第1節:緊急柱合会議②
◆絶賛柱合会議中◆
「なるほど、つまり、俺の継子である影浦を、稽古中はずっと借りておく、と?」
ギロリ、と伊黒の両の瞳が村上を睨め付けた。
対する村上はというと、表情一つ変わることなく、堂々と。
「そういうことになりますね」
そう答えた。
すると、横から不死川が口を挟む。
「まァいいんじゃねぇのか?伊黒さん。影浦の実力はアンタが一番知ってんだろ?他の隊士とは別の稽古内容で問題ないだろ」
「そういう問題ではない。俺は、柱である村上が俺たちと違い一般隊士の稽古をせずに、その時間をほぼ全て自身の鍛錬に充てることに、文句を言いたいのだ」
つまり、不公平だ、ということだろう。
そう言われてしまえば、誰も返す言葉もない。
しかし、柱の中では産屋敷家当主・産屋敷耀哉と最も近しい間柄の、悲鳴嶼だけは例外だった。
「それはお館様から了承を得ている。さらに言えば、竈門炭治郎も半分以上の柱稽古を免除する意向だ」
「なぜ竈門の名前が出てくる?」
伊黒の表情が、さらに険しくなる。
すると村上が再び口を開いた。
「それはオレから話します。まず、竈門が使用する呼吸、ヒノカミ神楽、そして、"透き通る世界"について──────」
◆事情説明中◆
「柱から鬼殺隊員への稽古について、計画の内容は大体これで詰められたと思います」
議事録をあらかた書き終えたしのぶは、一旦筆を置いた。
二つ隣に座る不死川は、姿勢を崩したまま、議論を仕上げに持っていく。
「期間と、それを始める日付だが・・・」
「三日後から始めるとしよう」
悲鳴嶼からすぐに返答があった。
それに対して、しのぶが驚く。
「そんなに早くできますか?」
「時は一刻を争う。今後鬼辻無惨がどのような動きをしてくるか分からない今、出来る準備は全てやっておきたい」
「今後、鬼の活動がさらに活発になれば、俺たち柱だけでは手が回らないだろうからな」
伊黒が便乗する。
しのぶはというと、さらに疑問を投げかけた。
「でも、訓練している間、鬼たちは大丈夫なんでしょうか?
「鬼は、竈門禰豆子を捕獲することに集中すると想定される。実際に刀鍛冶の里の一件以降、鬼の出没は大きく減少した。それであれば、これまでは柱が継子以外に稽古をつけることは多忙ゆえ難しかったが、短期間に絞り、鬼殺隊全体の底上げに全力を注ぐ機会とする。これは重要な急務である。重要、そう考えるゆえ、私は柱稽古を提案した」
「悲鳴嶼さん、くどくど言われるまでもねぇよ」
不死川が賛同する。
それに続いて、柱がそれぞれうなずいた。
「私も了解です」
「俺も異論はない」
「僕も」
「私も大丈夫です」
「オレも賛成です」