村上鋼と影浦雅人は鬼を狩る   作:白澄星火

22 / 38
第21話:再戦!竈門炭治郎 対 影浦雅人

第1節:再戦!竈門炭治郎 対 影浦雅人(炭治郎視点)

 

お互い木刀を構え、向かい合う。

 

(一撃で終わりだ。少なくとも今日は、やり直しがきかない)

 

だからこれは、実戦により近いということ。

 

俺は影浦さんとの距離を詰め、木刀を振るう。

だがそれを、容易く躱される。

 

さらに間髪入れず、鋭い突きが繰り出され、俺の顔の横を掠めた。

 

(これを、本物の刃物だと思え、当たったら死ぬ、当たったら死ぬ)

 

神経を研ぎ澄ます。

 

それにしても、なんて変則的な太刀筋なのだろう。

最初はわけもわからずやられていた。

だが、こうして何日も間近で見ていれば少しずつ読めるようになってくる。

 

俺の攻撃と影浦さんの攻撃の、応酬が続いた。

お互い回避するため、風を切る音と砂利を踏む音だけが中庭に響いた。

 

(昔、父さんが見せてくれたあの動き・・・ありがたいことに、柱の皆さんが再現してくれて、見取り稽古をしてくれた・・・だから、無駄にはしない)

 

『絶対に諦めるな。考え続けることだ。どんな壁もいつか打ち破る。弛まぬ努力で』

 

(父さん、分かってる。俺はこの稽古で影浦さんに一撃入れるよ。前までは無理だったけど、今の俺だったら出来る・・・!だから今は、不要な感覚はそぎ落とす・・・!)

 

だがそのためには、集中する時間が少しでも欲しい。

俺は一旦、影浦さんと距離をとるために後ろ飛びのいた。

 

しかし次の瞬間。

 

「俺を眠らせるんじゃなかったのか?」

 

真後ろから、影浦さんの声が聞こえた。

 

地面に足がつく。

そして、その方向へ振り向く前に。

俺の胴体へと、木刀が叩き付けられようとしていた。

 

それを、回転を伴いつつ真上に飛んで回避し、

 

(ヒノカミ神楽──────斜陽転身)

 

ついに。

影浦さんの肩へ、一太刀浴びせることができた。

 

 

第2節:稽古の後(村上視点)

 

「・・・ケッ!お前の勝ちだ。竈門。つーわけで、俺は今から寝る」

 

「・・・!ハイ!おやすみなさい!影浦さん!それと、ありがとうございました!」

 

竈門は深々と礼をする。

対するカゲは、ひらひらと手を振り、盾屋敷を後にした。

 

たった一度とはいえ、カゲは自分の後輩に負けた。

にもかかわらず、アイツは嬉しそうだった。

 

カゲを見送った後、オレは竈門の方へ視線を向ける。

 

すると。

ぐったりと、地面に寝そべっていた竈門が目に入る。

 

それを見た甘露寺は、急いで駆け寄る。

 

「大丈夫!?炭治郎くん!今寝室に連れて行ってあげるからね!いや、しのぶちゃんのところが良いのかしら!?」

 

「いや、いいよ。オレが運んでいく。単に疲れただけだろう。それと、そうだな・・・今日はここで終わりにしておこう。休むことも大事だしな。甘露寺もゆっくり休んでくれ」

 

「そうね・・・みんな頑張りすぎだわ。影浦くんも、どこか疲れてた様子だったし・・・じゃあお言葉に甘えて、今日はゆっくり休むわね。おやすみなさい!村上くん、炭治郎くん!それと、煉獄さ~ん!」

 

甘露寺はそう言って、ニコニコと太陽のような笑みを浮かべその場を後にした。

俺も彼女に、おやすみ、と返して見送った後、縁側へ身体を向ける。

 

そこには煉獄さんがいた。

オレは、近くまで歩いていき、炭治郎の身体を隠へと手渡す。

 

そして、軽くお辞儀をした後、口を開いた。

 

「おひさしぶりです。それと、ありがとうございました。お陰で竈門も・・・」

 

と、言いかけた時。

煉獄さんが首を横に振った。

 

「そんな大層なことはしていない。竈門少年が、自分で成長しただけだ」

 

「うーん、そうですかね?」

 

「うむ!そうだ!」

 

煉獄さんはそう言って譲らなかった。

でも、オレも竈門も、あの夜のこの人の言葉が無ければ、ここまで強くはなっていなかった。

それだけは言える。

 

「あ、そうだ。煉獄さん。夜も遅いですし、今日は泊っていきませんか?」

 

「おお!それは良い提案だ!ぜひそうさせてもらおう!」

 

 

第3節:盾屋敷での稽古、終了(村上視点)

 

朝になった。

こんなに寝たのは、久しぶりだ。

俺は隊服に着替えると、いつも通り、隠が用意していた朝食をとる。

 

隣には竈門。

向かい側には煉獄さんが座っている。

 

(そうか・・・竈門は今日で出ていくのか・・・)

 

少し寂しい。

竈門は良い後輩だ。

居るだけでその場が明るくなる。

そんな奴だ。

 

なんなら、今に限れば煉獄さんもいるため、明るすぎるくらいだ。

 

・・・いや、本当に。

 

竈門と煉獄さんの談笑を耳にしながら、食事をとる。

 

そして、三人とも食べ終え、手を合わせた。

さて、もう行かないとだな。

最後に、これだけは言っておかなければ。

 

「よく頑張ったな、竈門」

 

オレがそう言うと、竈門は年相応な表情を浮かべ、笑った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。