第1節:再戦!村上&煉獄 対 猗窩座
猗窩座が繰り出した滅式を、煉獄さんとオレの二人で迎え撃つ。
力と力の衝突。
瞬間、とてつもない衝撃が刀を握る右手に伝わってくる。
(なんて力だ・・・だが、二人でなら・・・)
拮抗状態から脱するため、オレと煉獄さんはそれぞれ、猗窩座の拳を受け流す。
と同時に、オレは左手に持つ盾を勢いよく押し付けた。
一瞬、猗窩座がひるむ。
その隙を狙って、煉獄さんが頸を狙い、横一文字を描いた。
しかし、首を傾け回避する猗窩座。
それだけではない。
同時に、煉獄さんの腹部へ拳を突き出す。
だがそれを、オレが猗窩座の腕を斬り落とすことで防ぐ。
ここまでで、およそ1秒。
オレの強化睡眠記憶で、猗窩座の動きを学習していなければ、このような戦いなどできていなかっただろう。
さらにオレは、煉獄さんと違い軽傷だ。
だから。
「煉獄さん。オレが前衛を務めます」
「うむ、分かった!」
煉獄さんが頷くと同時に、オレは前に出た。
今度は右手に盾、左手に日輪刀だ。
対する猗窩座は、上体を傾けると──────
「破壊殺・脚式──────流閃群光」
辛うじて目で追えるほどの速度で、四発の蹴りが放たれる。
それをオレは、盾を斜めに構えることで威力を逃がす。
そして、煉獄さんはというと、猗窩座の背後にまわっていた。
(・・・今度こそ・・・行けるか・・・?)
煉獄さんが再び猗窩座の頸を狙って刃を振るう。
しかし、猗窩座は後ろに目がついているとでも言わんばかりにそれを避け、振り向きざまに裏拳打ちを放った。
チッ、と鋭い音がする。
すると、煉獄さんの右目から額にかけて、血が噴き出した。
「煉獄さん!」
「俺に構うな村上!」
煉獄さんはそう言った後、一旦猗窩座から距離をとった。
(良かった、あれだけ動けるのであれば、骨や脳までは届いていない・・・)
命に別状が無いことに、胸を撫でおろす。
それと同時に。
(磁石のような正確な攻撃、そして、背後や死角からの攻撃にも反応する・・・血鬼術なのか?)
猗窩座の攻撃が来る合間に、思考を巡らせた。
その時だった。
山間から、眩い光が顔を覗かせた。
(・・・夜明け・・・まずい、鬼が逃げる・・・!)
そう思った時には、すでに猗窩座は雑木林へと走っていた。
その後を、オレと炭治郎が共に追いかける。
炭治郎の手にはオレが折ってしまった日輪刀が握られており、今まさにそれを投げようと大きく振りかぶっていた。
(もう距離も開いてしまった。本当に当たるのか?)
・・・前言撤回。見事な投擲だ。
そのまま猗窩座の胸を、折れた日輪刀が貫く。
「逃げるな卑怯者!逃げるなァ!」
炭治郎が、鬼の背中に向かってそう言い放つ。
一瞬振り向いた鬼は、恐ろしい形相を浮かべていた。
だがこちらに何も危害は加えてこない。
鬼は陽光から逃げ続け、ついに暗闇へ消えて行った。