と佇む。

 

「死ぬな杏寿郎」

 

傷を回復させながら、猗窩座は鬼への勧誘を続けた。

 

対する煉獄さんは何も答えない。

肩で息をし、至る箇所から血を流す姿は痛ましかった。

 

(煉獄さん・・・煉獄さん・・・煉獄さん・・・)

 

「生身を削る思いで戦ったとしても全部無駄なんだよ杏寿郎。お前が俺に喰らわせた素晴らしい斬撃も既に完治してしまった。だがお前はどうだ。潰れた左目、砕けた肋骨、傷ついた内臓。もう取返しがつかない。鬼であれば瞬きする間に治る。そんなもの鬼ならばかすり傷だ。どう足掻いても人間では鬼に勝てない」

 

そう言い張る猗窩座。

 

だが俺はそれを否定するためにも、そして煉獄さんを死なせないためにも、動かないと・・・でも・・・

 

(手足に力が入らない。傷のせいもあるだろうがヒノカミ神楽を使うとこうなる。助けに入りたいのに・・・!)

 

俺は、自身の不甲斐なさに打ちひしがれていた。

そんな時。

 

「竈門、嘴平。待たせた。そして、悪いが竈門。日輪刀を貸してくれ」

 

「・・・村上さん・・・!」

 

炎はまだ、消えてはいなかった。

 

 

第3節:間に合った(村上視点)

 

オレは竈門の日輪刀を手に取り、すぐに煉獄さんの元へ駆けつけた。

 

「・・・煉獄さん・・・すみません」

 

・・・オレのせいだ。

一人で戦わせたから、こんなことに。

 

戦いの最中だというのに、ずしりと心が沈む。

しかし、オレの心中を慮ってか、煉獄さんは微笑みながら

 

「何も気にすることはない。待っていたぞ村上」

 

「・・・はい!」

 

心が少し軽くなった。

そしてなぜか、煉獄さんの姿が来馬さんと重なって見えた。

 

オレは目を拭い、まっすぐ猗窩座を見る。

 

上弦の参──────猗窩座。

当然だが、まったく疲労の様子が無い。

 

なんなら、その表情は、少し嬉しそうですらあった。

 

「やっと戻ってきたか、鋼!さあ続けよう!戦いの続きを!」

 

猗窩座はそう言った後、両方の拳を後ろに引き──────

 

「術式展開・破壊殺──────」

 

とてつもない殺気。

これから、大技が来るのが嫌でも分かった。

 

対するオレは、盾を右手に構え、防御偏重の姿勢をとる。

隣の煉獄さんはというと──────

 

(──────!・・・熱さを感じるほどの気迫。そうか、煉獄さんも・・・)

 

「炎の呼吸・奥義──────」

 

煉獄さんの構えを見た瞬間。

オレはとっさに、盾と日輪刀の持ち手を交換した。

 

そして。

 

「弧の呼吸・壱ノ型──────」

 

「滅式!」「煉獄!」「旋空!」

 

三者の攻撃が交差する。

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